星の寝台特急

 今日は普通に会社、だけど荷物大きめ、激しく重め。予報を信じて傘を持たずに出てきたら、ぽつぽつ雨が降っている。折りたたみなら、持っているけどカバンの奥深くだ。やれやれ。
 重い荷物と雨降る街に気が重くなって会社の最寄り駅まで電車に乗ったけど、降りたら雨、やんでいた。気持ち遠回りをして歩数だけは稼いでおく。
 
 昨日の宿題やら、何やら。月曜日も出張になってしまったのでその準備。そんなこんなで定時が過ぎてゆく。
 残業を済ませ、駅へ。今日はこれから旅に出る。
 ホントは一旦自宅に戻ってから改めて出かけようと思っていたけど、そんな状況ではなかった。しっかし、会社に居るうちから落ち着かなくなってしまって、最後は仕事どころでは無かったりする。
 電車を乗り継いで向かった先は上野駅
 
 ちょっと間がありますねぇ、と言う事でふらふらと。
 
 思いがけず見掛けたボンネット型。急行能登の間合運用ですね。
 
 21:20過ぎ、今日の主役がやって来ました。2021列車、特別急行あけぼの。
 
 先頭を眺めに。庇が凛々しい後期型のEF81が今夜のエスコート役。
 
 星の寝台特急、なんて言葉。すっかり忘れていたかもしれません。
 上野出発前。検札が廻ってくる。切符をみせたついでに「混んでますか」と尋ねてみた。「今日は満席です」の答えに「それは、良かったすなぁ」と。秋田訛りが久々に顔を覗かせる。発してから自分でおやと驚いた。

 今、時刻表を眺めると、夜行列車が激減した事に改めて驚く。
 無論、新幹線も無い、高速道路も部分開通だった1980年頃と比較しても仕方ないのは分かるのだけど、自分が上京して実体験として夜行列車を使うようになった1993年から比較しても激減、と言いざるを得ないのは全てを通り越して悲しい。
 あの頃乗った列車たち。受験の結果が気になってどうしても発表を見たくて飛び乗った485系の急行津軽。新幹線の高架を眺めながら眠れぬ夜を過した12系の八甲田81号。上野で3時間並んで座った14系おが。途中で抑止を喰らって仙台打ち切りになった583系はくつるの座席車も最早、過去帳に名を連ねているのが信じられない。
 とは言え、上野発の夜行列車、自分自身がご無沙汰しているのだから仕方ない事なのかもしれない。そんな事を考えていると、車内の通路を「懐かしい!」と声を上げながら歩いてゆく人。最早全ての人にとって寝台列車が非日常の体験。だからこそ、今日の満席は嬉しい事だ。空いている嬉しさに勝る。