2013-01-02

 新春二日目。心がけて7時に起きる。今日は一人で出掛ける用事がある。雑煮だけ作って貰って昨日の頂きものと一緒に食べる。荷造り少々身支度少々。テレビに映る箱根駅伝が1区から2区へと襷を渡す頃に家を出る。目的地が目的地なので南太田の駅に出て京急線
 改札の手前で上り普通車が出て行くのが見えて舌打ちしたくなる。次の普通車は7分後。移り変わり時間なのだろうか、ちょっと不思議なダイヤ。

 やってきたのは13運用825編成。南太田でエア急待避となる列車。ドアを二つだけ開いて発車を待つ。急行に抜かれた後、こちらも動く。
 戸部のホームが物々しくて何かと思ったらこれから箱根駅伝のランナーが真下の国道1号を通過するところであった。どこかですれ違うかと思っていたが、意外と差し込まれる。
 横浜で乗り換え。快特、エア急の順に来る。「時間に余裕のあるお客様はこの後の羽田空港ゆきをお待ちください」なんて案内もしていた。別に急いでいるわけではないが、後の電車を待つ気分でもないので

 55SH運用、607編成と

 43T運用、5304編成の組み合わせで羽田空港へ。快特が蒲田に着くと目の前を先ほど南太田で抜かされたエア急が発車して行くところ。ダイヤ改定後に初めて羽田空港まで利用したが、妙に待たされたり乗れなかったりで、このダイヤ、胸を張るほど出来がいいとは思えない。空港には40分弱で到着。

 国内線、第一ターミナルに10時。勿論飛行機に乗るために来たのである。向かう先は、

JL1263 JA341J B737-800 HND→AXT

 秋田である。新年早々、一人で旅行とは変な事だが、高校の同窓会が午後から秋田で行われる。それに参加するための帰郷になる。
 今年は日本海側の天候が悪く、今日も予報は雪。これから搭乗する1263便も9時過ぎ、ちょうど南太田の駅に着いた頃に

【条件付き運航のお知らせ】JAL国内線1月2日JAL1263便‏

 この度はJALグループをお選びくださいまして、ありがとうございます。

 1月2日(水)JAL1263便は条件付きでの運航となりました。
 ご迷惑をおかけし申し訳ございません。

 ■条件付き運航内容 1月2日(水)9時16分 現在
 ┏─────────────────────────────
 │【便情報】
 │ 1月2日(水) JAL1263便
 │ 東京(羽田) → 秋田
 │ 定刻 10:55 - 12:05
 │ 搭乗口 17
 │
 │【条件付き運航】
 │ 秋田空港 雪のため仙台空港に向かうか引き返すことがあります。
 ┗─────────────────────────────

 なんてメールが配信されている。どうなる事やらだが、なるようにしかならない。
 空港は空いていて保安検査を抜けてラウンジに行くとまだ出発まで40分。時間があるので

 一杯だけビールを頂く。飛行機の出入りを眺めつつビールを飲む時間が素敵だ。青空の向こうが大雪だとはとても思えない。怠惰な正月の景色がどこまでも続く。
 この後もどうせ飲むのだからビールは控えめにしておく。空いたラウンジに30分弱。そろそろと思い、搭乗口似向かう。待っているのは


 JA341J。B737-800型機。JALの国内線に乗るとどこに行くにもお世話になる機材だ。既に搭乗開始になっていて写真を撮っている間に最終案内なんて放送が流れ出した。慌てて機内に向かうことになる。
 機内、後方の普通席に落ち着く。おおよそ半分埋まっていない程度の搭乗率。正月二日の地方行きだからこんなものか。
 10:52、Door close。改めて羽田に引き返すか仙台に着陸する可能性を念押しされる。そして、飛行中揺れる事も添えられた。10:56、Pushbuck、11:01、Taixing。飛行機は目の前の滑走路を知らんぷり。海側、C滑走路へ向かう。方面別で分けているから仕方がない。右手に曲がると東京湾が見えてC滑走路に着いたことを知る。11:08、Takeoff RWy16L。東京湾に白波が立ち、飛行機は少し揺れつつ上昇。そして北へと反転する。目の前に東京の大きな街が霞みながら広がって行く。
 大きな日時計のようなスカイツリーも徐々に小さく霞んで行く。飛行機は真下にディズニーリゾートを見下ろし、東京湾から関東平野へ。そろそろベルト着用サインが消えないかなと思い始めるが、こんな時には大抵消えないものである。東京の東側、常磐道やら外環道が見える頃、ベルト着用サインが消える。時刻は11:15、ここで初めて秋田到着時刻が定刻よりも早い11:55になる事を告げられる。

 飛行機は関東平野を北上して行く。霞の向こうに意外とくっきりとした富士山が顔を出している。霞の原因は埃か塵だろうか。

 茶色い関東平野が尽きて白い山々が見えてきた頃、機長さんから飛行状況の案内。右手に見える山は日光連山だそうだ。この後10分程で降下を開始するとのこと。秋田の予報は暴風雪だそうだが、今のところ、空港の天候は小雪で気温は0℃とのこと。降下すると雪の中の飛行となり、揺れが予想されることが付け加えられる。

 真下の山々が途切れて会津盆地が広がる。時刻は11:26。

ちょうどワゴンが廻ってきてジュースを頂くのと同時に外に雲が広がる。
ちょうど福島から山形へと移り変わる辺りである。東北の中でも福島県というのは雪の少ないところであり、本来であれば住みやすい土地なのだ。

 すっかり景色が単調になる。11:30、あと20分で着陸と告げられる。5分でベルト着用サインが点灯するそうだ。でもお手洗いに立って戻った11:33、早々にベルト着用サイン点灯。揺れても飛行の安全には差し支えありません、なんて言葉が添えられたとたんに小刻みな揺れが始まる。機内の地図によるとまだ山形県寒河江辺りの上空だが目の前の翼にはスポイラーが立っている。そして青空が消えた。飛行機はさらに揺れる。揺れるというより揺さぶられるという体。11:36、電子機器の使用が禁止になる。飛行機は更に揺れ続け時折落下感を伴う動きもするようになる。メモを取る字が乱れる。翼が霞んでその先が見えなくなる。外と共に機内が薄暗くなる。
 灰色の世界にぼんやり地上の景色が浮かび上がる。思いがけず近い。時刻は11:54、この先にすぐ空港がないのなら墜落ということだが、飛行機は自信を持って高度を下げる。11:55、Lainding、RWy28。
 真っ白な滑走路を急減速。そして緩減速。吹雪の向こうにターミナルが霞んでいる。窓に雪がまとわりつく。誘導路を慎重に進む頃「ご心配をお掛けしましたが、無事秋田空港に到着致しました」の案内。12:00ちょうど、Spot in SP2。

 雪で真っ白に霞む空港。よくこんな中降りたなと思う。これから市内へはリムジンバス。切符を買うと「」と声を掛けられる。聞き取れなくて「えっ?」と聞き返すと「出発はずーにじにじゅっぷんです」と。この人、バスの運転士である。秋田訛りが久しぶり過ぎて聞き取れなかった。
 ターミナルの外にでる。刺すような寒さが身を包む。雪は少々収まっていて、このぐらいなら大丈夫かなという気分になる。

 バスで市内へ。飛行機の客は少な目だったし、地元の人はクルマで空港にくるからバスに乗るのは遠来の人だけ。10人ぐらいの客を乗せて雪道を走って行く。

空港の辺りの雪が秋田市内に出るにつれてやんで来る。市内まで出るるみぞれになった。駅前まで40分。

 初売りに来るお客さんが多いのか駅前の道は渋滞気味。シャッター通りどころか空き地通りになり掛けている秋田駅前だが、今日は賑やかで胸をなで下ろす。
 同窓会の時間まで2時間。秋田に行くと言うと頼まれたものが幾つかあって、それを買い求める。妻からはバター餅。母親からはギバサである。
 イトーヨーカドーが撤退した後のスーパーに入って品物を探す。ギバサは見つかる。元々日持ちしないもので流通経路に乗りづらく、従って秋田県外で口にすることは殆ど無いものなのだが、最近は冷凍技術が発達して持ち帰り用のギバサを売っていたりする。
 バター餅は苦戦。スーパーでは売り切れで駅構内の産直店へ。

 ポップが出ていてもカゴの中は空。でも聞いてみたら在庫がまだあったとのことで出てくる。後で空港でもみたら売り切れていたし、バター餅は需要に生産が追いついてない感、あり。
 軽く空腹で少し食べておく。がっつり食べる程でも無いのでちょっと悩んで、稲庭うどんの店でざるうどんだけ。

食べ過ぎの正月は空腹を感じるぐらいでちょうど良いのだが、これから飲む事を考えるとそうも行かない。
 そろそろ時間なので会場に行く。懐かしい顔が、といいたいところなのだが卒業から20年もするとすっかり変わってしまった人も多くて顔と名前が一致しない。まぁ自分も体重は増えたが、それ以上に体重の増えた人はいくらでもおり、髪の毛の減った人もいくらでもおり、そんな調子で誰だっけ?というのが実に多い。卒業15年の時にもそんな気配はあったけど、この5年は非常に大きい。
 今回の同窓会では初めて首からぶら下げる名札が用意されたけど、確かに必要だった。
 話をしだすと声は変わっていないから、あぁという事になる。これは大きな発見。
 15時で3時間少々。料理が出ても誰も見向きもせず、酒と会話に流れるのは今回も一緒。18時半近くにお暇頂く。慌ただしいが今回は日帰りなのである。

 空港行きのバスに乗る。うとうとしつつ空港まで運ばれる。

外に出ると一際寒い。強い風雪が吹き乱れている。


風雪の影響で秋田空港、滑走路の除雪が入っており、羽田行きは15分ほど遅れるそうだ。本来なら20:10出発の千歳行きは新千歳空港降雪の影響で1時間遅延とのこと。
 待つ間に少々土産を買い足す。20時を過ぎて展望デッキに出てみる。JALはまだ降りてこない。

変わりにKEがやってきた。チャーター機だ。定期便はB737の筈だが、目の前に来たのはA330。国際線のターミナルに人がいるなぁと思っていたが、この時間から仁川に向かうのか。大変だなぁと思ったが、後で調べてみるとホノルルへのチャーター便だそうで。1月2日出発で6日間というツアーがいくつか売りに出されていた。お値段は24万円だそうで。
 余りに寒く、屋内で待っていると20:10を過ぎてようやくJALがやってくる。折り返しの1268便となる飛行機である。

JL1268 JA314J B737-800 AXT→HND


 鶴丸のJEX機がスポットに来たのは20:15。写真を撮るとすぐに屋内に引っ込む。展望デッキに立っているのは本当に寒くて凍える。

 案内では20:40出発とのことだったが25分での折り返しは出来るだろうか。一度20:35優先搭乗開始と案内はあったものの、実際にはなかなか準備が整わない。20:45になって搭乗開始。

 隣のスポットには千歳へ向かうCRJ200が来ている。こちらは21:10の出発予定だそうだ。
 今度は普通席の一番前を指定しておいた。クラスJとの境目には足下が広く、かつ2人並び席という区画がある。
 案内の上では空席有り、ではあるがUターンラッシュの始まりでもあり、明らかに来る時よりは混んでいる。でも隣の席は埋まらないまま、20:57、Door close。20時57分という時刻をメモして妙な感慨にふける。夜9時に秋田を発って、その日のうちに東京に帰れるようになったとは。最初、同窓会の案内が来たときにどう動こうかと時刻表をめくって、夜7時に秋田駅前を出ても十分東京まで戻れる事に気が付いた時には本当に驚いた。19時からならまだその日は5時間残っている訳で、帰れない方がおかしいのだけど、でもこの帰り道は自分の常識からは外れている。
 しかし急に疲れを感じるのもまた事実。秋田日帰りはきついなぁと足を投げ出しながら考える。隣が来ない事がありがたい。
 窓の外は吹雪が続く。出発の案内に悪天候で揺れが予想されると添えられたが、言われなくてもわかる天候である。21:00、Pushbuck。21:07、Taixing。機内減光となり暗くなる。機長さんから案内。まもなく離陸する旨と共に遅延のお詫び。誘導路の一番端まで来る。ターミナルは吹雪にかき消されている。
 滑走路端で一呼吸置く。エンジンが震えだして音が高まる。束縛を放つと雪を乗せて吹き付ける風に向かって突き進んで行く。そしてふわりと機体が浮いた。21:13、Take off、RWy28。ターミナルが吹雪にかき消され、窓の外が真っ白に染まる。
 小刻みな揺れが続く。雪なのか何なのか、さっぱり分からないが、外は真っ白。大揺れがきてすぐ「揺れましても飛行の安全には支障はございません」とフォロ。「お気分の優れないお客様はシートポケットの茶色い袋をご利用ください」なんてフォロも入る。合わせて羽田空港到着が22:10になることを告げられる。

 不意に窓外、明かりが見えた。月が出ている。どうやら雲の上に出たらしい。とたんに揺れが大人しくなる。22:20、ベルト着用サイン消灯。
 一転、穏やかなフライトになる。恥辱を綴っているとドリンクサービスがやってくる。仕事中恐れ入りますと声を掛けられるが、仕事でも何でもないのでドリンクの方が嬉しい。

 スープを頂いてふと窓外を見ると街明かりが見えている。まだ東北のどこか、の筈で仙台辺りだろうか。日本海側が暴風雪でも奥羽山脈を越えた太平洋側は穏やかな天気なのだ。
 21:34、機長さんから飛行状況の案内。高度7,900mの上空を対地速度700km/hで飛行中。この後、10分後に福島上空を通過し、羽田着陸は定刻より30分遅れて22:10となるそうだ。降下に際して富士山からの山岳波の影響で揺れが予想されるそうだ。羽田の天候は晴れ。気温は11℃と告げられる。

 窓外には月明かり、そして街明かり。 
 21:45、再び機長さんから案内がある。今から降下開始との事、揺れが予想されるとのことでベルト着用サインを点灯するそうだ。すぐに点灯。
 窓外の明かりがだんだん面になって広がって行く。少々の揺れの後、21:56、あと15分で着陸と告げられ、電子機器の使用がNGとなる。機内減光。羽田の天候は晴れで気温は10℃と改めて。22:00、千葉ニュータウンを見下ろす。遠くに見えているのは成田空港だろうか。飛行機は少しずつ高度を落として行く。22:06、東京湾に差し掛かった。幾隻もの船が浮かんでいるのが見える。右側の席だったら大東京の夜景が広がっているのだろうか。
 22:11、Landing。すぐ横が海なのでRWy16Lに着いたかと思ったがよくよくみるとD滑走路。RWy23である。スポットは5番だそうだ。D滑走路からは比較的近い所だが、降りてからが少々遠い。22:20、Spot in SP5。
 40分遅れて羽田空港

東北方面からの飛行機は軒並み遅れているし、

今日の寝台特急は運休しているから予定通りに帰れただけでも感謝しなくてはならない。

 出発便のなくなった羽田空港には気だるい空気に満ちている。その中を京急の改札口に急ぐ。自宅に帰るには結局京急の世話になりざるを得ない。この時間はエア急の運行は終わっていて、

 19C運用1025編成、特急三崎口行きに乗ることになる。車内には全国各地のお土産袋。座席が埋まる程度の乗車ではあるが、Uターンの気配は感じる。
 特急に揺られて神奈川新町まで。ここで普通車に乗り換え。

 47運用821編成。特急の後をすぐ追いかけてくれれば早いのだが、もう一本、特急に抜かれてからの発車となる。羽田空港から南太田まで41分。
 夜の横浜。先程の秋田と比べるととても温い。コート無しでは無理だけど、世界が違う。

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