1112列車 Saemaul 江陵(Gangeung)9:05 → 清涼里(Cheongnyangni)15:19

 朝から妙な事になったがとにかく改札が始まる。やっぱり15分前の8:50。20〜30人ぐらいの人が列車に乗り込んでゆく。電気機関車が7両か8両の客車を繋いでいる。
 セマウル車内
 初めてのるセマウル、いやぁ足元が広い。背もたれも分厚く、重厚感に溢れている。KTXが狭いと文句が出るのも理解が出来る。背もたれを倒すと相当な角度倒れる。フットレストもあり、夜行列車として乗るなら良いけど、今日は昼間だし元に戻す。ちらっと目に入った銘板によると1991年製とのこと。オリンピックの後に登場した車両という事になる。そうやって感心していると出発時刻。列車はゆっくり動き出す。江陵の街が流れてゆく。駅から少し離れたところの方が中心地のようで商店やビルが目立つ。一番頭にこびり付いたのはなぜかマクドナルドのマーク。
 改めて海岸線を眺める。有刺鉄線がずっと続き、所々に監視小屋のようなものも。兵士の姿こそ見えないものの、いやこちらからは分からないだけかもしれない。
 海岸線
 写真:初日や二日目だったら撮らなかっただろうけど。
 先程、お客さんが大挙して降りて行った正東津。早くも下車客があり、その代わりに乗ってくるお客さんも。まだまだ列車としては空いている。車販のワゴンが廻ってくる。飲み物の類にお菓子の類などを積んでいる様子、きのうムグンファで見たのと大体一緒。お客さんが少ないので気の毒なほど売れない。それでも何度も廻ってくる。今度は弁当らしい包みを手に持って。お弁当あるのね。少し安心。
 韓国では地下鉄以外見たことの無かった電化鉄道。時々すれ違う貨物列車の先頭にも電気機関車が付いている。40分ちょっと経って到着した東海の駅。距離にして45.1km。平均時速ほぼ60km/hとなる。さほど早くはない。運転の拠点であるようで電気機関車ディーゼル機関車の姿が見える。
 東海
 写真:東海の駅で 電気機関車
 少しお客さんを拾って出発。しばらくは通過駅が続く。山の中へと入ってゆく。時々川が見える。河原にはテントが一つあったり二つあったり。海岸線でもそうだし、河原を見かけるたびにテントを見かける。こちらではキャンプって誰もが楽しむレジャー、とは言い切れないかもしれないけど、とにかく目立つ。
 道渓
 写真:道渓の駅。ぱっと見た印象は飯田線水窪
 40分ほど経って次の停車駅。街やその背景の山の雰囲気がまるで飯田線だなと思う。そう、水窪の街だ。突然そんな事を思いつく。水窪、じゃなかった道渓を出発。さらに山深くなる。
 突然、山の中ほどに列車の姿が見えた。ムグンファだ。えっと思うとこちらの列車が停車。駅ではないようだ。アナウンスが流れる。韓国語のヒアリングだの出来ないが「スイッチバック」と言ったのは分かった。列車は反対方向へと動き出す。先程の線路が少しずつ下がってゆく。そして停車。隣に先程見えたムグンファが停まっている。東大邱→江陵と行き先が表示されている。1690列車、東大邱5:40→江陵12:15らしい。向こうの列車はそこそこ席が埋まっている。セマウルとムグンファ、同時発車。推進運転で下るムグンファを振り切ってゆく。さらに登り。
 10:54、ようやく次駅、桶里を通過する。16.5kmを26分掛けている。相当な山岳線である。この列車、距離の割には時間が掛かると思っていたけど、実際乗ってみると理由が良く分かる。
 嶺東線から太白線へ。こちらも短絡線経由となる。嶺東線の本線が分岐してゆき太白線が寄って来て合流。江陵を出てまもなく2時間になろうかと言う頃。まだまだ先は長い。そしてなお険しい線路が続いている。さらに峠越えの道が続く。
 太白線光景
 写真:人家も稀な山の中を走り続ける 
 忘れた頃に街が現れる。この時間帯、割と細かく停車。案外と乗車が多くて、満席に近くなる。今まで空いていた通路を挟んだ向こう側に家族連れが乗車。5人で乗って弾き出されたお父さんは自分の隣に。
 お昼も近くなってきた。そろそろと考えて、車販からお弁当を購入。