ソウル3日目の朝。元々が週末+1日のつもりで予定を組んでいるから当然の事ながら今日が最終日である。午後の飛行機を確保しているが行きの羽田便ではなく仁川からの成田行きとなる。出発時間は確か14時で12時前後に空港に着くと思うと、時間はありそうで意外と無い。
7時に目覚める。今日も曇り空。向こうのビルが霞んでいる。そして意外と涼しい。昨日は蒸したが基本的には梅雨前線の北側だから大陸の冷たい空気に支配されている。テレビはNHKを映している。国際放送ではなく、NHK総合だ。ニュースの天気予報によるとソウルの最高気温は25℃。東京は33℃だそうだ。
朝食を食べに外に出る。街は昨日までと違って、出勤する人たちの早足ばかりが目立つ。地下鉄の入口には無料タブロイド紙のラック。自分達よりも早く動く人が圧倒的に多いのか、ラックに新聞は殆ど残っていない。
明洞と鐘閣の間、オフィスビルの並ぶ一角に取り残されたように雑然とした一角が残る所。プゴククの店に入る。ガイドブックに乗っているからか日本人観光客が目立つが、本来のお得意様は近くに勤める人らしい。
余計なメニューは無く単品勝負の店。2人前を注文するとほどなくプゴククが提供される。おかずのキムチとオキアミを合せて一枚。オキアミをスープに入れて食べると美味しいと店の人が片言の日本語で教えてくれる。確かに「オイシィ」
ホテルに戻ると9時半を過ぎている。時間が中途半端になった。帰りはAREXの直行列車を試す事にしている。直行列車のソウル駅発は毎時00分、30分。所要43分なので12時前に空港に着こうとしたら11時ソウル駅発のAREXに乗る必要がある。結局、そのまま空港に向かう事にした。全部荷物をまとめてみると10時を過ぎる。乗り換えの時にコーヒーでも飲めたら、と話しをしつつ、ホテルをチェックアウト。
荷物もあるし、地下鉄は乗換えがちょっと距離があるし、タクシーに乗ろうとして、ソウル駅までと告げると道路の反対側から乗れなんて仰る。反対側に行くためには地下道を渡らねばならず、それが大変だからこそのタクシーなのだが、そんなややこしい事を主張できる程の語学力は無い。とはいえ御説に従うのもバカらしく結局地下鉄。明洞の駅まで出て4号線。
4号線のソウル駅に降りたのが10時40分。スーツケースを抱えて移動開始。Korailのソウル駅へとエスカレータを上がり、さらにその向こう。KTXの降車口のその隣に
空港鉄道への入口がある。エスカレータを降りてゆくとソウル駅の喧騒が消えてゆく。地下にコンコースがあり、ここで搭乗手続きが出来たりするそうだ。でも対象はKE,OZ,7Cの3社のみ。韓国系は格安航空のチェジュエアですら対象なのに、外国系航空会社は今の所対象外。空港も外国系航空会社は本館から離れて不便なコンコース発着。あからさまな差別扱いだよなぁと思う。
直行列車は座席指定なので11時の電車を指定して買う事になる。3号車の並びの席が出てくる。切符はICカードだ。繰り返し使うようで券面の文字がかすれ気味。
自動改札からホームへと降りる。ホームは地下7階なんてところにある。11時の電車に乗るのに、ホームに着いて見ると発車5分前。4号線のホームからたっぷり15分は掛かる。こりゃ東京駅地下ホームに発着するNEX並みの遠さである。
女性係員に恭しく迎えられ、宛てがわれた席に座る。指定された車両はそこそこ乗っているが隣の車両は誰もいない。少ない乗客を一箇所に固めたように見える。
11時ちょうどに電車は動き出す。地下線を速くは無く遅いわけでもない速度で淡々と進む。地下駅が流れてゆく。
地上に出る。乳白色の世界が続く。貨車の並ぶエリアを通り過ぎると漢江を渡る。ここも乳白色の世界であり遠くは見えない。金浦空港の近くだが、飛行機は無事飛ぶのだろうかと心配になる景色ではある。車内にモニタがあって仁川空港の発着状況をたまに表示するが、それによると仁川の離着陸は順調らしい。
直行列車は金浦空港の駅も通過する。停まらないのだが、意外と速度は速くならないままであり、淡々と走り続ける。地上に出て空港への高速道路が隣を走るようになるとリムジンバスに追い抜かれるようになる。
イマイチ速度が乗らないまま、空港が近づく。終着の一歩手前で信号待ち。上り電車が走り出すのを待って仁川空港に着くと定刻より2分ほど遅れている。まぁ2分で目くじらを立てるつもりは普段は無いのだが、公式サイトの日本語版に
http://japan.arex.or.kr/jsp/jap/time/trip_time.jsp
>AREXは徹底した時間厳守でお客様の大切な時間をお守りいたします。
>お約束した時刻にお客様を正確に輸送する最適な交通手段、それがまさにAREXです。
と書いてあったから指摘しておく。
仁川の空港で搭乗手続き。荷物を預けて搭乗券を受け取る。乗り継ぎの有無は聞かれなかった。出国手続きも至ってスムーズである。
出国してみるとこんな行列が練り歩いている。韓国の街中でまず見かけないような時代掛かった服装の人たち。乗り継ぎ客への空港からのプレゼント、と言ったところだろうか。写真を撮る人が半分、我関せずと言う人が半分。
帰りもタナボタでラウンジが使える。ANAは仁川に独自のラウンジを持っていないのでアシアナのラウンジを案内された。アシアナの便の殆どは本館側からの出発だろうから、ここのラウンジはスターアライアンス各社用という事になる。
そんなに大きくはないのだが、ダイニングコーナーがあったりしてそれなりに立派なラウンジである。
お昼より少々遅い時間。お昼には少々たくさんのメニューが饗されるようだが、すぐに元に戻るらしい。余り物の野菜の炒め物にパスタ、スープと言う妙な取り合わせとビール。ビールはサーバのビールが饗されるのが立派。