北関東へ

 休日、朝早いグリーン車は空いている。新宿を過ぎると人影もまばらになる。曇り空の下、電車は一つ一つの駅に丹念に停まりながら北へと向かう。音楽を聴きながらどこに行こうかなぁなんてぼけっと考える旅。昔だったらぎちぎちに計画決めてその通り動くのが常だったけど、こんな気まぐれな旅が出来るようになった自分が少しだけ嬉しい。
 高崎に到着する。さて、どこ行こうか。幾つか案はあったけど、すぐの連絡で伊勢崎行きなんて電車がある。結構空いていてボックスに一人で座れそう。次の瞬間、これに乗る事にしました。
 とは言え、伊勢崎に着いてもあては無いので、前橋で下車。
 前橋市街
 写真:閑散とした前橋の市街地を歩いて
 中央前橋
 写真:中央前橋の駅へ。
 なんか見覚えのある駅とは打って変わって小奇麗になった駅舎に驚いていると、電車が出てゆくのが見える。ちょうど行ったばっかりか。次は30分後。30分なら、まぁ良いか。
 中央前橋
 写真:改札口の向こうに目に馴染んだ姿の電車。
 中央前橋
 写真:西桐生からの電車が到着する
 さて、電車が出発する。2両編成の電車、前の方に7〜8人、後ろは2〜3人。極めつけに空いている。ゆっくりと左右に揺れながらのトロトロと電車は走る。時折響く、コンプレッサーのコトコトという音が心地よい。
 上毛電鉄
 写真:途中すれ違った電車。マスクの色が変わってます。他にも黄色、青を見かけました。井の頭線時代と色が被らないのが、また、楽しい。
 少しずつ日が出てきた赤城の麓、お客さんを一人乗せ、二人降ろしを繰り返しながら、電車はトコトコ東へ向かう。
 上毛電鉄
 終点、西桐生の駅は以前と変わらずクラシカルな好ましい雰囲気。乗って来た電車は最後までがら空きだったけど、終着駅は賑やかで、折り返しの電車へとお客さんが乗ってゆく。
 道案内を見そびれたけど記憶に残る桐生駅の方角へと歩いてゆく。己を信じて歩く事数分、見覚えのある駅が見えてくる。JRの桐生駅
 高崎方面へ戻る電車はしばらく無く、小山行きの電車がまもなくやって来る。出来れば高崎で鶏めしでも、と思っていたけど小山へと進む事にする。やって来たのは107系の4両。こちらは一通り席が埋まる程度にお客さんが乗っていて、走り出すと上毛電鉄とは比べ物にならないほど早く、何か別世界の乗り物に乗ったような気分にさせられた。小山からは結局、湘南新宿