JL91 B767-300 JA614J HND→GMP

 2002年のワールドカップ以来、すっかり定着した感のある日韓シャトル便、羽田-金浦線。昨今は両国間がごたごたしているが、金曜日の朝便、B767が一通り埋まる程度にはお客さんがいるようだ。機内に乗り込むと一通りは席が埋まっているように見受けられる。
 自分の後にも人が乗ってきて8:17、Door close。金浦までの飛行時間は2時間10分との事。また途中、ところどころ揺れが予想されるそうだ。
 定刻よりも早く8:19、Pushbuck。8:24、Taxing。飛行機はA滑走路を跨いで、C滑走路へと向かう。朝の8時、羽田なんて一昔前は混雑の極みだったような気がするのだが、最近はすんなりと離陸できるようになった。今日も渋滞に巻き込まれる事無く滑走路端に到着。8:34、Take off RWy34R。
 東京都内、スカイツリーやらゲートブリッジやら、そんなものが傾きながら霞んでゆく。まもなく雲の中、そして青空が広がった。8:43、ベルト着用サイン消灯。

 しばらくは雲が目立つフライト、

 その雲が切れて窓の下に地上が見える。大きな川の廻りは田園地帯。少し離れると?太い線路と高いビル。どこかなぁと思う事しばし、大宮だと言う事に気付いた。機上から大宮が見えたのは初めてかもしれない。
 関東平野を離れ山岳地帯に入ると少し雲が目立つようになってくる。山間は白い所も増えてきた。

 8:54、おにぎりのような形の湖が見えてくる。どうやら諏訪湖のようだ。

 それを最後に地上は雲に閉ざされる。
 機内食の配布が始まる。韓国線はだいぶ前から空弁となっているのでまさしく配布。


 空弁導入時の頃に比べるとだいぶ手抜きというか、簡略化したというか、そんな気がするなぁと思う。空弁以前よりはずっとマシですけどねぇ。

 ヱビスと一緒に頂く。味はまぁまぁ。ちなみに監修をしているなすび亭という所。調べてみると結構有名な料亭らしいのだが、う〜ん、知らなかった。知らないとへぇぐらいで終わっちゃうかなぁ。

 軽く食事を頂くと〆にコーヒーを頂く。食事配布から25分程。全部で2時間少々のソウル線が故に慌ただしい食事となる。

 窓の外には日本海からの湿気を大いに含んだ雲海が広がっている。この週末の予報は大雪。この雲の真下は雪の世界が広がっているのだろうが、想像するしかない。
 パソコンを取り出し少々恥辱を進める。9:40過ぎに地図上では隠岐の辺りを過ぎた。後は延々雲の上、途切れればそこは朝鮮半島となる。

 何時の間にか空の雲が薄くなっていた。時刻は10時半を過ぎている。よくよく目を凝らすとどうやら朝鮮半島の大地が見えているようだ。霞んでいて良く分からないながらも山の上を飛んでいるのが見て取れる。
 10:43、ベルト着用サインが点灯する。あと10分で着陸とのこと。えっと思って外をよく見ると確かにソウル郊外のような団地群が見えている。見えているのだが全ては霞みの中。実に視界が良くない。高度を下げているのだろうが、全く地上の様子、見て取れない感じがする。
 ソウルの郊外、団地群から農村のような景色にかわって行くとどうやら金浦空港の近くのようなのだが、相変わらずの低視界。降りれるのかなぁと思いながらも飛行機は高度を落としてゆく。ようやく空港のそばなんだと言う事がわかって滑走路が現れる。10:55、Landing、RWy14R。
 滑走路から誘導路へと外れて停止。辺りは相変わらずの低視界。初めて機長さんから案内が入る。金浦空港視界不良により管制の指示で停止しているとのこと。2分後に動き出すそうだ。予告通りに二分後に移動開始。国内線ターミナルの前を進む。駐機している航空機。いわゆるLCCのものが目立ち、レガシーキャリアのKE、OZの姿はなかった。たまたまかも知れないが、この数年で航空地図が書き換わったことを垣間見る思い。
 国際線ターミナル、スポットの前まで来るとするすると車が走って行くのが見えた。どうやら誘導車が付いていたようだ。11:04、Spot in SP36。

 霧の中、遅れもなく無事に到着。
 国際線の就航がだいぶ増えたとは言え、金浦はあくまでもご近所と行き来するためのローカルターミナル。入国は空いていて飛行機から降りてから15分弱でもう制限エリアの外に出た。

 まだ11時20分。でも以前のダイヤはもう少し早い時間に出ていたように思う。12時にソウル駅にいたことがあったな。
 さてこれからホテルへ。地下鉄4号線、明洞にもほど近い会賢駅から歩いてすぐのところ。どうやって行こうか考える。金浦空港からソウル市内へ一番早い手立ては空港鉄道の利用だが、ソウル駅での空港鉄道〜4号線の乗換が大変そうだし、9号線で銅雀まで行き4号線に乗り換える事にしてみた。
 国際線ターミナルから長々歩いて地下鉄の駅へ。9号線のホームに降りるとちょうど列車がやって来る。この路線は急行電車の運転があるのだが、知らない人間には少々分かり辛いのが難点。目の前に来た列車が普通か急行なのか判断に一瞬間が遅れて、普通列車と分かったその次にはこの普通列車がどこまで逃げるのかで判断に迷う。結局、目の前に列車に乗る。
 途中、急行は乗換という案内が一度あってもう一度ある。どうもホームのお客さんが乗ってこないのでどうやら待避ありと判断。

 塩倉の駅で待っていると3分後に急行が到着。座れないが乗れない程ではないので乗って行く。二つ先の仙遊島で先程の普通列車を追い抜き、その先も二つ三つと駅を飛ばす。普通列車で乗り通すよりも5〜6分は早く着いただろうか。銅雀に到着。
 地下深い9号線からエスカレータで登りに登って地上の4号線へ。地下鉄でも漢江を渡る所は地上に出る場合が多く、4号線も漢江を前にした銅雀の駅は高架駅。

 駅の下を流れる川は凍り付いている。ソウルの気温、今日は最低気温がマイナス3℃ほどだそうだ。昼間はプラスになっているようだが、横浜より寒いのは間違いない。
 電車が来て江南側から江北側へと移動する。

 川の景色、なにこれ?と思う程の怪しげな霞み。大陸側からPMなんちゃらが飛んできているのかと思うほどの視界だが、実際にPM2.5の影響、深刻な様子。後でニュースを調べてみたらこの日の午前中は警報が出てきたようだ。

今冬最悪のPM2.5、金浦空港で44便欠航2014/01/18 08:26 朝鮮日報日本語版
 韓半島朝鮮半島)は17日午前、この冬最悪の大気汚染に襲われ、ソウルや京畿道のほとんどの地域に微小粒子状物質PM2.5)の注意報が発令された。ソウル市は、PM2.5濃度が2時間以上にわたり1立方メートル当たり85マイクログラムを上回ったことから、同日午前11時にPM2.5注意報を発令したと発表。金浦空港ではこの日、肉眼で見通せる距離が50メートルとなり、午前中の航空便44便が欠航した。
 京畿道も同日10時から25の市・郡にPM2.5注意報を発令した。ソウル・京畿道に発令された注意報はいずれも午後4時に解除された。
 国立環境科学院によると、週末となる18日には大気汚染物質の濃度が通常のレベルまで下がる見通しだという。

 漢江を渡ると地下鉄は元通りの地下へ。ソウル駅を経てホテル最寄りの会賢に到着する。着いてみると12時半を過ぎている。金浦空港で電車に乗ってから小一時間。ソウル駅の乗換を嫌った結果だがちょっと遠回りだったかも知れない。
 まだ早い時間だが、ホテルのチェックインは12時から可能とのこと。半信半疑でホテルのフロントに行ってみると無事にチェックインできる。9階の部屋に通された。チェックアウトは12時までとのことで何だか不思議なシステム。滞在客が12時まで粘り、みんな12時にチェックインしたら破たんしそうだが、そうはならない事を経験上知っているのだろう。

 ビルと古ぼけた建物が混じりあるソウルらしい眺めが部屋から見えている。先程漢江を渡った時よりは視界は開けているだろうか。ひとまず荷物をしまいこみ、街歩き用に再編する。午後からは軽く出掛ける。
 まずは両替。それに昼食の時間でもある。両替は南大門の辺りにレートの良い両替商があったはずで、そちらまで足を伸ばしてみる。
 南大門の呼び込みは相変わらず煩いが、少し日本語の呼び込みが下手になったような気がしないでもない。たまたまかも知れないけれど「完璧な偽物」がちゃんと言えてない人がちらほら。日本語を話す機会が減ったのかなぁとも思う。
 外れまで来ると両替商がちらほら。どこが一番レートが良かったのか忘れてしまったので適当な両替商に入る。レートが表示されていないけど、前からこうだったっけ?。両替してみると10,000JPYが100,000KRW。すごくわかりやすいレート。
 両替が終わると昼食を、となる。南大門から乙支路入口駅の方へと歩く途中で店を探す。明洞に入ってしまえばいくらでも観光客向けの店はあるけど、まぁこちらで。食事できる店がなかなか見つからない中で一軒だけあった店が繁盛していたので入ってみる。ごくごく普通の食堂という体裁の店。メニューに並ぶ数字はソウルの中心街にしては安い。
 自分はマンドゥククを、妻はスンドゥブチゲを頼む。

 安いだけあって付け出しに出てくるキムチは一種類、それに漬物だけ。このあたりは仕方ない所。

 そしてマンドゥククが出てくる。4,500KRW。ゼロを一つ取ると日本円になるのでレート計算は便利である。ちなみにスンドゥブチゲは5,500KRW。二人の食事代が1,000円で済むのなら、まぁリーズナブル。味もまぁまぁ。観光客としてソウルに来て、一大観光地明洞のすぐ脇でこの値段で食事が出来る喜びもある。ひとまず満足した。
 もうちょっと歩くと乙支路入口の駅。妻の用事を一つ済ませると移動となる。地下鉄2号線に乗り込む。外回りの電車で漢江を渡る。先程の視界よりは晴れているようだ。再び地下に戻ると永登浦区庁という駅で降りる。
 おおよそ観光客と縁遠そうなエリア。駅から少々歩いてゆくとそこにあるのは

 日本でもお馴染み、コストコ。ほぼ同じような外観の店がでんと構える。

 http://www.costco.co.jp/p/aboutcostco/worldwide

 アメリカ発祥のコストコは現在、世界8か国にあるのだけど、韓国にも9店舗がある。そのうちの1店を訪れた次第。コストコワールドツアーなどと称してみたが、アメリカ、日本、韓国以外だと台湾のコストコぐらいは行けるかも知れない。ひとまず店舗の中へ。会員証は世界共通なので日本で作ったものがそのまま有効となる。
 都心に比較的近い店なので小規模。一階には日用品が中心に並び、地階に食料品となる。世界共通同じものが売っていたり、

 ローカルなものも売っている。ダシダのでっかい缶はどう見たって業務用サイズ。ご家庭、特に日本に持ち帰って使えるサイズではない。
 結局、お菓子をひと箱。それにギネスの420ml缶が6缶セットが13,500KRWになっていたので買ってみる。今回は買い物を目的にはしていないので小手調べ。こんなもので勘弁しておいた。
 再び2号線に乗って漢江を渡る。市庁の駅で降りてホテルに戻る。

 放火された南大門。復元工事が続いていたが何時の間にか完成している。道路を渡るついでに少し角度を変えつつ何枚か撮影。
 横断歩道を渡り切った所がカメラ店街。そして先程の両替商。

 ホテルに向かうには南大門の市場を突き抜ける事になる。例によって怪しげだったりはっきりとはしていたりはあるけど、「完璧な偽物いかがですか」という客引きが入る事になる。別に日本の国旗を背負って歩いているわけではないが、なんで見分けが付くのかと思わなくはない。

 ホテルに戻ると日が暮れてゆく時間であった。怪しげな色の夕陽だが、PM2.5の影響、なのかも知れない。
 買い物の荷物を整理すると次のミッション。今日は基本的に妻の要望に基づき行動する事になっている。次は東大門へ。買い物と夕食がメインとなる。地下鉄は会賢から4号線になる。

 東大門の駅を出たところにたこ焼きの屋台。これに限らず日式を名乗る店やら日本風の居酒屋やら、ごくごく普通に並んでいるし、お客さんも着いている様子。政治的にはギクシャクしているけど、根付いた文化は簡単には変わらない。フリーダムフライだって一瞬のことだったし。
 目的の買い物は割とあっさり終わったので夕食に移行となる。少し歩くと

 東大門がライトアップされている。辺りは何か集会が行われていて騒々しい。何かと思ったら拡声器で「ハレルヤー」なんて聞こえてきた。
 さて夕食は前回も食べたタッカンマリを頂く。タッカンマリの店は路地というべきところに固まっているのでそちらを目指す。うろ覚えで歩くことしばし。

 見覚えのある路地にたどり着いた。このあたりは焼き魚の店が中心なのだが、もうちょっと奥に入るとタッカンマリの店になる。

 路地に似合わないビルのお店に今日は入ってみる。店内は満席のように見えたが若干は空席があった。そちらに通される。

 テーブルの上、既に準備が出来ている。片言の日本語で「もちいる?」と聞かれる。要ると言ったのでそのまま鍋へ入っていったが、いらない場合は引上げになるのだろうか。


 別にビールとサイダーを頼んで乾杯。店の人が鶏に鋏を入れてくれる。どうやら本来はお客さんが自分でやる作業らしい。外国人に対するサービスらしい。ひとまず鍋が煮えるのを待つ。
 隣のテーブルには地元のお客さん。同じように鍋を煮出すと付け出しで出てくるキムチを投入。どこからかさらに一皿もってきて投入する。

 こちらの鍋はこんな感じに煮立ってきたが、お隣の鍋はだんだんと赤くなってきている。同じ食べ物とは思えなくなってきた。
 鶏の出汁が出ていい感じに煮えた鍋、火を弱めて頂く。薬味には軽く唐辛子ペーストに醤油。お隣はたっぷり唐辛子。やはり別の食べ物になっている。
 鶏の出汁が出ていい感じに煮えた鍋、火を弱めて頂く。薬味には軽く唐辛子ペーストに醤油。お隣はたっぷり唐辛子。やはり別の食べ物になっている。
 最後はカルグクスを投入してうどんとして頂く。ちょっと塩っ気が目立つようになったのが少々残念。とはいえすっかり体が温まる。寒々としたソウルの夜に嬉しい食事になる。
 店を後に地下鉄の駅へ。今日三度目の4号線、遥か郊外の鳥耳島に向かう電車で数駅。ホテルの一つ手前、明洞で降りて街をぶらぶらしつつホテルに戻る。

 今朝が早かったからかひどく眠くなった。22時過ぎ、えらい早々ではあるがもう寝る事にする。