JL7014/AA176 N793AN B777-200 NRT→DFW

 そんな訳で今日からメキシコ出張。まずは午前中の飛行機で乗り継ぎ地のダラスへ飛ぶ。ダラスはアメリカン航空最大のハブ空港で、目的地へもダラス乗り継ぎが便利。ただ、JALはダラスに飛んでいないので、AAとのコードシェア便に頼る事になる。
 まずは搭乗手続き。すんなり終了して出国も順調。ラウンジに入る。AAのラウンジを案内されたが、ひとまずJALサクララウンジに足を運ぶ。
 
 
 当然、ダイニングで朝食となる。機内で寝るためにもビールも頂く。しかしこのダイニング、混んでいる。30分後には、成田名物カレーライスの提供も始まるからますますもって「ダイニングが混み合いましてご迷惑をおかけしております」状態になるだろう。もういいやと本来のアメリカン航空のラウンジに入る。
 
 アメリカン航空のラウンジも午前中の間はJALの客のための運用がされている。あんまり積極的には案内していないみたいだけど、JALのダイニングで供されるのと同じようなメニューがあって、
 
 日米合同ラウンジ飯状態となる。空いていて落ち着いているので、案外と好みのラウンジである。出発の案内が入るまでしばらくこちらで。
 10:10を過ぎた頃には搭乗開始の案内があって三々五々、搭乗客が席を立つ。早めの時間だが、行ってみる。搭乗口は75番。本館側の一番外れだ。
 
 すでに搭乗開始となっている。エコノミー側にはまだ行列が残っているぐらいのタイミング。優先搭乗できる権利があるので乗ってしまう。
 
 ダラス行きとして待っているのはN793Aという機材。アメリカン航空と言えば、ポリッシュド・スキンの印象が強いが、USエアウェイズとの合併を機に新塗装に変わってきている。
 今日はビジネスクラスに乗る。自力ではなく社用だから乗せて頂く、と言うべきかも知れない。ジャケットを預かって貰いウェルカムドリンクを頂く。
 
 プラスチックのカップだが、アルコールはアルコール。スイッチをオフにするには丁度いい。
 新聞の配布もある。こちらは日本人乗務員が対応してくれた。10:42、Doorclose。機長と思しき英語の案内の後、日本語の案内が入る。たどたどしい男声。あれっと思う。操縦士じゃなくて客室乗務員なのか。 
 10:48、Pushbuck、再び先程の男声がして英語の後日本語。飛行時間は11時間5分、飛行高度は12,000mとのこと。
 10:53、Taxing。飛行機は出発スポットから真反対のA滑走路目指して延々Taixingしてゆく。第一ターミナルの前を進む間に出発機の隊列が出来る。真横の滑走路から次々と離陸機。11:09、間もなく離陸の案内が入る。ここで時計をダラスの時間にする。時差は14時間なので日本時間午前11時がダラスは前日の21時である。離陸して食事をしたら寝ると言った所。ダラス到着は翌朝8時42分だから眠れさえすれば理想のフライトタイムではある。
 外は明るいが時刻は21:13、Takeoff RWY16R。
 
 長距離便らしいゆっくりとした離陸を味わうと飛行機は間もなく日本列島を離れてゆく。延々と続く青い海と青い空。
 
 まもなくベルト着用サインが消灯する。時刻は21:20。高度3,300m、対地速度620km/h。飛行機は更なる上空へ向かって加速してゆく。
 アメリカン航空ビジネスクラス。シートはライフラット。2-3-2列に並ぶのでJALでいうシェルフラットシートとほぼ一緒であり、目新しさは余りない。向かいのシートに比較的小型なモニタが付いているがヘッドホンがない。さてどうしたものかと思うが、収納の中にある訳ではなさそう。
 
 しばらくするとヘッドホンが配られた。ノイズキャンセラ付きのもの。使ってみると今までのエンジン音がウソみたいに聞こえなくなる。因みに離陸後30分が経過しているからずいぶんとスロースタートだ。
 
 続いておしぼりが配られる。暖かだが物としてはJALのエコノミーで見るような薄手の濡れた布。実用一点張りで手をふくという目的は満たせるが、この辺りは日系の方が上だとは思う。
 食事の注文が始まる。ビーフ、チキン、フィッシュ、ベジタブル。さらに和食と5択ある。5択あるが和食は殆ど積んでいないようで隣席の人は断られていた。メインの選択の他に、サラダのドレッシングを聞かれる。ちょっとの間、何を聞かれたのか分からずにきょとんとする事になる。正直、想像の斜め上だった。
 22時を過ぎたあたりから食事のサービスが始まる。まずはテーブルクロスが準備された後、飲み物の提供から。
 
 改めて飲み物からスタートする。今度はおつまみにナッツも添えられる。軽く温められ、陶器の器で出てくるところはビジネスクラスらしい。飲み物はシャンパンだけどグラスは何か変だ。でも
 
 揺れてもこぼれないように、という配慮だったのかも知れない。
 
 青空の真下、しばらく揺れが続いたが直に収まる。
 しばらくサービスに間がある。前菜が届いたのは22時半近くになってから。
 
 件のサラダと海老、後ほどになってパンが配られる。飲み物は二杯目となった。海老はJALキャセイで出てくるような小ぶりなプリプリ感のあるものではなく、大きくて大味なもの。アメリカ風と言えばそうなのかも知れない。
 
 次いでメインを頂戴する。ビーフにすると絵にかいたようなアメリカンなお食事、となる。まぁ旨い事は旨い。
 
 最後はデザート。アイスクリーム、ケーキ、チーズの三択からチーズを選択する。飲み物はベイリーズを頼んだらホットで供された。
 時刻は23時を過ぎた。いささか食べるには遅い時刻だったかも知れないが、食事が終わる。
 
 外はまだ明るいが時刻はもう23時半を回っている。機内、シェードが閉められつつある。
 
 食事が終わって思い思いに過ごしている人が目に付くが、自分は寝ようかと思う。このタイミングで寝て5時間、6時間眠ることが出来れば時差ボケは一発で解消するに違いない。
 座席をベットのモードにする。座席が沈み込んでゆく。まっ平にはなるが水平では無い。足を伸ばして眠れるのはありがたく、枕と毛布もあるからベットの体裁にはあるが、どこか眠りが浅いようだ。時折、ベットとしてみれば狭い中で寝返りを打ったり、熱くなった枕を退けたりした覚えがある。時々喉の渇きを覚えてペットボトルを口にした覚えもある。
 どうにも眠れなくなり、座席を少し戻す。寝ている人が多いようだ。外は真っ暗になっている。太陽と逆に進んでいるので、早々に夜になるのは間違いない。時計を見ると4時と見える。4時間ほどの睡眠だったようだ。もう少し寝ておくべきだが、どうにも眠れなくなり、諦める。成田を発って7時間少々。ダラスまではあと4時間。フライトマップを見るとアメリカ大陸が近づいている。
 ペットボトルの水が無くなっており、お手洗いに立ったついでに1本追加で貰おうかと考える。ギャレーに見た中でただ一人の日本人乗務員がいたのでお願いしてみる。ボトルは切らしているけど、空のペットボトルをお持ちなら、と2Lのペットボトルから移し替えてくれる。実用上は何にも問題ないけれど、少々驚く。
 飛行機は相変わらずの暗闇を飛んでゆく。薄ぼんやりとしながら東へと向かう飛行機に身を委ねる。日本時間を考えてはいけないが、ついつい頭が向かう。20時を過ぎたところのようだ。そりゃ、寝れないよねと納得せざるを得ない。もう少し寝たいけど。
 飛行機は5時ごろ、アメリカ大陸に差し掛かるようになる。5時ならそろそろ朝だが、あくまでダラス時間の5時。今飛んでいる西海岸はもう少し早い時間。まだまだ真っ暗な中を飛び続ける事になる。生まれて初めて見るアメリカ大陸の景色はもう少しお預け。
 時計が6時半を指す。もう2時間ちょっとでダラス到着と言う時刻。窓を開けると東の彼方がほんのり明るくなってきた。
 
 1日明けて31日の朝がやって来る。本日2度目の夜明け、か。
 機内の灯りが少し戻り、少々ざわつくようになる。間もなく朝食の開始。
 
 何かと何かを選べと言われたように思え、辛うじて聞き取れたエッグを選択。案内の時に日本語を話してくれるのも良いけど、普段のやり取り、もう少し日本人が聞きやすい英語にしてくれてもいいようにも思う。十分聞ける人もいるだろうから難しいかも知れないけど。
 これにパンがついて本日の朝食。頂いている間に東の空はだんだんと明るくなってくる。
 
 時刻は7:20を過ぎたところ。ダラスまであと1時間20分と言う時間だ。
 
 食事が下げられる頃にはすっかり外は明るくなっている。残念ながら外は雲。アメリカ大陸初見参、とはならない。間もなくヘッドホンが回収される。モニタには乗継便の案内が流れ始める。全米各地、そしてメキシコなど。ざっともて20便は案内に出ている。恐らくこの便からの乗継客がある所だけだと思うけど、ハブアンドスポークと言う考え方を目の当たりにする。
 8:02、ベルト着用サイン点灯。座席を元に戻し改めてシートベルトを確認する。ジャケットが返却されて膝の上に。 
 
 だいぶ高度が下がって逆光の中、アメリカの大地が見えるようになってくる。池なのか何なのか鈍く光る大地が段々と近づいてくる。道路やクルマ、ディテールが分かるようになると空港も近い。広大な空港が現れて8:28 Landing、RWy17C。
 飛行機が減速し、ゆっくりと誘導路を進む。辺り一面、どこを見てもアメリカン航空の機材ばかり。各国、各々のホームグラウンドは壮観ではあるが、ダラスのアメリカン航空一色ぶりは相当なものだ。
 
 小型機ばかりが集うターミナルBを横目にこちらは国際線がメインのターミナルDへと進む。8:38、Spot in SP D35。
 
 数分でドアが開き、降機となる。スポットにもアメリカン航空だらけのダラスフォートワース空港に降り立つ。通路にバナナの皮が落ちている。成田のラウンジにもバナナがあったけどアメリカ人ってそんなにバナナが好きなのかね。妙に印象的。
 
 隣のスポットにはMD-80がいる。昔ながらのポリッシュド・スキンだが、こちらは退役が決定している機材らしい。
 アメリカには用事は無く、メキシコへの乗継をするだけなのだが、一度入国はしなくてはならない。アメリカの入国審査はいろいろ厳しいから面倒くさい事この上なし。アメリカ経由のためにわざわざESTAに登録したのも、何かバカらしい。
 とはいえ、入国手続きが済まないと目的地には行けないから従いざるをを得ない。案内に従い入国審査へ。ESTA登録をしていると自動端末で手続きが出来るようだが、何故か撥ねられてしまい、係員のいるブースに並ぶことになる。
 アメリカの入国審査。係員のいるブースは二つ。実にのんびりマイペースで仕事をしている。審査待ちの行列はあっという間に伸びるが新しくブースを開ける様子は無い。列の前の方だったから、まぁ早い目に順番が回ってきたが、並ぶのが遅ければ、果たしてどうなったものやら。
 手続き自体はさほどの事無く完了。さらに税関の審査まである。荷物は目的地まで通しで預けているので、何もなし。行先だけ聞かれてメキシコに乗継、と答えて終了。更に乗り継ぎ便の保安検査を受けるために並ぶことになる。アメリカ乗り継ぎは嫌だなぁと思いつつ、ボディスキャナを受けた後に更にボディチェック。だいぶ出てきた腹を撫でられる。それ自分のだよ、と内心思う。
 散々苦労してターミナルD、到着階から出発階に。
 
 ここまで40分。乗継時間は2時間なので結果から言うと楽勝だった。しかし、ちょっと何かあればすぐに1時間コースを超えそうな、危なっかしい楽勝である。
 時間が出来たのでアメリカン航空のラウンジに立ち寄る。レセプションで1枚チケットを貰う。ワンドリンク券。アメリカンに限らないようだが、米系航空会社の米国内のラウンジはアルコール有料の所が多い。

 
 折角なのでバーカウンターに寄り道。ビールを貰う。ドラフトビアか?と聞かれて
 
 こんななみなみと注がれたビールが出てくる。飲みながら会社のメールをチェック。日本はもう日付の変わる時間か、と現実に引き戻る。
 飛行機の出発は10:40、搭乗開始の時刻は10:05とある。搭乗口は今いるラウンジから少々距離があるようだ。少し早いと思いつつ席を立つ。
 大きな大きなダラスフォートワースの空港はターミナル間を移動するための軌道系交通がある。ターミナルDにも駅が複数あるから、それに乗って移動しようかと思う。
 ラウンジに近い駅から新交通みたいな電車に乗車する。乗車して間もなく次の駅に到着。失念して降りそびれたら次はターミナルEと仰る。さっきの所で降りるべきだったのだ、やれやれ。
 ターミナルDからターミナルCはすぐ真横に見えるのだが、ターミナルEはかなり遠い。ようやく着いたところから引き返し。
 
 広大な空港を引き返してゆくと先程のターミナルDに戻る。
 
 AA以外の大型機に混じり、小型機が少々駐機している。あのどれかが搭乗機らしい。