2023-11-23

 目覚ましが鳴る。時刻は4時。妻は既に起き出している。最後の荷造りと身支度。外は寒いがコートは春秋用の薄手の物に戻す。まだまだ暗い時間に妻共々家を出る。スーツケースは2人で一つ。膳所の駅まで行くと

 始発電車。暖房が効いた車内にひと心地。逢坂を越え、東山を越えると京都。八条口に赴く。普段なら伊丹空港行きのリムジンバスに乗りそうな雰囲気だが今日は

 関西空港ゆき。それにしても満席なのね。急ぐ人はJRのはるか利用を呼び掛けられている。予約無しで来た外国人に対し係員が片言の英語で特急はるかを案内していた。通じたのか外国人は駅へと向かう。

 間もなく5:50の関西空港ゆきが来る。
 八条口で乗ったのは7割ぐらい。満席じゃなかった?と思うが残りの席は高速京田辺で埋まる。
 明け行く街を見つつ第2京阪から阪和道へ。

 1時間20分ほどで大阪湾が見えてきて、関西国際空港到着となる。

 第一ターミナルで降りたのは半分ぐらいだろうか。意外と第2の利用客が多い事を知る。

 着いたのは国際線の出発階。今日は

 コロナ禍明けて初めて、関西から出国する。搭乗するのは

 関西発台北ゆき。JL8667便。8から始まる4桁が示す通り、臨時便となる。確か9月になってから設定される旨、発表があった。ちょうど11月23日からどこかに行こうと画策していた時期であり、即断した次第。この臨時便、なかなか曲者で色々あるのだか、その辺はおいおい。
 搭乗手続きを済ませると出国手続き。インバウンドがとんでもない事になっているのは京都で垣間見ているが、朝早い関西国際空港は、まだまだ大丈夫。何の滞りもなく出国完了となる。
 今日利用するJAL関空では南ウイングから出発する。南へは構内の新交通を使っての移動。あくまで空港内の移動手段なので鉄道路線の完乗対象ではないが気になる存在ではある。

 ひとまず待っていた電車で南ウイングの先端まで行く。途中の車窓からは


 国内線の機体が見える。関空の国内線搭乗口、だいぶ遠ざかったが、新交通の車内から実感することになる。
 南ウイングへ。

 台北ゆきの出発まで2時間半以上ある。

 さすがにまだ誰もいない。

 そして、ラウンジも7時30分からの営業。ちょっと間がある。もう10分か15分、後ろ倒しで良かった。
 ラウンジが開いて十数人の待ち客が中へ。ひとまず、ラウンジで朝ごはんにする。

 成田、羽田に比べると貧弱で愚痴の一つ二つも出て来る関西国際空港サクララウンジ。カレーが高名なJALオリジナルビーフカレーと違うとか、ビールの銘柄からサッポロだけが除け者になっているとか、文句を書き出すとキリがないのだか。一番心が折れたのはこれ。

 使いにくいなぁ

 オリーブもか、使いにくい、使いにくい。

 サラダも前に同じ。使いにくいよぅ

 あぁあぁ、使いにくい

 ああああぁぁ、、
 最後のドレッシングに心を折られた。
 左利きは世の中の1割を占めるという。最近はバリアフリーだの、なんとかフレンドリーだの、マイノリティーの事を考えてます、みたいなの、やたらと溢れているけど、左利きには冷たい。世の中に解決策がないのなら、諦めますが、お玉に関しては解決策、あるのよね。

 ラウンジは段々と混んでくる。9時を過ぎてから中国東方航空の上海ゆき、という案内。ついで、マレーシア航空のクアラルンプールゆき、という案内が続く。台北行きの搭乗開始は9:35。そろそろ移動する。

JL8667 JA823J B787-8 KIX→TPE

 ラウンジを出ると目の前に白い機体が見える。これは

 シンガポール航空だった。JALの機体はその隣。

 待っているのはJA823J。バンコクから深夜便でやって来て台北を往復したのち、再び深夜便でバンコクに向かう運用。でも関空-台北は週4回、月火木金の運航。残り3日は関空-上海に充当されるようだ。
 つまり、待望の関空からのJAL台湾線だが、土日の設定がないのである。

 今回の増便に関するプレスリリースを見ると

2. 訪日需要にお応えするため、成田=香港線・台北線を季節増便、関西=台北線を季節運航します。

 と記載があった。つまり、関西のお客さんを台湾に連れてゆくための便では無く、台湾のお客さんを関西に連れてゆくためのフライトであるようだ。台湾からのお客さん、金曜日に来日して月曜日に帰るとか、そんな日程が多いのだろうか。或いは、関空in羽田outとか、そんな周遊もあるのだろう。一方でアウトバウンドする自分たちからすると、木曜日に出発して日曜日に帰りたい所で、帰り道には困ってしまう。
 その帰り道はおいおいにして、搭乗開始。機内へ進む。今回は特典航空券で予約している。しかもビジネスクラス。臨時便設定直後だったので、割と空いていたのだ。とは言え順調に販売が進んだようで、今日のビジネスクラス。だいぶ席が埋まっている。
 担当乗務員が自己紹介を兼ねて食事の確認に来る。先任乗務員も挨拶に訪れるという感じでJALビジネスクラスっぽい時間が過ぎる。案内放送。乗務員紹介の後、台北までの飛行時間、2時間40分と伝えられる。経路上の天候は安定しているとの事。
 10:03、Door close。10:08、Push buck。

 地上係員に送られて、10:13、Taixing。飛行機は誘導路を南へと向かう。日本国内の関西国際空港だが、

 ベトナム航空が2機揃うとここはどこ?という気分にはなる。関西なんだけど。
 滑走路端までやって来ると滞りなく、滑走路内へ進入。一呼吸の後、一気に加速。10:19 Take off RWy06R。

 3時間以上前に渡った連絡橋を見下ろし、大阪湾岸を右手に見て飛行機は上昇する。左手へと旋回してゆくと

 神戸空港と神戸の街が見えて、さらに左に旋回。機首を南西に向けてさらに上昇してゆく。10:30、ベルト着用サイン消灯。

 窓外にはいつの間にか雲海が広がっている。
 機内サービスが始まる。

 久しぶりにしっかりとした布のおしぼりを機内で使う。コロナが明けても国内線ファーストクラスでは使い捨てのおしぼりだったと思うが、そちらも変わっただろうか。

 西に向かうにつれて雲が晴れて来る。四国の地を眼下に見下ろし飛行機は西に。間もなく食事の時間となる。先程、食べて来たばかりだが、時間的には昼食となる。


 3時間を切るフライトだが、和洋から一つ選べる台北線のビジネスクラス。羽田-ソウルだと簡易版になり、少々物足りないビジネスクラスになるが、3時間を越えると、それなりにそれなりに、の食事となる。
 自分は和食を頂く。

 和食で嬉しいのは、色々とおかずが揃う所。酒飲みのあてにはちょうどいい。

 メインは鰆の煮物。ビジネスクラス機内食になると上品な味わい。
 食事を大方頂く間に11時近くになる。

 窓外に高知の西側に広がるリアス式海岸が見えて来る。

 最後にアイスクリームを頂いて食事は終了。飲み物はコーヒーが順当なんだろうけど、アルコールを続行にする。モニタには二人そろって同じ映画を映しだし、久しぶりの国際線を楽しむ。
 12:30、降下を開始し、20分後にはベルト着用サインが点灯する旨の案内が入る。

 酔い覚ましに水を貰って着陸に備える。窓外には一面の海。少し降下の感触があって12:50、ベルト着用サインが点灯する。

 台湾の大地が見えて来る。雲が多少あるものの天候は良好。落ち着いた降下を続ける。穏やか過ぎて少し寝入る。衝撃で目が覚めると13:08、Landing、RWy32R。
 飛行機は誘導路へと入り、緩々と進むと13:13、Spot in SP D8。時計を1時間戻すと12:13となる。ほぼ定刻での到着。
 準備が整い降機する。L2のドアから降り、搭乗の途中から

 ここまで乗って来たJA823Jを写真に収める。
 入国手続きに赴く。ターミナルの中へと進むと

 繁体字連なる台湾の国。入国審査の大行列を覚悟してきたが、審査前に手分けして両替とSIM入手を済ませ、それほど長く無い行列に並んで入国審査を受けて、既に返却レーンのベルトから降ろされていた荷物を捕まえて、制限エリアの外に出る。
 両替は済んでおり、SIMも入手済み。空港でやるべき事はやった筈だが、もう一つ、今回やる事が残っている。それがこちら。

 漢字で書くと游台湾金福気、とあり、分かるような分からないような、そんな表示なんだけど、その趣旨、


 台湾を訪れた個人観光客を対象に、5,000NTDがあたる抽選をやりますよ、という企画。当たる気はしないけど、ダメ元で応募している。ちなみに妻は当たるつもりでいる。
 いざやってみると、妻は落選。自分は当選。

 受け取りの手続きをする。パスポートと帰りの航空券を所有している証明としてアプリの画面を見せて、それでOK。5,000NTDは悠遊カードの新品にチャージされた状態で渡される。

 先程両替した30,000円は6,000NTD程度だったから、5,000NTDチャージ済の悠遊カードは日本円で25,000円に相当する。結構な金額。3日間の滞在で合計11,000NTDあるなら、2人の滞在費としては十分だろう。
 さて、今日は更に移動する。桃園捷運に乗って向かうのは台北市内では無く、高鐵桃園駅。今日はこの後、高雄まで移動する。
 空港に着いてから高鐵に乗れるまで、どれだけ時間が掛かるか。ちょっと読めなかったので、高鐵の指定券は用意していない。

 着陸から1時間半で高鐵桃園。14:10という電車には乗れる時間である。ただ、この時間で指定券は売り切れ。滞在時間に限りもあるので、直近の電車、自由席に乗る事にした。

 自由席券は桃園から左営まで1,290NTD。先程当たった悠遊カードもあるので、両替したばかりの現金で払っておく。改札からホームへ。

 12両編成のうち、3両設定されている自由席車。その乗り場には少々の行列が伸びている。二人並んで座れるとは思っていないが、さて。
 到着の案内があって、間もなく

 電車がやって来る。結構な乗り具合。そして自由席車は、

 桃園到着時点で既に満席だった。こんな通路に立つ新幹線、東海道新幹線でも早々経験していない。
 645列車は台北の一つ東、南港を13:35に出てここまで各駅に停まって来た電車。この先、新竹、台中、嘉儀、台南に停まり、高雄側の終着、左営には15:45に着く。通路までぎっしり、という感じの電車。揺れが無いのは幸いで立っていても辛くはないが、このまま15;45の左営まで乗るのは辛い。幸い、速度が緩んで停車した新竹で少々下車。空席が出来て、妻を座らせる。更に桃園から36分、台中で結構な下車があって、二人並んで座る事が出来る。
 台中から左営まで残り1時間。通過駅も多くなり、300km/h走行が続く。薄ぼんやりとして過ごす間に、台南停車。台南と言ってもうんと郊外なので、窓外を見ても台南の街を思い起こすものは目に入らない。
 再びの加速。少々うとうとする間に、終着左営に到着となる。時刻は15:45。


 外に出ると桃園よりも暖かな空気に包まれる。コートはいらないし、何なら一枚脱ぎたいぐらいの陽気。
 自由席で頑張ったので16時前に高雄到着となった。今日は高雄泊。地下鉄で高雄市内、美麗島から少々歩いたところにあるホテルまで移動する。その前にちょっと寄り道。

 地下鉄に乗って、地下鉄を降りて、見覚えのある街を少々歩く。前に行った事が何度かある芒果好忙へ。

 なんだけど、詰めが甘かった。

 シャッターを下ろし、公休の文字。

 2019年に行ったのが最後、コロナのリベンジは果たせず。高雄に来て色々とコロナの間に溜めた宿題がそのまま残ってしまう。
 高雄最初の宿題は失意のまま未完。来た道をスーツケース一つ引っ張り、地下鉄の駅に戻る。再びの地下鉄で今度は美麗島まで。主要駅の美麗島。中国語、台湾語客家語、英語、日本語で駅名が告げられる。その駅で下車。

 世界の美しい駅、でも名が出て来る美麗島のステンドグラスを見て、外に出る。そろそろ夕方の気配が漂い始める高雄の街。見覚えのある通りを進み、前に泊った事があるホテルへ投宿する。荷物を置いて、さて再び外へ。

 夜の帳が降り始めた高雄の街。今回は滞在が短く、その割に食べたいものが多いから、大いに迷ったところだが、行くところは既に決めている。再び地下鉄で1駅。塩埕埔の駅で降りる。ここから少々歩く。途中、コンビニで台湾ビールを予め手に入れておく。コンビニでは悠遊カードが使えるので5,000NTDのうちの少々はビールに化ける。
 路地に入って少々。

 テーブルがあって、ここが実は小籠包の店。

 店というより屋台という感じで、我が家ではこの店の事を「野良小籠包」と呼んでいる。
 注文は小籠包二つ。

 生姜の入った小皿を出され、待つ事しばらく。まずは

 小籠包の籠が1つ。ついで

 もう一つ。値段はコロナ前から少々上がって75NTD。それでも十分、十二分に安い。一つ頂く。じゅわっと肉汁が口の中に溢れる。台湾ビールも一口。高雄に帰って来たなぁと心から思う。
 1籠9個、合計18個の小籠包を二人でいただき、支払いを済ませる。コロナを乗り越えられれば良いけど、と遠くから案じていた店の無事を確認できて嬉しい。さて次。港の方へと向かうと、倉庫街をリノベーションしたエリアになる。その中にある

 日本でも日本橋で一度行った事がある誠品生活。

 こちらで本を探す。目的の本はすぐに見つかる。


 地元、膳所が舞台となった小説。こちらの翻訳版が台湾で発行されたそうで、ついつい探してしまった。そして買って膳所に連れて帰る事にする。
 折角なのでそのほか、ちょっと見て回る。台鐡の高雄地下化を記録した書籍が並んでいる。発行元は高雄歴史博物館。日本だったら博物館のショップでしか売っていないだろう書籍だが、折角なのでこちらもお買い上げ。
 誠品生活では悠遊カードが使えず、クレジットカード決済にする。多少荷物が重たくなったが、もう少し、妻がドラッグストアに寄り道する。その間に外で少々。

 芸術特区、という扱いだからかコンテナを使ったモニュメントがライトアップされている。ロゴブロックならどうと思わないが、海上コンテナを組み合わせたものだから、相当に大きく、存在感がある。



 コンテナオブジェの脇はトラムの線路。元々臨港線が通っていたところである。コロナ禍を経て、高雄の軽軌は延伸している。最終的には環状線になるけど、ほぼ3/4周が出来上がっている。新規区間、今回は乗れないけど。
 ドラッグストアでは悠遊カードが使える。だいぶ荷物が増えたので一旦ホテルに戻ると19時半になる。この後は足つぼマッサージを受けに行く。こちらも高雄では何度か行っている店があり、その生存確認に赴く。六合夜市からほど近いマッサージ店。コロナ前と同じく盛業中であった。時間帯が早いせいか待機するマッサージ師は心なしか少な目。
 足つぼマッサージは40分600NTD。日本でなかなか受ける機会が無いので、数年ぶりだと思う。腕の良さそうなマッサージ師は妻の所についた。自分の方はおばちゃん。大丈夫かと思ったけど、やって貰うとそれなりに効き目はあるように思え、なおかつ、終わった後で靴を履いてみると浮腫みが取れたのか、靴が心なしか大きく思える。
 コロナを挟んで久しぶりのマッサージ店で忘れていたことが一つ。ここの店、現金しか使えないのだった。悠遊カードはもちろん、クレジットカードも切れない。思ったよりも現金を使う機会が多く、両替した分が目減りして、少々手元不本意になってきた。
 さて、夕食にする。普段、高雄での夕食は何となく夜市食べ歩きになったりして、ここまでと違い、ここじゃなきゃダメ、という店が無い。なので今回は知らない店だけど、熱炒に行ってみる。マッサージ店からは南側へと少々歩いたところ。

 食事の注文は店先の冷蔵ケースに並ぶ食材を見ながら。外国人相手にスマホ片手に翻訳しながら、おすすめを色々としてくれる。結局、5品注文。そして店内へ。

 ビールは店内の冷蔵ケースから自分で取る方式。台湾ビール、今度は瓶になる。軽く飲みつつ待っていると、先程店頭で注文した食事が、出来た順に運ばれてくる。

 牡蠣の炒め物。火を通し過ぎない感じが良い。

 馴染みのない野菜を頂く。水蓮というらしい。シャキシャキした歯ごたえで気に入る。一緒に入っているのは蓮の実らしい。

 海老がやって来る。小の方にしたが、それでも二人では十分な量が出て来た。

 炒飯を頂く。安定のおいしさ。

 最後の一品は烏賊ボールの揚げ物。こちらもコリコリしていて美味しく頂ける。
 いずれも外れ無し。良い店だった。お会計は1000NTDちょっと。当然ながら悠遊カードは使えないし、現金払いのみ。そろそろ桃園空港で両替した現金が危うくなってくる。
 食事の後はもう少し買い物を。台湾でお馴染みのスーパー、全聯福利中心に向かう。地元のスーパーを覗くのは旅先の醍醐味。コロナ禍の間は、日本国内でローカルスーパーを散々巡って来たが、久しぶりに海外で本領発揮となる。たくさん籠に入ったのだが、レジに行くと、レジの係が、ポイントカードある?って感じで聞いてくる。当然ないのだが、ここのレジの人、後ろに並んでいた人に、ポイントカードある?って聞いて、その人のポイントカードを通して、会員割引を適用してくれた。多分、5%ぐらいオフになったと思う。後ろの人にはポイントが付いた筈。昔、ロサンゼルスのスーパーで同じ場面に遭遇したことがあって、その時はレジ係の人のポイントカードを使っていた。それはそれで有難いけど、ある意味、業務上横領とも言えなくはない。今回は只々、お客さんが得をするだけ。
 スーパーは悠遊カードが使えた。ようやく残高が3,500NTDと3割程使えた事になる。この調子で残り2日。使い切れるのか?と変な不安を感じるところ。
 ホテルに戻って軽く飲みの続き。さすがに眠くなる。今日は早い目に寝ておく。

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