【82年11月 座席急行の寝台特急格上げ進む】

 82年6月に東北新幹線が暫定開業、11月には本格運用が始まる。
 秋田からは盛岡行きのたざわ、福島ゆきのつばさ、新潟ゆきのいなほ、3系統の新幹線接続特急が設定された。青森からは盛岡行きのはつかりが設定される。
 これに伴い夜行列車は再編。東北線方面の夜行列車はだいぶ減ったが、奥羽線方面はまだしばらく夜行列車の天下が続く。
 82年11月以降、85年3月の東北新幹線上野開業までのラインナップは次の通り。

 ★奥羽線経由 秋田・青森方面ゆき
 特急あけぼの1号 上野19時半頃→秋田6時前後→青森9時前後 奥羽北線 秋田〜弘前をターゲットとする設定 24系寝台車
 特急あけぼの3号 上野21時前後→秋田7時前後→青森10時前後 奥羽南線 湯沢〜秋田をターゲットとする設定 24系寝台車
 特急あけぼの5号 上野21時半頃→秋田7時半頃        奥羽南線 湯沢〜秋田をターゲットとする設定 24系寝台車
 急行津軽     上野22時前後→秋田9時前後→青森12時前後 奥羽本線 山形〜弘前をターゲットとする設定 20系寝台車、座席車
 急行おが(季節臨) 上野22時前後→秋田9時前後→男鹿10時前後 奥羽南線及び観光需要をターゲットとする設定 14系座席車
 ★羽越線経由 酒田・秋田方面
 特急出羽     上野22時前後→秋田8時前後        羽越線 酒田‐秋田をターゲットとする設定  24系寝台車
 急行天の川    上野22時半頃→新潟5時前後→秋田10時半頃 羽越線 新潟‐酒田をターゲットとする設定  20系寝台車

 急行鳥海、急行津軽1号が特急に格上げされて寝台専用列車になる。座席車は季節列車の急行おがを除くと急行津軽だけとなる。
 若干時系列が曖昧だが、急行津軽が20系寝台車主体となり、座席車は3両だけに。これが混雑を招き、おがの14系と津軽の20系をコンバートする処置が取られる。
 その後、84年2月改正だったかで、紀伊に使われていた寝台車を津軽に転用する形で、14系座席車4両+14系寝台車6両になった、と言うように覚えている。

 85年3月の東北新幹線上野開業の時に急行天の川が廃止。繁忙期だけは上野‐酒田の臨時急行として90年代中頃までは設定されていた。14系座席車だったから定期列車の時とは性格がだいぶ異なる。
 
 ライバル交通機関の状況は次の通り。東北自動車道の延伸と共に夜行高速バスが設定されるようになった事や、青森空港のジェット化が進んだ事があげられる。この動きが88年以降の夜行列車削減の動きにつながる。

 ●82年11月 上越新幹線 大宮−新潟開業
 ●82年11月 田沢湖線電化 特急たざわ運転開始(6往復)
 ●85年 3月 東北新幹線 大宮−上野開業
 ●85年 3月 弘南バス 弘前−盛岡 ヨーデル号 運行開始
 ●86年 7月 東北自動車道 十和田IC-碇ヶ関IC開通
●86年11月 特急たざわ増発(6→9往復)
 ●86年12月 弘南バス 品川‐弘前 ノクターン号 運行開始
 ●87年 7月 青森空港ジェット化 
 ●88年 2月 秋田中央交通 新宿−秋田 フローラ号 運行開始
 ●88年10月 庄内交通   渋谷−酒田 夕陽号 運行開始