あけぼの 北帰行

 朝、鶯谷で上りあけぼのを迎えてから12時間あまり。特急やら新幹線を交えた鉄道旅行という、普段あまりやったことのないスタイルの旅行をしてきたのは、この土日使える週末パスを用意してきたからである。そして、この先、その週末パスを使って乗り込むのは下り寝台特急あけぼの。先月7日に続いての利用となるが、たぶん今回が定期列車としてのあけぼのとの別れになる。終着青森までたっぷり12時間を楽しむつもりだが、さてどんな事になるか。
 列車が入ってくるまでまずは夕食の算段。朝も眺めた駅弁売場には、色々な駅弁が並んでいるのだが、目に付いたのが

 ありがとう寝台特急あけぼの記念弁当なる商品。朝の時間帯には売っていなかったから、出発時刻に合わせて並べたに違いない。よく見るとEF81が掛け紙になったものとEF64が掛け紙になった2種類がある。店員は上りと下りと言っていたけど、こちらからすると上越と羽越の違い。どうやら上越の方が売れていそうだったけど、自分は羽越の一択でお買い上げ。
 適当にお酒の類を買ってホームに戻る。ホームはさらに人が増えている。乗客が早々に来ているのか、写真撮影だけが目的の人が多いのかはよく分からない。

 高崎・上越線の案内に寝台特急あけぼのの表示が出た。何時まで経っても上越とあけぼのの組み合わせに馴染めないまま最期の時が来てしまったなぁと思う。

 こんな小物を撮ったりしていると

だんだんと人が増える。推進運転で13番線に入ってくるところを是非撮りたいが、人だらけでちょっとヒドいなぁという状況。1日の段階でこんなに混沌としているのなら、14日の最終日、どうなるのだろうと思う。

 13番線にあけぼの号、青森行きが参りますの案内があってさらに人だらけになったところに、青い車体がゆっくりと入ってきた。行き止まり式になっている上野の地上ホームへは尾久にある車両基地からバック運転でやってくる事になっている。その様子を撮ろうとするたくさんの人でホームは埋め尽くされる。本当は明るい50mmレンズを使いたかったのだが、50mmでは人ばかりが入ってどうしようもなく、広角勝負になってしまった。
 列車が到着し、ドアが開いたのは21時。あと15分で発車というところ。ひとまず荷物は自席に置く。

 今日は開放式B寝台、4号車の下段を予約している。

 白帯の寝台車が今日のねぐら。

 さて本日のあけぼの、スターティングメンバーの発表。

 EF64-1052
 カニ24-112
 オハネフ24-8
 スロネ24-552
 オハネ24-555
 オハネ24-553
 オハネフ24-19
 オハネ24-51
 オハネ24-7
 オハネフ24-23

 前回と違って24系客車、白帯の車両が多い今日のあけぼの。これでないとあけぼのという気がしない。

 さて機関車の方を見に行ってみる。ホームの人をかき分けて進むと、ロープで規制線を張られており、黄色い線の内側には入れないようになっていた。

 この有様。先月の青森駅が可愛らしく思えてきた。改めて14日の最終日は無理だろうなぁと思うことになる。勿論さよならはしたいけど、この何倍もの状況は、たぶん着いて行けない。

 時間があればバッキンガム宮殿の衛兵交代みたいに、ジリジリジリジリ前に出て行く戦法になるのだろうが、今日は今撮っている、この列車に乗らなくてはならない。仕方ないからこれで諦める。

 後ろの方にも行ってみた。

 こちらは人の数としては機関車側ほどではないけど、規制線が張られているのは一緒。自由が利かないのも一緒だ。
 そろそろ発車時間が迫る。自席に戻る。向かいのベットに親子連れ、自席の上にも人がいる。たぶんこの4人で一晩を過ごす事になるのだろう。
 そろそろ発車時間が迫る。自席に戻る。向かいのベットに親子連れ、自席の上にも人がいる。たぶんこの4人で一晩を過ごす事になるのだろう。
 発車時間がやって来る。ホームに流れる♪あゝ上野駅。ごとりと軽い衝撃が来て動き出す。ホームに目を向けるとたくさんの人たちがこの列車にカメラを向けている。
 列車はゆっくりと動き出す。オルゴールが流れて案内が始まる。停車駅と編成の案内がある。検札が回っているそうで、その協力のお願いも合わせて。また郄粼線内で信号機故障が起きているとのこと。故障自体は修理できたそうだが、この先遅れるかも知れないとの事。最後に、明日の朝、秋田到着20分前になるまで放送は中断させて貰います、と最後に断わりが入る。