特典が取れない!

 目覚ましを鳴らす時間、少々間違えた。6時半過ぎに起こされる。まだソウルの街。夜明けの時間帯。今日は日曜日。もちろん帰国の日。
 もうちょっとゆっくりしてから荷造りやら何やらをする。今日は少々変則的で自分と妻とで帰国便が違う。特典航空券を予約した際、空席を示す○の付いた便を同時にクリックしたのだけど、自分が取れて妻が取れないと言う不思議な状況に陥ってしまった訳。勿論、空席待ちを入れておいたのだけど、昨夏からずっと待っていて今日の今日まで空席待ちのまま。朝一番にソウルのANAに電話をかけてどうなっているか状況を聞いてみる。やはり空席待ちのままだそうだ。結局座席の取れている仁川からの成田行き、14:30発に乗ることになる。自分は金浦発19:40羽田行き。ひとまず朝食を食べて昨日買い忘れたお土産を買い、それでホテルをチェックアウトする事にする。まず地下鉄の駅まで出よう。9時近くになったが出掛けることにする。
 駅まで出て昨日とは反対側。何軒か飲食店が並ぶ中からキムパフのチェーン店に入る。勿論、キムパプ以外にもメニューがあるから色々と選べることになる。

 キムパプを二種類。それにマンドゥのスープ。全部合わせて7,800ウォン。レートの関係もあるけど本当に安い。こんなに食事が安くつく街でファストフードなんか要るんかしらと思ってしまう。もっとも街中で見たマクドナルドの広告、朝マックは3,000ウォンかららしいから、郷に入れば郷に従え、と言う事らしい。
 ちょっと駅まで行ったとき、妙なポスターに気づいた。

 ハングルは読めないけど書いてある事は想像できる。3号線、延長開業したらしい。ソウルの地下鉄は気が付けば延長している所が多くて、金曜日に乗った地下鉄9号線以外にも、京義線は京義電鉄線になってソウルー紋山の間に電車が走るようになっているし、仁川1号線も延伸している。事情はよく調べていないけど、地下鉄1号線も何か枝線が書かれているから、追いつめたつもりのソウル地下鉄完乗、いつの間にか遠のいている。今日の午後は予定がないからどこかに出掛けても良いかも知れない。
 お土産の買い忘れをお馴染み、ロッテマートに立ち寄って買ってからからホテルに戻る。意外と時間が過ぎて10時半過ぎ。仁川14:30の便に乗るのに、移動時間を2時間見込むとそろそろTime over。11時のリムジンバスに乗る妻に付き合ってホテルをチェックアウトする。自分は勿論、仁川空港にゆく必要は無いので見送る事になる。

3号線延伸区間

 11時に出るKALリムジン、仁川空港行きに妻が乗り、自分は同じく11時に出るホテルのバスに乗る。手を振って分かれるとバスの中へ。同時に二台のバスが動き出す。KALリムジンが先行。5号線、クワンナルの駅の直前でリムジンを追い越したから、

 こんな写真を撮ることが出来た。また手を振ってこちらは地下鉄の駅に。ひとまず3号線の延伸区間に乗ってこよう。ポスターで見ただけだから、どこの駅から出ているのか知らぬ存ぜぬだけど、どうにかなるだろ、とTマネーを改札機にタッチ。東行きのホームに降りた。

 意外と奥の方でつながっている。東側は二股に分岐する5号線。上一洞(Sangil-dong)ゆきでは無く、馬川(Macheon)ゆきに乗らねばならない。

 幸い次にくるのが馬川(Macheon)ゆき。空いた電車で20分弱揺られると芳荑(Bangi)駅。

 真新しい乗り換え通路をゆくとオレンジ色の三号線ホームが現れた。

 ちょっと待つと真新しい電車がやってくる。どこ行きか分からないけど京義線との乗換駅、大谷(Daegok)まで行ってみようかとも思う。
 日曜日の昼下がりだからか、元々閑散とした郊外区間なのか、分からないけどそれでも少しずつ席が埋まってゆく。10分ほどで水西(Suseo)。駅がいきなり暗くなったから知らなくても既存区間であることが分かる。そのままソウル都心を抜けて北のはずれへと向かうことになる。

9号線 その1

 だんだんと混んできた車内。路線図を眺めていると、この先、9号線と交わる事に今更気が付く。9号線も乗らねばならないが今日、金浦空港に向かう前でいいかなと思っていた。でも同じようなところに2度くるのもどうかと思いなおして、9号線乗換、高速ターミナルで下車。

 9号線には必ずある中間改札を抜けて地下へ地下へと潜って行きようやくホームにたどり着く。まもなく各駅停車がやってきた。ひとまず東の終着駅である新論硯(Sinnohyeon)に向かう。二駅だからすぐに着く。せっかくなので地上に出てみる。

 江南にもほど近い業務地区。日曜日だからか人通りは少なく、一本入った路地にも開いている店はない。お昼時だし、食事をしても良いかと考えていたけど、ちょっと見合わせて駅へ戻る。駅の中、改札外にもいくつか店がある。


 香港でよく見るワトソンズがあったり、ミスタードーナツがあったり。食事出来そうなお店が一軒あったけど日本料理店だった。ソウルの街、日本料理店も増えたよなぁ。
 次は京義電鉄線にするか。一号線で天安の先、長項電鉄線まで足を延ばすか。1号線は見たいが奥が深い分、先行きの読めない不安はある。だから京義電鉄線にしようかと考える。

 出発ホームは1面2線。急行列車と普通列車でホームを分けている。金浦空港ではどちらの電車が来たものか分からないまま電車に乗る事になったけど、これなら分かりやすい。
 さて。京義電鉄線に乗るためにまずは2号線との結節点、堂山(Dangsan)に向かう。各停で25分の所を急行だと15分。10分の差は大きい。高速バスターミナルからは座席も埋まり立客も大勢。つまり好調に見えるのだけど、9号線は4両編成で運転だから他線と同じように8両繋いでいたなら、どういう状況になっているのかよくわからない。
 1号線接続の鷲梁津(Noryangjin)に到着。ここから1号線でソウル出てもいいんだなぁと気づいたときにはすでにドアが閉まっている。やれやれとこの時は考える。予定通りに2号線経由で行くことに。予定通りに堂山(Dongsan)。長々と地上にある二号線ホームへ上がる。

 今日は凍っていない漢江を眺めると地下に戻って 。

京義電鉄線

 今度は6号線に乗り換える事になる。この先、水色(Susaek)が京義線との乗換駅。6号線と京義線の水色は違う場所だったと記憶していたが水色(Susaek)に着いてみると

 真新しい通路に「京義線乗換」の文字。案内に従って通路を歩くとエスカレータの上側、地上の明るさとディーゼルエンジンの喧噪が漏れてきた。

 地上に出る。真新しいホームにKORailの電車がいて、これが汶山(Munsan)ゆき。タイミングが良い。ひとまず乗る。

 隣は車両基地でセマウルやらムグンファの車両が発車準備をしている。その様子を撮りたいが、こちらの電車がいつ出るのかよく分からないから大人しくしている。停車中、にしては停車時間が長いなと思う。
 ならばと車内に目を向ける。外見はあまり代わり映えしないけど京義線電鉄化に併せて導入された最新型なのだろう。LCD画面の案内が付いている。改めてこの電車が京義電鉄線終点の汶山(Munsan)まで行く事を確認する。そしてこの駅がDegital Media Complexという駅である事を知る。電鉄化に際して開設された新駅らしい。そして今更ながら地下鉄6号線の駅名も、Degital Media Complexであったことを知る。水色(Susaek)と同名の京義電鉄線水色(Susaek)駅は次の駅。
 10分近く待たされてどうやらDMCと略すらしい駅を出発する。手元の時刻表で改めて確認すると京義電鉄線、DMC始終となるものとソウルまで行く電車と二種類あるようだ。頻度はよく分からないが、行き交う電車「DMC」と行先表示されたものが目立つような気がする。
 水色(Susaek)までは在来線の車両基地の脇。そして幸信(Haengsin)はKTX車両基地。住宅はそれなりの張り付いているが、その先は田園地帯になる。沿線の開発がまだまだだからか、電車も座席に空間が見られる程度のお客さんしか乗っていない。何両編成なのかとすれ違う電車の車両を数えてみたらどうやら8両編成。10分以内の間隔ですれ違うから20分毎の運転か、15分毎か。ちょっと輸送力過剰に思える。
 3号線連絡の大谷(Daegok)でちょっと人が動く。大谷自体、田圃の中の駅だから乗り換え客だろうか。また軽く流すかのように走り出す。それでも気動車の頃よりは早いようだ。そして駅の様相がだいぶ変わってしまったからつい1年3ヶ月前に乗ったばかりなのに、変化に戸惑う。
 沿線随一の街、金村(Geumchon)到着。郊外都市と言うよりは地方都市といいたくなる雰囲気。ここでは降りる客よりも乗ってくる客の方が多い。目の前に座った二人組の男が鯛焼きを食べ始めたりする。時刻は13時50分。さすがに空腹を覚える。汶山(Munsan)に着いたら食事をしよう。駅前の食堂あたりならサービスのおかずがたっぷり付いたチゲに有りつけるかも知れない。
 列車はさらに北へ向かう。ソウルから北へ向かうとそんな遠くない所に38度線があるわけで、陸軍か何かの駐屯地なんてものも目に付くようになる。終点汶山(Munsan)には14:05の到着。一昨年訪れた国境駅である都羅山(Dorasan)の10kmほど手前になる。

 向かい側に止まっていた電車がDMCに向かって動き出す。乗っていた電車は折り返しソウル行き。時刻表で見るとソウル行きは1時間毎の運転で、14:20を逃すと15:20まで待つことになる。お昼、どうしようか。次の電車でソウルまで戻ってソウル駅で食べるか。結局、折り返しの電車で戻ることにする。
 そうは言っても空腹なのでまずは売店でお菓子を購入。電鉄区間だからか売店でもTマネーが使える。小銭をやりとりしなくてもいいのはありがたいが残高は減る。ついでに券売機でチャージしておく。都心の駅と違ってハングル表記しかないタイプの券売機だったけど、何とか見覚えのある画面にたどり着いた。チャージも完了。
 広い構内の紋山駅。将来の北行列車に備えてだろうが今は持て余し気味。電鉄線の折り返す1、2番線で事が足りるようだ。

3、4番。5、6番ホームへの階段は封鎖されていた。

 列車の写真も撮っておく。すると運転士に注意された。韓国語だから詳細は分からないが注意されている事は分かる。言葉が通じないと思ったのか英語でどこから来た?と聞いてきた。
「I'm from Japan」「Japan?」「Yes」
 じゃあ、良いからと何故か無罪放免。この国の鉄道写真に対するスタンス。どうもよく分からない。
 折り返しソウル行きの電車も半分ぐらいは空席のまま南下してゆく。外が寒いからか暖房が強く思い切り尻を暖められる。日は照っているから車内はかなり暖かい。当然のことながら眠くなる。気が付いたらKTX車両基地がある幸信(Haengsin)だった。
 DMCの駅でちょっと停まった後、ソウルに向けてゆっくり動き出す。数分で新村(Sinchon)。ここでたくさんの乗客が降りていって電車は意外と閑散になる。昨日歩いた通りの繁華街だから降車客多数、分かりやすいのだけど、本数が少ないのは利用者からすれば、納得行かないだろうなぁ。
 ソウルまではあと一駅。大きなカーブをゆっくりと腫れ物に触るかのごとく進むと前方にソウル駅が見えてくる。ポイントをうねうね渡り、一番端っこのホームへ滑り込む。時刻は15:20。紋山からは1時間ちょうどで到着。

 京義電鉄線のソウル駅。大きなソウル駅の一番端からすぐに改札があって裏口へと通された。長距離列車はもちろん、地下鉄各線への乗り換えも、階段を渡り、ロッテマートの駐車場入り口を横断して一度ソウル駅前に出るというルート。乗り換えに5分では厳しいだろう。しかもソウル駅発着電車は1時間に1本。電車になっても京義線は継子扱いのままだった。
 いい加減お腹が減ったからソウル駅構内で食事をする。駅構内を見下ろす韓国料理屋。ビビンネンミョンを頼んでしばらく待つ。KTXが出発したり、1号線の電車が掛けて行くのを眺めながら残った中途半端な時間の使い方を考える。どこかにいくのは無理そうだ。金浦空港から一番近い未乗線は仁川1号線の南半分だが、乗りに行くには時間的にちょっと無理がある。

 明るい駅構内を眺めていると「やっぱり撮りたいな」という思いが頭をもたげる。明るいうちにどこかで京釜線を撮っておこうか。コンパクトデジカメで、しかも長居をしなければ目立たないだろうし。

 ひとまず出てきたビビンメンミョンを食べきると早々に1号線の電車で南下する。京釜線が東側に移って一駅、新吉(Singil)で降りてみた。撮りにくいがやってみる事にする。

 ムグンファが南下して行く。

 韓国では久しぶりとなる特急電車。日本製だとか。通勤車は国産だし、KTXも次世代は国産になるらしけど、何でこの電車だけ日本製を導入したのだろう。そのうちコピーされて他国での競争相手を増やすだけ、にならなければ良いが。

 上り線をセメント貨物列車が行く。 
 30分ほど滞在して、それなりに列車がみれる。もう少し撮りたいけど、本当は一眼レフでしっかり撮りたいけど、不自由な国ゆえに仕方がない。

9号線 その2

 そろそろ金浦空港に向かう。最後、9号線の金浦空港ー開花(Gaehwa)の間、一区間を乗り残しているから9号線で空港に向かうことにする。鷺梁津(Noryangjin)で乗り換え。9号線へは一度改札を出て地上連絡、改めて9号線の改札へというルートだった。金浦空港からソウル駅、鐘路方面は1号線乗り換えが便利だが、この乗り換えルートはちょっと大変ではある。
 9号線は各停に揺られた。4〜5駅毎に待避線があるのが分かる。都営新宿線よりも本格的な急行運転が出来そうな設備だが、今のところは急行20分毎。この各停はたまたまなのか金浦空港まで逃げ切る。最後の一区間は一際がら空きになり、ゆっくり走ると地上に出る。車庫が見えたから出入庫線を兼ねた区間なのだろう。

 車庫と反対側は寒々とした田園風景の向こう、管制塔が見える。金浦空港だ。見慣れた濃青と白の機体がTaixingして行くのが見える。時刻はそろそろ夕方6時近く。東京に比べれば遅いソウルの日暮れ時。

 終点、開花。地下鉄ならどこの駅でも見かけたホームドアがなく、この旅で初めて地下鉄の電車をまともに撮れた。
 さて、空港に向かう。一駅だからすぐに降りることになる。地下から延々エスカレータであがると、5号線改札の並び、ちょっと国内線ターミナル寄りの位置だった。酷さ線ターミナルへは歩いて5分ほどかかる。日本人率の高そうな通路をまた延々と歩く。ようやく、古びた雰囲気の金浦空港国際線ターミナルに到着。

 夕方の時間帯。19:40にANAの羽田行き、20:20にJALの羽田行きと出発が重なる。19:20に上海虹橋行きもあるけど圧倒的に多いのは日本人観光客。出発の遅いJALの方が行列が長く、それが最初に目に付いたから、やれやれと思う。今日のANA利用では何の優遇もないし。でもANAの手続きはさほど並んでおらず、従って、殆ど待たずに手続きが済む。団体客の手続きがおおかた済んでいる時間帯だったのだろうか。
 ちょっとまとまった時間が出来た。出国検査の行列は短いけどここで出国するのは惜しい。とはいえ、買い物をするつもりも無いから、フードコートにでも入る。

 見事に日本人だらけのフードコート。メニューも全店、大きく日本語併記。まだ食べていないものを、と考えて

 ビビンバにする。6,000ウォンにビールが3、000ウォン。市内に比べるとどうしても見劣りはする。空港だから仕方がないが、仁川の空港だと無駄に高級風で意味なく高い筈だと思ってかき混ぜた。

NH1912 JA710A B777ー200 GMPHND


 出発まであと40分。まだ出国の列は短いがもう搭乗口に向かう。どこかベンチに座って恥辱でも綴っていれば十分に潰れる時間だ。
 日韓シャトルが始まった頃に比べると使用しているスポットの数が増えたのか、今日の搭乗口、少し歩いた38番。辺りのベンチに日本人が大挙して座っており、ロビーに置かれたテレビを見ている。まるで地方空港で国内線の出発を待つような景色。ただ、テレビに映るのは韓国KBSなだけ。

 既に飛行機はスポットにいてJA710Aと知れる。それだけ確認すると空いているベンチに。
 手元の搭乗券には搭乗開始19:15と書かれていたが、19:10ぐらいだろうか、まず優先搭乗から始まった。ついで一般の搭乗が始まったので席を立つ。満席だろうが意外と行列は延びない。割とスムーズに機内に入ることが出来た。
 入った瞬間、狭いなと思う。来る時は一番前の席だったから3列並びの窓側でも出入りは楽だったのだけど、今度のトリプルセブンは翼の上の通路側。JALANAとで座席間隔にさほどの差があるとも思っていないけど、妙に狭く感じる。夜間飛行だからと通路側を指定してきたけど、それで良かったと心から感じる。
 前後左右、物の見事に埋まり切る。アテンダントさんが安全確認を始めた。一人一人ベルトをチェックし、荷物の置き方が中途半端な人に声を掛け、荷棚のチェックもステップに一段登って行う念の入れ様。ここまで念入りなのは初めて見た。
 19:34、Doorclose。パーソナルモニタがあるのに、エマジェンシーデモをやったりする。モニタが故障している訳ではなさそうだから、これまた初めて見る光景。その途中、19:39、Pusubuckを始める。19:44、Taixing。滑走路へ向かう。どちら側に向かったかよく分からない。こう言う時だけは窓側の方が良かったかなぁと後悔する事になる。この時間帯、空いているのか渋滞無く滑走路端まで進む。空港自体が小さいから、Taixingに要する時間も短いに違いない。
 一息置いて、19:50、Take off。RWy14Rだっただろうか。若干揺れながらの上昇。また揺れる。羽田到着は21:35を予定している旨、ここで案内が入る。
 19:56、電子機器の使用許可が出る。じゃあ一枚、機内を撮っておくかとカメラを出そうとした瞬間にベルト着用サイン消灯。

 ならばとお手洗いに立った後、通路で写真を撮っておく。機内、見事なまでに満席。一頃のウォン安は影を潜めている筈だけど、行きと言い、帰りと言い、本当に良く乗っている。
 行きと違って外は見えないし、機内プログラムは普通にある。映画は、時間的に厳しかろうと何となく落語を聞きつつ、恥辱の続きを綴る。パソコンだと仰々しいしが、こう言う時、素早く立ち上がる小さなポメラは役に立つ。
 前の方から機内食とドリンクのワゴンが廻り始める。少々揺れが伴いながらのサービス。東行きは時間が短いし多少の無理は仕方ないかなと思いながら眺める。その途中の20:14、機長さんから飛行状況の案内。現在、巡航高度12,000mで順調に飛行中。羽田の天候は曇りで気温は6℃との報告を受けているそうだ。羽田到着は定刻より若干早く21:35を予定しているとのこと。日本語の後、韓国語で一通りの案内が入る。日韓線といえども韓国語の機長案内を聞いた経験は、無い。
 その間に機内食のワゴンが廻ってきてトレーを渡される。

 一応、ちゃんとした機内食。メインとご飯は暖かいから、「ホットミール」と言うのだろう。大した物だと感心する。ビールと併せて頂くと、何か国際線の旅、という感じがしてくるから不思議だ。

 トレーに載せられたカップにもちゃんと活躍する機会があって日本茶やらコーヒーやらの巡回がやって来て食後の一杯、のつもりが両方頂けたから2杯になる。勿論、時間はどんどん過ぎて行って20:48、羽田まであと35分という案内が流れた。短いフライトも後半戦、どころかもはや最終戦という時間帯。トレーが回収されて行く。免税品の販売は見なかった気がするが「ただいまの案内を持ちまして免税品の販売を終了させて頂きます。一部のお客様に免税品の案内が行き届かなかった事をお詫びいたします」と。本当に慌ただしい。
 21:12、コツンと一発殴られた様な揺れを喰らう。そのまま揺れ続けるのかと身構えたけど、ひとまずこの一回だけ。しばらくは大人しく降下を続けているのだろう。21:16、ベルト着用サインが点灯した。また揺れはじめるが今度は有りきたりに揺れてゆくだけ。
 21:22、Geardownの感触。モニタに前方が映る訳でないからよく分からなかったが既に東京湾の上空、着陸態勢も最後の部分まで来ているのだ。右手の窓、不意に格納庫が現れると羽田空港の敷地内。21:25、Landing、Rwy34L。
 うんと減速して滑走路から横にそれる。第一ターミナルの前をゆっくりTaixingして行くと左に曲がり、湾岸線を跨ぐとようやく国際線ターミナルが見えてくる。21:34、Spot in SP46。
 見覚えのある46番搭乗口。確か、第二ターミナルが出来る前、JASのA300に乗るとバスで延々連れて行かれた先が46番だったように思う。ここから通路を延々歩くといかにも安っぽい作りの国際線ターミナルに出る。入国は順調。荷物の引き渡しはまだ始まっていない。今回は優先引き渡しの対象ではないから、最後の最後に荷物が出てきても不思議はないのだけど、あまり数の無いプライオリティタグ付の後が一般の荷物。意外と早いタイミングで一つ。ちょっと間をおいてもう一つ出てきた。予想外に早い。比較的遅めのチェックインが良かったのか。


 税関の申告書類を提出すると日本国内に戻ることになる。そのまま1タミにバスで行こうと外に出るとYCATゆきのリムジンバスが止まっている。

 こんな便もあったのかと乗り込む。まもなく動き出した。乗客2名。このまま高速に乗ってくれればとんでもない早さになるが、まずは1タミ側へと周りその前を素通り、2タミに行って客を乗せる。さらに1タミに寄ったから全く持って早くは無かった。ただ荷物を持って移動しなくて良いのが取り柄。たっぷり15分。羽田空港をほぼ2周してから横浜に向かう。走り出せば早い。いつの間にかベイブリッジを渡って市内へと分岐。そのまま狩場線に入ってくれるとすぐ自宅なのだけど、バスは横浜駅方面へ。YCATに着くと22:30になっている。着陸してから1時間。国際線だし、荷物預けたし、こんなものか。ここから先は京急線羽田空港で電車に乗った方が早い分には早かったかなぁと反省しつつホームに上がる。やって来たのは49運用

 1645編成。自宅に着くともう23時である。一足もふた足も早く帰った妻と12時間ぶりの再会となる。日韓シャトルは早いがたっぷり3日間。さすがに疲れた。明日は仕事だし、早めに休む事にする。

サイトアップ アクセスカウンタ

 サイトアップはお休み
 アクセスカウンタはチェックせず
 万歩計は13,040