2008-01-03

 朝、目覚めると外はやっぱり雪国だった。

 空は暗く重たい雲が覆いかぶさっている。昨日、雪掻きに精を出した駐車場はまた雪に覆われている。
 そうこうしている間に、

 吹雪きだした。あっと言う間に向こう側が雪に隠され、見えなくなる。そう、これが本来の雪の厳しさ。
 今日でチェックアウト。乗るべき列車の時間を確認した後、食事へ。今日もバイキングにした。


 あんまり代わり映えしないけど、今日はうどんでしたね。

 さて、チェックアウト。今日は帰京する日だけど、真っ直ぐは帰らない。
 帰省客で賑やかな駅まで出てくる。会社に持ってゆくお菓子の類とかお土産を少々買い足すと、乗り込んだのは、

 青森ゆきの普通列車。青森まで乗り通します。それがために18きっぷを用意してきました。
 大荷物を抱えて、普通列車。今の時期には割りと見かける景色ではあるけれど、今日の列車には同類と思しき乗客は無く、地元のお客さんでロングシートが概ね埋まると発車時刻。列車は雪を踏みしめて走り出す。ちょっとすると母校が車窓遠くを流れていった。
 列車は暖房が心地よく効いている。尻から暖められ、次第にとろんと。すっかり松林のなくなってしまった追分の先で記憶を無くした。目覚めると鯉川。列車すれ違いで停車だそうだ。外はまた雪が激しく舞っている。遅れている列車を待ち合わせ、こちらも遅れを持って動き出す。
 東能代と大館で乗客が入れ替わる。秋田から2時間。恐らく乗り通している人は自分以外にはいない筈。大館から先の県境。雪がまた深くなり、新雪なのか、木々にまとわり付いている。

 県境手前、陣場の辺りで。
 長いトンネルと抜けると青森県。一駅ごとに乗客が増えて初めて立ち客が出る。立っている人たち含めてみんな弘前で降りてゆくけど、それ以上にたくさんのお客さんが乗ってきた。このまま青森まで。最後の区間、また眠ってしまった。

 ほぼ4時間掛けて青森に着く。15時前。さすがにお腹が減った。駅前をちょっと歩いて、市場まで脚を伸ばしてみる。

 鮪と帆立の丼が¥1,500。でっかくてびっくりなのだけど、今日は正月三日。流石に帆立が古かった。機会があったら新鮮なものを頂いてみたい。

 折角なので市場をぶらぶら。ほや・もずくって組合せは少々不思議。その他にも「帆立専門店」なんてのもあるし。

 これから食べる用に量り売りで買ってみました。あたりめがグラム300円。とばはグラム350円だったかな。

 鯛寿司なんてものにも手を出してみる。所謂、飯寿司って奴。
 少々早いけど、駅まで戻る。荷物も重いので、次に乗る列車の時間まではホームで大人しく。だったんだけど、

 大湊へゆく快速しもきた

 八戸から函館へ向かうスーパー白鳥

 八戸から弘前へ向かうつがる、と奥羽線普通列車

 そして16:30。乗る列車がやって来た。

 そんな訳でこれから、日本海二号を乗り通す。
 秋田にそのままいれば19:34なんて絶好な時間にこの日本海二号に乗車できるけど、折角の機会なので、わざわざ4時間掛けて青森まで出てきた。ただのバカだけど、それは仕方の無いこと。
 そして今日は、A寝台の切符を用意してきた。 
 普段なら割とギリギリになってから切符を買い求める事が多いけど、今日の切符だけはしっかりと発売日の当日、事前受付をしてもらってしっかりと用意。
 前々から、プルマンタイプの開放式A寝台、一度乗っておこうと思っていたのだけど、とうとうと言うか、やっぱりと言うか、この3月の改定で、無くなる対象の寝台列車に銀河と共に含まれてしまったのがこれから乗る日本海2・3号。敢えて探せば3月以降も急行きたぐにには開放式A寝台が残るけど、オリジナルのプルマンカーは3月を持って絶滅、と言うことになってしまう。
 本当ならこんな無くなる事が判明して騒ぎになる前に乗ってしまいたかったけど、12月の段階では秋田からの帰りに日本海に乗るのが、ベストのタイミングだろうと思われ、このタイミングと相成った。
 これから14時間付き合う事になる寝台列車に向かい合う。青森から乗るA寝台の乗客たち、半分は同類かな、残りは帰省客。まだ数人だけど、これから秋田、酒田と時間が経つに連れて混んでくるのだろう。

 乗り込んでみると、既にベットが出来ている。
 やっぱり造作は古いなぁと思う。このクルマ、車内に掲げられた製造銘板によると昭和48年製。自分よりもお年寄り。

 こんなベットが車両の長手方向にずらっと並ぶ。幅は大よそ100cm、必要十分な広さ。それが上下二段。必要十分な広さだけど、ほかの列車のA寝台が殆ど個室化された中では、時代に取り残された感じは否めない。そしてこの寝台車、料金は10,500円也。ちょっとした高級ホテル並み。その他に乗車運賃と特急料金が掛かるから、トータルだと結構なお値段になる。
 指定されたベットを自分の部屋に仕立て上げる。コートは衣文賭けに掛ける。鞄の類は荷棚へ。テーブルをセットしてその上にはビールとツマミを並べてみる。かなり薄暗く、何か寂しげな雰囲気だけど、今夜一晩を過ごす部屋が出来上がる。
 
 そろそろ列車が動き出す時間。そんな今晩の日本海二号、ラインナップは次の通り

 EF81 108、オハネフ24 10、オハネ25 38、オハネ25 220、オハネフ24 12、オハネ25 151、オハネ24 20、オハネフ24 25、オハネ25 148、オハネフ25 121、オロネ24 2、カニ24 23

 ガタンと衝撃が伝わって列車が動き出す。すっかり日の暮れた青森の街が遠ざかる。

 ビールをお供に、夜汽車の旅が始まる。
 昼間来た道を淡々と戻る。既に日は暮れて、車内も薄暗い。出来上がったベットに横たわる。暖房の温もりが直に伝わる。少々暑いぐらいで、セーターを一枚脱ぐ。それでも暑い。ビールに口をつけ、先ほど買った鯛の飯寿司を摘んでいると、忘れた頃に駅に灯りが流れてゆく。弘前に停まる。次は大館だそうだ。さすがに特別急行列車。止まる駅が格段に少ない。一瞬、弘南鉄道ステンレス車が流れて後は、ひたすらの闇になった。時々ビールを煽り、何となく飯寿司を食べての繰り返し。
 大館を過ぎた辺りで何となく横に転がる。決して疲れている訳でないけど、酒が入ったからか、何となく眠くなる。落ちてしまったようだ。鷹ノ巣東能代の記憶が無い。目覚めるとまもなく八郎潟と言う辺り。まもなく19時。まだ19時か。普段の生活なら普通に仕事をしている時間だけど、今日はなんか、深夜のような気がしてくる。どこからともなく寝息が聞こえる。
 青森から3時間弱。流石に特別急行は早くて、19時半過ぎ、秋田に到着する。入れ替わりに青森ゆきの特急が出ている様子が見える。新幹線ホームにはこまちがいるけど、あれは最終の仙台行きらしい。何時の間にか列車が遅れていた。秋田で5分ぐらいは停まるはずがどうやらすぐに動くらしい。乗り込む前には秋田辺りでお弁当でも買って、なんて思っていたけどそんな余裕は無かった。最も青森で昼飯食べた後、だらだらと飯寿司を食べていたのであり、お腹にも余裕は無い。
 A寝台にも新しいお客さんを何人か迎える。鉄はまだまだ少数派で、帰省客中心。単身だったり子供を連れていたり、老夫婦なんてのもいる。19:34。定刻に秋田の街が離れていった。列車は奥羽線から羽越線に足を踏み入れる。相変わらず寂しく暗い時間が流れてゆく。
 結局、駅弁はなし。もう御弁当を買えそうな駅はないけれど、だらだらとビールを飲み、適当に鮭のとばを食べてきるから、まぁ夕食はいらないか。車内放送では「食堂車、ワゴンサービス、自動販売機、公衆電話はございませんのでご了承下さい」なんて案内を丁寧に流している。食べものが無くて困っている人もいるかもしれない。
 寝てはいないけど羽後本荘、象潟と停まった事には気づかなかった。列車が動き出してからまもなく4時間。青森と秋田を抜けて、次は山形県庄内地方へと足を踏み入れる。21時過ぎに酒田に到着するとまた新しいお客さんを迎える。21時過ぎに列車に乗って翌朝7時に大阪着なら、夜行列車としては絶好な時間帯だけど、この人たちは3月以降、路頭に迷う事になる。出発が0時近くで到着が翌朝10時になる、今の日本海4号を使うのか、それとも飛行機に移行するのか、人事ではあるけれど、少々心配。
 昔ながらの485系国鉄型特急電車が何本も留置され、すっかり深夜の様相な酒田を出ると漆黒の庄内路が流れてゆく。まだ21時過ぎだけど気分的には深夜だ。どこまでもどこまでも真っ暗闇。久し振りに停まった鶴岡の駅、明かりが眩しい。

 少々停まるので飲み物を買いに降りてみた。恐らく殆ど最後のお客さんになるであろう人たちが乗り込むと駅のホームからは人の姿が消えた。
「まもなく夜の10時になります。この先、深夜帯を走ります。特別な場合を除き、明朝、京都到着20分前まで、ご案内を差し控えます」
 となって、順次車内消灯となる。

 非常灯を除いて車内消灯。もう、寝るだけしかないか…… 
 折角なので備え付けの浴衣に着替える。流石にA寝台で、ずいぶんと楽に着替える事が出来る。大人しくベットに潜る。効き過ぎと思えた暖房も浴衣を着ていると丁度良いぐらいに思えてくる。何本目かのビールと時折口に運ぶ。サイレンの音が何処からと無く忍び込んで来てトンネルへと入る。山形から新潟へと続く笹川流れの辺りか。昼間なら綺麗な、或いは重々しい海岸線を眺められる所だけど、今は全て闇の中。
 羽越線信越線に合流する新津まで起きてた。ベットを離れ、外を見ると、新宿へ向かうムーンライトえちごがちょうどいる。お客さんが何人も外に出て煙草を吸ったり、ジュースを買ったり、こちらを眺めたり。何か別世界だなと思っていると、ガタンと衝撃。越後平野の闇の中へと吸い込まれる。青森を出て7時間。ちょうど半分来た。そろそろ寝ようかと思う。ベットに戻り、目を瞑る。とたんに睡魔に襲われる。

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