アップグレード

 NHKBSを見ながら恥辱を書いていると今時分が何処に居るのか分からなくなる。フロントは日本語が通じるし。テレビにはさだまさしが映っている。夜の12時だけど長崎のスタジオから生放送だって。ラジオのノリだな、結構面白い。この人の深夜放送が面白かったって話だけは聞いたことあるけど、確かに楽しそうだ。中島みゆきも印象とラジオのギャップが激しいけど、それと同じか。ん、少なくともソウルで考える事ではないな。
 時差はないけど福岡より西にあるソウルの街は朝が遅い。6時半ごろ起床する。外の光はまだ5時台の雰囲気だ。古い町並みと新しいビルが混浴しているようなソウルの街を9階の部屋から見下ろす。NHKが映っていても、やっぱりこの街は外国だ。
 ソウル
 写真:新旧の建物が混在するソウルの街並み
 今日のホテルは朝食つきだというので頂いてゆく。7時半。下のロビー、ガラアキだ。洋食が中心。スイカがあるな。あちこちでスイカを見て来た事を思い出し一切れ頂く。極薄のスイカだけど美味しかった。
 部屋に戻り、出発準備。NHKは広島の中継が入っている。今日は6日。原爆投下の日だ。
 今日は仁川12:20の飛行機に乗る。9時前には空港に向かおうかと思っている。4月に仁川からバスに乗ったときは鐘路のすぐ際の東大門まで1時間半掛かった。8時半にチェックアウト。下のロビー、欧米の人で混んでいる。向こうの人たちは朝ゆっくりと朝食を取って、10時ぐらいに出かけるのだろうか。自分がやっぱり日本人なんだなって事をこんな事で意識する。ふと先程のテレビを思い出した。落とした側、落とされた側、フロントは支配されてた側か。まぁ、今が平和だって事なのかな。
 空港へ向かうリムジンバスの乗り場を教わりチェックアウト。大通り、行き交う車は少ない。5分ほどでバスがやって来る。道、空いているな。前に乗った時は30分近く掛かったソウル中心部を10分ほどで通過してしまった。漢江を左に臨むようになって高速道路へ。えらい飛ばしてゆく。途中、工事中の鉄道。前回も眺めたけど、「A'Rex ※♪∵2007#3♪」と看板。来年3月開業か。もう海に掛かる橋へ、空港は近いぞ。45分ほどで着いてしまった。まだ9時半過ぎだ。
 今日はJL962で関西空港へ。JL1312に乗り継いで羽田へ戻る。関西行きの962便は9時45分からチェックイン開始とのこと。間もなく開始だ。エコノミーの窓口には数十人が列を作っている。みんな大きな荷物を抱えている。カバン一つでチェックインなんて自分一人だけだな。JGCビジネスクラスの窓口が使えるそうな。そちらへ。Eチケットの控えを渡してチェックイン手続き。
「お客様は羽田へお乗り継ぎですか。よろしければ成田への直行便に変更して頂けませんか」
 関西行き、オーバーブッキングなんだって。出来れば関西空港でスイカチャージしたかったのだけどなぁ。「成田遠いしなぁ、成田-横浜と羽田-横浜の交通費の差額を出して頂けるなら考えますけど」
「私日本語うまくないので、英語では如何ですか」
「それだと私が上手くないです」
 係員、しばらく引っ込む
「成田に変更していただけるのであれば、ビジネスクラスへのアップグレードと成田-羽田の交通費として30,000ウォンお支払いします」
 即決。思いがけない事だけど、「カムサハムニダ」だ。ちなみに20人ほどブッキングしているとか。機材はB767の筈だから1割に近い。全てを調整するの、大変だろうなぁ。ちょっと同情。成田行きJL952のチケットを受け取って手続き終了。
 少し仁川空港の中を見学する。展望デッキ、やっぱり無いんだななんて暢気な事を思ってみたりする。さて出国手続き。何事も無く完了。出国エリア、免税店がずらりと並びちょっとした街のような。お土産を買っておく。時間がまだまだあるのでラウンジへ。仁川にはサクララウンジがある。
 ラウンジは空いている。係員にチケット見せると「お金の連絡を受けている」との事。交通費のことか。搭乗口でくれるって。
 仁川空港サクララウンジ
 写真:仁川空港のサクララウンジ 入った頃は空いていた
 2時間ほど、恥辱を綴り続ける。乗り損ねた関空ゆきのB767がやって来る。何処から来たのかB777も。ラウンジ内、少しずつお客さんが増えてくる。テレビがNHKニュースを報じ、そしてのど自慢に変わった。ソウルに来てまでのど自慢、ではないよなぁ。
 サンドイッチ
 写真:ラウンジで出てきたサンドイッチ。ちょっと酸っぱい
 コーヒー
 写真:コーヒーとお菓子
 機内食があるので食べ物は控えようかと思っていたけどお昼に並んだサンドイッチには手を出す。そんなに美味しくないけど、食べ物飲み物は豊富でなんかブロイラーみたいだなとは考える。