JL94 JA622J B767-300ER GMP→HND 

 19:25を過ぎて搭乗開始となる。搭乗橋まで行くと外の景色、雪がちらついている。あれっと思う。何時の間に降り出したのか、全く気付かなかった。
 待っていたのはJA622。昨日JL95で乗った機材だ。朝のJL90で羽田に戻った筈で、JL91→92→93→94の運用にはつながらないのだが、何があったか。
 
 今日は普通にエコノミークラス。事前指定通りの窓側席に座る。雪の舞い散る中、出発準備が進んでいる。隣は上海航空。虹橋行きの最終便だが、少し遅れているようだ。 
 
 雪はだんだん強くなってきた。整備士がエンジンに着いた雪を払いのけているが、そんな事では追いつかないような降り方になっている。
 
 次第に駐機場も白くなってゆく。機内は搭乗が進んでほぼ満席になっただろうか。19:40、Doorclose。羽田までの飛行時間1時間半と案内される。上昇中と下降中、それぞれ揺れが予想されるそうだ。
 19:43、Pushbuck。定刻よりも早い出発となる。最近のJAL。定刻を過ぎて「あとn名のお客様のご搭乗をお待ちしております」という案内を聞くことが無くなった。定時出発率1位なんて言っているから客の意識が変わったのか、遅れてくるような客層が乗らなくなったのか。
 19:47、Taixing。誘導路は真白である。先導車が走るのが見える。窓を雪が叩く。滑走路の向こうが霞む。19:57、離陸に際してと案内があって減光された後、飛行機が歩みを止める。
 19:58、機長さんから案内が入る。降雪時の離陸に際して防氷処理を行うとのこと。その順番待ちで10分程待機するそうだ。
 滑走路に向かう途中らしいが、しばらく待機する。見ているとずいぶん前にターミナルを離れて行った上海航空の機材が滑走路に向かうのが見えた。そしてこちらも動き出す。時刻は20:13になっている。
 スポットには大韓航空の機材、そしてティーウェイ航空機がいてそれぞれアイシングの処理を受けている。大韓航空の機体はずいぶんと念入りに長々と処理を受けている。
 
 20:21、こちらの順番もまわってくる。翼の所にきて薬剤を掛けてゆく。風に乗って薬剤が舞ってゆく。相当風が強いようだ。
 処理はずいぶんとあっけなく終わった。大韓航空機がボディまで念入りに処理しているのとずいぶん違う。そして移動するかと思ったらしばらく待機。まだ何か処理があるのかも知れない。
 誘導路をANAの機材がやって来る。一つ向こうのスポットへと入っていった。あちらはアシアナが担当しているエリア、なのかも知れない。ティーウェイはドアを開け、何か地上とやり取り中。滑走路を見ると時折、1機、また1機と飛びたつ飛行機。国内線らしい。
 20:43、エンジンが始動する。どうやら離陸できるらしい。
 
 雪は更に激しさを増している。まもなく20:47、Taixing。飛行機は雪の降り続く誘導路をゆっくりと進んでゆく。20:55、滑走路端に歩みを止める。1分、もう1分時間が過ぎる。今飛び立てば1時間半で22時半かぁと思いながら、叩き付ける雪を眺める。
 副操縦士が機内にやって来た。中ほどで何かしていたようだ。1分、もう1分経ったか。操縦席へと引き返してゆく。更に時間が過ぎる。21:07になって案内。
 「防氷剤の効き目に疑問があり、現在、副操縦士が翼の状況を目視確認するとともに、機長と整備士との間で協議が行われています。離陸まで今しばらくお待ちください」との事。
 21:08、飛行機が動き出す。滑走路に入ったがゆっくりとの動き。これはどうやらスポットに戻るようだ。緩々とTaixingする中、改めて状況の案内。防氷剤の効果に疑問があり、再度、防氷作業を地上に要請したとのことだ。
 防氷剤が効かなくて離陸に失敗した例もあるから、効き目に疑問があるなら、再作業でもした方が良い。そう思う人が大半なのか、機内、全く持って静かであり、平静を保っている。
 21:24、飛行機は先程のスポットに戻る。ベルト着用サインが消灯し、通信もOKとなった。機長さんからは改めて状況の案内がある。
 
 ドリンクが供される。通信がOKになったので、妻の携帯宛、手短に状況を入れておく。羽田に着いたら見れるだろうと思ったら、妻からもメール。NHも防氷作業でかなり遅れているそうだ。
 作業車がやってきて、再び翼の辺りだけを作業してゆく。作業自体は21:33終了の案内があったから10分ぐらいで終了した事になる。21:36、ベルト着用サイン点灯。今から飛ぶと、23時を過ぎてしまいそうだ。帰れなくはないが、本来なら家に着いていても良い筈の時間。
 ベルト着用サインは点灯したが、燃料を消費した分で重心位置の再計算を行う、とのこと。再計算が終わるまでは出発できないそうだ。21:50、NHの機材がTaixngしてゆくのが見えた。向こうが一足早く飛ぶ事になる。
 21:56になってエンジンが再始動する。22:02、Taixing。誘導路の雪、心なしか落ち着いたようにも思えるが、その中を飛行機、滑走路へゆっくり進む。滑走路端で一呼吸、今度は迷いなく滑走路へ歩み出た。もう一度一呼吸置く。エンジンが唸りを上げる。機体は進まない。1秒、もう1秒。うんと溜めを作ってから、不意に解き放たれる。大きなB767が一気に加速してゆき、短い距離でふわりと浮かんだ。22:10、Takeoff RWY32R。
 滑走路の短い但馬空港なんかでは、ブレーキを掛けつつエンジンをフルスロットルで回し、一気に加速して短い距離で離陸する、なんてことを日常的にやっている。滑走路を出来るだけ使わずに離陸する事で万が一の離陸失敗に備えたように思える。どこまでも慎重に事に当たった、という事か。
 飛行機は揺れながら上昇してゆく。すぐにソウルの街灯りは雪煙の中に消えた。そして雲の上に出る。高度1,900mまで来ている。案外と低い雲だ。22:15、リクライニングやパーソナルモニタの使用が許可される。飛行機はさらに上昇してゆき、22:22、ベルト着用サインが消灯した。羽田着陸、23:40になる旨、お詫びと共に案内される。
 窓の外は何時の間にか地上が見えるようになっていた。海岸線らしい影が見えたのが22:30の事。そして漁火輝く日本海が広がり出す。
 22:40になってワゴンが廻りだす。機内食というかランチボックスの配布。機内食の場面ってラウンジで食べて来たあとだったりするので、あまり空腹な事がないのだが、今日は空腹を感じる。金浦のラウンジで簡単な食事をとったのが18時過ぎの事。そこからすでに4時間半が経っている。
 
 
 簡単な食事だが、がっつり空腹と言う訳でもなく、夜も遅いので必要十分。
 到着時間の予想が付くようになったし、今後の事も気になる人、いっぱいいるだろうが、機内食のやり取りは粛々と進む。食べる時も黙々と。2時間近い遅れが気にならないのか、目の前で降り続いた雪に諦めが付いているのか、どちらだろうか。
 22:55、機長さんから飛行状況の案内が入る。現在、高度11,800mの上空を対地速度1,170km/hで飛行中との事。羽田到着は23:40頃となる旨、また10〜15分でベルト着用サインが点灯する旨が案内される。
 23:04、あと5分でベルト着用サインが点灯する旨、改めて案内があって、日本入国の案内がモニタで流れ始める。23:07、中部国際空港らしい明るい島が眼下に見えた。右手に座っていて中部が見えるなら、飛行機は名古屋の上空かそのあたりを飛んでいる事になる。
 23:11、ベルト着用サインが点灯した。強めの揺れが予想されるとのことで機長さんから客室乗務員も速やかに着席の事、と若干語尾を強めの指示が出る。そして少し高度を落としたところで揺れが始まる。ゴトゴトとした揺れ。眼下に駿河湾が見えていて、高度を落としつつ揺れは続く。
 23:22、房総半島が見える。あと10分で着陸する旨、案内が入る。座席を元に戻してとの指示も合わせて。また、乗り継ぎのお客様や地上交通の関係などは着陸後、地上係員が案内するとの事。
 だんだんと夜の街がはっきりとわかるようになり、23:28、木更津かどこかが見えた。飛行機は東京湾へ。羽田への着陸コース。
 
 アクアラインを見ながら高度をどんどん落としてゆく。まもなくD滑走路が見えて、そして23:33、Landing、RWY32R。羽田到着の案内に、遅延のお詫びが添えられる。
 メールが出来るようになったので妻に連絡を取る。NHはすでにターミナルだそうで荷物が出ているのを待っている頃とのこと。一緒に帰りますか、と言う事になる。電車は24:02が最終だそうだが、1万円までは交通費立替が認められているそうだ。
 飛行機は誘導路を延々と進んでゆく。一番海側のC滑走路からだから、国際線ターミナルは遠い。10分近く進んでようやくターミナル。最後、ターミナルと逆側に機首を向ける。
 23:42、Spot in SP124。
 
 最後の最後にバス連絡を喰らった。この時間の国際線ターミナル。深夜便の出発機で埋まっていて、遅れてきた金浦便を受け入れる余地がないのは、分かる。でもなぁ、、、とどうしもて思ってしまう。こちらは最終に乗れるか乗れないかの瀬戸際なんでねぇ。
 とにもかくもバスで案内になる。サンフランシスコ行きに乗り継ぐ人には係員が付いていた。バスはターミナルのビルまで進む。
 入国手続きをすぐに済ませる。今日は荷物を預けていないから、早々に通り抜けられる。
 
 10分程で制限エリア外に出ることが出来た。金浦からの便。押しなべて遅れているが、一番しんがりになったのがJLであった。KEは1時間延ぐらいで済んだのね。。
 早く出たのは良いが、そういえば地上交通の案内、なかった。NHは仮設で机を並べて案内していたが、JLは、どこだ?
 まぁ妻と合流できたのと、とりあえず横浜まではまだ京急に乗れるので移動する事になる。交通費出す出さないの時間の間に、羽田からの脚が無くなってしまう。
 
 京急線は最終の品川行き快特を残すのみ。これで蒲田まで行くと文庫までの快特に乗り継げる。乗換はギリギリでエスカレータを探して乗っていたら、容赦なく言ってしまいそうなタイミングだ。
 どちらの電車も写真を抑える気力は無かったので記録なし。横浜まで何とか帰って来る。この時間、最終の普通車に乗り継げるが、疲れたしタクシー代は出るから横浜駅からタクシー。順調に入って0時40分前には帰宅となる。
 明日は早い。準備少々するとすぐに寝る。