きた

駒ケ岳

 テレビが点いて目を覚ます。5時ちょっと前だ。これ、三週連続。今日はちょっと遅めで良い。
 例によって杉田乗継で羽田空港へ行く。空港には6:45ごろに到着。チェックインカウンタ、セキュリティチェック、どちらも空いている。
 今日は函館行きに乗る。前回、7月10日だったかに乗った便と同じだ。時刻表ではB767となっていたけど実際、搭乗日が近づいてチェックしなおすとB777、しかもクラスJサービス便、になっていたからB777-289、ぐるぐるに機種変更なったらしい。機種変更で定員は150人ぐらいは増えているけどそれでも満席。観光シーズンでもないのにどういうことだろう。機種変更に気づいた後で、自分で事前指定した座席番号をチェックして残念!って思う。84K。旧レインボーシートだ。また旧スーパーシートをはずしてしまった。
 今日はラウンジはパス。寄ってコーヒー飲みながら新聞を読むぐらいの時間はあったのだけど、軽く写真を撮りたかったので。

JD1163 JA8977

 5番スポットには新塗装機が駐機しているのが見えるが、5番の飛行機は確認しずらく番号不明。4番には8:00の鹿児島行きとなるJA007Dが入ってくる。こちらはレインボー塗装のままだ。もう一機、駐機場の前にもぐるぐるが見える。
 7:20過ぎ、搭乗が始まる。ポールディングブリッジを歩いてゆくと機体番号が確認できる。JA8977、2週前に伊丹-羽田で乗った機材だ。
 7:41 Door close 全員が乗り込むまではさすがに時間を要する。定時に遅れること1分ほどでドアが閉まるのが見えて、乗務員はドアモードをオートマチックモードに変更してください、の放送が流れる。
 7:44 Push buck 音楽を聴いているとアテンダントさんが何か仰る。わたし、シートベルトもしてるし、リクライニングも倒してないけど、と混乱してヘッドフォンを外すとにこやかに「何時もご搭乗ありがとうございます」と。多頻度利用客へのご挨拶だったらしい。伊丹便では特に無かったけど、函館便だと対象者も少ないようで弄ってくれる、らしい。
 7:48 Taixing 今日もRWy32R。湾岸線を跨いでひたすら滑走路端へと向かう。パーソナルモニタに映る先行機は2機。滑走路手前で順番待ちになる。轟音が聞こえてどうやら先行機が離陸した模様。JA8977も静々と滑走路へ進み出る。先行機が空に小さく輝く。
 7:56 Take off エンジンの轟音が響き、一瞬遅れて背中を座席の背もたれに押し付けられる。東京湾が斜めになり、そして真下に広がる。2週前の透き通るような羽田空港の眺めを思い出し、今日はどうかなと思ったら、この飛行機、向きは替えずに飛んでゆく。そうだ、今日は北行きだった。
 8:02 高度3,200m 対地速度590km/h どこかで内陸に入る。倉庫やら小さな工場やらの一つ一つが見える。この辺りは地理不案内なのでどこか良く分からないが、パーソナルモニタに映るナビゲーションマップと照らし合わせて船橋の辺りと判別できる。まもなく大きな川が平野を畝って様子が見て取れる。利根川だ。
 8:03 シートベルト着用サイン消灯 操縦席からの案内が入る。このあと高度11,300m、対地速度950km/hとなるとのこと。経由地は山形と青森。函館到着は定刻より5分遅れて9:00の予定。函館の天候は北西の風7m/s。曇り。2℃。
 8:08 雲が出てきたので判別出来ないけどマップに拠ると筑波山の西方。高度7,200m。速度781km/h
 8:13 黒磯 10,100m、898km/h。ドリンクサービスが始まる。前回、28日にクラスJに乗った時にはなかった案内がシートポケットに入ってる。紅茶のラインナップ。全部はいちいち覚えていないけどハーブティーダージリン、アップルティーとか全部で6種類。12月からのサービスらしい。それにお菓子が出てくるんだって。アテンダントさん、紅茶の注文を受けるとカップにお湯を注いでティーパックを入れている。これは結構な手間だ。普通席まで広げるのは時間的に厳しいだろうなぁ。
 8:15 白河 10,700m 878km/h。
 8:17 猪苗代 11,300m 901km/h
 8:18 板谷峠 11,300m 950km/h 雲の切れ間から山間に一本の筋が光る。奥羽線か、国道13号か。ドリンクサービスの順番が廻ってきたのでダージリンを頼む。まずカップを手渡される。「香りをお楽しみ下さい」と。そして小さなカップ。これはティーパック入らしい。そしてお菓子とおしぼり。「チョコレートフィナンシェ」だって。製造元を見たら長野県大町市となっている。あまり甘すぎず上品な味わいだった。
 8:21 蔵王西方 11,300m 964km/h また雲に覆われた。三沢に飛んだときに見えた蔵王のお釜、今日は見えない。
 8:25 大石田 11,300m 950km/h
 8:28 湯沢 11,300m 948km/h
 8:32 角館 10,100m 914km/h カップを回収されるときに「紅茶はいかがでしたか」と聞かれる。他の客には聞いていないように見えるから多頻度利用者だけなのだろう。正直、痒いというかなんと言うか。JGC返上しようかとマヂで思ったのは事実。
 8:34 阿仁 9,300m 880km/h
 8:35 比内 8,200m 827km/h
 8:38 陣場 6,600m 742km/h 雲が切れた。くぐもった色の大地が広がる。雪がない。正直驚く。今日は11日なのに。秋田市内に雪がないと言うなら多少分かるけど、県北の山の中に雪がないなんて。
 8:39 弘前東方 5,900m 700km/h 八甲田山が見える。山の中腹から上は雪をかぶっている。つまりその程度。
 8:41 青森西方 5,000m 640km/h
 8:42 陸奥湾 4,500m 648km/h 再び雲が切れる。陸奥湾が見える。白波が立つ。海は荒れているようだ。夏泊半島も目に付いた。
 8:44 シートベルト着用サインが点灯する。飛行機は若干右に旋回して脇野沢の辺りだ。
 8:46 下北半島の山の中。恐山の西方。飛行機が雲の中に突っ込む。揺れる。歩いていたアテンダントさんがシートをつかんで倒れないようにしている。相当な揺れだ。雲は幾重にも重なってるらしく揺れが収まってもまだ下は雲、そして雲の中に突っ込んで揺れが始まると言う調子。
 8:50 大間東方 1,500m 325km/h 下北半島から津軽海峡に抜けて雲の下へ出た。津軽海峡にも白波。
 8:52 津軽海峡 1,200m 325km/h 戸井崎を目視にて確認。北海道にも雪はない。
 8:54 津軽海峡  760m 235km/h 函館まで16km。どうやら吹雪。細かい雪が降っているのが見える。
 8:55 津軽海峡  450m 230km/h 陸地の上に差し掛かる。やはり雪はない。函館まで7km
 8:59 touch down RWy30 軽い衝撃。そして逆噴射。スポットにはADKのツインオッターが見える。Dash8-300の姿も。
 9:01 spot in SP5
 降機時、機内でアテンダントさんがスクラッチカードをくれる。ブリッジのところでも他のアテンダントさんが配っているので2枚貰うことも出来そうだけどそれはやらない。
 函館空港は相変わらず改装中。急ごしらえの通路を到着ターミナルに向けて延々と歩く。気密が悪いのかえらい寒い。
 展望デッキも閉鎖中のままだったので乗って来た機材を撮る事は出来ない。仕方ないのでバスで駅前に向かう。本来のB767B777になってしかも満席だからバス待ちの行列もえらく長くなってて、自分は最初のバスに乗れたけど後ろのほうは続行便がすぐ来るからと言う事で待たされている。バスの中でさっきのスクラッチカードを削ってみた。必ず10円玉で削ってくださいと言うので律儀に10円玉を探して削る。3等が当たっていた。ICクーポン3000円相当だって。ICカードに切り替えなきゃ。でもクレジットとマイレージカードとどっちを切り替えた方が良いのだろう。
 バスが駅前に着く。早速切符を購入。18切符と今晩の寝台。寝台は禁煙下段希望が一杯で喫煙下段になってしまった。ヘビースモーカーと一緒にならなければそれでも良いのだけどこればかりは運任せだからなぁ。
 時間がある。朝市を覗くのは客引きがうるさいのでパス。まずは摩周丸の見える海のそばまで行ってみた。港内だけど白波が立っている。津軽海峡は大荒れかもしれない。風が冷たい。時折雪が舞う。綿雪だ。暖冬とはいうもののやはり冬だ。まだ時間があるので路面電車を撮って見る。2人ほど同じように撮影しているのが居る。同じ便で来たのか?よく分からないけど。
 時間が来たので駅に戻る。折角なので駅弁を購入。一緒にサッポロクラシックも。
 10:30の森ゆきは3両編成。こんな長い訳ないだろと思ってみたら後ろ1両は七重どまり。回送みたいなものらしい。でも2両は間違いなく森までゆく。先頭に乗る。写真を撮ろうとしたら先頭はホーム先端ギリギリだった。最長編成、か。列車は意外と乗っていて1ボックス1から2人。グループ客も多いらしく結構話し声が交錯する。
 車内に戻る、悴んでいた手が溶けてゆく。軽い痺れ。この感覚、久しぶりに思い出す。

【今日の駅弁】鰊みがき弁当 みかど \840

 みかどの駅弁を食べるのは15年ぶりである。
 中学2年の時、青函連絡船の復活運航に乗りに来てみかどの駅弁を食べた。確かつぶ貝の弁当だったと思う。不味かった。翌年の修学旅行が道南で最終日に快速海峡に乗り昼食としてみかどの駅弁が配られた。確か海鮮物の幕の内風のような弁当だったと思う。不味かった。それ以来、みかどは不味いという認識が自分の中に出来ていて函館では絶対に駅弁に手を出さなかったのである。それから15年。いい加減試してみてもイイじゃないかという気になった自分が実は信じられなかったりする。
 鰊みがき弁当。鰊と数の子の弁当である。鰊を食べる。甘い目の味付けに少し拒絶感がある。でも不味いという程ではない。数の子、これは美味しいに決まっている。美味しい。ご飯、まぁまぁかなぁ。そんな味噌糞に言う味ではない。
 味が上がったのか自分の舌が退化したのかはよく分からない。米に関してはきらら397みたいなものも出てきているし、レベルは上がっているのだと思うけど。
 列車は五稜郭に差し掛かる。居るわ居るわ、ED79ED79ED79。秋田機関区のそばで育った人間としては古い友達に会ったような気分だ。瞼を閉じれば蘇るあの頃の景色とダブらせたい。でもダブらない。目の前に居る機関車たちはみなくたびれて色褪せている。放棄された様子の機関車も居る。パンタグラフを上げている事だけが生きている証、か。近くにはEH500も居る。EH500が増えればその分ED79は追われてゆく訳。次来る時にどれだけの機関車が残っているものやら。考えてみると電化で投入されてからもう30年になるのだ。
 七重で後ろ1両が切り離しになる。その作業のため10分停車。切り離した車両は折り返し函館行きになるそうな。函館行きは乗客が多いらしく結構な数の人が乗って行ったようだ。上りの特急が爆走して行って発車となる。
 雪が時折激しく舞う。吹雪だ。沿線に白いものが目立つようになってきた。
 仁山が真っ白だったのは覚えている。その後ウトウトしたようだ。停車の衝撃で目が覚める。大沼だった。
 何時の間にやら人がうんと少なくなっている。10分停車とアナウンス。すれ違いがあるらしい。隣に長いコンテナ列車。外に出てみる。雪は消えている。コートを脱いだまま出てしまったのでいい加減寒くなる。再び特急が爆走してゆく。新撰組のペイント列車だった。
 列車はゆっくりと進む。大沼公園でさらに人が降りつと2両の列車にはほんの数人しか残らない。車窓左手に大沼が流れると車窓右手に駒ケ岳が見えてくる。駒ケ岳はさすがに中腹まで雪をかぶっている。ちょうど青空となる。本当に美しい。宮脇俊三さんが事あるごとに褒め称えた光景、分かる気がした。
 列車は森に着く。12時を過ぎている。次の長万部行きは13:24。だいぶ時間がある。どこにも行く場所もないので待合室で恥辱を書く。12時40分過ぎに改札開始のアナウンスが流れた。例によって駅弁とサッポロクラシックを購入して列車へ。長万部行き、先ほど2両で函館から遣ってきた列車の前1両だった。後ろは函館行きになる。結局のところ、10時半発の長万部ゆきと言ってもいいのかもしれない。森で1時間20分停車とは言えないから列車番号だけ分けた、って感じなんだろうけれど。
 列車が発車するまで恥辱の続き。飛行機が下北に差し掛かるところで発車となる。

【今日の駅弁】いかめし \470 いかめし阿部商店

 定番です。自分でも森で時間があれば必ず買うので今日敢えて買う必要も感じなかった部分もあるのですが、手を出しちゃいました。
 乗客は4人ほど。さっきの列車にも乗っていたのが少なくとも1人。また吹雪になって、沿線が白く染まる。噴火湾が暗く沈む。
 意外にも途中駅から結構乗客があったりする。お婆さんと孫とか高校生とか。野田生を出たところで試しに数えてみたら12人。多少見てくれが付くような感じで列車らしくなりました。
 沿線の木々、鉄道林が多いのだけど、根元からごっそりと倒れている木が目立つ。折れているのではなく、根っこごと倒れているのである。みな同じ方向に倒れている。北海道を襲った台風の影響だろうけど、もの凄い風だったのだろうなぁ。
 時計を見ると14時半。函館から4時間が経っている。まだ100キロも来ていない。森を出てからは通過待ちも無く順調に進んでいるけど、なんか北海道らしいと言うか、大らかというか。またとろんとして来る。このとろんとした時間が欲しくて北海道まで来たのかなぁ、よく分からない。そんな事を考えていると本当にウトウトしてしまう。眠りに落ちる瞬間、これでイイのだとふと考えた記憶がある。
 列車は国縫を過ぎていた。再び吹雪は収まり、雪は消えている。もう長万部に着く。
 長万部での乗り継ぎは25分ほど。程よい時間だ。何をしようかとそれとも何もしないのかと思ったけど、かにめしを扱う駅弁屋へふらふらと行ってしまった。駅前を通る旧道沿い。自動車の客にもかにめしを売るらしく、ちょっとした駐車場も兼ね備えている。看板には駅弁大会第一位の文字。
 店内のお品書き、当然かにめしはあるけど他にも駅弁がある。
 鮭めし:\800 15分程時間を頂きます
 お好み弁当:\800 20分程時間を頂きます
 洋風お好み弁当:\800 20分程時間を頂きます
 東京でも買えるかにめしよりも地元でしか買えないものの方がいいなあ。15分、なんとかなるレベルではある。鮭めしを注文する。
 時間があるので店内で待つ。よく見ていると他にもいろいろなものがある。時節柄おせち料理の宣伝。パーティー用かにめし、3人前\3,060。かにめし携帯ストラップ、ストラップまであるのか。欲しくなってしまった。

【今日の買い物】駅弁携帯ストラップ 長万部のかにめし \710

 他にも10種類ぐらい駅弁携帯ストラップがあるようだ。
 10分弱で鮭めしが出て来る。その間にクルマ2台。かにめし4個、鮭めし1個の売り上げ。

【今日の駅弁】鮭めし \800 かにめし本舗かなや

 出来たての暖かい弁当を車内で食べる。ご飯の上に鮭のフレーク、錦糸玉子、紅生姜。そして鮭の切り身。フライにしたものをタレで軽く煮た感じ。結構美味しい。それに佃煮、漬物、みかん。この辺はかにめしと共通かな。
 列車は2両編成。今度は後ろを選ぶ。自分ひとりだ。前の車両にも数人しかいないみたい。まだ15時過ぎだけどだいぶ空が暗くなってきた感じがする。外は再び吹雪はじめる。そして積もりだす。なんか大きな街に近づくと雪が無くなるような気がする。温暖なところを選んで人が集まって町が形成されたのか、人が集まったところが小さいなりにヒートアイランド現象を起こしているのか、良くは分からない。
 何気に室蘭線長万部-東室蘭普通列車で辿るのは初めてだったりする。今までミッドナイトでこの区間は散々行き来したし、北斗や北斗星でも行き来した。でも普通列車の時は函館線経由を選択することの方が多くて。一駅一駅を眺めるのは初めてだ。意外とトンネル区間が多いなぁというのが率直な印象。だんだんと暗くなってゆく。鉛色の空が重くなる。時折吹雪が混じる。やっぱり、北海道は冬だ。
 意外と乗客は増えてゆく。その大半が降りたのは伊達紋別。この辺りの中心地らしい。空を飛んだり、夜中通り抜けるだけではなかなか気が付かない部分。何時しか日はとっぷりと暮れた。まだ16時半。北の大地の夕暮れは早い。
 本輪西で明らかに異質な集団が乗ってくる。京王多摩川の匂いがする。競輪場でもあるんかい、と思ったらWINS室蘭だって。なるほど、同じギャンブルではある。
 東室蘭に着く。隣りに札幌ゆきの特急が入ってくる。その向こうには苫小牧ゆきの普通列車の姿。競馬場オヤジ共々、階段を渡って普通列車に乗り換え。
 普通列車は今回初めてとなる電車。711系の3両編成。列車を見て唖然とする。とんでもなく長いロングシートに改造されている。よく見るとデッキの壁も取り払われている。幸いロングシートになっているのは中間車だけで先頭車はクロスのまま。でもデッキの壁が無くなっているのは一緒。
 もう真っ暗で外の様子は分からない。雪はどうやら積もっていないらしい。今までの列車に比べれば桁違いに乗客が多い。しかも若い女性が比較的目立つ。2〜3駅での乗降が多いようだ。順調に列車が走って苫小牧着。
 次の列車は2番線と言うのでホームに向かうが、ここで風雲急を告げる。18:22の手稲ゆきは運休とアナウンスが入る。続いて札幌方面へおいでの方は18:12の特急北斗15号にご乗車下さいと。繰り返し放送が流れ、運休の原因が函館線で発生した人身事故の影響であることもわかる。18きっぷでも振り替えの対象になるかどうかはよく分からないので改札で聞いてみる。OKとの返事を貰う。そこで行列に並ぶ。
 やって来た北斗は割合空いていて、行列は長かったけど座れる。棚から牡丹餅と言うかなんと言うか、予定していなかった特急列車。札幌着も少し早くなるかもしれない。もっともダイヤが混乱して走れなくなる可能性もある。
 南千歳からは本数も多くなるし、列車が動いているようなら乗り換えようとも思っていたけど接続が狂っているので詳しくは駅でご確認下さいなんていっているので確実に札幌まで行けるこの列車に乗り続ける。新札幌でも特急に乗車するよう案内があったようで、南千歳での判断は正しかったようだ。札幌駅手前、ノロノロ運転となり定刻より数分遅れての到着となる。無論、最初の予定よりは30分ほど早い。
 札幌のホームにはスーパーおおぞらの姿が見える。そうかまだ今日のうちに釧路までは行けたのかと思うけど、今更なのでバタバタしない。当初の予定通り、23:00、特急まりもを待つことにする。待つのはいいけど時間がある。有り余っている。特急の車内で今日は札幌-小樽で蒸気機関車の運転があることに気づいて、その列車が札幌へ戻ってくる20時まで駅構内に居ようかとも思ったけど、ダイヤ混乱は想像以上で蒸気列車なんて吹き飛んでしまったに違いない。確かめたわけでないけど、この混乱時に確かめるのも憚られるのでそう決め付ける。ならばどこかで飲んで時間をつぶそうかと思う。駅周辺を歩いて適当に安そうな店に入る。値段は安いけどどうも一人では居心地が悪く、1時間半で退散。時刻は21時。一旦駅に戻る。相変わらずダイヤは混乱している。人が改札に溢れている。
 窓口は空いていたので今夜の寝台券、禁煙車に変更できないか聞いてみる。×。ならば喫煙車でも人の居ないところにしてくれと言うことで13番に変更してもらう。マルスの画面で見たところ、6番ぐらいまでは埋まっているみたい。急に団体が入る、何て事がない限り14番に人が入ることは無いだろう。
 まだ時間がある。恥辱を書きたいがバッテリーが心もとない。どこかコンセントが使える所はないかと思う。最近は公衆電話だか自動販売機だかのコンセントを無断使用して捕まった例もあるから気を使う。ファーストフードで一言断って使う分には問題ないだろうとOKを貰って使い始めたがしばらくして「お客様、先ほどは使用してよいと言いましたが、申し訳ございませんが……」と。揉めるのも嫌なので素直にやめる。そうなると飲みたくもないコーヒーでだらだらと時間をつぶすのも嫌なので店を出る。コーヒーをトールにしたのは電気代のつもりだったんだけどねぇ。
 はまなすの発車時刻なので見に行く。DD51サウンドを久々に聞く。後ろに続く寝台車、そして座席車。寝台車の様子はカーテンが締められて良く分からないけど、座席車は指定が3割ぐらい、自由が5割ぐらいに埋まっているように見える。もう一時間。コンコースの待合室でサッカーの中継をやっている。22時過ぎだけど、生放送?録画?延長戦でも決まらずPKになる様子。
 オホーツクの発車が22:25。これも見に行く。増結が2両ある。混んでいる訳でないようだけど、明日の列車に団体が入っているのかも知れない。指定席はまったく人がいない車両もある。グリーン車は7〜8人ぐらい。寝台車はやっぱりカーテンでよく分からない。極めつけ煮込んでいるのが2両の自由席。立客大勢。立たされて網走まで行くなら同情だけど、前にオホーツクに乗ったときは旭川までにあらかた降りてしまっていた。今日もそうなのだろう。まりもまであと30分。
 22時半を過ぎる。コンコースの駅弁屋、まだ売っている。可哀想になって一つ買ってしまった。
 22時50分過ぎ、旭川側から列車が入ってくる。ようやく来たかと思いきや、スーパーおおぞらの到着。って事はまりもはどうなるのだろう。隣りのホームに利尻が入ってきた。
 スーパーおおぞらが回送されてゆきようやくまりもがやって来る。22:58。定時に2分前。いくらなんでも慌しすぎる。こちらも1両増結しているけど増結車は空いているまま。寝台車。喫煙のほうは極め付けに空いている。落ち着くまもなく出発となる。

【今日の駅弁】やまべ寿司 ¥680 札幌駅立売商会

 かなりおなかも苦しいのに買ってしまったけど、一口サイズで食べやすく、意外とすんなり入ってくれる。逆に言うとお腹が空いて空いてって時には物足りないんだろうなぁ。
 検札が来た、と思ったら行先だけ聞かれて切符のチェックは無かった。自動改札通した時の情報でも入っているんかいな。よく分からない。明日の6時には釧路に着くからさっさと寝てしまいのだけどノーパソの充電もしたい。仕方ないので残ったビールが空くまでの間、洗面台で充電。5割まで回復させておく。明日は明日、何とかなるだろ。ならなきゃ使わないだけ。ビールがなくなったところで寝台に戻る。ベットメイクして、折角なので浴衣に着替えて就寝する努力をしよう。