スコータイの森の中

 鶏の鳴き声で目覚めた。何時か分からないけどまだまだ外は暗いはず。もう少し寝たいなぁと思うけど、寝たのかどうか定かでない感じ。次第に夜が明けてくる。今日は薄曇のようで日はなかなか差してこない。結局6時過ぎに起きだす。日本時間なら8時だけど、なんか日本時間とタイ時間が意識の中で行き来している。
 こちらのテレビを点けて見る。8時に聞き覚えのあるメロディーが流れ出した。タイ王国の国歌。公共施設で行われている事がテレビ放送でも行われているのだった。
 今朝は屋台に朝食を取りに行く。表通り、銀行の前に何軒か屋台が出ている。
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 麺の屋台とカレーの屋台と各々好きな方を。カレーは何種類かあるなかから好きなものを乗せてもらう方式。こちらではご飯に掛けて食べるものは何でもカレーと言うそうで、見てみると煮卵と厚揚げなんて日本ではおおよそカレーとは名乗らないであろうものまで一緒においてある。
 結局、これとこれと選んだのは
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 こんな面子。片方は筍のカレー。もう一つは良く分からない川魚を煮込んだカレー。これで20バーツ。ちなみに隣で売ってたビーフンの麺は30バーツでした。
 部屋に戻ってもう少しゆっくり。今日は10時に昨日のソンテオが迎えに来てくれる。少々前にゲストハウスの玄関まで出てみると既に迎えが来ている。

 今日はスコータイの遺跡を見学する。

 受け売りだけどスコータイはタイ族最初の王朝が都を置いたところ。アユタヤ王朝に滅ぼされるまでの150年間、栄えた都である。日本で言えば鎌倉時代のお話。 
 滅ぼされた後、石造りの寺院や仏像は朽ち果てたまま、現在に至っていて、その遺跡群の見学が今日のメインコース。遺跡は今いるスコータイの市街から15kmほど離れたスコータイの旧市街に点在している。見学にはバスツアーを使ったり、自転車を使ったりが基本なのだそうだけど、今日は乗合ソンテオを貸し切った、と言うわけ。
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 勢い良く走り出したスンテオはすっと脇にそれる。入った先は
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 ガソリンスタンド。いい仕事に有り付いたので心置きなく給油出来るのかもしれない。1リットル30バーツほどだったようで、タイを何度か訪れている兄弟の話によるとかなり値上がっている、との事。
 改めて走り出す。幹線道路をしばらく。ちょっと脇道に反れると遺跡らしい石積が点在し始めた。
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 こんな遺跡が全部で300ほどあるそうです。その中から今日は有名どころをピックアップして貰えるそうで。まず向かった先は
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 ワット・チェトゥポン。スコータイ後期に建造された重要な寺院だそうです。
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 比較的姿を残している仏像。歩き出そうとしているその姿は「遊行像」と言うそうで。
 ここに限らず、仏像や仏塔、そして建築物の柱が残っていて、竹や木で作られていた屋根が姿を残していないのがスコータイに限らず遺跡の特徴。
 さて、次。例によって乗合ソンテオで移動する。
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 「BUS STATION - CITY」の表示のまま、遺跡めぐり(笑)
 さて、次に移動した先は
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 ワット・マンコン。仏塔が残ります。
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 柱は既に倒れて……
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 何の礎が分かりませんが、大木に覆い尽くされてます。さらにソンテオは走ってゆき向かった先はワット・サパーン・ヒン。
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 丘の上へと続く石畳。この上に仏像がちらっと見えます。
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 中腹まで登ると見えてきました。立像です。
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 頂上まで。振り返ると
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 スコータイの森がそこに。この中に遺跡が点在し、そして人の営みがあります。
 次に向かった先はワット・シー・チュム。
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 囲いの中に仏像さんが鎮座されておられる。近づいてみると
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 圧倒的な存在感にたじたじ……
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 800年以上の時を越えて、未だに敬愛の対象でもあります。遺跡ではありますが今この時も信仰の対象として生き続けている。
 次いで向かった先はワット・プラ・パーイ・ルアン。
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 遺跡のまん前まで乗り入れる乗合ソンテオ(笑)
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 残された仏塔には
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 装飾がしっかりと。
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 遺跡観光、と言うよりは廃墟観光をしているのではないか、油断するとそんな思いも過ぎるのですが。
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 人の営みがそんな気持ちも吹き飛ばしてくれます。 
 遺跡公園の外周部を廻ってきたソンテオ。今度は遺跡公園の中へと足を踏み入れます。
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 遺跡公園の中はタイ当局とユネスコの協力で修復されていて、芝生や池が配置された中、遺跡が点在します。
 その池の中に浮かんでいるのがワット・スラ・シー
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 こちらは大きな仏像さんがしっかり残ります。
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 公園らしく、花々が彩りを添えていました。  
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 すぐ近くにあるワット・シー・サライ。3つならんだ仏塔が目を引きます。
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 外周を廻ると古井戸がぽつんと。ここが生活の場であった証拠がいまでも。
 遺跡公園最後の遺跡はワット・マハータート。
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 今日はソンテオで廻っていますが、基本はレンタサイクル。たくさんの観光客が自転車で遺跡を廻っています。
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 ここはスコータイで最大規模の遺跡。
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 仏塔の下に並ぶ人・人・人。
 さて、スコータイの遺跡も一応、ここまで。あとはスコータイのゲストハウスに戻るだけ。
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 だと思ったら「Shoping」だそうで。焼物のお店です。
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 こんな大きなものは買って帰れませんが、奥には箸置やコーヒーカップも。
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 店先に佇むソンテオを。
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 さて、そろそろゲストハウスへ。と思ったら「Last one」と言うことでワット・チャーン・ローム
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 今までも見てきた仏塔ですが、
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 象がぐるりと支えています。ワット・チャーン、つまり象の寺です。
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 改めて田舎道をソンテオに揺られて。アタマの中には「ドナドナ」がぐるぐる。しっかし、気持ち良い田舎道です。 
 宿に戻ると13時半過ぎ。明日はどうするの?と売り込みを掛けられましたが、正直決めていないので申し訳ないけどお断りです。
 でも、今までお世話になりました。
 昼食がまだだったので、市街地へとぶらぶら。
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 昼間からビールを飲み、
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 いろいろと頼んだものを小分けしていただく。何人かで来るといろいろな食事を頂けてこれはこれで楽しく。
 宿に戻る前に昼下がりの市場をぶらぶら。暑いせいか閑散としていましたが、商品は豊富にあります。
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 果物がいろいろと。
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 ナマズ、でしょうか。
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 大量な唐辛子。
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 おもちゃも売っていましたけど、パンナムって。
 ウロウロしていると暑くてばてるので眠ったような街の中を歩いてゲストハウスに戻ります。しばらく昼寝。これが日中の正しい過ごし方。夕方から起きだして、
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 テラスで恥辱をつづります。部屋の中よりも吹いてゆく風が心地よく。気のせいか捗るような。次第に暗くなる中、蚊取り線香は必需品でした。
 すっかり暗くなった後、夕食へ。今日は市街に出てみます。橋を渡る手前に素敵な雰囲気のレストランがあったのでそちらへ。
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 テーブルから見えるのは市内を流れるヨム川に掛かる橋。
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 薄ぼんやりとした灯りが照らす店内で
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 まずはビール(笑)
 そして、食事はいろいろと
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 結構飲んで食べて全部で500バーツを切る程度。かなり割安ですけどタイに来てからでは一番美味しい食事だったかもしれないです。
 すっかり満足してゲストハウスに戻ります。途中、昨日のお店で缶ビールを。やっぱり80バーツ。ショーケースの中に並んだビールを取ろうとすると「こっちの方が冷えてるよ」と別のビールをくれました。
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 例によってテラスでビールを頂いた後、就寝。