No plan 香港

朝、一度目覚めてもう一度寝て。もう一度起きると7時過ぎ。日本時間なら8時であり、まぁよく寝た方に違いない。日曜日の朝。外は明るくなっている。雨風は落ちておらず、台風接近の週末としては、かなり恵まれた天気に違いない。
一人起き出して昨日の恥辱を進めておく。幸いフライト部分は通り抜けたからあとは転がるように書ける筈だ。ちょっとお腹がすいた。先に一人で朝食を食べてきて構わないと妻が言うので小一時間の小散歩をすることにして街に出た。

ビルの向こう、青空が広がっている。銅鑼湾の方へとちょっと歩く。一本路地を入ったところが市場になっていて野菜やら鮮魚やらが威勢よく売られている。獲れたばかりなのか、魚がぴちぴち跳ねながら売られていたりする。さすがに食の都だなぁと感心しつつ、今朝の朝食を考える。結局、ホテルのある通りに面した通りの中から、ちょっと混んでいる店を選ぶことになる。入ってから漢字ばかりのメニューを指差し注文。広東語担当の妻がいないので想像で注文したのだが

マカロニが出てきて仰け反る。「通粉」と書いているとマカロニなのだとか。ちなみに一緒に書いていた「米粉」はビーフン。これは想像がつく。「公仔麺」というのがあってこれはインスタントラーメンだそうで。中でも「出前一丁」は別格なのが香港スタイル。通粉は次から覚えておかないと。
通粉の牛肉サテー入りとかでカレー風味のスープと一緒に頂くとひとまず店の外で。そしてちょっとの間、トラムの写真を撮っておく。二人で動いている時にまとまった時間を頂くのはちょっと申し訳ないし、単独行動の間に撮っておきたい。まだ日が廻らないのは残念だが、ひとまず撮ってしまおう。

富山県と長野県が合同で出しているらしい広告電車。日本秘境へというのが謳い文句。

新車がやってきたので一枚。

こちらは無広告車。派手な電車の中で歴史博物館の中に佇んでいそうな電車が混ざるのはかえって新鮮。ヲタの注目は浴びそうだ。
一旦ホテルに戻る。すっかり目覚めた妻と今日の日程の擦り合わせ。せっかくの香港島なので、香港島の南側、赤柱に足を伸ばしてみようと決める。さぁ、改めて出発。
香港島の南側へは、跑馬地のところからトンネルがあって、そこをバスが通る。従ってホテルの近くをバスが通るはずなのだけど下調べはしてなかった。

そこでバスの始発である中環まで行くことにしてまずはトラムに。2階席に座って赤柱方面行きのバスを見かけたら降りようか、と思いながら対向車線のバスを見ておく。
結局「260 赤柱」のバスを見かけたのは中環の近く。結局始発のバスターミナルへと向かうことになる。中環近辺。日曜日は今日だけお休みのフィリピン人メイドが大挙して集まり休日を満喫している。そんな中を通り抜けてバスターミナルへ。

赤柱ゆきは6系統の普通バスに対して260系統は特快。20分で香港島南側のリゾート地、浅水湾までゆくと看板に出ている。バスを撮って乗ろうとしたら動き出してしまい、先に乗ってた妻が慌てて止めてくれた。すみませんでした。
バスはトラムとちょっと絡んだあともう一つ海側の通りへ。ホテルのそばを確かに通ったのだけど、高架の上でバス停は無かった。ビジネス街中環から銅鑼湾の市場を見下ろしてトンネルを抜けると緑の濃いエリアになる。これは劇的な変化だ。
香港仔へ向かう道と分かれ、浅水湾を経て赤柱へと向かう山道を走る。海がちらちら見えているのだけどアップダウンが激しくて、山道の印象が強い。良くこんなところを大きなバスを転がすものだと。

浅水湾に差し掛かった。中環からここまでほぼ20分。海水浴場らしくこの季節なのに泳いでいる人も多い。いくら南方の香港といっても気温は25℃。泳ぐには少々肌寒い筈である。
さらに山道に差し掛かる。大きな車体が喘ぎながら登って、ジェットコースターのように下る。二階建てバスの二階ゆえ、ゆっさゆっさとした揺れも加わる。

穴の開いた不思議なマンションが見える。風水を考慮した作りなんだとか。
海が見えなくなって完全な山道を走り続けると小さなバスターミナルが見えて、どうやら終点、赤柱。 

赤柱の街。空が広くて明るい。香港とは思えないような雰囲気。そして異常に白人比率が高い。ちょっと雰囲気は違うけどバンコクのカオサンって所かなぁ。

海沿いに歩いて向かってみたのは香港海事博物館。6月に来たときに眺めた香港歴史博物館が意外と楽しめたので、試しに見てみる。小じんまりとしているけど、さて。
古代館と現代館、二つの展示室がある。古代館は模型展示が中心。中には日本の遣唐使が使った船や朝鮮の亀甲船なんてものもある。

遣唐使の頃には日の丸ってあったかなあと思いつつ。

現代館はうって変わって模型や写真の展示だけでなくモールス信号の発信を体験出来たり、操船シミュレータがあったり、なかなか楽しい。スターフェリーを尖沙咀の埠頭に着けるシミュレーター。やってみたけど制限時間3分半ではなかなか厳しく難しい。前後進がすぐに効くのに対して舵がなかなか効かない。これが実体なんだろうなぁ。
簡単な施設だったけど見学に1時間。結構楽しんだ。最後にささやかなミュージアムショップを覗く。なぜかスターフェリーの写真集をお買い上げ。45HKD。500円弱だと思えば安いもの。 

海岸線を少々散策。この辺り、浅水湾の海水浴場と違って海水に手が届きそうなところが無いのだけど、ちょっとした岩場があってしばらくの間佇んでみた。真夏のような雰囲気。ちょっとの滞在だったけど思いっきり日焼けしそうだ。

さて、そろそろ引き返す。赤柱のささやかなバスターミナル。北角ゆき65系統が銅鑼湾を通るのでそちらにする。特快260系統と違って普通バス。運賃が若干安い。
さきほどの260系統と違って住宅地のような中を走る。住宅地と言ってもぽつんぽつんと高層マンションが立つ程度。郊外の高級住宅地らしい。バス停にMorning special serviceの文字。通勤快速、と言ったところか。

アップダウンの激しい道。対向車線は今から赤柱へ向かう観光客、なのだろう。土曜日の午後、出掛けるのはこれからが本番らしい。
緑溢れる香港島南部から一本トンネルを抜けると再び銅鑼湾の喧騒である。そごうの前をやり過ごしてビクトリアパークの前で降りる。こちらもメイドさんの海だが、スカーフを被った人が目立つ。インドネシアからの出稼ぎ、らしい。
時間は遅くなったが昼食にする。朝は麺だったからご飯物が良い。と言う事で妻お勧めの店に行く。銅鑼湾の外れ。そごう前の喧騒はここまでは伝わらない。

香港の食堂には珍しくビールが置いてあったから昼間だけど頂く。

ここの名物、排骨菜飯。ちょっと脂っこいかなぁと思うけど美味しく頂く。
食事が終わるともう15時過ぎである。時間が中途半端でどうしようかと思ったけど一旦ホテルに戻る。戻ると疲れが出て少々眠る。気がつくと日が傾く頃。昼間の赤柱は青空だったのにこの時間帯の銅鑼湾は重たい曇り空である。
夕方は今回の旅行で初めて九龍側へ行く。銅鑼湾からは海底トンネルが紅磡へ通じていてバスならすぐである。

道路は混んでいるが距離自体は短いから10分しないうちに海底トンネルの紅磡側に出る。

歩いて少々、今日の待ち合わせは尖東の噴水前。時刻は19時の少々前。今日は妻とその友達はこの後、20時からこちらでコンサートを見学するのだそうだ。自分はコンサート前に夕食を少々付き合うだけ。

あんまり時間が無いので適当にぱっと入れる店を選んでしまう。ご飯ものやら麺類やら何でも揃うけどやっぱりビールはないなぁ。麺類とアイスコーヒーを頂くことにした。

ラーメンの具、基本はレタス。それにプラスαでお好みとなるらしい。レタスなんて食べるの、久しぶりかもなぁ(笑)
コンサートの時間は20:15なのだそうだが、随分とゆっくりしている。どうせ定刻には始まらないのだそうだ。それでも20時前に一旦お別れ。自分はホテルに戻るけど、どうやって戻ろうか。ちょっと考えて尖沙咀の埠頭からスターフェリーに乗ることにする。歩いてゆくと賑やかな雰囲気。20時過ぎ。スターオブライツの時間だ。
尖沙咀の埠頭に着くとちょうどスターオブライツが終わる所だった。スターフェリーの一番混雑する時間帯。中環へ向かう船は混みそうだし中環の埠頭からトラムの線路はずいぶんと遠い。ちょっと考えて湾仔ゆきのフェリーを選んだ。本数があるのか無いのか分からなかったけど、あと10分で船が出るところ。

何時も不思議なのだが普通に改札を通ると何故か1等船室になる。今日も3HKD払って一等船室。待つことしばし、船がやって来る。湾仔からのお客さんを降ろすと乗船のゲートが開く。出航まであと3分。なかなか凄いダイヤだ。
台風の影響なのかえらい揺れる船に乗る。ゆんらゆんらと揺れながら船は行く。不思議と香港島側に近づくにつれて揺れは収まった。

湾仔の埠頭に着く。下船して写真を撮るともうこの船、出港らしい。1隻がひたすらピストンだろうか。忙しい航路を後にトラムの線路を目指す。ホテルまではトラムで帰ろう。
ちょっと歩くとトラムの通りが見えてくる。東側に電停が見えたからそちらへと歩くとその先は見覚えのある景色。もう少しでホテルの近くなのであった。
尖東から歩きとフェリーで1時間。うんと安い分、時間は掛かった。とはいえまだ21時。ホテルに戻るとビールを飲んで寝てしまいそうだからちょっとの間、トラムを撮っておく。




夜といえどもまだまだ宵の口。行きかう電車は多い。30分少々でずいぶんと写真が撮れる。朝とはまた表情が違う。
一応、撮影に満足してホテルに戻る。コンビニでビールを買ってゆく。袋がいるか?と聞かれたようなので「No Thank you」とエコバックを取り出したら、店員が袋に詰めてくれた。「Thank you」の声が大きくなる。
飲みながらだらだらと恥辱をまとめる。24時になる頃、妻が部屋に帰ってきてお土産話。さすがに眠くなって続きは明日にする。zzzzz。