JL1154 JA006D MD-90 OBO→HND その2

 飛行機は洋上を南へと飛び続ける。ちょっと席を立って様子を眺めてみた。

 お客さん、半分ぐらいだろうか。以前はこの時間の飛行機、A300だったと思う。初夏に一度乗ったことがあって、それなりにお客さんが居たと思う。勿論、季節が違うから二つのフライトだけを比べて結論めいた事は言いづらいかも知れない。

 雲が切れて青い海原が辺り一面に広がるようになる。所々に小さく船が見える。まもなく陸地が見えてきた。東北のどこか、と言う事しか分からない。12月も12日だが下に見えている大地には雪がない。今年の降り出しはだいぶ遅れているそうだが、その現実を目の当たりにする。
 飛行機は三陸の入り組んだ海岸線を横目に南下してゆく。宮古が見えたのが14:38。重茂半島が特徴的でこれは上空から見ていてもよく分かる。だんだんと内陸に入ってゆく。どこまで行っても重たい緑と茶色。枯れた景色が帯広以来、続いている。

 再び海岸線が近寄ってきたので熱心に外を見る。松島が見えた。14:51。北海道から空路で帰る時は仙台上空にさしかかるとだいぶ帰ってきたような気分になる。その仙台。空港が見える頃に一揺れ。さほど大きな揺れにはならずじきに落ち着いた。阿武隈川の河口、鳥の海が見えると再び海岸線が離れてゆく。概ね東北新幹線のルートに沿って飛んでいるように思える。遠くに見える海岸線、ところどころに原子力発電所を眺めながら南へ。15:04、あと10分でベルト着用サイン点灯と案内される。

 東北はずっと雲一つない快晴だったが、白河の関を越えて関東に差し掛かる辺りから雲が掛かり始める。一瞬、窓の外が一面雲になったあと、再び地上が顔を覗かせる。15:15、ベルト着用サイン点灯。あと20分で着陸だそうだ。羽田の天候は晴れで気温は14℃と案内。
 房総半島へと差し掛かった後、右へと大きく旋回する。まもなく京葉の工業地帯。このまま着陸できそうだ。15:31、Geardown。窓の外には鈍く光る夕日と重たげな東京湾。間隔をおいてANAの機体が平行して飛んでいる。34LRの同時着陸実施中、らしい。新鮮な眺めだ。じきに慣れるのだろうが食い入るように眺める。こちらC滑走路から第一へ。あちらがA滑走路から第二へ。逆の方がうれしいが北方面と西方面で使用滑走路を分けているのだろうと、解釈。
 ANA機を視認できなくなるとこちらもまもなく着陸。新しく出来たD滑走路を跨ぐと15:33、Landing RWy34R。第二ターミナルを横目に第一ターミナルへ向かう。スポットは5番だそうだ。左手に見えるJALの建物。窓にでかでかとこんな文言が掲げられてた。
「ご利用ありがとうございます。良い旅を」
 誘導路の脇。かなりの確率で利用者の目に付くところだ。各地方空港では数年来こんな取り組みを目にしていたけど、とうとう羽田まで進出したか。
 5番スポットを前に一旦停止。しばらくとどまった後、再び動き出す。スポット変更で36番につくそうだ。つまりバス連絡。第二ターミナルを横目に進む。羽田を3/4周。何かの罰ゲームかとも思う。15:XX、ようやくS ot in、S 36。到着口へはバスでの案内となる。

 この辺り、隣にJA005Dがいて、さらにもう一機MD90がTaixing。今年度で退役なんて嘘みたいな景色が広がっていた。
 16時に羽田に戻れた。後は京急で自宅に帰るだけだから気分的はとても楽。ちょっと空港の売店を眺めてから駅に降りる。横浜方面は20分毎。16:24のエア急まで待たされる事になる。やって来たのは43D。

 651編成。後ろは何だろ。これがあるからエア急に乗るのは面倒くさい。
 地下から地上に出ると既に日が暮れている。まだ明るい時間に羽田に着いた心づもりだったから驚くがそれだけ羽田で時間を喰った、と言うことか。

 川崎で快特に抜かれるが、座って行きたいのでそのまま乗り続ける。後ろは654編成。このまま乗って行っても横浜か日ノ出町で普通車を待たされる事になるから新町で降りる。普通車の待避はおらず、やって来たのは

 11運用、1619編成。生麦辺りで待避していた電車らしい。南太田まで通して座れたがその代わり恐ろしく時間が掛かった。それでも帰るタイミングが早かったからまだ17時。夕飯の支度をしてふつうの週末、日曜日の夕景となった。