2022-05-03

 早々に目覚めてもう少し寝るのに苦労する。自宅ならば起きて京王線恥辱でも綴っていれば良いのだろうが、狭いホテルの一室では、起きて電気をつける行為は寝ている妻に申し訳なく憚られる。かといってお手洗いに籠る訳にも行かない。
 明るくなるまで結局は寝付いて朝が来る。世の中的には今日から3連休だが、今日で福岡滞在もおしまい。帰宅の日となる。
 昨日と同じく6時はどこかの野球部が食事をしていて、8時を過ぎると家族連れで賑やかになる、と言う事で7時頃を狙って食事をしに行く。

 食事のメニューが昨日とだいぶ入れ替わっている。数日滞在してもそれなりに楽しめるかも知れない。
 部屋に戻り、多少の片付け。キャリーバックの込み具合と言うか、空き具合を確認してから最後のダメ出しで買い物に行く。貝塚駅周辺にはスーパーは無いので、一駅歩いて箱崎駅の近くへ。
 鹿児島本線の線路沿いに歩いてみる。地下鉄も走るような福岡市内だが、案外と人が少ない。これこそ寂しい所ね、なんて話をしつつ。時折上空、福岡空港への着陸機が行くのが何となく非日常感に溢れている。初めて分かったのは、スターフライヤーは下から見るとそこまで黒くはない、と言う事。
 スーパーに10時前。冷蔵品含め適当に買い廻るのだが、

 ショックだったのはオランダせんべいが福岡で売っていた事。白河以南では売らないんじゃなかったっけ?と頭の中がクエスチョンだらけになる。
 貝塚から箱崎。思ったよりも遠かった。帰りは地下鉄に乗る。どうせ何回か乗ることになるから一日乗車券を買ってしまう。
 部屋に戻ると10時半。チェックアウトまであと30分という所。先程買った冷蔵品は保冷パックを持ってきたので詰めてしまう。一緒にスーパーで貰った氷も居れておく。夕方までなら何とかなるだろう。
 部屋を引き払う。荷物は一旦ホテルに預ける。身軽になって貝塚の駅へ。改札口に着くとちょうど西鉄貝塚線の電車が到着するところ。昨日の朝ラッシュ以上にたくさんの人が降りて来る。存廃が取りざたされると鉄道の景色とは思えない。今日5月3日は博多どんたくの日。どんたくに出掛ける人たちが、電車を使っているのだった。

 地下鉄、始発で座れないかと思ったけど、貝塚線は2両。箱塚線は6両。器が大きくなったので問題なく座れる。
 西新まで行く電車に乗り、天神まで乗り換えなしで。どこか祭の雰囲気が漂ってくる天神の街だが、ここは博多ではなく福岡。あくまで雰囲気が流れて来るだけ。
 妻の買い物に付き合う。天神からちょっと足を延ばして

 地元の和菓子屋さんに立ち寄り。川を一つ越えたので博多のエリアになる。花笠の時はここが計時ポイントになるそうだが、どんたくとは関係ない様子。天神とも川端とも違う時間が流れている。
 お昼ご飯は天神に戻る。先日来、ホテルの近くにある天ぷら屋が大人気なのが気になって、調べると福岡には大衆天ぷら、という耳なじみのないジャンヌの店があるそうだ。初めて聞いた言葉だが、寄ってみる。
 キャナルシティ博多と天神のパルコに支店があったのでパルコの方に行く。パルコの客層は天ぷらなんて興味を示さないだろうと思っていたのだが、予想に反して結構な行列であった。少々待つ事になる。
 順番が回ってきて席へ。

 昼酒は避けてきたけど、サッポロラガービール、赤星があったので頂く。明太子と浅漬けが頼めばいくらでも出て来る状態なので、天ぷらが出る前に浅漬けで赤星が進む。あまり飲みすぎると大移動を前に出来上がってしまうので、控えめに1本だけ。

 天ぷらは揚げたてを都度持ってきてくれる。

 どこに何を出すのか、良く分かるよなぁと感心する。間違いなく注文したものが全て揚げたてで出て来た。天ぷら屋、なんて行く機会無かったけど、この文化は面白い。今度、機会があったら別の店にも行ってみたい。
 時刻は13時半を過ぎる。そろそろ福岡と言うか博多と言うか、その時間にも限りが見える頃。荷物を引き取るため、地下鉄で一度貝塚へ。改めて博多に進む。時刻は15時過ぎ。今日の帰りは新幹線に乗る。さすがに羽田、伊丹経由膳所は遠回りが過ぎる。

 この時間の山陽新幹線。東京まで行くのぞみも新大阪どまりのさくらも頻発。今日は妻が一度乗ってみたい、と仰るさくらの指定券を抑えている。博多始発でがら空きの44Aを送り出した後、

 560Aがやって来る。R2編成。博多までのお客さんと入れ替わり、博多からのお客さんを乗せる。8割ほど席が埋まっただろうか。先程ののぞみとだいぶ様子が違うが、指名買いが多いに違いない。指定席なら2-2列の余裕座席。鉄道の素人である妻が乗りたいと指名するぐらいだから、その快適性は広く知れ渡っているのだろう。
 席に落ち着く。既に列車は加速中。

 落ち着いてからビールを取り出す。ビアホールさくら、となる。補充が効くつもりでいたが、山陽新幹線は車内販売、見合わせ継続だそうだ。そうだったか。。。。
 昨日、鹿児島線の快速電車で1時間少々を要した博多-小倉が今日の新幹線だと20分を切る。次に加速すると早々にトンネルに入る。関門海峡を見ぬまま、さくらは新下関の駅を通過。言われがちだが、少々味気ない。
 昔々、山の中ばかり走る山陽特急かもめを捕まえて、かもめじゃなくてからすだ、と言ったのは内田百閒先生。それに輪を掛けて山中を走る2022年の山陽新幹線さくらはさくらのままで良いのか良くないのか知らんけど、本当に山の中を選んで走る。徳山の辺りで一度コンビナートの向こうに海が見えただけで、あとは山の中をひたひた走る。
 速度が緩んで広島到着。降りる人の分だけ乗る人がいるから、列車は空かない。駅を出ると赤いユニフォーム姿が大挙して歩く様子が見える。どうやらカープの試合が終わった所らしい。時刻は16時半を過ぎている。デーゲームならちょうど終わった所ぐらいか。
 福山でも岡山でも降りた分の席が埋まる今日のさくら。東に突っ走るがさすがに2時間過ぎて少々日が傾くと長いなと思うようになる。飛行機もドアからドアだと時間はかかるが、ずっと座り続けるという事は国内線ではなかなか無い。
 ちょっと席を立つ機会が得られたのが姫路。6分停車だそうだ。

 駅そばを食べるための時間ではなく、後続ののぞみを待避する時間。そして姫路で降りた人の後に乗って来る人はさすがにいない。車内、少々余裕が出来る。
 時刻は18時近くになっている。東に来て子午線が近付いて、夕暮れ時の播州路。鉄鋼のコンビナートが見えるがその向こうにあるはずの海は見えずに東に進む。明石海峡大橋が遠くに見えて海の気配を感じつつも新幹線は山側へ。速度が緩んで新神戸。降りる人が案外と多く、乗客は半分以下に減る。神戸ってそんなに大きな街だったか会議になるが、結論は出ないまま、新幹線は六甲の山を抜けて大阪の平野へ進み速度が緩む。新大阪到着、定刻。
 新快速と普通を乗り継ぎ膳所まで戻る間に日が暮れる。さすがに荷物が大きく重く、自宅までは京阪電車のお世話になるべく、京阪膳所の駅へ。


 3連休の初日、日没後の電車は空いていた。小さな電車に日常を感じて自宅まで。

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