JL032 JA706J B777-200ER BKK→HND

 自分がタイ北部をウロウロする間に、JA706Jは羽田とバンコクの間をひたすら往復していたわけではないだろうが、同じ機材にまた当たる。
 
 
今日は昼間便なので窓側の席を指定している。翼よりも後ろ側であり、視界はそこそこ。搭乗が順調に進む。目に見える範囲、つまりエコノミークラスは、ほぼほぼ満席に近い利用があるようだ。
 9:37、機長さんから案内がある。あと5〜6分で出発するそうだ。羽田までの所要時間、離陸後5時間40分と告げられる。所々で揺れが予想されるとのこと。9:42、Doorclose。改めて先任客室乗務員から機長、副操縦士と先任乗務員の氏名が紹介される。
 9:45、Pushbuck。ぴったり定刻。そして9:54にはTaixingとなる。飛行機は誘導路を進んでゆく。この時間の離陸は初めてだが混雑することなく、スムーズに動いて、
 
 滑走路端へ。
 
 10:04、Take off、RWy19L。
 
 バンコクの街を遠くに臨み、街と大地がせめぎ合う境目を緩やかに上昇してゆく。南へと進むと街の気配は消えてゆき、米実る田、魚ある水の広がる大地へと変わる。
 
タイ湾を望む所で180度近いターン。北側へと進路を変え、更に飛行機は上昇する。10:11、ベルト着用サインが消灯する。
 
 インドシナ半島の大地に雲を散らした景色が一面に広がっている。雲の切れ目に森林と茶色く濁る曲がりくねった河の姿。飛行機はタイからカンボジアベトナムへと抜けてゆくインドシナ半島縦断コースを北東へと向かう。
 機内案内が入る。サービスの案内だった。飲み物のサービスの後、機内食を提供するそうで、機内食は、カレーとカツ丼の二択とのこと。到着前の軽食としてチョコレートどら焼きを提供いたします、とも告げられる。これは明らかにエコノミークラス向けの案内だけど、放送をクラス別に分けられるようになっているんだ?とちょっと不思議に思う事になる。
 10:40を過ぎてワゴンが廻りだす。アルコールを頂くのだが、3列席の窓側。席を立つ回数は少なくしたいし、濃いめのものを頂くことにする。
 
 ウィスキーをロックで。ワゴンにはシーバスリーガルの瓶が積んでいて、そちらが注がれる。余裕でダブルと言って良い量。JALはエコノミークラスでも良い酒が出てくる事が多いけど、これも当たりの類。
 飲み干す物ではないから、ゆっくりと嗜む。気が付くと機窓の外、インドシナ半島が尽きようとしている。
 
 時刻は11:07。離陸してから1時間程。既に三か国目の上空を過ぎている。飛行機はここから南シナ海を更に北東を目指して飛んでゆく。
 11:30を過ぎて食事が始まる。タイ時間で言ったら少々早め。日本時間なら少々遅め。均してみれば、良い時間かも知れない。
 先程の案内通りに二択、カレーとカツ丼。日本食がそろそろ恋しくなる頃かも知れないが、カレーにする。日式カレーかも知れないけれど。
 
 こんな機内食が来た。JALの中〜長距離線のエコノミークラス機内食、典型的な感じではあるが、外国積み込み。さて、ふたを開けてみる。
 
 カレーはタイ料理枠で来た様子。付け合わせの野菜は何となく日本風だから合の子かも知れない。
 
 こちらは前菜、と言う位置づけか。すると、
 
 そばは何枠なのだろう。
 諸外国の航空会社でも日本線だと普通にそばが出てくるけど、中にはサラダ枠で出ているんじゃないの?って会社もある。でも今日のJALはサラダは別にあるので、外地発の場合に麺枠というのがあるのだろうか。そういえば香港発で日本風味、と言う名前で素麺が出てくることもあった。
 食事が終わる頃を見計らって配られたのがデザート。
 
 外地発でもハーゲンダッツだった。タイ積み込みらしくタイ文字の羅列があるハーゲンダッツ。時々カチカチのが出てきて扱いに困る事もあるけど、今日は程よく溶けて申し分なし。
 
 飛行機は南シナ海、紛争の海を北東に向かって穏やかに進んでゆく。機内食の提供が終わって、機内減光。薄暗くなった機内。昼間のフライトだから寝る必要はないけど、昼食後に暗くなると眠くなる人が多いのか、通路側二席の人も含めて寝ている人が多いようだ。自分は、本来なら溜まっている恥辱の原稿を書かなくてはならないところだけど、狭い機内でPCを拡げる気に慣れず、ひとまず適当な映画を見て過ごす。
 長いこと続いた南シナ海、12:50過ぎに台湾海峡にたどり着いて抜け出る事になる。高雄の南を越えて太平洋へ。台湾の東海岸の沖合を30分程進むと、
 
 眼下の島が見える。どうやら先島諸島までたどり着いたようだ。時刻は13:20過ぎ。バンコクスワンナプーミを離陸して3時間少々。羽田までは2時間20分。日本列島って想像以上に長い。30分も飛ぶと
 
 沖縄本島が見えてくる。眼下に見える滑走路は那覇空港だ。東南アジアから一番近い日本、ってポテンシャルが沖縄にはある事を目の前で知る事になる。

 飛行機は日本に差し掛かってもなお2時間、一路東京まで飛び続ける。今日は島沿いの飛行ルートで羽田へと飛んでゆく。沖縄本島が眼下から消えると
 
 与論島だろうか。コバルトブルーの美しさでは今日のフライトで一番の景色だ。
 飛行機は琉球諸島が描く弧を西から東へ。どこまでも海だけが続く真っ青で少々退屈な景色に変わる。機内の灯りが消灯となり、シェードを開けたままにするのも憚られるので小さく残しておおよそを締める。眠ってしまっていいけど、それも難なので短めのテレビプログラムで退屈しのぎ。
 14:30、機内に明かりが戻る。ぱっと明るくなのでは無くて徐々に明るくなっていって、気が付いたら、という体裁。機内の動きもそれに伴い目立つようになる。そしてワゴンが廻りだす。
 
 予告があった通りにリフレッシュメントとして配られたのはチョコレートどら焼きなるもの。空腹ではないが食べてしまう。日本産なのかタイ産なのか分からないけど、日本人好みの控えめな甘さ。いいんじゃないでしょうか。
 14:47、機内アナウンス。あと1時間で着陸だそうだ。時差2時間なので日本時間は17時少々前。まずはダイヤ通り、飛んできている様子。機内が明るくなったのでシェードに遠慮する必要もなくなる。開けてみると
 
 相変わらず海と空しか見えない。延々続く真っ盛りの夏空。暑さと太陽の眩しさならタイも日本も変わらない。
 15:17、伊豆諸島を越える。もう降下も開始しているようで、思い出したように耳に違和感。そして空気が抜けるを繰り返す。
 15:29、ベルト着用サイン点灯。あと15分で着陸とのこと。日本時間が告げられたのて時計を二時間早める。とたんに17:29になる。羽田の天候、晴れで気温は31℃とのことだ。
 
 飛行機は房総半島に差し掛かった。真っ盛りの夏空が少しずつ影を帯び始めている。タイから北上したからでは無くて、時間が夜へと向かい始めたから、なのだろうけど。飛行機は房総半島を右に見つつ北上、そして降下を続ける。
 
 緑の濃い景色が徐々に住宅街へと変わって行き。17:36、千葉上空から
 
 東京湾へと入った。普段は夜間飛行で街灯りを眺める事の多い羽田のアプローチ。夜は綺麗だけど明るい時は明るい時で目まぐるしい変化が楽しい。
 その変化は最後まで続く。千葉から東京へ続く湾岸地帯をすぐ右手に、飛行機はいよいよ高度を下げる。17:38、Geardown。
 
 窓外にようやく東京都内。スカイツリーが遠目に見えている。634mという高さが辺りを圧倒しているのが良く分かる。
 
 ゲートブリッジが見えるとすぐ羽田。
 
 17:42、Landing、RWY22。急減速してゆく。減速のGから解放されるとすぐ隣に国際線ターミナルが見えている。17:46、Spot in SP145。
 
 夕方の赤が気配を濃くする羽田空港に翼を休める。大きくなったターミナル、入国審査まで延々歩いて向かう事になる。
 多少行列は出来ていたが待つほどでもないので有人の窓口でスタンプを貰い入国。荷物を受け取ると18:10ぐらいだったか。今日はバスの往復券。復路の切符があるのでバスで横浜に向かう。往路を使ったのは木曜日の事だからまるっと一週間経っている。
 バスの乗場、案内がなくて係員に聞いたら、チケットに書いてありますよ、と仰る。えっと思ってチケットを見せてもYCAT発行の往復券の片割れ、国際線ターミナルのでの乗場なんて記載がなく係員も狼狽えてる。結局教えて貰ったのだけど。
 
 羽田からのバスは国際線ターミナル→第二ターミナル→第一ターミナルと3か所廻って横浜へ向かう。羽田で15分近く道草を食う事になる。首都高速に乗ってしまえば早いけど、それまでが本当に時間が掛かる。
 
 湾岸線を走る頃には暗闇が迫る。必ず座れて荷物も預かって貰えるから楽だし、電車だと夕方のラッシュ帯だからバスで構わないけど。
 
 羽田からのバスなので横浜駅は改札口前で下車できる。羽田でバスに乗ってから50分。外は夜になっている。さすがに遅かった。
 
 最後は京急線で帰宅。29運用1301編成。横浜での乗り継ぎはタイミングが良かったので帰宅は19:45。でも羽田から2時間か。掛かりすぎたなぁ。
 一週間ぶりに自宅。そのつもりは無かったけど長旅になった。31日に羽田から送った荷物も含めて荷解きを少々。明日から仕事なのでその準備を少々。少し早い目に寝ておく。