銅鑼湾で夕食を


 待ち合わせの時刻になり、予約していたレストランに向かう。そう、今日は予約の必要な人気店。銅羅湾の喧噪から少し離れた所にあるブランド品のお店なんかが並ぶエリアのビルの中。19時からということだけど、20時半二は次の予約が入っているから、早めに来てくれ、と言われているらしい。
 やたらと店員さんが目立つ店に案内されて、まずは飲み物を。ビールを頼むとハイネケンかサンミゲルかチンタオか、と始めるのでチンタオを貰う。

 グラスで出てきた。ドラフトビアかね。泡立ちが少ない気もするけど。
 このお店の人気商品やら何やらを頂くものを決めて注文する。注文したら「古法糯米鶏はいらないのか」とか「野菜はいらないか」とか結構お節介を焼いてくれる。まぁ、いいや。

 お勧めの「古法糯米鶏」。ひとつ48HKD。ごはんを鶏肉の皮で包んで焼いたもの。ふんわりしていて不思議な食感。これは確かに勧められるのもうなづける。
 ビールのお代わりをお願いしたら

 缶が出てきた。あっ、そうだったの。
 取り皿、ちょっと使うとすぐ下げられ、新しい皿を出されて、料理を出されて、取り皿下げられてと。テーブルに付いてくれる人がいるのは、ちょっと落ち着かないなぁと思いつつも、頂く。

 卵の白身だけを使った茶碗蒸し、というべきかなぁ。滑らかで美味しい。

 単なるチャーハンも、サラサラしててべとつかず、これは自分では作れない。


 結構食べて少々飲んだからお値段もそれなりにいった。730HKDだったか。3人で食べたことを考えればそんなものかも知れない。

 20時過ぎ。ホテルに戻るには少々時間が早く、もう少し銅羅湾の街をぶらぶらする。喧噪が近づいてトラムの走る大通りを渡ると雰囲気も一変する。やたらと日本語の書かれた店が目立つ。寿司屋だったりラーメン屋だったり。日本人向けのマッサージ店なんてのもあるけど、ほとんどは地元向けの店だ。日本人向けの日本語表記は怪しげなのが多いのだけど、地元民向けはピンポイントで日本語を持ってくるから間違えようがない。毎年来る度に日本語表記と日本の製品、日本の製品のふりをする製品が増えているように思える。日本北海道ライスピザなんて店があってライスピザなんて聞いたこと全くないけど、本当に日本の物なのか。戸井なんて超マイナーな北海道の地名を名乗っているから日本人が見てもひょっとしたら本当にあるのかも知れないと考えてしまう所がよくできている。

 昨日も通りかかった世界貿易中心前。パブリックビューが出来ていてちょうど行われている試合を観戦する人垣が出来ている。気のせいか街全体が妙に浮つくような、妙な高揚感が漂っている。

 ちょっと歩いてお腹もこなれた所でデザート。人気のあるプリンの店、だそうだ。店内は混んでいたが、ちょっと待つだけでテーブルに案内された。

 ミルクプリン、21HKD。麺類と同じような値段な訳で高い訳ではないけど、安くはない。それでも混んでるだけあけあって美味しい。甘過ぎず、程良いミルク感もいい。甘い物は別腹ではないが、別腹の存在を信じたくなる。
 銅羅湾は21:30。まだまだ賑やかだが、朝から飛ばし過ぎたのか、疲れきってしまった。今日はこれでホテルに引き上げる。帰りはさすがに早い地下鉄。繁華街から郊外に帰る人に混じって二駅、佐敦まで。

 簡単にシャワーだけ浴び、途中買って来たビールを飲んでzzzz、寝ようかと思っていた矢先、どこかでベルが響きわたるのが聞こえた。さて、何だろう。。。。。って火災警報????
 廊下に顔を出してみる。いくつか同じように心配そうな顔が出ている。中にはバスタオルを巻いただけの女性が廊下に出ていたり。様子は不明だけど、いつでも逃げられる準備だけはしておいたほうが良い。生憎、妻は浴室にいる。何か分からんけどベルが鳴っているから逃げる準備をしろと一声。改めて廊下に顔を出した。お向かいさんに「Fire?」と聞かれても「I don't know」と答えざるを得ない。スタッフがやってきてバタバタと廻り「No problem」と言って廻る。飛び出て部屋から締め出された人が助けを求める。
 ひとまず何もないみたいで、部屋に戻る。妻がフロントに電話を掛けて問題ないことを確認してくれている。ひとまず避難は見合わせる。警戒だけはしつつ、すっかり目が覚めてしまった。
 電話が鳴って改めてフロントから説明。何事もないようで、ひとまず安心して寝ることにする。最後まで、妙な一日だった。