三連休の中日、土曜日を旅先の高雄、六合夜市に近いホテルで迎える。
外は曇り空だったのが、時間が経つにつれて日が強くなってゆく。真冬とはいえ、北回帰線の南側。窓を開けると心地よい空気が流れ込んでくる。
8時を過ぎてホテルの朝食を取りにゆく。一階の朝食会場。結構な混雑。
格安ホテルの無料朝食だから期待していないが、ホットミールが色々と。粥が台湾風と香港風。エッグスタンドもあって、何故か大根餅まで出てくる。そのくせ洋食的なソーセージやら何やらは全くゼロ。潔く台湾食で固めた朝食のラインナップ。
中華系のおかずを色々に香港風お粥。お代わりで魯肉飯を頂く。結構満足して一旦自室に戻る。
間もなく出かけるけど、今日の作戦立案を少々。方針が決まったので出かける。部屋の鍵をフロントに預けると、掃除をしていいか?と聞かれる。問題は無いのでOKと答えて、最初の目的地へ。
街中を歩く。今回はTシャツを何着かと上に羽織るもの、ぐらいで来ている。夏の続き、ぐらいのつもりでいるのだが、街を行く人たち、コートまでは行かないけど、結構な厚着。半袖の自分は浮きそうだ。
美麗島の隣駅、市議会から少々歩いたところ。向かったのは
湯包で有名な興隆居。朝は3時から営業し、午前11時には営業が終るという店。あと1時間ちょっとの営業時間を残す、という所だけど、
湯包を求める人たちで長い行列。大人しく並ぶ。左手に見えるオレンジのTシャツの人、店の娘さんと思われるが、2年ちょっと前に来た時にも働いていた。
無事一つずつ買い求めて、2個で34NTDを支払い。
行列が長い割に店の中は空いている。空いている席に座り、先程買い求めた湯包を頂く。
肉汁たっぷりの湯包を頂くと、今日は高雄車站へと移動する。途中、iPASSをホテルに置いてきた事に気づいて部屋に戻る。鍵を受け取り部屋に戻ると既に掃除は完了。早いな。
改めて高雄車站の方へ。地下鉄の駅で一つ半だが、十分歩ける距離。途中、光南大批發という店に寄る。妻は文房具を探し、自分は雑誌売り場を眺めてゆく。
世界民航雑誌の表紙が先日運航を停止した復興航空だったのでお買い上げ。ついで高雄車站に向かう。ここでは台湾鐡道故事館で
台湾の時刻表を買いたかったのだが、高雄車站のお店にはそれらしきものがなく、店の人も無いと。残念。
さて、次の目的地へは地下鉄で。台鐡の駅から地下鉄の駅へ。
駅の入口に犬が寝ている。こんな景色だけは真夏のそれと変わらない。
さて、地下鉄で三多商圏へ。地下鉄の駅を出ると、
昨日、高雄着陸時に遠めに見た高雄85が見えている。前に行った時はこの辺りは百貨店も目立つ商業地帯。その中で、大通りの交差点なのにガソリンスタンドがある不思議な一角があって、その隣が目的のお店。妻がパイナップルケーキを土産に買う。ここで初めて観光の日本人とランデブー。普段、飛行機を降りて空港を出ると、日本人の観光客と顔を合わす機会がなかなか無いのだけど、ここの店では珍しく日本語を聞くこと事になる。
もう一軒。近くにある百貨店に寄り道。誠品書店を見てから一旦ホテルに戻る。今度も
地下鉄で二駅。美麗島の駅まで。用事があって六合夜市のある通りへ赴く。
夜市の場所とは思えない程、広々とした道路がそこにはある。狭くて混んでいて歩けない夜の六合夜市と同じ場所とは思えなかった。
さて一度ホテルに戻ると12時過ぎ。増えた荷物を自室に放り込む。午後に行きたい場所のルート確認。13時過ぎに出かける。
近所のバス停からバスに乗る。iPASSでバス無料、というキャンペーンは終わっているが、引かれた金額は6NTD。後で調べてみると地下鉄との乗継割引が適用されたようだった。
10分程で目的地に着く。
港園牛肉麺館という牛肉麺の店。人気店なのでお昼の時間を過ぎているが、行列が出来ている。並んで注文。しばらく待たされた後、牛肉麺、
汁有りと汁無しの一つずつが今日の注文。
値段は110NTD。香港の牛腩麺より安い。汁無しにはスープが付属する。そのまま頂いたり、スープを和えて見たり。色々と美味しく楽しめる。満足して、再びバス停に。
待つほどもなくバスがやって来た。20分毎だったり30分毎の運転なので、二度続けて待ち時間5分以内というのは、かなり運がいい。
バスで西子湾駅まで脚を伸ばす。
最初に高雄を訪れた際に食事をした丹丹漢堡の店が見える。
哈瑪星耶誕市集と看板が出ている。哈瑪星は日本語に直すと浜線。その音がこの周辺を差す地名として残っている物。耶はキリストの事だろうし、誕は誕生日、市集は市場だろうなぁ。ハマセンクリスマス市場、と言う事になるらしい。台湾でクリスマス市場なんてやっているんだ。
さて、少し歩く。
向かった先は打狗鉄道故事館。打狗はターカウ、と読み高雄の旧名である。前にも一度訪れたことのある鉄道博物館なのだが、今日の目的は鐡道情報のバックナンバーの購入。前回、8月に台北の台湾的店を訪れた時に売り切れていたNo227の購入が目的。幸いにこちらでは扱っていたので無事に手に入る。
ついでに展示車両をちょっと見てゆく、のだけど、狭くなった。よく見ると壁が出来ている。前は広々とした気持ちよい所だったけどなぁ。
壁の向こうにも車両が見えている。壁の間は、
工事現場。これは、高雄捷運環状軽軌の建設工事らしい。
道路の真ん中も工事中。道路を走って来た軽軌がここで道路を外れて、旧高雄港駅構内を走って行くらしい。
もうちょっと歩くと工事現場も外れて、
元高雄港駅の構内で人々が凧を上げたり、シャボン玉を飛ばしたりしている。先程歩いてきた道に凧のレンタル業者が出ていて、借りて上げているらしい。
ここは駁二藝術特区という所。ひっくり返ったような不思議な建物があったり、先程の故事館とは関係なく蒸気機関車が保存されていたり。
その先には倉庫が並んでいて、その中に
哈瑪星台湾鐡道館なる展示施設がある。折角なので入ってみる。入場料は200NTD。台湾の物価を思うとちょっと値が張る。
実車というよりも鉄道の解説に重きを置いた展示施設。その目玉は
台湾全土を模したと思われる鉄道模型。
高雄の旧駅舎から
基隆の港まで。
そんな中を台湾で活躍する列車が縦横無尽に走り回っている。なかなか楽しい。
もう一つの目玉は特別企画展。
原鉄道模型博物館の企画展が行われている。展示品の一部が貸し出されて、高雄のこちらで展示中。その中に京王がいた。
京王電気軌道23形。
同時に1960年代に原さんが訪台した際に取った8mmビデオを上映しているコーナーがある。阿里山の森林鉄道を往復したのち、台中から花蓮へ。そして当時は762mmゲージだった台東線で台東を往復するというもので1時間近い大作。当時の台湾の様子が良く分かり、ついつい最後まで見通してしまう。
終わると17時近かった。少々薄暗くなっている。西子湾の駅まで戻ったが、先程の哈瑪星耶誕市集が少しだけ気になったので足を伸ばしてみる。
西子湾の駅から旗津へ渡るフェリー乗り場へ向かうと
出店やらステージやらがあって、イベント的な物をやっている。クリスマス感は出店を見ている限りは、良く分からない。ただ、
駅と市場を結ぶクルマは真っ赤な塗装にトナカイの角。帽子までのせた浮かれ仕様だった。電気自動車らしくインバータの変調音を微かに響かせてゆく。
西子湾の駅に戻り、地下鉄で美麗島まで戻る。ホテルに帰る途中、こんなお店がある。
不二家???
高雄不二家と店にある。Since1939とあるから日治時代であり、日本の不二家と関係ありげ、と思ったが、創業は大陸側の南京。国民党と一緒に台湾に渡って来た、と言った所か。
一旦ホテルに戻ると19時になっている。夕食の時間だが、ちょっと疲れた。行きたい店、というのはある事あったのだが、混雑している店なので取りやめにする。代わりに行ったのが、午前中に訪れた光南大批發の真ん前にある大きな構えの店、 排骨飯まで行く。
メインを一つにおかずを三品選ぶ方式。1階のカウンタで注文したものを受け取ると2階の席で食べるという、何かマクドナルドを思わせるような方式であった。
地元の人たちが何組か食事をしているのに混じって排骨飯を頂く。店は20時までの筈だけど、19時半には2階を閉めるらしい。最後はバタバタと食べて店を後にする事になる。
19時半の高雄。昨晩到着して24時間経っていないけど、先は短い。スーパーに寄って買い物をしてから六合夜市の近くにある足ツボマッサージを受ける。痛い、が中国語で「トン」と言う事を揉まれながら覚える。肝臓やら首とかその辺がだいぶダメらしい。片言の日本語でパソコン使っているの?と聞かれた。時々揉んでもらわないとダメだねぇ。
夜市はまだまだ賑やかな時間だが、ホテルに戻る。明日に備えて荷造り。今回は2人でスーツケース1個にしたけど、買い物もそれなりに抑えたので1個で十分収まる。ひと汗流し、こちらの日本語チャンネルを肴に台湾ビール。早めに就寝する。