2023-11-24

 飛び石連休の中日、平日。今日は会社を休みにして妻共々、旅先で迎えている。日本国内を飛び出して久しぶりに台湾南部、高雄のホテル。時刻は6時を過ぎた所。日本時間なら7時であり、少々良く寝た、という事になる。
 今回の台湾旅行は慌ただしい。2泊3日の行程で2か所の都市に滞在するというもの。つまり、高雄滞在は今日までなのである。まだまだ宿題という名の食事処はいくらでも残っている。そのうちの2つを朝のうちに伺おうと思っている。ホテルの食事もあるけれど、それは隅に置いておいて、高雄の街に出る。
 歩いて少々。見慣れた街角に

 湯気が濛々と上がっている。高雄で朝食と言ったらここ、

 興隆居を訪問する。平日の7時半。普段の休日よりも行列は短く、ハードルはちょっと低め。色々と食べたい所だが、この後も控えているので、抑制気味に

 湯包と鹹豆漿を。妻は豆乳にしている。肉汁がこぼれそうになる湯包は安定の味、久しぶりの味に舌鼓を打つ。
 そしてもう一店、ここも外せない店へ。果貿来来豆漿へ。こちらも行列は長くない。湯包を買って2階のイートインスペースへ上がる。

 基本持ち帰りなのでビニール袋に入った湯包を

 頂く。こちらの方が味がしっかりしている感じを受ける。興隆居はジューシー系。どちらも水準はうんと越えている。
 湯包二個を頂いてホテルに戻る前、ちょっと街を歩く。朝食激戦区を北に歩くと同じような朝食店が何店かある。本当の地場の店があちこちに。こちらはそこまで並んでいない。

 中華圏ではよく見かける、木材で器用に組み立てた足場が気になり寄ってみるとその向こうには

 こちらも中華圏らしい派手派手な寺院。ちょっと前まで何か祭があったようで、その片付けが行われている様子。足場もその関係らしい。

 寺院の向かいは高層住宅が並んでいる。都会の高雄らしい光景とのコントラストが素晴らしい。
 もうちょっと歩くと川にあたる。

 何か大岡川を思い出す景色。後で調べたら幸福川という名前の運河らしい。
 そろそろホテルの方へ戻る。時刻は9時。まだホテルの朝食は盛業中。ちょっとだけ覗いてみる。

 粥と魯肉飯には手を出す。
 部屋に戻って荷物を作る。来る時はスーツケース1つで来ていたが、ここからは2つになる。実は、荷物が少ない来る時は、スーツケースの中にスーツケースを入れて、二人の荷物をまとめて来た。高雄からは昨晩の買い物も増えたので、スーツケース二つの本来の姿に戻す。
 高雄の滞在は今日まで。ホテルは12時まで滞在できる。その前にもう一つ、宿題を。10時過ぎにホテルを出る。少し歩く。途中、ATMで台湾ドルをおろしておく。この先も現金が必要な場面がありそうで、用意しておきたい。今回の両替は少々しくじった。数年の物価上昇を読み切れなかったらしい。
 さて愛河の方へ。その途中、


 こんなのあったっけ?と思う建物。労工博物館というらしい。

 反対側にクラシカルな建物。日治時代の建物が博物館になっているのかとも思ったが、現役の台湾銀行だった。

 愛河を渡り、川沿いの公園を南に下る。そうやって向かった先は高雄での宿題の一つ、港園牛肉麺。ここも前回、前々回と高雄に来た際には訪れている店。いつも混んでいる印象だが、今日は空いている。何しろ、平日金曜日のしかも、まだ11時台だ。注文。牛肉麺は汁有りと汁なしの一つずつにする。二人で食べ分ける事にした。店が空いているので

 すぐに出て来る。

 汁なしと

 汁あり。
 以前の記事を見ると、汁有りの方が美味しいと書いていたのだが、今回は汁なしの方が美味しく感じる。
 完食。昨日来、まだ24時間も経っていないが、高雄滞在のイベントはここまでである。ホテルのチェックアウト時間に間に合わせるべく、帰りは捷運でホテルまで戻り、荷物を括る。チェックアウトすると荷物を引っ張り、美麗島の駅まで。捷運で1駅、高雄車站まで向かう。ここで乗り換え。そう、乗り換え。
 捷運の構内から外へ出る。途中

 何か訳の分からない日本語店名の店がある。メイド火鍋店らしいけど。
 エスカレータで上に上がるとそこは地下化した台鐵高雄車站。

 ここはコロナ前にも一度見ている、か。でも地下化した駅から列車に乗るのは初めてだと思う。
 改札口へ向かう。

 南下の列車に新自強431列車なんて表示が見える。南廻で樹林ゆき。高雄と台北花蓮経由で結ぶ列車があるんだ。大いに惹かれるところだが、今日は別の列車に乗る。北行のホームへ向かう。
 列車の時間まで少々間がある。その間、高雄の地下駅を少々、見分。

 最近はホームドアがない、すっきりとしたホームは珍しくなった。台鐵も運転本数はそれなりにあるが、通勤型電車、優等列車に加え、少数ながら客車列車も残っていて、ホームドアが構成しづらいからかも知れない。

 構内には高雄市内の路線図が掲示されている。高鐵乗り換えの新左営まで、捷運とライバル関係にあるように見える。高鐵で左営まで来ると、ついつい捷運に脚が向くけど。
 間もなくこれから乗る列車がやって来る。

 京成スカイライナーを思わせる流線形の車体が高雄車站へとやって来た。この車両はEMU3000。コロナ禍中の2021年に登場した新鋭車である。

 列車は372次。台東を10:17に出発、高雄を経由し台中15:11に到着する列車となる。種別としては最上位の自強扱いだが、従来のPP自強と区別するためか、新自強と表記されている。
 今日は商務車を予約している。車内、2-1列で座席が並んでいる。ほぼ満席。2列席を並びで予約しておいた。ネット予約して昨日、左営到着後に台鐵の窓口で切符を引き換えておいたのだが、

 切符は4枚。うち2枚は座席指定券。もう一つは車内サービスの引換券となる。

 こんなメニューもあるのだけど、基本的には事前に指定したメニューの中から引き換えとなる、と理解している。
 列車が高雄市内の地下区間を行く間に係員が廻って来る。基本的に軽食と飲料の組み合わせ。

 渡されたのはペットボトルの水とパイナップルケーキの組み合わせ。それとアップルジュース。残りもう一つは新左営で積み込むそうで、その後の引き渡しだそうだ。
 地上に出て新左営到着。駅名は違うが高鐵左営との接続駅になる。ここで乗務員が交代した様子。
 新左営を出発する。隣を高鐵、南港ゆきの高速列車がゆっくりと出発するのを追い越して加速する。高鐵の線路と分かれる頃

 別の乗務員が新左営積み込みらしいハーゲンダッツを持ってきてくれる。商務席のサービス品が揃う。
 なんだけど、今日は高雄乗車前に買ったこちらを頂く。

 台湾麦酒のクラシック。それにつまみとして

 朝の果貿来来豆漿で買って持ち歩いていた蛋餅を合わせて。朝食店のメニューでビールを飲める幸せをゆったりとした座席で頂く。
 列車は高雄郊外を走る。以前訪れた事が有る台湾製糖の工場と五分車の線路が車窓を流れる。

 高雄郊外、さすがに街は途切れて田園地帯が流れる。妻は列車の揺れが気になるそうだ。高鐵と比較されると台鐵も可哀想だが、確かに揺れる。
 列車の速度が緩む。

 見覚えがある建物が現れて、台南に到着。魅力的な街だが、今日の目的地ではない。今日はさらに北、台中まで乗り通す。台南から2時間弱。日本から持ってきた小説を読みつつ台鐵の旅を楽しむ。窓外には太陽が降り注ぎ暖かそうな南国の島。
 高雄へ来る時の高鐵は郊外をずっと走り続けたが、台鐵は街中に駅を構える。嘉儀では嘉儀の街と共に阿里山森林鉄道のか細い線路を眺める。ここに乗らない限り、台湾の鉄道全線完乗は達成できないのだが、どうしたものか。
 台南を出ても空いた席が埋まり満席が続いた新自強の商務車。いつの間にか降りる人の代わりに乗って来る人がいなくなり、空席が目立つようになる。折角なのでお手洗いに立ったついでに


 車内を撮ってみる。2-1列に並ぶ商務車。日本製だけあって、ほぼほぼグリーン車だ。
 彰化の扇形車庫が車窓を流れる。海岸線が分かれてゆくと台中へのラストスパート。高鐵接続の新鳥日は通過して高架に上がる。台中の街並みを横目に見て見慣れぬ高架の台中駅へと滑り込む。15:11、定刻の到着。

 待避線らしい隅っこに入った列車から多数のお客さんが降りてゆく。そこに残された列車を最後、少々、眺めてみる。

 先頭に回り込み京成顔、ではないのだろうけど、改めてEMU3000の先頭を眺める。するとドアが閉まり、パンタグラフが降ろされた。折り返しは17:45台中始発、385次、自強号台東ゆきとなる。
 2時間前に高雄で電車に乗った時にはTシャツ1枚で全く問題なかったが、台中まで来てみるとTシャツ1枚ではうすら寒い。1枚、上に羽織りたくなる。
 改札を出て台中の街へ。台中は2度訪れた事が有るが、しっかりと歩いたことは無い。で、その前の訪問時からの大きな違いは降り立った駅。当時は台鐵の駅、地上駅だったが、暫く見ない間に、高架化されている。台中車站、日治時代の建物で非常に雰囲気がある駅だった。その駅舎は高架化された後も残されている。それどころか、

 地上時代のホームが残され、線路も残っている。さらには

 線路上には見覚えがある気動車の姿。DR2700型である。小田急顔の気動車は日本製のもの。自強よりもはるかに先輩として台北-高雄を結んだ高速列車の前身のさらに前身である。見覚えがあるのは引退直前の2014年、

 東部幹線で最後の活躍をするDR2700型に辛うじて乗れたから。

 反対側はオリジナルの無塗装で台中の旧地上ホームに佇んでいる。

 解説も立派なものが作られている。

 こちらはEMU100型。イギリス製の初代自強号。この車両には現役時代、縁は無かった。初めてお目にかかる。
 西部幹線の歴史を彩って来た車両が残る地上線時代の台中車站。

 改札も当時のままで残り、

 重厚な駅舎も当時のまま残っている。
 さて、今日は台中宿泊。駅近くのホテルを予約している。時刻は15時半過ぎ。チェックインできる時間だが、まだ部屋が整っていないとの事。準備が出来たら連絡を貰えるそうで、ちょっとの間、目的地の一つへ足を伸ばす。駅から少々、歩いたところにある宮原眼科へ。病院のような名前だが、、もちろんそんな訳は無く

 日治時代、宮原眼科として開業していた建物をリノベーションした菓子店である。こちらで土産物用に定番のパイナップルケーキやら何やらを買い求める。
 買い物の前にホテルから電話があり、部屋の準備が出来たとの事。改めてチェックイン。荷物は部屋に運ばれており、身一つで部屋に入る。先程買い求めた土産物を仕舞い、改めて台中の街へ。台中自体は二人で1度、寄り道をして宮原眼科には行っており、

 また、台鐵乗りつぶしの過程で1度、一人で泊ったことはあるけど、街をちゃんと見た事はない。日本から持ってきた長袖を1枚羽織って街に出る。

 駅の近く、リノベーションした建物と手を加えられていない古びた建物が並んでいる。台中の中心市街地は台中車站よりも西側に行った所らしい。台中に開業した捷運も高鐵台中、台鐵新鳥日から台中車站には寄らずに西側に広がる中心市街地へと延びている。
 初めての台中で我が家に大きな爪痕を残した店が気になり、行ってみる。

 れいこのど自慢会。

 この看板を見たのは2014年の事だった。それから9年、コロナ禍を乗り越え健在だった。営業は夕方かららしい。あったあったと写真を撮っていると、店の前に並んだ椅子で談笑していたおばちゃん達が寄っていきなよと言う感じで声をかけて来る。どうやら経営者だったようだ。台湾でカラオケを歌うつもりは妻共々に全く無かったので、店に入る事は無かったけど。
 もう少し歩いて台中公園の手前へ。その途中、

 何気ない街中に防空避難のサイン。同じものは高雄でも見かけた。コロナ禍前には見た事が無いサインだ。大陸に圧迫され、緊張滾る台湾を身に染みて感じる事になる。
 薄暗くなる頃、妻が下調べしていた菓子店に着く。ここは初めての訪問。

 まるでお屋敷のお庭みたいな佇まい。でも入口にはソフトクリームの看板が見えて、その正体が知れる。
 宮原眼科は賑やかだったが、こちらはこの時間、お客さんは見えない。並ぶことなく店の人に構って貰えて

 ソフトクリームを頂く事になる。昨日、高雄ではマンゴーかき氷に振られたが、二連敗は避ける事が出来た。
 ソフトクリームを頂き、店を出る。店員さんの姿が見えないな、と思ったら、店の前の庭で水を撒いていた。
 さて、もう少し歩く。今度は台中の中心市街の方まで。バスを捕まえる。17時を過ぎて帰宅時間帯になった台中の街。道もバスも混んでいる。百貨店なんかも建つような繁華街を行く。
 30分以上掛かっただろうか。すっかり暗くなった街に降りる。

 バスは動き出したが、すぐに渋滞に巻き込まれている。そのバスを追い越して歩いて少々。捷運の高架線が現れ、その高架線沿いに歩く。まもなく目的地。今度も

 お菓子屋さん。台湾土産で時々買う糖村のミルクヌガー

 そちらの本店に来た。18時を過ぎてさすがに店内は空いている。日本語を話せる店員が相手をしてくれる。幾つかお買い上げ。
 ホテルに戻る。来た道を歩くと途中、気になる店が。

 全家、ファミリーマートの事だけど、台湾では青地の看板、なのではなく台湾でもファミマは緑地。このファミリーマートはカフェ側に振った実験店、らしい。
 ホテルに戻るためにバスを捕まえる。台中車站を経由するバスを見かけたので乗り込む。来る時と別の道を通る。こちらにも百貨店が建っている。台中の街は意外と大きい。
 さて夕食。今日も熱炒を志す。車站近くで探して、適当な店に赴く。車站の反対側へ。

 旧台中車站駅舎がライトアップされていて、まるで生きている駅。

 改札口の向こうにEMU100が停まっていて、本当に生きている駅のように見えて、発着案内が消えているからやっぱり死んだ駅と分かる。

 ステンレスの車体が鈍く光るDR2700型も見てから駅の反対側。路地に入ったところすぐにある熱炒店へ。

 昨日とだいぶ雰囲気が違う店。金曜日だが先客はいない。メニューを見て店内に一人いる女性店員に注文する形式。これも昨日とだいぶ違う。同じジャンヌの店とは思えない。とても熱炒とは思えないが、注文のやり取りで厨房から年配の調理人が出て来て、

 台湾ビールを頂き、料理を待つ。ここは昨日と同じ選択。
 注文した料理が順々に運ばれてくる。


 料理の雰囲気、だいぶ違う。台湾料理の筈だが、だいぶ欧州に寄せた感がある。

 焼きそばのつもりで注文した一品からも欧州の風が吹いてくる。

 烏賊の炒め物もセロリと合わさると中華料理という感じからは離れる。

 スープは中華の感じがある。
 一風変わった感じだったが、美味しく頂けた。以前、台中で食うに困った自分に伝えたい。熱炒は美味しくて夜遅くまでやっているよ、と。
 車站にあるコンビニでビールを買い求め、ホテルの部屋に戻る。続きはホテルで、なんだけど

 ブラックフライデー黒ラベル、なんて呟きを伝え聞いたもので見習う。日本製造の輸出対応品は海を渡ったと思えない普通に美味しい黒ラベルを台中で。

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