MH70/JL7092 9M-MTF A330-300 KUL→NRT

 マレーシア航空は成田-クアラルンプールに週10便就航している。うち7便、つまり毎日就航するのは成田発KLゆきが昼便、KL発成田行きが深夜便というJALと同じ時間帯の便。残りの3便はKL発成田行きが昼便、成田発KLゆきが深夜便という、真逆のダイヤとなる便である。
 MH70のスジ。元々はクアラルンプール発成田経由ロサンゼルスゆきとして増便された分だったと思うが、成田以遠の搭乗率が悪かったのか廃止されて、KL-成田という区間だけが残っている。
 一日をフルに使って深夜便で帰国しても良いのだけど、いくら日曜日着といえども、深夜便の帰国は辛い。ならばと思って昼便を利用する事にした次第。本当は日曜日の昼便帰国が一番うれしいのだけど、週三便だけなので日曜日には飛んでおらず、よって土曜日の帰国となった次第である。

 搭乗開始は10:20というのでそれに合わせて出てくる。夏休みをマレーシアで過ごした日本人が目立つ。その中に混じって搭乗開始を待つ。

 C35番スポットで出発を待つのはA330-300。来る時と同じ機種である。
 10:30になって搭乗開始。

 お馴染みとなった赤革の座席が並ぶ機内に入る。宛がわれた席は非常口席であった。いわゆるお見合い席に夫婦そろって並ぶ事になる。出入りが自由なのはありがたいけど、すぐ近くにお手洗い。落ち着かないかも知れない。
 人が次々乗り込んで来て機内満席になる。10:44、機長さんから案内があった後、日本人乗務員が要約を放送する。成田までの飛行時間は6時間50分。途中の天候はおおむね良好、成田の天候も良好とのこと。
 10:49、Doorclose。10:54、Pushbuck。ほぼほぼ定刻である。10:58、Taiding。

 僚機を横目に滑走路へと向かってゆく。出発便のピークは外れているからか、実に順調に進んでいって、滑走路端へ。11:06、Takeoff RWY14L。
 飛行機は上昇してゆくと雲が目立つようになる。若干揺れたが、時期に落ち着く。間もなく雲海の上へと出る。空の蒼さが増してゆく。11:14、ベルト着用サイン消灯。意外と早い。

 地上も見えているが、散らした白い雲がどこまでも続くようなそんな景色が広がる。
 ヘッドフォンが配られたので受け取る。受け取るが、映画のラインナップは来る時と変わらない。自分は既に2本とも見ているのであり、妻も見なくても良いというので映画を見るのは見合わせ。非常口座席がゆえにモニタを出すのが面倒、というのもある。
 11時半を過ぎて最初のサービス。成田からの時はいきなり食事が出てきたが、

 今回はお馴染み、ピーナッツの小袋にお飲み物のカップ。ペナンからクアラルンプールに飛んできた時と同じ組み合わせだ。ひとまず飲み物だけ頂いて、ピーナッツは取っておく。

 窓の外、雲がだいぶ切れてきた。雲の切れ間、空と同じ真っ青な海。KLIAを飛び立ってもうすぐ1時間。既に南シナ海の上空に差し掛かっている。未だに謎のMH370便に何かが起きたのはこの辺りかな、と思ったが、口には出さない方が良い。
 まもなくワゴンが廻りだす。機内食の時間だ。まもなくマレーシア時間で正午、と言う所だからランチというに相応しい時間だ。

 メインに鶏のから揚げ。ライスと温野菜が添えられ、サラダとお蕎麦、そしてパンという炭水化物の多い食事。ケーキは何かあまそうだ。ビールはカールスバーグが出てきた。

 メインのアップ。ごはんが若干残念な感じ。


 お蕎麦とサラダ。外国の航空会社がそばを出すのはサラダの代わり、だと思っていたが、この組み合わせがあるとすると、サラダ枠ではないのか。すると何なのだろうか。

食事が終わると12時半。飛行機は南シナ海上空。ベトナムの沖合を順調に飛んでいる。フライトマップを見ると北東に向かって真っすぐ間違いなく成田へと飛び続けている。
 トレーの回収時に飲み物のお代わりを勧められる。食後だが食事前と同じくアルコールまで含めた全ての飲みものが揃っていたので、

 試しにお願いしてみたらきちんと出てきた缶ビール。今度はマレーシアでおなじみのTigerが出てくる。
 お手洗いに立つ人が増え、目の前の非常口で順番を待つ人も目立つようになる。若干落ち着かない。まもなく機内減光になる。サービス終了、おとなしく寝ていよ、という時間。
 南シナ海が過ぎてゆき台湾が近づく頃、揺れが始まる。そして14:50、ベルト着用サインが点灯した。外を見ると

 薄雲が高層まで来ている。前線か何かが出ているのか。飛行機は台湾の南。高雄の先をかすめて太平洋上へと進んでゆくが、地上の様子はまるで分からないまま進んでゆく。
 揺れは収まる。ベルト着用サインは点灯したままだが、客室乗務員が機内を廻るようになると乗客もベルトサインを忘れて立ち上がるようになる。

 空も青くなった。飛行機は琉球諸島の東側、太平洋上を北東へと進んでいる。そして15:20、ベルト着用サイン消灯。

 さほど経たないうちに再び窓外は青よりも白が目立つ世界になる。飛行機がまた揺れ出した。15:33、ベルト着用サイン点灯。お盆時の日本列島近辺。どうやら天気があまり良くないようだ。
 しばらくして揺れは落ち着いたが、今度はベルト着用サインは消えない。やはり時間が経つにつれ、サイン点灯中の認識が薄れるのか、お手洗いに立つ人が一人、また一人と。
 16時になって、ワゴンが廻りだす。リフレッシュメントが配布される時間だ。

 クアラルンプール発ではこんなボックスが選択の余地なく渡された。

 中身はサンドイッチとカップケーキ。それにお菓子が一つ。今度はワゴンにビールの姿が無かったのでジュースにする。コーラをと言う日本語発音がマレー人乗務員には全く通じず、すぐに近くにいた日本人乗務員がフォロしていた。機内、日本人が圧倒的に多かったからつい油断した。
 飛行機は琉球諸島から日本列島の南方、太平洋上を進んでいる。クアラルンプールを発って5時間少々。

 窓外に見える景色は単調で、地図上でしか成田が近づいている事は分からないけど、確実に北東へと進んでいる。17時ちょうど。エンターテイメントサービスの終了が案内された。ヘッドフォンを回収するそうだ。まだ早いと思ったが日本時間なら18時。この飛行機の成田到着は、日本時間で19時半だっけ。やっぱり早い事には違いないけど、映画を見ている訳ではないから、まぁ構わない。

 窓外、何時の間にか夕方の気配が近づいている。距離による変化ではなく、時間による変化だが、間違いなく成田が近づいているようだ。
 機長さんから飛行状況の案内があり、その後、日本人乗務員が要約をしてくれる。現在飛行高度9,000m。これから成田に向けて降下を開始するとのこと。成田の天候は晴れ、気温は26℃とのこと。成田到着は日本時間で19時を予定しているそうだ。
 日本時間が案内されたので時計を1時間進める。7時間近いフライトで時差が1時間というのは明らかに変だが、マレーシア時間の17時過ぎが日本時間の18時過ぎになる。

 窓外が18時に相応しい陰を帯びてくる。そして、一瞬だけ

 朱く染まった。翼を空に向けて飛行機は左へと旋回してゆく。一路成田へ向けてさらに降下してゆく。

 18:34、ベルト着用サイン点灯。空が鮮やかさを失う中で飛行機は順調に順調に高度を落としてゆく。18:40、銚子の港と街が見えて来る。すぐに鹿島の工業団地。
 雲に入って一瞬地上を見失い、すぐにまた回復する。地上がだいぶ近づいている。18:48、Geardown。そして18:51、Landing、RWY16L。19:02、Spot in SP98。

 出発した時と同じような端に着いた。振出しに戻る、と言った所か。
 サテライトの端から延々歩いて入国手続き。帰国ラッシュの真っただ中であり当然のように長い行列が出来ている。仕方ないので自動化ゲートへ。こちらも待つ人がいるけど、さほどではない。
 荷物も無事に届いていて、19:30には制限エリア外に出ることが出来た。

 アジア各地の新しい空港に比べると成田の第二ターミナルはみすぼらしく見えるのだが、補修工事で到着案内が隠されていて、ますますがっかりな感じになっている。
 さて、成田から自宅へ。今回は行きでリムジンバスを使っていて、その時に買い求めた回数券があるから、リムジンバス一択である。19:45出発と言うバスを予約する。

 無事にバスに乗れる。そこそこの空席で第二ターミナルを出る。たいてい第一ターミナルに廻る間で混雑するのだが、今日はタイミングの都合なのか空席が多いまま成田を後に一路YCAT。ここまで遅れに遅れている恥辱を少しやっつける。マレーシアから帰ったばかりだが、書いているのはタイの旅行記。。。
 1時間半ほどで横浜到着。時刻は21時過ぎ。今日はもうタクシーで家まで帰る。帰宅すると21時半。順調に来ているが、ただただ、移動するだけで一日が明けて、そして暮れる。
 夕食を作る元気はないので、近所で済ませる。いつも行く中華料理屋が今日は閉店したので別の中華料理屋へ。別に中華でなくても良いけど、この辺り、中華料理屋が何故か何故だか多い。

 ビールは安いぞ、400円。マレーシアと殆ど変らないのに出てくるはドラフトビアだ。

 食事は麻婆丼にした。マレーシアでも中華系の料理を食べる機会が多かったが、一日掛けて移動して、結局中華。良いか悪いかは論じないけど、結局アジアの東は中華文化圏、なのだった。