二兎を追って

 目覚ましが鳴っている。午前4時ちょっと前。しばらく、この時間に起きようとした自分の意図を量りかねて悩んでしまう。何をするつもりだったのか思い出すまでしばらく掛かった。
 今日は始発でお出かけ。何時もなら横浜から京急羽田空港へ、なんだけど今日は京浜東北線に乗り続ける、東神奈川でも品川でも東京でも降りない。上野まで。1時間少々が過ぎる。さらに東北線の電車へ、乗継。

【今日の駅弁】たっぷり春野菜弁当 ¥850 NRE大増



 最近は野菜を前面に押し出した駅弁、何気に増えているようです。この駅弁で一日に必要な野菜の量、360[g]のうち半分を採れるそうですが、そんなに入っているのかなと見た目、悩んでしまいました。
 でんと構えるタラの芽にびっくり。駅弁としては果敢な試みですが、野趣溢れる香りは消えうせており、企画倒れかなとも。

【不発】

 東北線に揺られる事50分。久喜でさらに乗換え。

 東武線へ、と言う事で今日最初の目的地は北館林荷役所。ウィキでは「電車の墓場」とも書かれておりますけど。6737Fの搬出がどうやら進んでいるようなので、墓場まで追いかけてみました。

 毎度おなじみ、渡瀬(わたらせ)駅から徒歩にて。
 遠めに東武のクルマがずらりと並んでいるのが見えてきて、さて、見えるかなぁと心配になる。東武5000系、昨年で全車運用離脱したのは小耳に挟んでいたけど、どうやらその解体がまだまだ終わっていない様子。

 壁を回り込んでみましたが、???
 向こうに居るのはやっぱり東武車。京王6737F、影も形も見当たりません。

 いない

 いない

 やっぱり、いない。
 搬出先、変わったんですかねぇ。搬出業者は変わっていないようですが、謎です。
 始発で出かけて、思いっきり空振り。確かに罠はあったなぁと、トボトボ駅へと戻ります。万歩計の歩数だけは伸びました。まだ朝の九時なのに、既に8,000歩

北館林の小さくて大きな変化

 2001年ぐらいから時々来ている北館林。長く通っていると変化が目に付くようになります。

 ここ、原野にしか見えませんが、最初の頃は田んぼでした。耕作放棄、と言うやつ。3年ぐらい前からでしょうか。

 前来た時にはなかった「田中正造記念館」渡良瀬川のすぐ近くなので、まぁ縁はあるとは思います。ここ、遊具が見えますが元々は保育園。廃園となった跡地活用です。少子化の影響、でしょうねぇ。

 さて、引き返します。来る時と同じく、館林と久喜で乗り換えて、やって来た湘南新宿ラインは大宮で捨てて、上野へ。珍しく地上ホームに到着。着いた先でたまたまこんなのやってました。

 これは狙った訳でなく、本当に偶然です。さらに京浜東北線。ほぼ来た道をなぞり返していますが、御徒町を通過している時にそう言えばC&Cカレー、と気付きました。上野、秋葉原、有楽町。山手線の東側にも何気に3店舗あるという事実は、忘れがちです。
 お店が駅から一番近い有楽町で下車。電車が着いたの、10:59でしたが、

【今日のC&Cカレー】モーニングカレーA(辛口)¥340 有楽町店


 に間に合ってしまいました。 食べ終わって駅に戻ると今度は11:06、なんて電車に。
 浜松町でさらに乗換え、結局、行った先は……

JL1309 JA8398 B767-300 HNDKIX

 っー訳でお昼前の羽田空港に着きました。午後は4搭乗ほど。本当は昨日辺り大館能代に飛んで、花輪辺りで一泊し、3月で引退するらしい花輪線国鉄気動車を眺めてこよう、なんて思っていたのですが、ご破算になりました。そもそも、大館能代の旅割、取れなかったし。今日夜の秋田→羽田だけが残って、どうしようかなと思っていたのですが、結局、訳の分からない行程になりました。まずは関西へ飛びます。

 とりあえずラウンジで自棄酒。追いきれなかった一兎を悔やみながら。

 10分ほど前、搭乗口へ向かう。待っているのはB767-300、JA8398。だいぶ遅い搭乗だったけど、クラスJにもまだ空席がある程度。普通席は良く見ていないけど1時間前の搭乗手続で118番目だったから、恐らく半分程度の搭乗率かな。12:43、Doorclose。通路側を割り当てられたけど一番前が窓通路とも空席。乗務員さんに断って移動させてもらった。関空までの飛行時間は1時間5分と案内。12:48、Pushbuck。離陸機が南へと飛んでゆくのが見える。今年初めてのRWy16になるらしい。こんな事にも春を感じる。12:54、Taixing。この飛行機もまずは北へと向かう。
 12:59、Takeoff、RWy16R。霞んでゆく東京湾。真下に見えるのは横浜の街並みだ。海へと突き出た本牧とうんと引っ込んだ根岸。並木やら八景島やらが見えて来る。そろそろベルト着用サイン、消えないかななんて思っていると少し遅れて13:05、ベルト着用サイン消灯。真下には鎌倉が見えてきている。飛行機は相模湾の上空へと差し掛かる。

 江ノ島が、相模川が流れてゆく。ここ1ヶ月、何度も行き来した道を今日は上空から眺める事になる。

 富士山、今日は麓を雲で隠し、頭だけ出していた。ずっと下の裾野は晴れているので、雲がまるでドーナツ、なんて雰囲気。そのドーナツが後ろへ遠ざかってゆく。

 ドリンクサービス。この便のオススメ、を頼んだらココアが出て来ました。
 13:15、恐らく大井川が通り過ぎていった。この辺から雲が出て来る。西に行くと天気が悪くなるのかな?天気予報をあんまり気にしていなかったので良く分からない。でも三河湾の辺りでまた雲が切れる、時刻は13:23。そろそろ大阪への飛行も後半戦だ。結構早いような気がする。
 知多半島を越えたところでまた雲。何処をどう通ったのか良く分からないけど険しい山岳地帯の上空に差し掛かっている。何度も乗った伊丹への飛行機では見慣れない風景だ。良くかが得てみると羽田から伊丹へ飛ぶのは実は初めてだったりする。伊勢湾上空からはルートがだいぶ違うようだ。紀伊半島の上空だろうか。まるで夏のような雲の上を飛んでゆく。

 13:34、あと5分でベルト着用サインが点灯する旨、案内される。まもなく少し目立つ川。海へと注ぎ込んで行くのが見える。一瞬紀ノ川かとも思ったけど、市街地が小さい。和歌山ではなさそうで、有田川と湯浅の街だろうと目星をつける。まもなく13:35、ベルト着用サイン点灯。あと15分で着陸との事。洋上を右へと旋回。少し揺れる。雲ひとつ無い大阪湾の外縁を飛んでゆく。うっすらと陸地が見えてくる。
 何時の間にか右手に陸地が見えてきた。和歌山市だ。手前は加太だろう。南側から関西空港へアプローチするようだ。泉州田圃混じりの平野がじりじり迫ってくる。Geardownの感触。海が近づいてきて不意に陸地、13:54、Landing、Rwy24。13:58、Spot in、SP23。

 写真:関空到着。後ろを同じくB767が通り過ぎてゆきます。 

 関空では何といってもスイカチャージ。今回から3枚体制にしました。PASMOも始まると使う機会、増えそうですが、何時までも大阪に来てチャージ、って訳にはいかないだろうなぁ。

JL1308 JA8398 B767-300 KIXHND

 戻りは先ほどと同じ機材。残り3区間分も含めて搭乗手続を済ませる。最後の一区間、クラスJで予約指定のが機材変更で普通席になった関係で返金。カード決済だったけど現金で返ってきた。
 出発機がそれほど多くないせいか、セキュリティチェック、2箇所しかあいておらず結構並んでいる。もう一つぐらい開けてくれてもと思う。今度の羽田行きは満席らしいし。

 搭乗機へ。機材は同じだけど乗務員は関空で交代。「あら、何しに?」とはならずに済む。14:56、Doorclose。羽田までの飛行時間は50分との事。14:58、Pushbuck。機体、機首を北へと向けた。どうやら滑走路の向き、変わったみたい。15:02、Taixing。15:06、Takeoff、Rwy06。先ほど着陸時に眺めた泉州から和歌山へ向けての平野がだんだんと遠ざかる。右旋回を始める。180°廻って淡路島が薄っすらと見えて来る。遠くには明石海峡大橋も。15:11、ベルト着用サイン消灯。テレビモニタにはちょうど機外カメラが映し出す関空の姿が。

 写真:遠くに神戸の街を望む

 今度は大阪の南側を横目に、さらに上昇。来る時に曇りがちだった紀伊半島の付け根は今度も、と言うかやっぱり雲に覆われている。

 ドリンクを頂く。恥辱を少し進めつつ頂く。
 雲が取れてくると伊勢湾に差し掛かるところ。ちょっと先に見えているのはどうやら名港。普段の伊丹発羽田行のルートよりも少し北側を飛んでいる印象。

 次に気が付くと浜松上空だった。時刻は15:30。雄大天竜川も手に取るように見えている。視線を先へと延ばすと遠州灘の海岸線が弧を描いて御前崎へとつながって行く。

 飛行機、少し右へと旋回しているようで何時まで経っても御前崎が付いてくる。数分掛けて左側へと移動して遠ざかってゆく。

 今度は伊豆半島が目に入る。15:39の事。
 15:45、眼下に大島。しっかりと見ないと気付かないほど真下に一瞬滑走路が流れる。大島の空港だろう。もうフライトも最後のコースだ。あと10分でベルト着用サイン点灯と案内が入った。
 うっすらと房総半島の影が見えて来る。少し揺れ。15:52、ベルト着用サイン点灯。20分で着陸との事。羽田の天候、晴で気温は16℃と。昨日に引き続き、コートの要らない午後になっている。15:55、房総半島へと差し掛かり、さらに高度を落としてゆく。雲が近づいて、飛行機が引っ掛かる。モニタには機外カメラが映し出す千葉郊外。16:02、東京湾へと最終コース。逆光で鈍く光る海にさざなみが見て取れる。16:05、Geardown。大井の埠頭を廻ってゆく。地上はすぐ目の前。一瞬海に化けたあと地上が現れて、16:07、Landing。16:14、Spot in、SP18。この機材、次は小松へ飛ぶそうだ。

 乗り継ぎの間に一度外へ。友人がもうすぐ第二ターミナルに着くと言うので会いに行ってみる。ちょっと間があったから展望デッキで写真を撮ってみた。まともに飛行機の写真撮るの、久し振りかもなぁ。最近はラウンジ直行なんて堕落の道を歩む事が、多い。
 無事友人と合流し、今度は自分の出発する第一ターミナルまで付き合ってもらう。

JL1267 JA8064 MD-90 HND→AXT

 夕方は秋田を一往復。行きは普通運賃、帰りはバーゲン運賃。元々3日に大館能代まで飛んで帰りに秋田から帰ってくるつもりだったのだけど、3日の切符が取れないうちに仕事の雲行きが怪しくなってきて、4日の秋田→羽田のチケットだけ持ちながらどうしようかと思案していたもの。結局、羽田→秋田を普通運賃で押えての単純往復にしてしまった。それではあまりに悔しいので、いぶりがっこでも大量に買い出してこようかとも思っている。

 搭乗口は当初の予定から変わって33番。久し振りのバス連絡となる。最後のバスに乗せられて、飛行機へと連れてゆかれる。

 待っていたのはJA8064。機内はほぼ満席。殆ど最後の方だったようで、通路を歩いている間に「客室乗務員は手荷物の収納状況を確認してください」なんて業務連絡が流れ出す。席に落ち着くと出発前なのに「●●さま、何時もご利用ありがとうございます」と。新聞を持ってきてくれた。折角なので受け取る。関空往復で2紙読んでいるので、後の関心はこの機材が積んでいる新聞が何処版なのかと言う一点だけ。テレビ欄をみると、東京版だった。
 バス連絡と言い、定時出発には苦しい状況だったけれども17:56、Doorclose。17:57、Pushbuck。動き出してしまえば滑走路までの距離は短い。18:01にTaixingをするとすぐに離陸待ちの行列にたどり着く。どうやら4番目の離陸の様子。じりじりと前へ進んで行き、18:10、Takeoff、RWy16R。東京湾上空を旋回してゆく。綺麗に地上が見えていたのが、急に見えなくなる。雲が出たらしい。良く見ると雲の切れ間を通して光瞬く街並みが見て取れる。18:15、ベルト着用サイン消灯。

 上空、まだ西の方がほのかに明るい。しばし、見とれる。宵の明星が何時までも付いてきてくれる。
 18:18、機長さんからあっさりとした飛行状況の案内が入った。秋田着陸は定刻の19:05との事。天候は曇りで気温は11℃。今日はどこもそうだけど、暖かい。3月、日が暮れた後に11℃と言うのも信じがたいけど。
 18:23、宇都宮らしい街明かりが通り過ぎていった。飛行位置は表示されないし、宇都宮である自信はあまり無いのだけど、それ以降目立って街灯りが少なくなったから、まぁ正しいのだろう。18:31、もう一度大きめな街灯りが見えたのは、ますます自信が持てないけど、会津盆地なんだろうなぁと漠然と考える。そろそろ西の明かりが消えてなくなる頃。
 18:42、あと10分でベルト着用サインが点灯する旨、案内される。NHKニュースが終わってナビゲーションマップが表示。ようやく今の飛行位置が分かる。既に本荘の上空。高度は4,400m、対地速度530km/h。一旦日本海に出た後、着陸するようだ。窓の外にぽつぽつ見えている街灯りは仁賀保の辺りかな。まもなく日本海。窓の外は黒々とした景色が広がる。
 18:50、ベルト着用サイン点灯。あと15分で着陸との事。秋田の天候、晴で気温は11℃と改めて案内。右へと旋回すると最終の着陸態勢。18:55、Geardown。秋田の街灯りが左手に広がってくる。改めて上空から見ると意外な程大きな街に思える。18:59、Landing、RWy10。滑走路から誘導路をへとそれてゆく。滑走路の向こう側、大きな大きな満月がぽっかりと浮かんでいる。19:02、Spot in SP3。

JL1268 JA8064 MD-90 AXT→HND


 展望デッキに出てみてガッカリする。見事に金網が張られていて写真が撮れない。徳島もそうだけど、もう空港の展望デッキでは写真を撮るな、っー事なんかしらね。取り敢えずコンパクトデジカメで撮ってはみたけど。
 営業時間は19:35までと表示の出ている売店いぶりがっこを物色。親の分やら親戚の分やらまとめ買い。荷物が一つ増えて帰りの飛行機へ。今度の便は空いているようだ。搭乗口へ着くと既に搭乗が始まっている。席に落ち着く。先ほどと同じ後方窓側だけど、廻りは今度はちらほらとしか乗客が座っていない。秋田に人を送り届けたあとの回送、なんて雰囲気。何となく昨年12月、夕方に往復した那覇-久米島を思い出した。
 19:40、Doorclose。羽田までの飛行時間は50分との事。19:42、Pushbuck。19:45、Taixing。誘導路、西の方へと向かう。19:48、Takeoff、RWy10。上昇しながら軽く右へと旋回したようだ。月がゆっくりと流れてきて翼の先にぴたっと停まった。19:53、ベルト着用サイン消灯。
 NHKニュースが始まる。ワゴンが一台、前の方へ。今度は空いているためか1台でドリンクサービスを行うようだ。機長さんから再びあっさりとした内容の飛行状況の案内。定刻に離陸し、羽田には定刻よりも早く20:45に着陸するとの事。羽田の天候は曇りで気温は13℃と案内された。
 先ほどと変わって街灯り、あまり確認できない。時々見える大きな光はどうやらスキー場のようだ。月がずっと付いてくる。翼が鈍く光っている。美しい眺めだ。写真を撮ろうとしたけど写りこみがあってNG。断念する。
 20:14、あと10分でベルト着用サインが点灯する旨、案内。

 ドリンクサービス、ようやく順番が廻ってくる。何故か飲みたくなったのでビールを頼んでみる。廻ってきたのが最後の方だったので時間的に大丈夫?とはちょっと思ったけど。

 20:23、現在地が表示されるともう土浦まで戻ってきていた。高度3,600m、対地速度533km/h。そして予告どおりの10分後、20:24にベルト着用サインが点灯。あと20分で着陸となる。
 飛行機は真っ直ぐに南下してゆく。20:30、千葉の辺りまで来て旋回。左手に見えるのは船を散らした東京湾。20:34、Geardown。大井の埠頭が見えて来る。うんと左旋回。翼がコンテナ船を斬ってゆくかのように地上に突き刺さる。20:38、Landing、RWy16L、20:44、Spot in、SP19。さすがに帰りは搭乗橋へと着いてくれる。
 長い一日もようやく終了。

 800形の特急なんて何時まで経っても慣れない電車に揺られて帰宅すると23時ちょっと前。明日からまた出張なのがちょっと辛い。寝る前に何とか準備だけ済ませておこう。