NH1255 JA823A B787-8 HND→PEK

9:10を過ぎて、搭乗開始の案内が流れると優先搭乗の長い列が出来た。そしてそちらが途切れない限り、一般の搭乗は始まらない。

 待っていた飛行機、JA823Aである。ボディには大きくB787の文字。そのうちJALで乗る機会があるのだろうと、気長に待っていた最新鋭機に搭乗となる。まさかANAで先に乗ることになるとは思っていなかった。乗り込んだ先、機内はビジネスクラス、プレミアムエコノミークラス、エコノミークラスの3クラス制。ビジネスはスタッガードの2-2-2列。プレミアムエコノミーは2-3-2列の7列。そしてエコノミーは何と3-3-3列の9列である。JALの787は2-4-2の8列で、ANAでも、中距離国際線仕様機はプレエコ無しでエコノミークラスは2-4-2列だったと思う。プレエコを捻出するためにエコノミーにしわ寄せが行ったように見える。

 本来のエコノミーの区画。翼の近くが宛がわれた席。同行の偉い人が窓側に座り、真ん中は自分。通路側は中国人観光客らしい。炊飯器の箱を機内に持ち込んでいる。3人掛けの真ん中。シートピッチも狭いように思えてくる。比べてみた訳でないから正確な事は分からないけど。
 9:29、Doorclose。9:38、Pushbuck、9:42、Taixing。左手にB滑走路。着陸機の姿が見える。どうやらC滑走路、南側への離陸となる模様。冬の間ずっと北側へと離陸していたのが南に変わって、そんな小さな事にも春を感じる事になる。
 滑走路端まで来て一息を置く。チャイムが四発鳴って離陸が告げられる。エンジン音が高まる。翼の近く、つまりエンジンのそばであり、静粛性が売りのB787でも少々騒々しい。MD-90の前方席の方が静かに思える。背中を押され飛行機が速度を上げる。9:52、Takeoff RWY16R。
 東京湾の上空をぐるっと回ってゆくと先程飛び立った羽田空港が見えて、一瞬TDRが見える。そして東京都心の上空へ。9:58、北京到着は現地時刻12時30分の予定と案内があってから電子機器の使用が解禁となる。

 うっすらとだが羽田空港、お台場にレインボーブリッジと言う調子で東京都内が見えている。と言う事は現在地は東京の北側を飛んでいる事になるのか。八幡山やつつじが丘で京王線の写真を撮っていると、北側を飛行機が飛んでいるのがわかるけど、そのルートらしい。
 東京都心が遠ざかり、多摩地区の丘陵地帯が見えてくる。遠くの富士山がだんだんと近づいて来る。10:04、機長さんから挨拶があったのちにベルト着用サイン消灯。そして

 富士山が近づく。これも一枚撮らせてもらうけど、キリがないのでいい加減やめる。PCを‭拡げて資料の整理。幸い、座席の間にコンセントがあるので電源確保の上、PCを使える。今日はA席とB席の間にある電源を使ったが、B席とC席の間にもあるのかも知れない。3人で二つの電源、って事だろうか。それ以外にも各席にUSBがあるのでスマホにも充電出来る事になる。そのあたりはさすがに新しい飛行機だ。
 あくまで業務出張なので自分の頭の整理を兼ねて資料を作る。その間に、おしぼりの配布が始まる。配られたのは紙の使い捨てタイプ。ついついJALと比較していしまうが、安っぽくても布の方が良いかもなぁとは思う。
 10時20分ごろ、ドリンクサービスが回って来る。一応は仕事中なのでアルコールは避けておく。試しにアイスコーヒーを所望してみたが無いとの事。温かいものを飲む気にはなれず、何か炭酸飲料をと言う事で

 炭酸水と言ったらペリエをくれた。しかも缶ごと。JALだとペリエはビジネスの飲み物だからへぇとは思う。でもJALはエコノミーでヱビスを出すからなぁ。個々の比べてゆくとそんなぐらいの違いはある。
 炭酸水で喉を潤しつつ西へと向かう。飛行機は若狭湾に差し掛かっている。時刻は10時半過ぎ。この先、日本海上を進むことになる。

 山陰沖を進むコースは韓国行きでもおなじみの空路である。まぁ外は雲しか見えていないので、どこを通っても一緒なんだろうけど。まもなく昼食のワゴンが回り出す。
 機内食。和食は焼き鯖がメイン。洋食として供されるのは何とビビンバ。ビビンバが洋食とはまかり間違っても思わないが、好きではあるので頼んでみる。

 本当にビビンバである。コチュジャンも付いてきた。先方の流儀に従ってコチュジャンを掛けてかき混ぜるが、小さい器では非常にやりにくい。小さく小さくかき混ぜる事になる。ちなみに通路側の中国人はかき混ぜずに食べていた。たぶん機内的にはそちらの方が正解。
 飛行機はビビンバの本場、朝鮮半島に差し掛かっている。窓外にはうっすらと大地が見えているようだ。資料はある程度出来たので、恥辱の続きをやっておく。多少は進むが滞貨がありすぎてどうも何も片付いた気がしない。

 12時を過ぎて飛行機は黄海上空。だいぶ中国に近付いている。12:08、あと1時間で着陸との案内。北京の天候は晴れで気温は15℃だそうだ。30分程で降下を開始すると告げられる。
 外の様子、雲が被ってイマイチ良く分からない。予告通り、12:40過ぎに高度を下げる。すると揺れが始まる。さらに高度を落としてゆく。全く地上が見えないまま。初めて地上が見えたのが13:16、本当にうっすらとだが、案外と地上は近い。するするっと地上が近づいて来て、13:18、Landing RWY19。
 速度を落として誘導路へ。先程の機内では北京の天候、晴れと言っていたが実際には曇り。ひょっとするとガスなのかも知れない。そして外には何か白いものが舞っている。気温15℃と言ってたから雪が舞うわけは無く、何やら怪しげな雰囲気ではある。

 JALの767、羽田からの機材の隣りに入って13:25、Spot in SP518となる。正確には日本と北京、1時間の時差があるので12:25となる。定刻よりは少々遅い到着。
 第三ターミナルEで入国手続き。入国審査の窓口は半分ぐらいしか開いていない。外国人、自国民、両方の受付が混雑。13時を過ぎると窓口が一斉に開いて行列が解消する。入国審査の係員、昼休み明けだったのかと思う。
 入国した後は荷物の受け取り。受け取りは電車に乗って第三ターミナルCまで移動した後になる。何か不思議システム。入国に時間が掛かったからか、電車で移動してきて荷物のターンテーブルにたどり着くころには、既に自分の荷物もぐるぐると廻っている所だった。