5時過ぎに鳴るアラームで目が覚める。今日はソウル市内、鐘路の片隅で朝を迎えた。

 外はまもなく朝がやってくる時刻。よくもまぁ、この時間に起きれたなぁと思う。この4日間。ほぼ毎日夜明けと同じかそれよりも早い時間から動き出し、そして夜も命一杯遅くまで活動をしている。こんなハードな旅行。二度とやるもんかと考える。
 荷造りを言うほど荷を解いていないから簡単に荷物もまとまる。6時前にはチェックアウト。このホテルの滞在時間、5時間半ぐらいしかない。昨日、部屋へと案内してくれた同じ人にチェックアウトだと言ってカギを渡す事になる。えらい慌しい日本人だと思われたかも知れない。
 街は朝と言うより夜の続きで、ビニールで囲った屋台でまだ飲んでいるお客さんもいる横を地下鉄の駅へと急ぐ。昨日までの半袖から今日は長袖に着替えているが、それでも寒い。
 地下鉄でソウル駅に到着。時刻は6時半前。

 朝早いソウルの駅はまだまだ閑散としている。今日は帰国日であるが、搭乗するのは夕方の名古屋行き。それまでほぼ1日。韓国国鉄KORailに乗るつもりだ。
 KORailが外国人観光客用に用意しているKR Pass。今まで何度も利用していたが、いつの間にか1日券と言うのが設定されている。価格は58,200KRW。3日券が84,600KRWだからえらい割高だが、ソウルから釜山までのKTXの片道運賃が55,500KRWだから、十分元が取れる設定ではある。それを生かして、KTX京釜線の新規開業区間、東大邸‐釜山に乗ろうと思う。そして、釜山からの帰りは単純往復ではつまらないから、新しくKTXが乗り入れるようになった慶全線の馬山に廻って、戻る事にする。慶全線もKTX乗り入れに際してほぼ新線に作り変える勢いの改良をしたそうだから、ほぼ新線に乗るに等しい状態である。
 二つの条件を満たして、仁川発19時の飛行機に間に合うようにソウルへ戻ってくる事を考えると、ソウル出発が7時のKTXと相成った。もし朝、起きれなかったら釜山単純往復に切り替えるとか何らかの事を考えただろうが、結局、予定通り、である。
 窓口でKRパスのバウチャーを提示し発券。続いて指定券の確保をお願いする。慣れない係員が四苦八苦していたが、見かねたベテランが手を出してからはスムーズに事が進む。希望していた7時のKTXは満席といわれたが、特室をお願いして事が進む。KRパスを持っていると特室も普通席との差額の半額で乗車可能である。10,000KRWほどであるから今のレートで700円程度の差額に過ぎない。
 指定券は揃った。あと15分ほどで出発時刻となる。係員が「5番」と日本語で乗車ホームを教えてくれる。

 待っているのはお馴染みのKTX。7時発車の107列車である。短い連接車とはいえ、20両編成は立派だ。一番前の写真を撮り、後ろの特室まで歩くと結構な距離。各号車各号車、席が埋まっている。普通車指定席満席といわれたそのままの光景。
 確保した特室。宛がわれたのは1人席の方だった。荷物をしまう。適当に

 サービスのミネラルウォーターとお菓子を取って席に戻る。この辺りは何度か乗ってて勝手知ったると言った所だが、キャンディーしか用意されていないのは、ちょっとしょぼくなったな、と正直思ってしまう。
 7時の定刻に列車は動く。



朝日を浴びたソウルの街が流れ出す。ブラインドが次々閉められてゆく。列車は流し気味の速度で龍山を通過。漢江を渡る。
 車内販売がやって来たので「トシラク イッスムニカ」と聞いてみた。トシラク、お弁当である。

KTX弁当の販売価格、最大で原価の4倍  2011/09/23 20:42 聯合ニュース

 韓国高速鉄道(KTX)の列車内で販売されている5種の弁当のうち、3種の原価を算定した結果、販売価格が原価の2.5倍から3.9倍に達していることが23日、明らかになった。与党ハンナラ党の洪日杓(ホン・イルピョ)議員が伝えた。
 5種の中で最も人気の高いのは「韓食弁当」で、販売価格は7500ウォン(約490円)。洪議員によると、同弁当の原価は3000ウォンだった。
 これについて、洪議員は弁当の納品業者が暴利をむさぼっているのに加え、流通コストが膨らんでいるためと指摘する。原価3000ウォンの「アジアン・ランチ・ボックス」の納品価格は7755ウォンで、納品業者が4755ウォンの利益を得ており、マージン比率は159%に上った。一般的な弁当のマージン比率は最大で46%程度とされている。
 洪議員は弁当価格の値下がりや品質の向上に向け、入札や流通の仕組みを見直す必要があると強調した。

 なんて記事を目にしたばかりで、気にならないと言えば気にならない訳ではないが、鉄道にせよ空港にせよ、市中価格より高いのは常の事なので気にしない事にする。
 出されたのはこんな弁当。


 確か7,000KRWだったような気がするが、7,500KRWだったのかも知れない。記事にするまで間が空いたから忘れてしまった。味はまぁまぁだけど、食堂でメインが無くておかずばかり出されたような、そんな食事といえなくも無い。時間に余裕があるなら、駅のフードコートで食べてから乗った方がずっと内容が充実しているのは間違いないところ。

 お弁当を食べ終わると、KTXは郊外の田園風景の中を走行中。昨日までいたタイと同じ米作地帯でも、景色は大きく変わってきて、日本の田園風景と大きくは変わらない。時速は280〜290km/hと言ったところ。300km/hには中々届かない。
 車内は寝ている人が多い。自分も昨日の夜はあまり寝ていないから、新線に入る東大邸まで寝ておこうかと思いリクライニングを倒す。大きくは倒れないが、まぁまぁ、休まる。アイマスクを持って来ればよかったと思いつつ、zzz。

 大田の停車には気付かなかった。目を覚ますと在来線らしい線路を走っている。東大邸の手前らしい。だんだんと市街地が広がって、大邸の駅を通過する。
 東大邸では多少降車客がいてほぼ満席だった車内に余裕が出来る。ここから先、釜山までが今日のハイライト。この度開業した新線区間である。在来線を1時間10分掛けて走っていた東大邸と釜山の間が40分ほどに短縮。ソウルからのトータルで見ると所要時間は今乗っている107列車の場合で2時間43分となっている。最速列車は大田や東大邸にも止まらないのが1本あるようで、その名も001列車。ソウル9:45出発の11:58釜山着だから2時間13分となる。
 暫く在来線を走っていたが、まもなく高架線を走るようになった。明らかに新しい線路で、KTXの新線に入った事を知る。
 すぐにトンネルばかりになる。新線らしいといったら新線らしいが、乗っている身からすると川沿いの穏やかな景色を眺めれらた京釜線の方が良かったと思う。
 新線区間、在来線とは大きく経路が異なり、慶州と蔚山を通過する。正確に言うとどちらも在来線の駅を無視して、新慶州、新蔚山という駅であり、各々在来線の駅、というか市街地を完全に無視した山の中に存在する。

 気持ち速度が緩んで、その新慶州の駅を通過する。山に入った僻地で廻りには何も見えない。市街地へはバス連絡というから、どちらかと言うと空港に近いイメージとなる。再びトンネルと田園の繰り返しに戻る。

 新蔚山の駅はこの列車、停車となる。駅前に大きな駐車場が目立つ。バスよりもクルマで乗りつけるお客さんが多いと言う事らしい。そう言えば蔚山には現代自動車の大きな工場があった筈。
 ここまで来ると釜山まではすぐ。東海南部線の列車だと1時間ぐらい掛かる気がするが、真っ直ぐに山を貫くKTXの新線だとわずか20分。どこまでもトンネルで引きずるから一体どこに出るのだろうと思っていたら、

 西面までもすっ飛ばし、突然 釜山港が現れた。あっけない幕切れだが、終着釜山となる。ほぼ定刻、9:43の到着。
 
 さて、次は慶全線の馬山に向かう。高速鉄道時代であるが故、KTXで東大邸に戻り、馬山行きのKTXに乗った方が早いことも考えられるが、出来れば馬山へは在来線で行きたい。慶全線の釜山から馬山経由順水、木浦方面と言うのはとんでもないローカル線で、1日4本とか5本程度しか列車がないのだが、この後の列車、10:30に釜山市内、釜田駅を出発する列車がある。
 慶全線の小さなターミナルである釜田へは地下鉄で移動する事が出来るが、今日は手元のKRパスを生かし、KORailだけで移動する事にしている。まず乗るのは釜山発10:20のソウル行きムグンファ。釜田始発慶全線系統と釜山始発京釜線系統が合流する亀浦まで、このムグンファに乗り、亀浦で後から来る慶全線に乗り継ぐ。
 本来、市内移動に費やす時間が釜山駅で浮いたからその間に何か食べる。さっき、車内で弁当を食べたばかりだが、韓国に入国したのにちゃんとした韓国料理を食べていないのが気にかかる。
 釜山の駅はホームまたぐ高架部分にコンコースが出来て少々様子が変わった。それでもフードコートがあった部分の様子は変わらないから、簡単なお店は何軒かあってそのうちに一軒に入ってみる。

 カルビタンを頼む。これも値段、忘れてしまったが6,000KRWだったか。市内で食べるより少々高いかなという記憶が残っている。味はよくも無く悪くも無く。敢えて食べるほどではないけど、気分的には落ち着く。
 本屋が見えたので、入ってみて「シガクピョ」を聞いて見ると、店員さんが1冊差し出してくれた。10月号である。普段は前月のものしか置いていないことが多く、当月の時刻表を手にするのは初めてである。値段は前と変わらず5,000KRW。
 ちらっと中身を覗いてみると、全羅線、麗水ゆきのKTXが設定されている。もう一路線あったかと不勉強ぶりを嘆いたが、後でネットで調べてみると全羅線KTX、10月5日からの運行であった。
 30分少々の持ち時間が潰えて、もう列車は発車時刻が近づいている。ホームに下りると

 1212列車のソウル行き。8200形と言うのか、電気機関車が先頭に立つ客車列車が発車を待っている。車内は半分ほどの入り。ソウルまで5時間以上を掛けて走る列車だが、どれだけの人が乗り通すのだろう。運賃が安いムグンファは結構人気とも聞くし、実際、通しで予約を入れようとするとなかなか難しいのだけど、区間乗車の積み重なりという気もしないわけではない。
 山がちの釜山市内を眺める事20分弱、次の停車駅、亀浦に着く。

 こちらからの乗車が便利な人も多いようで結構沢山のお客さんがデッキに群がる。勿論降りる人というのは殆ど見えなかった。

 思ったよりも長い、10両ぐらいの客車を従えて、 列車ムグンファ号は長躯ソウルを目指して走り去る。ここで10分少々の待ち合わせ、慶全線のムグンファを待つ。待っている間にも

 貨物列車が走ってゆく。釜山港から積み出すのか、海上コンテナを満載している。
 そして、

 若干遅れて慶全線のムグンファが顔を表した。1941列車の順天ゆき。このクルマ、気動車である。元通勤列車用の9501系。
 馬山から釜田への慶全線、慶州から浦項への東海南部線。群山線と、韓国鉄道の旅で何度もお世話になった通勤列車用ディーゼルカーだが、ここ数年で通勤列車が無くなる路線が相次いで、この気動車、だいぶだぶついていたらしい。
 それを改造してムグンファに投入した例があるのは知っていた。知っていたけど、時刻表をみても客車列車と気動車列車を見分ける算段は知らないから、乗りたいと思いつつ、ここまで縁がなかった。釜山周辺のローカルムグンファなら可能性あるかなとは思っていたけど、ここで会えたのはかなり嬉しい。
 デッキをよじ登るようにして車内に入る。ドア部分と客室部分の間、元の車両には無かった仕切りが出来ていて、優等列車らしい作りになっている。

 車内。リクライニングシートが並ぶごくごく普通のムグンファ形。良く化けたなあぁと言うのが第一印象。
 列車は混んでいる。立席の人も目立つ。4両繋いでいるからそれなりに席はあるはずだけど、日曜日の午前中という列車、かなり人気のようだ。
 列車は京釜線の立派な線路を流すように走ってゆく。釜山郊外、大きな川を左に見つつ。ちょっと前なら、すぐ後ろをKTXが追いかけるような状況だったろうが、KTXは概ね新線に移ったし、セマウルの本数も減っているから、この区間ではムグンファは王様でいられる。貨物列車の本数は多いだろうが、道を譲る相手ではない。
 幾つかの駅に止まる間に眠気を感じた。いつの間にか京釜線と慶全線の分岐点、三浪津を過ぎている。旧線に変わる立派な新線を駆けて来た筈なのだが、何にも見れていない。目覚めたのは昌原中央と言う駅。新線区間に新しく設けた駅のようだ。鎮海線の分岐はどうなった?と思っていたら次が在来線の昌原であった。ここは見覚えがある。ゆっくり走ると馬山の駅に到着。時刻は12時ちょっと前。
 馬山にはソウルからKTXが乗り入れるようになり、駅も新しくなった。隣のホームには韓国が自慢する自主開発の高速車両、KTX山川の姿が見える。この後12時半に出発するKTXでソウルに戻る事にしているから、気動車ムグンファとはここでお別れとする。
 降りるときにふとデッキの反対側、どうなっているのだろうとちらと覗いてみる。元々二つドアセミクロスシートだった9501系気動車。ドアは中よりに設けられているので、ドア部分から車端の間にも客室がある。それをそのまま優等列車にすると日本で言えば二階建てグリーン車のような半個室が出来る筈だが、こちらの格上げ改造気動車はこのスペース、ロングシートのままとしていた。座席指定範囲外のスペースのようで、立席の人が普通に座っていた。

 30分ほどの待ち時間。KTXの駅に共通のデザインになった馬山の駅を眺めたあと、時間がつぶれなくて駅構内に見かけたコーヒーショップに入ってみる。

 アメリカンコピなんて輪を掛けて薄そうなコーヒーを飲んでみたが、普通にコーヒーだった。値段は2,500KRWだから、まぁ良心的。ソウルのコーヒーショップとか、4,000KRWなんて取る所もあるから、物価を考えると強気の値段設定の所もある。
 レシートにKORailの文字が見えたから鉄道の直営のようだが、流行っている感じはしない。20分ほど店にいたが、ほかに客は来なかった。

 座りながら留置線が見れるのが鉄道ファンとしては嬉しいが、何時まで持つのかなと人事ながら心配になる。熱いコーヒーは飲み干せないまま時間が来たので最後はお持ち帰りで列車に向かう。
 馬山からソウルへはKTXで戻る事になる。構内にはKTX山川が2編成。昨年5月に乗ったときはまだまだ編成数が無くて貴重品だったが、1年半の間に増備も進んで、短い編成を生かした地方路線拡充の旗手、という扱いになっているようだ。従って、釜山系統では中々お目にかかれないが、馬山系統にはこの最新型、KTX山川が用いられている。

 発車まで10分少々。車内は気の毒な程にがら空きである。12:35に馬山を出て15:24にソウル到着という列車は中途半端な存在なのだろうか。
 宛がわれた先頭1号車は数人の乗客でしかないまま、出発時刻を迎える。484列車は定刻に出発、次の駅、昌原でも乗車はまばら。ホームは列車用の低床部と電車用の高床部の二つに分かれており、どうやら慶全線も広域電鉄化を行うらしいことがわかる。次の停車は京釜線密陽となる。

 立派な高架線をKTX山川は快適に飛ばしてゆく。勿論、高速新線ではなく在来線の改良という扱いだから、時速は正確にはわからないけど、体感から言うと120km/hとかそんなものだろう。 全体で何人乗っているのか知らないけど、投資の割りが合うのかなと人事ながら心配になる。長項線が延伸したときと同じ感想になってしまうが、お金を掛けて新しい線路を引いても、投資を回収出来ないのでは無いかと思う。

時折、廃線跡らしい道床が向こうから寄ってきたり、離れて行ったりする。韓国の線路改良は殆ど新線を引くに等しい事をやるようで、長項線でも全羅線でも、中央線でも見かけたような景色だ。慶全線の改良も、ほぼ全線に渡ってこんな調子が続く。本当に、どこにこんなお金があるのかと、なかなか改良が進まない日本の鉄道を思い浮かべながらある意味羨ましく思う。投資を回収出来ているかどうかは別として。
 30分ほどで京釜線と合流。まもなく

 何度か見たような景色が展開されるようになる。京釜線、在来線は釜山からのKTXが通らなくなっているから馬山系統のKTXは首都ソウルを結ぶ貴重な脚に違いない。
 慶全線部分のKTXに乗りたいという目的は達せられたので、パソコンを取り出し、恥辱に向かう。30分ほどで東大邸到着。沢山人が乗ってきて満席近くなった。隣席も埋まる。人の流動はソウル‐大田‐大邸‐釜山と言う一種のベルト地帯の方が圧倒的である事をこのKTXで知る事になる。
 KTX山川は高速線区間に入り、300km/hの走行となる。300km/hに到達したかしないかの頃、不快な揺れが始まった。今まで何度かKTXに乗った事はあるけど、ここまで妙な揺れは初めてである。勿論日本の新幹線でも経験は無い。今朝のKTXでも経験していないから、この車両起因で何かあるのかなぁと勘ぐってしまう。
 それが、大田に停まり再びの300km/h走行ではそれほど気にならない。どうやら車両起因の揺れではなく、線路起因の揺れだったようだ。路盤の保守が上手く行っていない区間があるのかも知れない。かように高速鉄道という乗り物はデリケートで奥が深い。
 KTX-山川。少々遅れ気味のようで、定刻であればソウル到着時刻である15:24、

 漢江の鉄橋を渡る。車内、何人か川の写真を撮る人が見える。
 5分ほど遅れて終着ソウル駅に到着。20両編成の初代KTXと10両編成のKTX-山川が頭を並べて停車する。

 写真を撮る側からするとありがたいが、コンコースへと歩く段になると、今度は余計に歩かされる事に気付く。
 8時間半で韓国を一往復して振り出しのソウルに戻った。今日は19時の飛行機に乗るから持ち時間はあと少し。と言うより中途半端な時間が残った。
 街中に出るには少し時間が足りないし、真っ直ぐ空港に行くと若干時間を持て余す。せめて南大門あたりまで脚を伸ばして、レートがよくなっている好機に両替を、とも思わなくは無いのだけど、結局、駅の中。

 フードコートに脚を伸ばす。ここには初めて脚を伸ばした。集中レジで会計して、各々の店で商品を受け取るシステム。

 冷麺を頂いた。確か6,000KRW。レートが良くなっているからさほど高くは無いのだが、一頃に比べると値上げしているのは間違いない。
 食べ終わると、空港鉄道の駅に向かう。

 地上2階をエスカレータで降りはじめたのが16時ちょっと前。16時ちょうどの急行列車には間に合わないから、その後の普通列車に乗る事にする。地下深くの改札を抜けてさらに地下へ。普通列車の時刻までは把握していないが、16:03だったので間に合う。座席がさらりと埋まり発車。
 乗り換えに難のあるソウル駅より、2号線接続の弘大入口の方が便利なようでここで結構な混雑となった。金浦空港の駅でも乗車があったが、次の桂陽で半分ぐらいのお客さんが降りてゆく。空港連絡と言うより、郊外の住宅地への脚として使われているように見える。

 普通列車で所要53分だから、仁川空港の駅に着くともう17時。出発2時間前という時間になった。
 カバンに余裕があったから空港のコンビニで少々買い物。それからここで両替。もう出国するのでウォンは不要なのだけど、何時に無くレートが良いので意味無く両替してしまう。

 搭乗手続きも済ませる。前方通路側と言って渡されたチケットだが、番号が妙に大きい。本当に前方かなと思う。
 出国してラウンジへ。コードシェア便だとKALのラウンジを使う事になっている。そのKALラウンジに搭乗券とJGCのカードを提示して入るのだが、妙に時間が掛かる。コードシェアの相手の事を理解していない様子。JLとKEのコードシェア便利用客ってそんなにいないんですかねぇ。

 混雑気味のラウンジ。ここのラウンジ、電源周りの設計がよくなくて、手持ちのコンセントアダプタが使えない。前に利用した時は搭乗券と引き換えでアダプタを借用したのだが、今回は引き換え無しにアダプタを貸してくれる。

 軽く食事を頂きつつ、恥辱を進めておく。持ち時間は1時間弱。意外と短い。暮れなずむ頃にパソコンを閉じる。そろそろ搭乗時刻。