五能線 のんびり派

 リゾートしらかみは3号の指定券を用意している。秋田の出発は11:05。二時間ある。まずはバスで駅前に出る。地方空港はクルマで乗り付けるのが基本であってリムジンバスは空いているのが相場だが、今日の秋田市内行きは結構乗っている。首都圏からやって来たお客さんが多い土曜日の午前だからかも知れない。バスは順調に市内へ入り込む。10時ちょっと前に秋田駅前に到着。ほとんどのお客さんが降りて車内が空になる。自分たちも駅前で降りるべきだが、一つ先、木内前まで脚を伸ばした。
 千秋公園のお堀を望む広小路。秋田で一番の繁華街だったのは昔の話。歯抜けも進んで往時を知るものに取っては寂しいを通り越し見たくもない光景が広がっている。それでも木内前までやって来たのは中土橋に寄りたかったから。

 そう、ババヘラを頂きに参りました。

 ¥200のババヘラ。こんなに盛りが良かったかなと思う。おばちゃんのすぐ横。つまり中土橋の真上、溶けるアイスと格闘する。

 美味しく頂いてさて、駅へと引き返し。お堀端、寂しくなった広小路をぶらぶら。蓮の花だけは変わらない。
 出発まではあと30分弱。駅の自由通路にもババヘラは進出していて、何も中土橋まで行く事はなかったようだが、時間もあるしまぁ、良い。
 指定券は用意しているが乗車券は手元にないので18きっぷを買っておく。今日は2枚使用。残り3枚だが、まぁ何とかなるだろう。ついで昼食用に駅弁も買っておく。リゾートしらかみは車内販売もあるそうだけど、種類の選べる駅構内で買っておく。ちょうど大館の鶏めしが大量入荷したところ。その中に一つだけ、限定版の¥1,100バージョン が混じっていたから確保する。

 20分前に改札から構内へ。地方の駅は列車の入線が早いからリゾートしらかみも既に入っているかと思ったが、まだ姿が無かった。乗客の姿もあまり見えない。
 中線にいた貨物列車が出て行く頃、福島側に列車の灯りが見えた。どうやらリゾートしらかみの入線。ゆっくりと近づいてくる。雑誌やネットではさんざん見てきた列車が現れる。

 リゾートしらかみのデビューは確か1997年の秋田新幹線の開業と同時。その後、何度か見かける機会はあったのだけど、一人では乗り辛い列車だし、そもそも指定券を取れる状況でも無かったからなかなか縁が無かった。
 こういう仕掛けはなかなか上手く行くものでは無く、いつの間にか列車自体が無くなってしまう事も多いけど、五能線の場合は順調なようで、3往復のリゾートしらかみが走るようになったのは素晴らしいことだ。
 13年目にして初めて乗るリゾートしらかみ弘前までの指定券を用意してきている。終着に着くのは16時ちょっと前。一緒に来た妻が飽きないか若干の心配はある。今のところ、内装の良さを誉めてくれている。これが指定券¥510で乗れる事にさらに驚いてくれる。まず、掴みはOKと言ったところ。