2017-11-25

 台南滞在三日目、週末土曜日。帰国は日曜日だが、今日は台南から移動する。よってここのホテル、滞在は12時まで。
 午前中はゆっくりする事にする。食事は8時半を過ぎてから。昨日と真逆の席に案内されて食事を頂く。


 休みの日らしく食事に時間を掛けて頂く。麺ではなくて最後は果物とコーヒーで〆て一旦部屋へ。移動に備えて荷造り。それと少々足りないものがあったので近くに買い出し。高雄でお馴染み、小北百貨があったのでそちらへ。
 小北百貨の売り物の中にこんなものを見つけた。

 玉里羊羹。
 玉里。東部幹線、花蓮と台東の間の街で、以前に触れた通り、母の産まれた所である。羊羹は日治時代に端を発する玉里名物なのだそうだ。売っているのは初めて見かけた。母には不味いから買ってくるな、と言われており、買うのは見合わせ。でも話のタネに一度買っても良かったかも知れない。
 出掛けたついでに新光三越の前にある、藍晒圖文創園區をちらっと見てゆく。一昨年は工事していたエリアが再開発されて小ぎれいになっている。

 安平樹屋ではないが、捉われた家屋やらリノベーションされた日本家屋が並ぶ中、こんなポスターが気になる。

 日本観光のイベントをやるらしい。東北と中部にまつわるイベントと読める、そしてこのイラスト、

 明らかにきりたんぽ。
 きりたんぽなんだけど、色々間違えている。きりたんぽの具材に椎茸は使いません。しめじも無しです。白菜も入れませんよ。一つ一つ言っていたら妻に「お前はきりたんぽポリスか」と突っ込まれる。
 もうすこし歩いて今度は文具屋を何となく覗く。ここに台湾の立体地図が売っていた。以前、台北の台湾的店で大きな大きな立体地図を見かけ、欲しいと思ったのだが、この店、日星文具で売っていたのは一回り小さな物。これなら持って帰れそうだ。特価128NTDでお買い上げ。
 ちなみに中華民国の地図なので尖閣諸島は魚吊島として自国領になって載っている。日本との国境は妙な所に描かれているのだが、立ち位置が変わるとこう見えるのだ、ぐらいに受け取っておく。
 ホテルに戻って再び荷造り。チェックアウトは12時である。フロントが混んでも良いように、少し早めに部屋を出る。そのつもりがチェックアウトの手続きも、タクシーに乗るのも順調に行った。12時には、

 台南駅頭にいた。何故だ何故だ何故なんだ。
 昨日発券してもらった指定券。台南発12:45の自強113次である。だいぶ間がある。間があるので妻は駅前のドラックストアを物色しに行き、その間、駅構内で荷物番をする。

 目の前にスタンプラリーのポスターがでている。台鉄×JR四国という組み合わせ。台鉄は京急と組む、西武と組む、東武とも組む、と言った調子で乱交状態なんだけど、JR四国とは松山つながり。

 妻が戻る。まだ時間はある。駅構内座るところは無いが、ホームのベンチは座れそうだ。それならばと改札を通り構内へと入ってしまう。

 改札を入った所。大きな駅なのでホームが広い。その中程にコンビニ風の売店がある。駅構内にはセブンイレブンがあるのだが、構内のものは緑色の看板。全家ことファミリーマートかと思ったら、

 ファミマのパクリだった。ここで台鐵弁当をお買い上げ。後で自強の中で食べよう。看板に火車時刻表とあったけど、時刻表は売っておらず。残念。
 南行はホーム、階段を渡って向こう側なので移動する。

 駅構内、貨車の姿が見える。日本では見かけなくなった久しい無蓋車だ。黒い貨車ってのも日本からは無くなった。

 南行本線には区間車の姿。高雄方面の区間車なのでこれに乗っても高雄には着ける。でも自強の指定席を持っているから、こちらは見送る。 

 副本線には沙崙へゆく区間車が停まっている。本線の区間車の後を追うように出発してゆく。その後は自強なのだが、こちらが10分程遅れてくるそうだ。仕方ないので待つ。
 待つ間に北行列車がやってくる。


 PP自強、122次がやって来る。立席多数になって北上。一路基隆を目指す。基隆には定刻なら17:37到着予定。5時間の旅路。

 区間車は空いていたようだ。空いていても8両つないでいるのでだいぶ余裕がある。日本なら、4両に減らして立席多数になるのかなぁ。
 ホームにたくさんお客さんがいて、この人たち全員自強に乗るのかなぁと思っている所に、

 11分遅れて113次、PP自強がやって来る。長い長い12両編成+前後動力車からお客さんがたくさん降りて、それ以上にたくさんのお客さんが乗り込む。

 自願無座の人たちで通路が溢れる。台鐵の制度、70㎞以内であれば指定券を持っていなくてもICカードで自強のような座席指定列車に乗る事が出来、かつ空席があれば座る事も出来る。運賃は区間車と一緒という事になっていて、短距離でも気軽に特急に乗れるようになっている。最も指定券を用意しても運賃は106NTDだから、今のレートであっても400円以下。そりゃ、混むわなと思う。
 台南の次は高雄市内新左営となる。土曜日の午後、今から高雄に行く人の多さに半分呆れつつも自強は台南を発車する。

【今日の駅弁】台鐵弁当 60NTD 高雄鐵路餐廳

 台南で買い求めたのは台北でも台中でも車内でも売っているであろうオーソドックスな台鐵弁当。60NTDという値段も共通価格。台北車站構内であれば非常に割安感のある60NTDだが、小吃の都、台南であれば、同じお金、もう少し冴えた使い方ができるかも知れない。

 台南で買い求めた台鐵弁当のパッケージには高雄製作の文字がある。鐵路餐廳というのは台湾全土にいくつか拠点があるみたいだ。一昔前、東北各地に営業所を持ち各駅で駅弁を売っていた伯養軒を思い出す。

 中身は台北製作でも高雄製作でも共通。間違えようのないレシピなのかも知れない。安定の美味しさ。
 お弁当を頂いているうちに、列車は台南から高雄へ。気が付くと左手の車窓に台湾製糖の工場が見えてくる。数年前、五分車に乗った所だ。PP自強で36分という距離。感覚的には京都から大阪にゆくようなものかも知れない。考えてみると台南は古都であり、高雄は港町だ。
 右手に台鐵の客車、右手に高鐵のT700系がごろごろし始めて、台鐵新左営に到着する。高鐵でいう所の左営である。

 たくさん乗っていた人、3割ぐらいは降りただろうか。高雄の北の拠点であり、地下鉄接続もある左営は台南から来た人の一大目的地になっている。列車は間もなく発車。次は左営。ちらっと蓮池譚が見えて列車は高雄市内を進む。

 台南市内にはあまりなかった高層住宅が並んでいる。列車の速度がおちてまるで終着駅につくような雰囲気になり、高雄到着。遅れを引きずったままである。

 お客さんは殆ど降りたが、列車はこの先、屏東まで行く。さすがに立客の姿は見えず、まもなく出発してゆく。
 この旅行で訪れる二つ目の都市は高雄。明日日曜日、朝のフライトで帰国するので、それに備えての前入りである。台南から当日移動しようと思えば出来るのだろうが、だいぶ慌ただしくなるので、前日のうちに高雄まで入っておくことにした。ホテルは一駅隣り、美麗島の近くである。歩くには距離があるので地下鉄を使う。
 高雄の地下鉄と言えば、高雄と高尾、「たかお」繋がりで京王とコラボしてキャンペーンをやっている。これがまだ期間内。今回は京王で配っていた冊子を持ってきていないが、SNSでシェアした画面でも特典は受けられるので、一日乗車券を買い求めてみる。120NTDの元を取る程、地下鉄に乗るとは思えないが、京王柄のiPassを買うぐらいのつもりで良い。
 先着1000名、という事になっていたと思うが、どうもこのキャンペーン、あまり調子が良くないようで、久しぶりにサイトを見ると、9月1日から、日本で京王線の一日乗車券を買った台湾の人でも、高雄に帰って来てから日本人向けの一日乗車券を買うことが出来るようになっている。相当余っているのかも知れない。
 この特別のiPass。パスポートを見せ署名をしてから買うのだが、高雄駅の実績で11月1日から20〜30枚ぐらいの発売だった様子。外国人観光客の玄関という意味では高鐵接続の左営、高雄機場の方が多いだろうけど、1000枚、捌く事が出来るのだろうか。
 120NTDの一日乗車券を使い、1駅だけ乗って美麗島へ。

 普段は西より、六合夜市のある方に泊まる事が多いのだが、今日は東よりにホテルを取っている。14時を過ぎており、チェックインは普通にできる。部屋に荷物を置き、街歩き用の荷物を作ると、早速出掛ける。もう15時近い。再び地下鉄の美麗島

 撮影か何か良く分からないけどやっているのをちらっと見てから地下鉄で北上。高雄車站を通り越して巨蛋まで。

 駅前にアリーナがあるのが由来の巨蛋という名前の由来らしい。大きな玉子、BigEggって東京ドームの愛称そのままではないか。
 瑞豊夜市の最寄り駅であるが、夜市に行くには早すぎる時間。今日の目的地は夜市とは反対側。少々歩いたところにある

 こちらのお店。
 先客が二組、のんびりとかき氷を頂いている中に自分たちもかき氷を注文。待つことしばらく

 マンゴーたっぷりかき氷がやって来る。台湾で旬以外にマンゴーを出す店は珍しい、のだそうだ。旬を外したとはいえ、日本ではお目に掛かれない一品。美味しく頂く。
 その途中、店先にタクシーがやって来る。スーツ姿の日本人が3人だったか。降りてきて注文。タクシーを待たせ、テイクアウトで持って帰って行った。静かな界隈にバタバタとした嵐が吹いて、去って行ったかのようだ。スーツ、って事は業務出張の途中ですかね。
 さて次へ。巨蛋駅に戻り、本日三度目の地下鉄。美麗島まで行って、橘線に乗り換えると終点の西子湾まで。旗津へのフェリー乗り場とは逆の出口から地上へと向かう。

 その途中、高雄捷運のキャラクターの立て看板。

 搭乗高雄軽軌要付費。文字面だけ見ていれば言いたい事は分かる。「トラムのお代、頂くようになりましたの、きゃは」に違いない。
 6月に高雄を訪れた際、軽軌は高雄展覧館までで、開業区間は乗車無料となっていた。それが5か月の間に予定より遅れたものの、哈瑪星まで延伸してきて、この11月から有償に移行と言う事、らしい。
 軽軌の延伸区間には乗りたいが、その前に一つ用事。

 毎度おなじみ、打狗鐡道故事館。名前が変わって舊打狗驛故事館になっだとか。名前が変わったとはいえ、もう何度も来ているので見学しなくても展示は分かるのだが、こちらで台湾の鉄道雑誌、鐡道情報のNo233をお買い上げ。公式ページの更新が止まっているけど、Facebookの方で新刊の発行を知った次第。
 無事に用事は完了。次は軽軌。鐡道故事館の車両展示場に分け入る様に高雄軽軌の駅が出来ている。駅が完成して、どうなったかというと

 蒸気機関車の脇に最新のトラムが発着するようになった。生憎機関車は修復中で囲われていたが、これはシュールな絵面。
 さて軽軌に乗る。

 1本送って次の電車に乗る。到着した電車、いったん奥に引き揚げて点線してきたのに乗り込む。軽軌の運賃、iPassで払うと10NTD。元気の場合は30NTD。そして何故か

 EasyCARDは使えないのだそうだ。
 ちなみに手元の一日乗車券。タッチしたらエラーになった。捷運は乗れるが軽軌は対象外なのか。残高があるiPassを改めてタッチする。
 停まっている間に混んでくる。軽軌は有償になってもしっかり利用されているようだ。立客大勢になって出発。ゆっくりと走って行くと駁二芸術特区。今日はコスプレか何かのイベントが行われいるようで、あたりの人がケバケバしい。お客さんもさらに増える。
 軽軌は高雄港を右手に臨んで走る。途中、似つかわしくない高架に登ると愛河を跨ぐ。軽軌のために用意されたであろう真新しい高架の脇に、高雄港駅から延びていたであろう、貨物線の橋梁が残っていた。
 高雄85の近くまで来ると以前の終点、高雄展覧館。これでひとまずの責務は完了となる。この先どこまで行っても運賃は変わらないが、何となく大きなショッピングモールの最寄り、夢時代で下車。

 この辺り、軽軌は専用軌道をゆく。芝生で緑化された軌道。充電式なので駅間には架線がない。綺麗に晴れていればさぞかし映える事だろうと思う。

 特に目的は無いが、時間調整を兼ねて目の前のショッピングモール、夢時代へ。スターバックスがあったのでオリジナルタンブラーがないかとみてゆく。台湾共通と思しき柄はいくつかあるが、高雄オリジナル、というものは無し。残念。

 そんなことをしている間に日が暮れる。モールの前に構えるクリスマスツリーが暗がりで良く映えている。

 再び愛河の対岸目指して軽軌のお世話になる。日暮れとともにイベントも終わったのか、トラムは空席がある程度の乗車になっている。今度は川を渡ってすぐの駅、真愛 頭まで。

 ずいぶんと寂し気な駅だが、愛河に掛かる高架に設けられた駅はまるで愛河展望台。

 工事中で規制線が張られているから今は無理だが、工事が終われば新しい観光名所になるに違いない。
 時刻は18時。ここから以前も訪れたことがある港園牛肉麺へ向かう。駅を出て反対側の通りに渡りたいのだが、横断歩道は封鎖中。どうも開発中のエリアらしい。ちょっと困っていると、

 こんな珍客が来た。最近はやりのダックバスのように見える。道路を外れて

 右折すると、その先は川へと続くスロープ。

 そのまま先へ進んで入水。水が跳ねる。

 そして愛河を遡って行く。
 思いがけず珍しいものを見ることが出来た。
 さて牛肉麺へ。一番近い通りに渡ることが出来ないので、愛河沿いを迂回してゆく。この時間、川面に映る街灯りがきれいで、ちょっとした観光のようになる。

 昨年は昼間訪れた港園牛肉麺。今回は夕食時間帯の訪問となる。20時までの営業。あと1時間半で閉店という所だが、盛業中。混んでいる。

 注文をして先に支払い。こちらへと通された店内のテーブル席へ。相席となる。

 冷蔵庫に台湾ビールがあったから頂く。40NTDをお支払い。クラシックの方を飲むのは久しぶりだ。クラシックと金杯が並んでいると金杯の方を選びがちだが、クラシックも飲めば悪くは無い。
 だいぶ待たされ、ビールが無くなる頃、


 ようやく麺が運ばれてくる。自分が汁有り。妻が汁無し。まずはノーマルで。次に薬味として大蒜を添えて。美味しく頂くとそろそろホテルのある美麗島の方へと戻る。
 ちょっと歩いて橘線の 駅まで。二駅地下鉄に揺られると本日4度目の美麗島となる。ホテル最寄りなんだけど、もう少し歩く。ホテルとは反対側へ。

 老舗の菓子屋でパイナップルケーキをお買い上げ。会社のお土産用も何箱か買ったので結構な分量。結構なお値段になる。ついで

 お馴染みのマッサージ屋へ。ちょっと来ない間にマッサージ師の日本語力が著しく向上している。なぜ?と思ったら、後から後から日本人の利用者が訪れる。台湾ブームが深化して高雄を訪れる日本人客、増えているようだ。
 今回は痛さ的にはさほどでもなかったので、40分しっかり揉まれた後にはむくみが取れ、脚がだいぶ楽になっている。効き目が後から実感できる良いマッサージであった。
 ホテルに戻ると21時半。もうちょっと歩きたい。今回は夜市に行っていないし、スーパーでも買い物をしていない。
 滞在地が美麗島なので、ちょっと歩けば高雄で一番有名な六合夜市の会場である。しかし、六合は何度も行っているし、大通りの真反対。そこで地図に出ていた南華観光夜市に行ってみる。食べ物が殆どないらしいのだが、

 道に南華観光購物街とあるからここで間違いないのだが、

 見事に衣類ばかりの夜市であった。六合のそれとはだいぶ雰囲気が違う。
 夜市は諦め、スーパーに行く。台湾でおなじみ、全聯福利中心まで足を伸ばす。

 週末の高雄。人通りがだいぶ少なくなっている。閉じる店も増えてきた。スーパーは23時までの営業で絶賛営業中。自宅用の食材やらお茶やらを買い求めると22時になる。
 部屋飲み用に唐揚げでも買って帰りたかったのだが、目星を付けていた店は22時で閉店だった。結局コンビニに寄り道してホテルへ戻る。買い物をスーツケースに詰めると良い時間になる。明日は早い。

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