ツバメより早いツバサは……

JA8788 雨に打たれるYS-11

 一度目を覚ましたときに上りのムーンライト九州とすれ違った様だ。確か2時過ぎで三原の辺りかなぁと思うが定かではない。次に起きると下関に着いたところだったりする。良く寝た。実に良く寝た。
 機関車交換を眺める。なんともくたびれ果てたEF81の姿に時の流れを感じる。いつも通りのカメラの放列。まもなく関門トンネルへと進む。
 門司での機関車交換は何時の間にか無くなっていた。そのまま博多へ進む。いつもの事ながら下関を過ぎると寝つけないのがこの列車。年初に仕事でなんども足を運んだ北九州。小倉、赤間。寝ぼけ眼で眺める。
 飛行機は9:50発だ。中途半端な時間がある。まずはうどん。基本はごぼ天。店の人はどうやらバイトの高校生らしい。夏休みだねぇ。
 うどんを食ったぐらいでは時間は潰れず、ちょっと歩いて〒の場所を確認してからコーヒーを飲んで時間を潰す。出勤途中の会社員で結構混んでいる。今日が月曜日である事に改めて気が付く。8時半を過ぎると店も空いてくる。
 9時ちょい前に店を出て〒へ。もう一局ゆく時間があるかなぁと思っていたけど地下鉄の駅に出てしまったのでもう乗る。危ない橋を渡るのはやめようと思う。9:13の電車が来る。その後は9:22だ。
 空港に着き1タミへ。搭乗手続。「9:40発鹿児島ゆきを御利用のお客様〜」なんてやっているのでぎくりとする。10分ほど時刻を勘違いしていたようだ。もう一局なんて行っていたら間に合わないところだった。
 相変わらず厳しい1タミのチェック。機材を全部出せなどと仰るのでカバンが空っぽになる。っーか詰め直しかよ。カメラバックにカメラ入っていないほうが不審だと思うのだけどね。
 鹿児島ゆきの機材はJA8555。どこかで見覚えのあるレジだと思ったら7/11、秋田-羽田で乗った機材だった。今日はハーレクインの担当なのでアテンダントさんもハーレの赤と黄色の制服だ。
 時計を忘れたので細かなチェックは出来ない。雲も出ているのでどこを飛んでいるか分からないが、YSとは明らかに違うルート、多分内陸を飛んでいるようで雲の合間から見える景色は明らかに山のようだった。
 YSに比べるとさすがに早く20分ほどでベルトサインが点灯し、見なれた国分の街が広がってtouch down。。WEB上での公式記録によると9:38離陸、10:23着陸との事。
 空港内の〒を潰す。看板には「簡易郵便局」としか出ておらず正式名称が分からないのは御愛嬌だけど鹿児島空港簡易郵便局というベタな名前。
JA8768
 写真:JA8768 プロペラ始動 鹿児島空港にて
 今日も搭乗口で撮影する。なんかダイヤが乱れている様で、種子島ゆきは20分ほど遅れ。与論ゆきは屋久島からの使用機材到着遅れとかで出発目処立たず、だそうな。与論ゆきの乗客には御食事券が配られている。一方の種子島ゆき。ダブルブッキングとかで次の便に変更していただけるお客様を募集中と繰り返し案内が流れる。その上、乗り継ぎのお客様をお待ちする為出発がさらに遅れるとか。高松ゆきは天候調査中。しばらくお待ち下さいの後、無事出発する事になったようだ。
 さて自分ののる便はJN3648。SAAB340なんだけどそれらしい機材が見当たらない。しばらく眺めているとSAAB340が到着。広島西からの便らしい。これが福岡ゆきになるのかなぁ、JA8888だって、ゾロ目だ。搭乗がはじまる。バス連絡。バスに乗ったのは、たったの8人。おいおい。バスの8人とその後ワゴン車で運ばれてきた4人、合計12人が全部の乗客だった。新幹線の影響、ですねぇ。
 RWy34から軽々と上がり、しばらくゴトゴト揺れていたけど落ちついてベルトサイン消灯。まもなく八代海が見えてきた。まぁまぁのフライト。島原半島が霞む。筑後平野が広がる。筑後川の中に輪中のようなものが見えた、ひどく気になる。あとで調べて見ると福岡と佐賀の県境で結構中洲みたいなものが見える。このあたりでベルト着用サインが点灯する。高度を下げ始めたせいかまたゴトゴト揺れ始める。例によって玄海灘に出てRWy16と知れる。小島がいくつか見えて、志賀島コンテナ埠頭、貨物駅、そして福岡市街。いつもの福岡着陸。12:53、touch down。
 なぜかYS-11が居る。この時間帯に離着陸はないはずだけど。搭乗機から降りてターミナルの出口に向かう途中、徳島ゆきの登場客とすれ違った。どうやら彼のYSは徳島ゆきらしい、臨時便でも出ているのか?
 棚ぼた的なYS離陸シーンを撮影する。機材はJA8788。前に乗った「おが」だねぇ。だんだん乗る機会も増えてきてどれが以前乗った機材だったか分からなくなるけどこれは覚えている。2月に徳島-福岡で乗った機材だ。珍しく2タミのまん前へと向かう。福岡では普段見られない滑走路上の疾走を特と拝見する。なんか運が良いの、かな。
JA8759
 写真:JA8759 福岡に着陸
 もうしばらく待ち今度は高知からやって来たYS。JA8759。またの名を「だいせつ」これが間違い無く鹿児島ゆきになる、筈。例によってターミナルに向けていた頭を滑走路側に向け換える。ここまで見届けてターミナルに引っ込む。登場までの間にメシとお土産の購入。
 本日福岡1タミ2回目。例によってカメラバックの中身は全部出す事になる。
 ここでもダイヤが乱れて居る事が分かる。16時前の徳島ゆきは出発見こみが立たないとの事。四国が大前なのだそうな。お食事券を配っている。後ほど知ったが13時過ぎに離陸して行ったYSは本来11時過ぎに出るはずだった初便だったようだ。それが徳島に着いて再び福岡に戻って来て午後の徳島ゆきとなる……、そりゃ見こみ立たずだわな。鹿児島ゆきも何故か搭乗が遅れる。さっき機体が着いているのは見ているんだし、なぜ遅れるのか分からないけど、とにかく遅れている。出発時刻が過ぎる頃ようやく搭乗が始まる。今度は60%ぐらい埋まっている。搭乗が遅れた割には離陸はサクサク。公式記録で出発が15:22。タキシングが始まってこの機材も滑走路の端へと向かって離陸する。先ほどのフライト時よりもだいぶ雲が増えてきた。まもなく雲を突っ切って雲海の上に出る。ところどころ地上を確認する事は出来て、例えば何時も目に付く筑後川。島原は良く見えないけど真下の天草はまぁまぁ見える。また雲。海を突っ切って本土の山の上を飛んでいるはずだけどどこなのかはさっぱり分からない。気が付くと鹿児島湾の上空。毎度毎度の国分市街地。今日2度目だもんねぇ。相変わらずのRWy32。スポットは妙にターミナルから遠い。スポット……15になるのかなぁ。当然バス連絡。
 本日2度目の鹿児島空港。この後はすぐの便で折り返す。搭乗手続を済ます。今度の便はSAAB340だけど割と混んでいるようで、割当された座席は2A。窓が無いのですがよろしいでしょうかとの係員のお伺いにし方ありませんねぇと受け答え。乗り継ぎの福岡-名古屋はチケットが出てきたものの、チェックインが出来ない。運航が乱れている様ですので、福岡で手続をお願いしますとの事。さてどうなることやら。今日4度目のセキュリティチェックを受けて搭乗口へ。例によって12番付近にはYS-11が居る。JA8788。さっきみた機材じゃん。16:35の種子島ゆき。この機材は鹿児島-種子島を往復しつづける運用なのね。天気が大分悪化していて空が暗い。
 今度の機材はJA8887。後で調べて見るとJACのSAAB340導入1号機だった。例によってバス連絡で多分、スポット13番に運ばれる。先ほどのフライトのガラアキぶりがウソの様に、恐らく実乗29名、1Bと12番以外は埋まっているようだ。ちなみに2Aは所謂プロペラ横の座席。確かに1個窓を潰しているから窓の無い座席、って案内になるに違いないけれど、ちょっと無理して後を見ればなんとか窓の外が見れなくは無いのでまぁまぁいいのかなぁ。公式記録で16:58発。相変わらずのRWy34で空へと飛び出す。いやぁ揺れる揺れる。ローリング、ピッチング。よく落下感を感じる事はあるけど上に持ち上げられるような揺れは初めて。外は見えないしからどこ飛んでいるかわらか無いけど、アナウンスがあって17:03に離陸、高度4,600m、480km/hとの事、福岡の天候は曇りで27℃というからだいぶ気温が下がっている。離陸後の派手な揺れは無くなったけど相変わらず細かな揺れは続いて、ベルト着用サインは消えない。このままだと着陸まで点きっぱなのかなぁ。もう消えても不思議は無い程度の揺れなんだけどだいぶ時間が経っているし、消えてもまたすぐ点きそうだ。結局消えないまま真下に海が見えた、八代海、では無く博多湾がである。志賀島だよ、コンテナ埠頭だよ、貨物ターミナルじゃん。アテンダントさん、外の様子が見えないらしくしきりに外を気にしだした。機体がどこにいるか把握し切れていないみたい。まもなく着陸のアナウンスが入った時は、もう福岡空港の敷地ないじゃん、まもなく滑走路にtouch down。
 乗り継ぎ時間はちょっと遅れて25分。まぁギリギリなんでグランドホステスさんのお出迎えがあった。本来は11番搭乗口からとのことだけど今日は使用機材の到着が遅れている関係で出発予定が18:40になり搭乗口も3番からだという。あちこちで運航が遅れているようなので理由を聞いて見ると四国地方が大雨で全体的に運航が乱れているそうだ。台風一過の日本晴れ、とはいかなかったようで非常に不思議だ。後でテレビの天気概況で納得したけど。とにもかくもこれから乗る機材は遅れている。搭乗手続が鹿児島では出来なかった事を話し、一旦外に出て通常の手続をすべきかどうかお伺いを立てる。しばらく先任らしい係員と話しをしていたけどその場で手続をして貰えた。従って1タミから2タミへの連絡通路を通って遥か先の3番搭乗口まで歩く事になる。
 3番付近で機材を待っていると18:10頃、JASカラーのMD-81が現れる。この機材が名古屋小牧ゆきになるようだけど、レジは……JA8555。朝乗った機材じゃん。びっくり。どういう運用なんじゃ????時刻表をさんざん眺めたけど、さっぱり分からない。折り返しの運航整備があるから当然出発は定時と言うわけにいかず、案内通りの18時40過ぎの搭乗開始となった。朝と同じ機材に同じ制服。名古屋ゆきでもハーレクインエア担当なんです。前の方の座席を指定したので全体の搭乗人数は良く分からないけど、恐らく7割ぐらいではないでしょうか。
 相変わらずのRWy16で飛び立つ。もうだいぶ暗いのでどこを飛んでいるのかさっぱりである。途中操縦室からの案内があってある程度の事は分かる。現在高松上空で、大阪を19:36に通過、名古屋着陸は20時との事。
 ドリンクサービスがありコーヒーを貰う。その直後、大揺れが来る。テーブルのドリンクホルダーに置かれたコーヒーがユッサユッサ。溢れる勢い。こぼれなかったから良かったけど。出来るだけ早い打ちに飲んでおいた。
 名古屋の夜景は上空遥かから眺めた事はあっても着陸機から眺めるのは初めてだ。自分自身に土地感がないからかもしれないけれど、夜景が無秩序に広がっていて正直美しくない。どこを飛んでいるかさっぱり分からないけれども河縁に立つ城が見えて犬山と分かる。小牧はすぐ先だし、このまま北側から着陸するに違いない。公式記録で20時ちょうど着陸。
 運用が気になったので迷惑だろうと思いつつCAさんに事情を聞いてみた。本来の運用機は宮崎から来るはずだけどもっと遅れる見こみであったため、急遽、鹿児島-徳之島-鹿児島-福岡と廻ってきたJA8555を名古屋ゆきに使用したのだそうな。これで納得はする。でも四国の雨でなぜ宮崎便に遅れが?
 名古屋空港は初めてだし、来年の中部開港を控えて次来る機会があるか分からないし、少し見て廻りたい気分もあるけど、疲れた。昨日からの強行軍と今日の5回搭乗。当たり前だわな。ホテルにまっすぐ向かう。幸い名駅新幹線口ゆきのバスがすぐ出る。バスは10数人の乗客と言う寂しい状態で名古屋高速に乗り一路名駅へ。所要30分とのことだったけど15分ぐらいで鶴舞とか通っているし、20分ぐらいで笹島近くの出口を出たから予定より早く着くかと思いきやそこからが時間が掛かり、新幹線口に着いて見ると定時ピッタリ。良く出来たダイヤだ。ここからホテルへ。3日ぶりかな、まともなベットは。