JL145 JA337J B737-800 HND→AOJ

 今日の行先は青森。
 羽田からちょっと飛ぶ、には伊丹という手段があり、夜からなら山形という選択肢もある。その中で数日前に小松往復を予約していた。のだけど、何となく乗り気でなくて、昨日の晩になって青森の予約を取り直した次第。たまには東北の空を飛んでみたい、という気分が勝利したのである。


 青森行きはJA145便。13時ちょうどの出発なのだが、バス連絡だった。13時の案内の次は16時半と言う案内があってこの感じだと運悪く、という体裁だが、さてどうなのだろう。
 12:40を過ぎて搭乗が始まる。バス1台、とどこかで聞こえたのだが、

 バスがめい一杯立ち客になってスポットに向かう。この1台で乗客全てなら、今日の青森ゆき、がら空きなのかなぁと思う。

 バスで数分、運ばれた先に待っていたのはJA337J。今は亡き、と言うには実感があまりないJAL EXPRESS塗装のB737。そして東北に飛ぶに相応しいがんばろう東北、のロゴが入った機材である。

 機内は空いている。後方にいるからかもしれないけど、前後左右は数人程度。全体でも半分も席が埋まっていない。隣りがずっと空いている飛行機何て久しぶりだ。
 あと1台、バスをお待ちしております、と案内があってしばらく、数人が乗って来る。12:58、Doorclose、13:01、Pushbuck。

 冬空の下、地上の誘導に従って飛行機は動き出す。多少揺れが予想されるとのこと。13:06、Taixing。

 管制塔を横目に飛行機は誘導路を進む。同じ時間に出る飛行機が少ないからか、順調に滑走路端まで進む。今日は北方面への出発なのでC滑走路へ。

 着陸機を一機、やり過ごした後、自機も滑走路へ。13:13、Take off RWy34R。

 羽田の駐機場を見下ろして飛行機は東京都心を目指して飛び立つ。勿論、まっすぐ進んで都心上空に入り込む訳には行かないから、すぐに右へと針路を変える。

 大井の埠頭を横目に東京湾の上へ。


 左手に東京湾岸を見下ろす。つまり東京湾のギリギリのところを飛びつつ出来るだけ出来るだけ高度を稼いだ後に

 翼を地上に突き刺さらんばかりに機を傾けて飛行機は針路を北へと向ける。そのまま北へ北へ。高度を上げてゆく。東京郊外のドーナツ、外環道を見下ろしたのち、13:20、ベルト着用サインが消灯する。
 お手洗いに立つついでに機内の様子を眺めてみる。

 搭乗率3割程度、と言った所だろうか。新幹線が3時間少々で走っているからか、何でもない週末のお昼過ぎ、飛行機はかなり空いている。前日でも16,000円ぐらいで特便割引が出ているのが分かるような光景が広がっている。
 席に戻ってPCを出す。遅れている恥辱を進めておく。飛行機は北関東を飛んでゆく。

 飲み物を頂いて、なおも恥辱の続きを。宇都宮を過ぎて日光の連山や那須の山々が見えてくる。12月も中旬と言う時期になっているが、今日現在は那須の山々にも雪が見えない。
 飛行機は白河の関を越え、東北へと進んでゆく。新幹線に乗っていれば俄かに外が翳り、雪がちらつき始める、「らしくなる」辺りである。

 13:32、会津盆地が見えてくる。手前は猪苗代湖。12月の会津なら雪があってもよさそうだけど、この辺りもカラッと乾いたような世界。そももそ雪雲が被ってない時点で冬はどこに行ったのだろう状態。

 飯豊山地はさすがに白くなっている。磐梯山の山腹にあるスキー場に雪があるのかないのか、分からないままに飛行機は福島から山形へと進んでゆく。
 置賜にも村山にも雪のないまま、飛行機は北へと向かう。

 手前が新庄。最上川の谷間が見えて向こうが庄内なのだが、この辺りまで来ても雪がない。今年の東北、本当に雪が遅い。
 13:43、左手に鳥海山をご覧いただけます、と言う案内が入る。機窓の景色を教えてくれる案内、久しぶりに聞いた気がする。国際線だとまずやらないし、国内線でも幹線だとやらないような気がする。

 雲をまとった鳥海山が良く見えている。逆にいうと地上からは鳥海の高嶺は見えていないのだろう。気難しい事で有名な山だが、上空まで気が廻らないのかも知れない。
 飛行機は山形から秋田へと進んでゆく。秋田県内も雪化粧している様子が全くない。

 13:50、海岸線が緩やかな弧を描く様子が見て取れる。秋田市内だ。日本海海上には雪雲が掛かっているようだが、秋田県内も枯れた大地が広がるのみ。地上には陽光が降り注いでいるのだろう。12月らしくない青空に人々が戸惑っている様子が見えるようだ。
 13:52、降下を開始する旨の案内があってベルト着用サインが点灯する。飛行機は米代川を望むと秋田から青森へ。

 13:59、津軽平野岩木山を望むタイミングで着陸態勢に入る旨の案内が流れる。
 飛行機は更に北上する。まもなく海が見えてくる。

 陸奥湾だ。その向こうには津軽半島を真一文字に縦断する北海道新幹線の高架も見えている。来春開業に向けて最終準備が進んでいるのだろうが、予想外に雪がなくて戸惑っているかも知れない。
 このまま北上すると青森から北海道に行ってしまいそうだが、青森を通り越したのち、陸奥湾上で飛行機は旋回する。向きを南に定めた。

 青空と常緑樹の広がる夏泊半島。12月とは思えない青森へ飛行機は最終アプローチ。だんだんと地上へと高度を落としてゆくその最後、

 地上の方が飛行機に歩み寄るみたいに近づいてくると14:13、Landing、RWy24。
 陽光降り注ぐ12月の青森空港。ターミナルの隅に大挙して停車する除雪車も暇を持て余しているようだ。14:16、Spot in SP3。

 がんばろう東北、のロゴを掲げるJA337Jを後に東北は青森の地に降り立つ。

 若干定刻より早い到着となった。

 青森に用事があって来た訳ではないので今日は自宅に戻る。折角の遠出なので街中に出たい気分もあるのだが、家が嫌で出歩いている訳でもなく、夕食はまっとうな時間に自宅で食べたいので折り返しの便で羽田に戻る。帰りの便。出発は15:15。
 時間があるので展望デッキに出る。

 陽光を浴びる青森空港の展望デッキ。その空気は身を引き裂く冷たさに満ち満ちている。凛とした冬の気配に触れた気がして、居住まいを正す。雪は降らずとも、冬は歴然として青森の空を支配しているかのようだ。

 展望デッキから先程乗って来たJA337Jを眺める。デッキから少々離れたところにワイヤが張られる意地悪仕様。一枚、もう一枚撮っただけで退散する。
 お土産をちょっと見てから、空港のラウンジに寄る。青森空港サクララウンジの準備は無いだが、

 どこの空港にもありそうなカードラウンジ。そのカードラウンジに

 JALのマーク。サクララウンジを利用できる資格がある人はこのラウンジを利用できるのだそうだ。新幹線に対抗しての処置、だろうがありがたく利用させて頂く。 

 入口に置いてあるリンゴ。ご自由にお持ちくださいとのこと。青森のラウンジにリンゴ、というのはベタ過ぎる気がする。同じくベタなリンゴジュースを飲んで東奥日報に目を通してみる。