JL951 JA619J B767-300 NRT→ICN

 今日飛ぶのはソウルまで。久しぶりに海外に行きたく、妻と二人、何故かこの時期にソウルに行こうと決めたのは3月も終わりに近づいた頃。国内だともう先得では確保できない時期でも海外行きの航空券は割りと手に入ったりするから不思議だ。
 10時出発の30分前を目安に搭乗口へと移動する。今日は74番搭乗口から。本館の左側、と言うのはあまり馴染みの無い搭乗口だったのだけど、印象よりも近くて想像以上に早く到着。

 今日待っていたのはJA619J。当たり外れの大きいJALの767の中では新しいほうなので、あたり、の類かも知れない。

 9:40ぐらいに搭乗が始まる。ゲートで待っていた全ての人を飲み込むと、前から後ろまで、ほぼ席が埋まる格好になる。朝鮮半島情勢が安定しない中で、どれだけ乗っているのか若干興味があったが、自分も含めて気にしていない人がそれなりに居ると言う事らしい。

 相変わらずの雨の中、出発時刻が迫る。定刻を過ぎる頃、「あと数名のお客様をお待ちしております」との案内。何人かが後ろの方へと歩いて行くのがちらっと見えた後、10:06、Doorclose。仁川までの飛行時間は2時間10分と案内される。上昇中、前線の影響で揺れが予想されるとの事。
 10:09、Pushbuck。10:14、Taixing。飛行機はB滑走路の方へと向かう。こちらから離陸した経験はあまり無い。どこをどう廻っているのかさっぱり分からないまま、意外と遠い滑走路端まで。特に渋滞は無かったが、滑走路に進入してから一呼吸、二呼吸おく時間が長かった。10:28、Take off RWy34R。
 真っ白な雲の中を突っ切って、上昇、上昇してゆく。出発時に言われた程、揺れは来ない。数分で青空が広がり、10:36、電子機器の使用許可が出る。

 まもなくシートベルト着用サインも消灯する。10:38。
 2時間少々のフライト。映画を見るには時間が足りず、折角の窓側だが外は一面の雲海。妻は寝不足解消中なのでひとまず音楽を聞き、パソコンを取り出し今日の恥辱に取りかかる。そんな事をやっているとワゴンが後ろから前へ。機内食の配布開始だ。
 韓国線エコノミークラスの機内食が空弁になってだいぶ経つ。最初の頃はだいぶ気合いが入っていたけど、だんだん劣化と言うか、力が抜けてきて、以前の機内食の雰囲気に戻りつつあるような、そんな感じ。


 ラウンジで食べているからまぁ必要十分と言うけど、もうちょっと力入れてほしいよなぁと言うのが正直なところ。
 今日はジェット気流の影響なのか、対地速度700km/hを切るぐらいの、ゆっくりとした速度で西に向かっている。映画までは見れないので、テレビ番組の短めの奴を一本見て、一息つくとまだ隠岐を過ぎたあたり。
 眼下の雲はすっかり消えて青い空が広がっている。11:50、あと40分で仁川着陸の案内が入る。ソウルの気温は6℃とのこと。東京より相当寒いようだが、そこまでの備えはしてきてない。

 11:58、海が途切れてどこかの港が見えてくる。次第に山の中へ。穏やかな春の光を浴びた、乾いた大地を飛んで行く。そしてそろそろ高度を落として行く。
 12:20、ベルト着用サイン点灯。15分で着陸とのこと。改めてソウルの気温は6℃と告げられる。いつの間にか白い雲が沸いてきて視界を閉ざされる。そのまま高度を落として行く。揺れは来ない穏やかな着陸だが、視界だけが無い。不意に地上が現れるとそこは仁川空港の敷地内。12:36、Landing、RWy33R。12:44、Spot in SP113。
 外に出る。意外と寒くないから、上着をもう一枚欲しくなるような状況ではない。コンコースAから本館へ。入国の列は短く、すぐに順番が回る。以前と違って指紋と顔写真、ダブルで取られるので一人あたりの所要時間はちょっと多め。

 荷物を受け取って税関を抜けると13:06。到着から20分少々であった。

 どうでもいいのだが、ニューヨークとバンコクに挟まれて秋田の表示がある。何か変な気がする。

 空港鉄道で市内に向かう。普通列車ロングシートに座ると急に疲れが出てくる。列車は海に掛かる橋を渡る頃、うつらうつら。金浦空港到着の案内で乗り換えと思ったのだがその後また寝てしまう。実際には空港鉄道はソウル駅まで直通するようになったのだから乗り換える必要は無い。漢江の長い橋を渡ったのも気付かず、弘大入口の駅で意識を取り戻す。次は孔徳。ここから少々歩いた所にあるホテルが今回の滞在地。

 土曜日の午後。街中の幹線道路は渋滞中。その横を歩いて5分ほどでホテルに到着。なかなか便利な所である。

 15時過ぎにはチェックインして部屋に。
 ソウルの宿泊地、今までだと明洞のホテルか鐘路の安宿が多くて、そうでなければ郊外の高級ホテルにも泊まった事があるけど、ソウル駅の西側、麻浦に泊まるのは初めての事。空港から鉄道で一本で来れるのは楽。市内中心地から少々外れるけど使い勝手はどうだろうか。今日これから試す事になる。
 荷物をホテルに置いて一息つくと行動開始。まずは5号線で光化門に出る。数駅で中心街にほど近い光化門の駅に運ばれる。この駅に隣接してある教保文庫はソウルでも指折りの本屋さん。妻はここでCDをお買い上げ。自分は時刻表を探す。4月号が一冊残っていて手に入れる。
 続いて、明洞の方へと歩いて行く。週末の市街地は賑やかで、あちこちでイベントの開催中。そしてなぜか警官の姿が目立つ。

 世界で最も多くの国が手助けした戦争と言うことで朝鮮戦争ギネスブックに登録されたそうだ。その数67だそうで。その記念にパネル展を歩道でやっていた。

 巻き貝のモニュメント?趣旨はよくわからないけど。

 高速道路を撤去して復元された清渓川。その最上流というのは初めて見た。噴水から川が続いているとは知らなかった。

 明洞にたどり着く。ここで両替。空港で両替するよりもレートが良い。1万円が13万9600ウォンになる。一頃の円高が一服したとは言え、まだまだ円が強い。
 この後は明洞の街。妻の買い物に付き合ってぷらぷら。ほぼ一周するとまもなく午後の6時。日本と時差はないけど西に位置する韓国ソウルの午後6時はまだまだ明るい。
 休憩でクリスピークリームに寄る。


 3年ぐらい前の新宿とかとんでも無い行列が出来ていたドーナツ屋。名古屋あたりでも開店前から行列が出来ているのを見たことがあるけど、ソウルのお店は並ばずに購入可能。コーヒーとドーナツ1個で4,200KRW。それにおまけのドーナツ1個。コーヒーはどことなくコピと言う感じなので、ちょっと割高感がある。ドーナツの味は万国共通でしょうか。
 ドーナツを食べながらこの後の事を確認。ホテルに戻る前にちょっとスーパーに寄って買い物をしておこうと動く。ぱっと思いつくスーパーの位置、ソウル駅とか龍山とか、ちょっとホテルへの通り道からずれる。今、いる位置と付き合わせて考えて、2号線で新村に向かう。駅直結のスーパーで普段使い用にコチュジャンやら調味料やら。インスタントラーメンも買っておく。何気に横浜橋で揃う食材ではあるけど、こちらで買う方が安いし。

買い物を終える頃には日が暮れている。道端の屋台、灯りが暖かそうに映る。

 改めてホテルに戻る。地下鉄、2号線と5号線を乗り継ぎ。5号線、麻浦の駅からホテルまではほんの数分。
 夕食がまだなので再びホテルを出て近所をふらふらと。麻浦の駅方面に行っても孔徳の駅方面に行っても何かしら食事出来る店はあるが、今日は孔徳の方へ。路地を一本入るとお店が軒を連ねる。麻浦は焼き肉が名物らしいが、ちょっと重たいのでパス。タコを食べさせる店もいくつか。


 そんな店の一つ、結構混んでいる所に入ってみた。サンチュックミチョルパンポックム、と言うものを注文する。日本語に訳すと「生イイダコの鉄板炒め」となるらしい。


 まずはおかずが幾つか。ビールも注文しておく。出てくる銘柄とコップのロゴが異なるのは、よく有る事。

 出て来た鉄板の上には「生」では無く「生きている」イイダコが載っている。鉄板の上で動いている所、火を掛けられる。

 動いていた蛸が力尽きて果てる頃、店の人が蛸をバラバラに切ってくれる。炒める事しばし、炒め物の完成。先程まで生きていた新鮮なイイダコは美味しい。そしてセリと意外なほど合う。
 蛸の墨が出てきたりして、食べているうちに鉄板の上が黒くなる。最後には何か別の食べ物のようになって完食。
 ホテルに戻ると22時を過ぎる所。軽く缶ビールを頂くと眠くなる。日付の変わる頃、長かった一日を終わりにする。zzzzz。