2021-08-01

目覚ましの音で起きだす日曜日。時刻は5時。買ったけどまだ使っていない18きっぷで、小さく出かけてこようかと思う。身支度少々。本来なら歩いて膳所か石山だろうが、時間の都合で京阪に乗る。

 がら空きの電車で5分。石山に出ると18きっぷの1日目に日付印を貰う。上り始発電車に乗って東へ。割とすぐ、草津で降りる。

 いつも見るだけの草津線113系の8両編成に今日は乗り換え。

 草津線ホームから貨物列車を1本見送る。1051列車。EF210-112号機牽引。

 ここまで見てボックスシートに落ち着く。
 8両つないだ列車は空いていた。京王線恥辱の滞貨をやっつける。

 暑くなりそうな空の下、列車は野洲川沿いを進んでゆく。遠くに見える山が近づいてきて、山間へと紛れ込むと柘植到着。乗り換えとなる

 関西線のキハ120が姿を見せている。自宅から1時間半で気動車行き交う世界に迷い込む事になる。ここの接続はいつもよく、すぐの発車。加太越えとなる。
 2両の気動車はそこそこ乗っていた。

 峠越えのあたりから天気が悪くなり、暗い空の下、亀山到着となる。
 今日の草津線廻りルート。何気に草津-名古屋では東海道線経由よりも距離が短い。東海道線東海道を名乗りつつも中山道経由になるのに対して、本来の東海道は土山から鈴鹿峠を越えるルート。それに近い草津線~関西線廻りの方が本来なら東海道の筈。
 とはいえ、近代化が遅れ、国鉄分割民営化の影響もあって、亀山廻りは真っ当なルートでは無くなった。元々は天王寺鉄道管理局の一大拠点だった亀山も分割の影響でJR西とJR東海の結節点というより、辺境同士になっている。亀山拠点から紀勢線も関西線も共通で運用していたものが、独自に各々、気動車を持つ事になって、拠点も別。分割民営化は概ね合理化と一致しているが、亀山みたいに道理に適っていない所もまぁ、ある。
 ところが

 下手こいたら1時間近く待ち時間があるのだが、今日の乗換はわずか3分。草津での乗り換えは余裕を持たせたくて1本早めたのだが、2分接続の列車もある。ここまでスムーズに加太越えで名古屋方面へと行けるのは珍しい。
 とはいえ。今日は名古屋が目的地ではない。名古屋行きの列車を

 河原田で捨てる。乗り換え案内に従い、隣のホームへ。

 土手の上みたいな河原田駅3,4番線ホーム。こちらは伊勢鉄道の駅。国鉄伊勢線が第三セクターに転換して発足したもの。その割には立派な複線が続いている。伊勢線自体は紀勢線と関西線を短絡する目的で作られた、いわば紀勢新線。そこを一部区間だけ独立した名称だからと廃止するというのは、やはり合理的ではない。どうもこの界隈は国鉄分割民営化の矛盾を引き受けてしまった気配がある。
 今日は都合により、一駅だけ乗る。

 上りの快速列車が通過する。
 快速みえはJR東海発足後の設定。名古屋-鳥羽で近鉄に対してスピード勝負を挑み、何とか何とか一矢報いる場面を作った。でも伊勢線が廃線になっていたら、こんな企画はそもそも有り得なかった。
 快速列車と同時に

 下りの普通列車がやって来る。伊勢鉄道は特急と快速の通過輸送で成り立っている。また、市街地を避けて通したので、普通列車の需要は殆ど見込んでいない、とされている。でも日曜日の朝。河原田からの乗車が数人だけどあって、列車にそこそこ人は乗っていた。

 架線がないのに複線の立派な線路。異端の第三セクターを行く。普通列車だが、よく飛ばす。
 今日は鉄印をもらい受けにゆくので、河原田の一つ隣、鈴鹿までの往復となる。
tabiyomi.yomiuri-ryokou.co.jp
 昨年の夏前に登場して瞬く間に売り切れてしまったので、今まで手を出してこなかった。先日の中村駅で、売っているのを見て、とうとう手を出してしまった次第。
 帰りの切符と鉄印を頂く。

 鈴鹿駅の構内、ちょっとした資料館になっている。国鉄伊勢線よりも伊勢鉄道の方が歴史が長くなり、それなりに飾るものも蓄積している。
 再び戻る。

 今度の列車もそこそこ乗っている。関西線の四日市駅は街はずれであり、この列車に乗るメリットって何だろうと思ったのだが、南四日市でそこそこ降りた。近くに高校があるようだ。四日市はそこそこ都市近郊。ちょっと複雑な流れがあるものと感心する。


 いつ来ても貨物駅に紛れ込んだ感のある四日市駅で乗り換え。今度はまた

 名古屋方面の列車に乗る。名古屋先着は快速みえ4号、との案内がある。この普通列車は空いている。少々揺られる。快速みえ待避となる桑名で下車。
 桑名の駅。いつの間にか橋上駅になっている。思ったのとだいぶ違うのであれっとなる。
 今日は再び乗換。名古屋には行かないで、

 養老鉄道に乗ってみる。18きっぷを持っているのに、18きっぷが使えない所ばかりに行っているようだが、まぁ良い。
 今度の列車は少々間があった。養老鉄道の運転間隔は40分毎。次の列車まで30分程待ち時間がある。ここでぼけっと待つのも難なので

 後からやって来た快速みえ4号を見て、駅前に出る。
 近くにスターバックスでもあれば、と思ったのだが、桑名の場合、駅から離れたイオンタウンにあるらしい。ちょっと無理があって諦める。


 桑名の駅前、再開発の真っただ中。駅前のビルが閉鎖になっている。壊して新しいビルでも建てるんですかねぇ。イオンタウンに流れた人を取り戻せるものか、どうか。
 長島に向かうバスに若い人千名の勢いで乗ってゆくのを横目に西桑名の駅に発着する

 北勢線の小さな電車をちらっと見る。

 最後にちょうどやって来た特急南紀2号を見てから養老鉄道のホームへ。以前は間借り感に満ちていたが、橋上化を機に一人前の扱いになった、ようにも見える。
 たくさん乗る訳ではないが、一日乗車券を買ってしまう。入鋏してもらい構内へ。

 待っているのは場違い感が漂うステンレスの電車。元東急7000系というか、7700系というか。養老鉄道近鉄の100%子会社の筈で、近鉄のお古が廻って来るのが順当にも思えるのだが、ちょうど良い弾が無かったのか、こちらの方が純粋に安かったのか。
 列車は3両つないでいる。赤字で本体から切り離された鉄道としては割と長い方だ。

 車内には転換クロスシートになっている区画がちょこっとある。3両のうち1両の、ごくわずかなのだが、予備知識が無いから思い切り驚いた。空いていたのでそちらに座ってみる。
 列車が出発すると左に曲がり北上を始める。今朝の加太越えでは怪しかった雲行きもこの時間は晴れ上がっている。

 列車は鈴鹿山地の山裾沿いを進んでゆく。乗客は多くは無いが、居ない訳では無く、案外と使われている。若い人が目立つのが特徴かもしれない。

 東海環状道だろうか。高速道路の建設現場が過ぎてゆく。
 養老で列車待ち合わせのため停車と案内。駅ホームに瓢箪がぶら下がっている。

 時間があるなら、と撮っとく。時間があるならと

 乗って来た列車も撮っとく。すると運転士に並ぶから撮って行って、と声を掛けられる。すぐに出発じゃないですか?と聞いたが、待つから撮って行ってと。

 近鉄のお古がやって来る。

 この二つが並ぶのは、なんか変。
 運転士にお礼を言って席に戻ると間もなく出発。大垣に向かって乗客が増えてゆく様子を見つつ進む。

 ちょっと先は関ヶ原、という山裾を列車はなぞる。だんだんと建物が増えてきて、大垣市内へ。乗客も多少は増える。
 東海道沿いの桑名から1時間少々。中山道沿いの大垣に着く。

 東急顔の電車を降りて、乗り換えるのはさらに北に向かう

 東急顔の電車。こちらは濃淡2色の緑色。これが養老鉄道のイメージカラーであるようだ。
 11時出発まで少々間があり、車内で待つ。ドアが開けっぱなしで冷房は全く効かない。車内にいても暑い。外にいるよりはずっといいけど。
 11時出発まで少々間があり、車内で待つ。ドアが開けっぱなしで冷房は全く効かない。車内にいても暑い。外にいるよりはずっといいけど。
 少々茹で上がり気味になる頃、出発となる。列車は西に向かい東海道線の下をくぐって北に向かう。大垣から先、揖斐までの区間へと進む。

 沿線は田圃と住宅が混じるような、純田舎ではない景色が続く。こういう所の鉄道運営が一番困るのかも知れない。やめるには大変で、利益を出すのも大変で。何かの特色で人を引っ張り込むにも難しい。地元に地道に利用を呼び掛けるしか道がない。
 列車は20分少々で終着の揖斐に着く。 


 中途半端な所で線路が尽きた。この先、山地が控えていてさらに先に進むのは大変だったかも知れない。

 古びた駅舎が路線の歴史を物語るかのように佇んでいる。
 折り返しまで15分程時間がある。駅前は眠ったかの様子。

 特産品販売所に営業中の文字が見えたので入ってみる。ラジオのオリンピック中継が流れる店はそろそろ閉店という時間らしい。

 品揃えも悪くなっていたが、1皿100円は安い。とても食べきれそうにないシシトウと妙に大きなニンニクを買う。それで僅か200円。
 列車に戻る。

 揖斐発の電車は空いていたが、途中でお客さんがそこそこ増える。若い人に加えて、外国人労働者の姿もある。免許を持っていない人たちが鉄道を選ぶ様子が伺える。
 巻き戻すような景色を眺めて20数分。大垣に戻ると1時間が経っている。


 桑名方面には先程、養老駅で見かけた近鉄塗装の近鉄車が戻っていた。車内はオリジナルのままなのだろう。
 3時間近く付き合った養老鉄道とはここまで。この先は、18きっぷを持っているけど

 再度使わない。今度は樽見鉄道に乗ってみる。JR構内の最北端にある樽見鉄道乗り場に赴き、一日乗車券をお買い上げ。一日乗車券に本巣市の商品券2000円分がついて、お値段そのまま1600円というものを勧められる。先程の揖斐みたいに産直販売所みたいなものがあるかも知れず、そちらにしておく。
 朝食を適当に食べたきりだったのでいい加減、空腹になっている。大垣駅で乗り換えの時に何か、と思って買ったのだが、 


 今日の駅弁、番外編ぐらいで扱っても良いかと思ったが、あくまでコンビニ弁当と思われるのでやめておく。税込み¥430。調整元としてサンデリカ名古屋事業所とある。山崎製パン系だから、やっぱりコンビニ弁当寄りか。
 出発。列車は先程の揖斐方面とは逆。東海道線沿いを東に向かう。揖斐川を渡ると東海道線と離れ、北へと進路を向けた。
 車内には意外と若い人が目立つ。先程の養老鉄道と同じく、免許を持たない人が使っている様子。その人たちの目的地は沿線にあるモール、モレラ岐阜であった。半分以上の人が降りてゆき、代わりに乗ってくる人もいる。

 本巣の駅まで30分弱。濃尾平野の北端で先程の養老鉄道で言えば揖斐に相当する部分。ここで10分弱停まる間に鉄印を頂く。列車に戻ると間もなく出発。列車は揖斐川の支流、根尾川沿いの渓谷へと分け入ってゆく。

 川が近寄って来る。この辺まで来ると水も綺麗なのか、川遊びする人がちらほら見える。
 神海を過ぎると平野はいよいよ尽きて山の中に入る。このままどこまで向かうつもりだったのか、と思うが、当初の計画では大垣から大野を経て金沢という計画線だったようだ。養老鉄道Wikiを見ると四日市から大垣を経て敦賀を目指していたとか。民営の養老鉄道濃尾平野から先の山岳区間に入り込む事を早々に諦めたが、国営だった樽見線濃尾平野のさらに先へと入り込んで力尽きている。 

 日曜日の昼下がり、根尾川の渓谷へと遊びに行くには少々遅い時間。乗客はだいぶ減っている。神海から先、樽見までは紆余曲折経て樽見鉄道転換後の1989年に開業した区間。川があれば橋を通し、トンネルを通して真っすぐ真っすぐ、線路は続く。
 山間の樽見に到着。 

 大垣から1時間少々経っている。二十年ぐらい前、初めて乗ったのは確か1月で樽見は雪であった。この季節の樽見は、大垣と変わらぬ暑さに思える。

 まだまだ伸びそうな勢いで樽見から先、線路が続いているようにも見えるが、この先は未成線。この先、福井県大野へと続く区間は具体化しなかった。
bunshun.jp
 鉄道が通ったであろう辺りを行く国道は酷道として知られる道。工事に着手していたら大変だっただろう。

 駅の周辺。20年前に来ている筈なのだが、まるで見覚えが無い。雪積もる樽見駅前を歩いた記憶はあるのだが、まるで一致しなかった。後でwikiを見てみたら、樽見駅、火事で燃えて二代目なのだそうだ。
 ちょっと先の温泉に行く送迎バスが来ている。それに乗れば先程の商品券も使えるだろうし、充実した旅になりそうだが、いつ帰れるか分からなくなる。温泉は見合わせて、先程の列車で引き返す。
 先程も見た根尾川の谷間を見て引き返す。車内は温泉帰りなのか多少乗客が入れ替わっている。樽見鉄道になってからの延伸区間では乗り降りが無く、国鉄時代の終点、神海で少しお客さんが乗って来る。外国人労働者と思しきグループもいた。神海辺りでどんな仕事をしているのか、と若干不思議にも思う。
 深い谷間を見た後には穏やかに見える谷汲あたりの根尾川を見て本巣で少々停車。

 先程は鉄印を貰うだけだったが、今度は辺りを見る余裕がある。

 運転の拠点であり、ちょっとした基地がある。国鉄時代のものと思しき給水塔も残っている。貨物を扱っていた頃の名残で広い構内、持て余すかのようだった。

 下り列車がやって来る。水色の塗装は樽見鉄道のオリジナル塗装。小学生の時に写真で見た樽見鉄道のこの色は鮮烈であった。当時の車両、ハイモ180の大きな窓と小さな車体と共に、強く心に残っている。
 少し増えて来た乗客。樽見からの観光客も神海からの外国人もみんなモレラ岐阜で降りて行った。手には商品券付き一日乗車券を持っている。モレラ岐阜本巣市内で、こちらで商品券を使う事も出来る。とはいえ、一度降りると1時間以上列車が無い。もう少し頻度がある印象を樽見鉄道には持っていたけど。
 結局、

 根尾川と合流した後の揖斐川の橋を渡り、大垣まで戻る。時刻は14時半になっている。
 早いが今日は帰る。東海道線の接続が非常に良く、

 米原行きで西に向かうと16時には石山に戻れる。18きっぷで動く距離ではないが、まぁ良い。家が嫌で動いている訳では無し、明日は仕事だ。
 なのだが、大垣を出て少々。列車は停車する。踏切で支障物検知、との事で停車、徐行、一旦停止。出発。10分程遅れた。案の定、米原での新快速接続は切られる。後の普通列車で西に進むと予定よりも15分遅れの到着。まぁ膳所までだから影響は少ないけど。この先ずっと乗り継ぎがある人がいたなら災難だったとは思う。
 降りそうで降らないこの時間の膳所

 微妙な空模様だが、降らないまま、暑苦しいまま、家まで歩く。自宅に16時半。

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