JL29 JA711J B777-200ER HND→HKG

 9時半を過ぎてから搭乗口に向かう。搭乗口はラウンジのすぐそば。成田に比べればうんとコンパクトにまとまっているターミナルなので、移動時間のロスは少なくて済む。

 飛行機を撮りづらい事が難点だが、その向こうに見えるのはJA711J。鶴丸になったB777だ。その後ろにいるB767鶴丸だし、国内線ターミナルにも鶴丸が何機か見える。ずいぶんと数を増やしたものだと思う。
 機内に入る。宛がわれた席はやはりプレミアムエコノミー。JL29のプレミアムエコノミー、どんなサービスなのか実はよく分かっていない。試しに調べてみたのだが、調べ方が悪いのか、JL29のプレエコに乗りました的な記事はどこを見ても見当たらなかった。まだ、プレエコが開始になる前に、席だけプレエコ時代の搭乗記的なものはいくらでも出てくるのだけど。
 座席ポケットにはビジネスクラスと同じスリッパが入っていて、そして新聞を持ってきてくれたりする。アメニティーの配布もあって、こちらは耳栓、アイマスク、歯ブラシの三種類。

 座席ポケットにあったプレミアムエコノミーのメニュー表と共に。
 ここまでの扱いを比べてみるとビジネスクラスと遜色無いのだけど、メニュー表に出てくる、食事の内容は

 基本、エコノミークラスと同じである。プレミアムエコノミーが設定された時の売りに、エコノミーにプラス一品、みたいな話があって、アイスクリームを提供しますとか、うどんデスカイを提供しますとかあったけど、アイスクリームはその後、エコノミークラスの標準になったし、デスカイの方は香港線では提供無し。差があるとすると、飲み物の方。シャンパンと麦焼酎、そしてペリエがあるところですかねぇ。
 このプレミアムエコノミー。事前にチケットを購入しようとすると、14万円ぐらいだったと思う。エコノミーだと6万円だったから結構開きがある。一方、ビジネスクラスは割引チケットが15万円からある。ほとんどビジネスクラスと変わらなくて、サービスが劣るのであれば、ビジネスに乗るよなぁ普通、と思ってしまった。ちなみに当日、空席があるとエコノミーのチケットにプラス1万円すれば乗れるそうだ。その価値は、人の判断に拠るのかなぁ。電源や広いテーブルを必要とする業務渡航者もいるでしょうし。
 
 今日はビジネスはぎっしり。プレエコもぎっしり。エコノミーにも空席は見えない。事前に確認した際にはプレエコはほとんど売れていなかったように見えたから、プレエコ客のほとんどはエコノミーからのアップグレード組なのだろう。もし本当に14万円とか投じた正規のプレエコ客が居たのなら申し訳ない状況ではある。 
 9:53、Door close。携帯電話ほかの電源を切るように伝えられる。今日は香港まで3時間40分のフライトだそうだ。9:56、Pushbuck、10:00ちょうどにTaixing。すぐ近くが滑走路だから早々に滑走路端に到着。10:08、離陸の許可待ちと案内されたが、4分で離陸できるそうだ。同じ時間の成田なら、もう少し時間を要するに違いない。
 10:13、Takeoff RWy16R。順調に上がってゆくがまもなく地上は白く閉ざされる。雲の上に出てもなおその上は白くぼんやりとした世界。
 いかにも揺れそうなフライトなのだが、落ち着いたまま上昇してゆく。10:19、ベルト着用サイン消灯。


 外は真っ白、では無いが、地上ははっきりとは見えていない。更に高度を上げてゆくことになるが、今日のフライト、地上の景色はあまり期待出来ないようだ。
 電源が使えるのでPCを取り出して恥辱の続き。香港に向かうところだが、取り掛かるのは先週の京都と名古屋。更に妻にあわせて映画をセット。傍から見ると仕事をしているようには、見えないだろうなぁ。
 大きな揺れもなく順調に飛行が続く。10時50分を過ぎてワゴンが廻り始める。以前はドリンクが供されて次に機内食という順番だったのが、経営が傾いてから、エコノミークラスは一律で、ドリンクと機内食を一回でサービスという形に変わっている。それが今月からは長距離路線は以前と同じく最初はドリンクだけ、次にドリンクと機内食という形に戻ったのだそうだ。機内誌によると「お客様の要望に答えました」とあるのだが、ドリンクサービスが統合された時も確か「お客様の要望に答えました」だったと思う。ちなみに香港線は短距離になるらしく、ドリンクと機内食は一緒。

 そんな訳で機内食にドリンクとおつまみが合わせて渡される。機内食自体は空弁。韓国線の内容とはだいぶ異なるが、選択肢がないのは一緒。

 酒のつまみになりそうな品が並んでいて、この内容に合うのは、シャンパンよりもビールですかねぇ。
 最後にアイスクリームを頂く。これはエコノミークラスと共通の内容となる。 

 JALの特注品なんですね、これ。
 飛行機はどこまで来たのだろう。

 12時過ぎ。さすがに梅雨前線は切れたようで青い空が広がっている。
 12:45に台北を近くを通過。13:11、初めて案内が入り、あと45分で着陸だそうだ。日本時間で14時前には香港到着となる。定刻だと14:30、香港時間で13:30だからだいぶ早い。

 飛行機が旋回してゆく、そろそろ香港到着かなと思っていたら、案内。空港混雑のため、着陸の許可待ちだそうだ。あと10分ほどで着陸許可が出て、ベルト着用サインが消灯するとのこと。
 予告どおり13:51、ベルト着用サインが点灯する。降下してゆくと雲の中、少々のゆれ。さらに高度を落としてゆくと初めて街が見えるようになった。そして海が広がる。
14:03、Landing、RWy29R。すっと速度を落とすと誘導路に逸れてTaixnig。香港時間で13:05と案内されて、時計を一時間遅くする。
 「今日の香港は先ほどのように時折スコールに見舞われる天気のようです。この先もお元気にお過ごしください」と案内。スコールには気づかなかったが、確かに窓ガラス、雨粒が見える。
 13:13、Spot in SP31。

 搭乗橋に出ると強烈な冷気に襲われる。なんとも香港らしい冷房の効きっぷり。
 新交通で移動するには少々中途半端なところなので歩いて到着口へと向かう。


 10分少々、微妙な距離だが異国に集う飛行機が見れるのはうれしく、ついついこちらを歩く事になる。
 さて入国。パスポートを切り替えたばかりなので、香港の電子出入国システムである、e-channelの手続きをしなくてはならない。妻はWifiのレンタル手続きがあるそうで、先に入国して貰って、自分はe-channelの手続きをしてから、入国後に待ち合わせる事にした。
 以前、手続きした事務所に行ってみる。事務所はしまっていて、移転した旨、書いてある。その移転先を探してみても見つからないので、相当拙い英語で係員に聞いてみるとパスポートチェックの後にあるそうだ。一度入国しないと手続きできないのか。。。。。
 極めて残念だが、一度パスポートチェックの長い行列に並ぶ。長いとは言え、一人の手続きにそんな長々と掛かる訳でなく、窓口もいっぱいあるから、まぁ割と早く順番は廻る。次にe-Channelの手続きだが、こちらも行列。そして窓口が少ないからか、なかなか行列が先に進まない。一人手続きが終わるのに10分ぐらい要しているから、正直頭を抱える。
 14時を過ぎても列が動かないようであれば、手続きを見送ることも考えなくてはならないなぁと思った矢先にようやく一人手続きが終わる。まだ6人ぐらい先に並んでいて、さてどうしたものかと思っていたのだが、窓口がもう一つ開いて、まぁまぁ列が流れ始めたからそのまま待つことにする。
 順番がきて自分の手続き。パスポートが全くの新規になったから一から手続きやり直しなのかと思っていたのだが、何がトリガになったのか、「新しいパスポートか」「古いパスポートはあるか」と聞かれる。有効期限の切れたパスポートなんて持ってくる筈もないから「持ってない」と答えたのだが、前のパスポートを持ってきた方だスムーズに手続きが行ったのか。結局、写真も指紋も取られずに手続き完了。名前で引っかかるのか、有資格証とも言えるJGCのカード番号で引っかけた定かではない。
 手続きが終わると既に14:20であった。荷物の引き渡しはとっくに終わっていて、カウンタの所で待ちぼうけ。待ち合わせ場所に指定した到着階の許留山まで着いてみると14時半過ぎ。全く持ってやれやれで非常に申し訳なかった。
 今回の訪港。ホテルは九龍半島側、佐敦となる。ホテルまではバスで移動。多少時間は掛かるが彌敦道に直接入るので、街外れの機場快線九龍駅から接続バスに乗るのとそんなに変わらなくなる。
 今回、手持ちの香港ドルは少ないのだが、ICカードのオクトパスに十分な残高があったので、ホテルに行くまでの行動はどうにでもなる。
 空港の外、バス乗り場に出ると香港らしい湿気を帯びた熱気に体が包まれる。日本も暑い時はとんでもなく暑いが、香港は常に湿っぽくそして暑苦しい。


 大ぶりな二階建てバスの集まる中からA21系統に乗る。二階の一番前にある座席が空いていたからそちらに座る。まるで観光客みたいだが、そんなのもたまには、良い。

 高速道路を街中に向かって走る。右手遠くに香港島、中環のビル群と太平山が見えてくる。香港に来たなぁと思う瞬間だが、そう思う瞬間、これから何度も訪れることになる。


バスは高速を降りて街中へ。機能一点張りのビル群を眺めて、看板の大きくはみ出す彌敦道へ。空港から1時間ほどで最寄に到着。バスを降りると思いっきりの熱波に襲われる。さすがに暑い。今年の日本はまだ暑いというほど暑くなっていないから、今日の香港、暑さが堪える。
ホテルに向かう道。横断歩道が青になった時の「カタカタカタカ」なんて忙しない音にまた香港を感じる。何となくこの街のリズムを作り出すような、そんな音なのである。
 ホテルにチェックイン。宛がわれた部屋は香港島寄りの部屋ではなく、佐敦よりの部屋。ホテルの建つ柯士甸道を境に繁華街と下町に分かれるから、見えているのは下町の風景。

 でもこの風景、むしろ好ましいかもしれない。
 荷物を解いて落ち着くと早速出かける。まずは香港ドルの入手を。熱気の篭る彌敦道を南へと歩き尖沙咀に。向かうは重慶大厦。ここの両替商は空港で両替するよりも圧倒的にレートがよい。一番手前はダメダメだが、奥に行くとかなり良くなり、一番奥が一番レートが良い。今日は1万円が974香港ドルになる。
 時刻は17時。ちょっと軽く食べようという話になり、香港の喫茶店兼軽食屋というべき、茶餐廳に寄る。

 商業ビルの地下。わざと古臭い雰囲気に見せかけた外装の店が流行るのは街の近代化が進んだから、なんですかねぇ。

 店内は混んでいる。夕食には早い時間で近くのテーブルの人たち、紅茶と何か一品とか、そんな頼み方をしている人が多い様子。自分もセットメニューにしてみた。 

 まずはアイスティーが運ばれてくる。黒い方はレモンティー。底にレモンスライスが何枚も沈んでいる。茶色い方はミルクティー

 そして食事はサテ麺を。麺は河粉にしたけど、周りの皆さんはほとんど公仔麺。ほかの店ならメニューに必ず書いてある「出前一丁はプラス3ドル」の文字がこの店のメニューにはないのである。
 舌でも何となく香港らしさを感じた後は、妻の友人と待ち合わせの紅磡まで歩く。尖沙咀から西鐵で一駅程度だから歩く。街を歩いていると雲行きが怪しくなる。そして

 雨が降り出した。街を歩いている分には屋根があるけど、まもなく屋根も尽きて、雨宿りとなる。妻には「傘持って行った方がいいんじゃない」と言いつつ、言った本人は持ってきていないのである。
 雨宿りすることしばし、雨がやんでくる。どうやらスコールだったようだ。機内で聞いたスコールの言葉を思い出す。目的地の紅?へと着く頃には

 日が射してきている。
 今日は妻と友人はこれからライブ、だそうで。開始時刻まで紅磡をぷらぷら。先ほど食べたばかりだが、

 夕食にチキンライスを頂く。今度は中国茶、ホットになる。暑い香港だが冷房がガンガンに効いているから熱いお茶でもまぁ構わない。
 ライブの時間が近づいたので自分はホテルに戻る事にする。尖沙咀に向かうつもりが間違えて香港理工大学の構内に入ってしまった。構内を迷い、外に出るとようやく見覚えのある所に。歴史文化博物館だ。

 何となく尖東の方向が分かって、従って彌敦道の方向も見当がつくようになる。これでもう迷わない。適当に歩いてみると九龍公園が見えてくる。まもなくホテルに到着。

 まだ21時。疲れているし寝てしまうのも手だったが、今回は香港の飲み屋に行ってみたい気分である。元の宗主国であるグレートブリテンのパブみたいな所に行ってみたい。香港の人たちは基本酒を飲まないから、飲み屋はあまり無いのだけど、繁華街だし全く無いわけではないだろう。

 ホテルの近くにBarの看板が見えたから何気なく入ってみる。小さなカウンタがあり、サーバが見えて確かに飲み屋のだが、真ん中にでんと構えるのはダーツの台。2グループぐらいがダーツに興じて、テーブルにはカラオケ客。なんか雰囲気が違うかも。

 カウンタでギネスを頼んでみた。サーバの台があるのだが、明らかに缶から注ぎやがった。いかにもドラフトビアみたいな顔つきでテーブルにどんと構える缶ビール。飲んで見るとだいぶ残念な味。不思議とコンビニで売っているギネスの方が美味しく感じる。お会計は注文毎にする。南太田の立ち飲み屋と一緒だ。
 結局2杯飲んで退散したが、基本はダーツやらカラオケやらをめいめい楽しみ、ついでにお酒を飲むところ、らしい。何とも香港らしい店であった。
 今日はこれで終了。ホテルに戻る。シャワーを浴びて恥辱に向かうと強烈な眠気を感じる。香港時間の23時は日本時間で日付の変わる時間帯。もういいやとベットにごろりとする。ライブに行った妻が戻るのは24時ぐらいだろうか。それまで待ってられず、意識することなくzzzz。