ペナン島、ジョージタウンで迎える最後の朝がやって来る。週も後半に差し掛かった。そろそろ帰国となる。
起きて身支度。朝ごはんは外に食べに行く。何気にホテルの前になるナシカンダール屋さん。朝から流行っている。下調べはしていなかったが気になっていた。
そんな訳で8時前にホテルを出て、すぐ真ん前の食堂へ。指差しで何とか何とか注文。
こんな感じに頂く。卵が半熟。鮮度に自信があるのかしら。お客さんが途切れない人気店だけに美味しく頂けた。
朝食の後は街の散策。今日はあまり歩いていないイースタン&オリエンタルホテルの方へと行ってみる。
立派な洋館だったと思しき廃墟が見える。こんな感じの建物、イギリス統治下では点在していたのかもしれない。昨日のサフォークハウスもその一つだったに違いない。
街に点在する建物を見てホテルに戻ると9時。まだホテルの朝食は営業している。コーヒーぐらいと思って朝食会場に赴く。コーヒーぐらいのつもりが
セルフで作る麺料理を頂いてしまう。
ホテルは今日でチェックアウト。部屋に戻ると荷造りを少々。11時を目標にチェックアウトする。移動開始、なんだけど今日向かうのはJetty。ペナン島ジョージタウンの対岸、バタワースに向かう渡船乗り場へ向かう。
スーツケースが無ければCATを捕まえればいいのだろうが、バスに大荷物を持ち込むのは憚られる。Grabを頼んで船乗り場に。渡船はJettyに発着していた筈だが、ネットで調べると乗り場が移転したらしい。Swettenham Pierという埠頭に乗り場があるというので、そちらまで。Grabで来て貰ったクルマで10分弱。埠頭に着く。11:30のフェリーが出るまで15分ぐらいある筈。が、その辺に居た人にフェリー乗り場は向こうだよ、と指さされる。Jettyの方だ。何と、フェリー乗り場。元に戻ったらしい。
慌ててスーツケースを引っ張りJettyへ。歩いて7~8分掛かったか。ようやくJettyのバス乗り場が見えて来る。フェリー乗り場はバス乗り場から海の方に向かったところ。場所が変わっていなければ。
フェリー乗り場に向かう途中、KTMの切符売り場だった所が目に入る。2013年だったか、ここの切符売り場でバタワースからバンコク行きの切符を買ったことがある。今はシャッターが閉じていて、営業していないようだ。
ちょっと様子が変わった船乗り場までやって来る。時刻は11:27。バタワースゆきは毎時00分、30分の筈。ギリギリの到着となる。昔はジョージタウンからバタワースへの渡船は無料、バタワースからは有料という変則的な扱いだった。今は往復共に有料になったようで、切符を買い求めて乗り込む。幸い、出港には間に合った。
渡船は船が変わっている。
以前は車両渡船という感じで客室もオープンエアだったが、船が代替わりして旅客専用になったようだ。ペナン島と対岸のバタワースの間に2か所も架橋されており、クルマはそちらが主要路になったのだろう。
冷房の効いたフェリーから遠ざかるジョージタウンを眺める。まるで香港島と尖沙咀を結ぶスターフェリーのようだが、海の広さは香港の比では無く広い。関門海峡よりも広いか。
15分で対岸、マレー半島側の街、バタワースの港に入る。
以前使われていた渡船が係留されている。1隻は、ひっくり返っているように見えるなぁ。。。。
12時前。バタワース到着。今日はこれからバンコクへと向かう、訳では無くクアラルンプールに向かう。バタワースとバンコクを結ぶ国際寝台列車も無くなり、今は国境のパダンベサールで乗換となっている。
クアラルンプールへ向かう列車は以前乗ったような客車列車ではなく、特急電車と言うべきETS。
桟橋からターミナルの方へと向かう。
バタワースの駅からひょろっと伸びる貨物線。2013年にも見かけた覚えがある。この頃のバタワース駅は地上駅だったが、2024年のバタワース駅は駅舎が高架になった。
線路の脇は交通ターミナル。中はちょっとしたショッピングモール。そしてバスターミナルにもなっている。バタワースの交通結節点として機能しているらしい。
KTMの案内だと発車30分前には来てね、と書いている。30分前でなくてもどうにでもなるし、30分前に行ったところで乗車は出来ない事は知っているが律儀に従う。
この辺りのマレー国鉄、KTMは電化が完了している。長距離列車のETSだけでなく、通勤列車と言うべきKTMコミューターも設定されている。パダンベサール、イポー何て行先も見える。
自動改札が見えるが、乗車券はQRコード。日本からKTMの公式サイトで予約して、スマホに保存したQRコードで改札は通れる。香港のトラムはタッチ決済で乗れるし、日本の鉄道よりもよほど外国人に優しいシステムになっている。
20分ぐらい前になって乗車の案内があり、ホームに降りれるようになる。荷物の大きな人が多く、その割にエスカレータは無いから、エレベータが混んでいる。何度かやり過ごした後にホームへ。
停まっているのはClass 93。中国製らしい。6両のうち5両がエコノミークラス、1両がビジネスクラス。そし1両はカフェ付きの車両となっている。
8年前の2016年、クアラルンプールからバタワースまで乗った時はがら空きだったが、今日は結構な乗り具合。カフェ付きの3号車を指定していたが、この車両も混んでいる。マレー系、中華系、インド系。色々なルーツの人達のごった煮状態。ちらっと日本人らしい親子連れも見かけた。
ETS9107はバタワース13:05→16:40KLセントラルというダイヤ設定。400㎞弱を4時間弱というから日本の在来線特急のイメージになる。架線が張られた複線の鉄路を駆け出す。途中、パダンベサールへと向かう線路が別れて、列車はマレー半島を南下。首都クアラルンプールを目指す。バタワース郊外と思しきBukit Mertajamに停車すると、この先は暫く停車しない。窓外にはプランテーションなのか、何なのかよくわからないマレーシアの大地が流れてゆく。人の営みはあまり感じられないような大地だ。
8年前はちょっとした菓子とミロ、こちらの言い方だとマイロになるが、が配られた記憶と記録があるが、今日は食べ物、飲み物の配布は無し。サービスが簡素化されたらしい。何となく日本から持ってきた文庫本を読んで、たまに窓外に視線を持ってゆくことを繰り返して過ごす。
窓外に水辺が流れる。マレー国鉄のこの路線、西海岸線ともいうが線路は海辺では無く、内陸を走る。見えているのも海では無くて湖。浅い湖なのか、その真ん中を鉄路は横断している。
列車はゴムのプランテーションを行く。時折駅が現れたり、人家が現れたり。その繰り返しを横目に高速巡行。いささか飽きてきたころに街が現れる。速度が緩んで大きな駅に到着。この辺りの中心地、イポーである。
植民地時代のクラシカルな駅舎が名所で、白珈琲でも名を馳せる街。ただホームは近代的な装いに変わっている。
電車に合わせてかさ上げされたホームの向こう、KTMコミューターの電車が停まっている。
お客さんが少々降りてゆき、空いた席にはイポーからのお客さんが乗る。ほぼ満席を維持して出発。速度緩く、駅構内途中で信号停車したり。GoogleMapにはKTM西海岸線は信号工事の影響で遅れるような注意喚起が出ていた。その影響かも知れない。間もなく出発。
バタワースから2時間以上が経っている。ジョージタウンの街で買った天津甘栗なんかを食べながら、だけどちょっと気分転換。折角の3号車、カフェを使う。
車両の隅にあるカフェにも多少お客さんがいる。混んだ車内、自席を逃れた人もいるのだろう。係員にコーヒーを二つ注文。
インスタントだろうけど、良い気分転換にはなる。
イポーを出てまた人煙稀なるゴムのプランテーションを行く。16時を過ぎてなお人の気配に乏しい大地の真っただ中。定刻ならクアラルンプールの中心に16:35だが、少々遅れるようだ。
車窓を時折流れる駅に、郊外区間の匂いが漂うようになってクアラルンプールが近付いてきた事を知る。KTMコミューターを待つ人がホームにちらほら見えるようになった。バタワース以来見ていない高層建築なんてものも現れるようになる。
16:45、すでに10分遅れているがクアラルンプールが確実に近づいている。パドゥ渓谷へと向かう線路が寄ってきて、遠くにはKLタワー。中心市街を避けるように遠回りすると、列車かクアラルンプール駅に停まる。植民地時代からの中心駅で、立派な駅舎が残る所。市街地にはこちらの駅が近い。下車少々。列車は終着、KLセントラルまで1駅進む。
時刻は17時になっている。20分程遅れた様子。とは言え、大勢には影響はない。この先、時間にだいぶ余裕を持たせている。
今日は深夜にクアラルンプールを飛び立つJL724を予約している。空港に早々と行ってもチェックインは18:30以降。仕方ないのだが荷物は大きいし、歩く廻るには不向き。どうしようかと思ったが、結局、KLIAエクスプレるの乗り場に向かう。空港に早く着いても仕方ないのだが、仕方ない。空港ゆきの電車、KLIAエクスプレスもKLセントラルの駅から出ている。乗り場に向かうと間もなく出発という所。写真を撮る間も無く電車は動き出す。
クアラルンプールの空港は街の南側、50㎞程離れている。KTMの西海岸線、先程バタワースから乗って来た鉄路が隣に並ぶ。ラピドKLも並走するから結構な太い幹。高層ビル群の中を行く様子に、世界の大都市に肩を並べる勢いを感じる。
段々と郊外に出ると、二つの路線とは別れる。プランテーションの中を行くようになって車窓に着陸機が見えるようになるとKLIA、クアラルンプール国際空港到着となる。
来る時は香港経由、JALとマレーシア航空の乗継という変な行程だったが、帰りは日本に直行する。乗るのはJALの成田行き。膳所まで戻るのにはひと手間以上かかるのだが、いろいろあってやむを得ない。マレーシア航空とのコードシェア便で関空直行という選択肢もあったとは思う。けど、ここの所のマレーシア航空、運航が不安定だから結果、良かったかも知れない。夏休み中の多客期に欠航振替なんて喰らっていたら帰国できたか、怪しげである。
安定のJALは今の所、定時運航。今日の関東地方。台風の影響を受けている。羽田・成田発正午以降のフライトは欠航、もしくは出発遅延となっている。しかしJL724となる前便、JL723は11:15成田発。台風の影響はあるだろうが、一応は出発していて、この時間、クアラルンプールまで到着している。二重の意味で救われた。同じ深夜便でもJL707が欠航した影響で、折り返しとなるBKK-KIXのJL728は欠航している。バンコク、関空。どちらも台風の影響は受けていないにも関わらずだ。運不運は紙一重の所でどちらにも転んでしまう。
チェックインは問題なく終了。出国審査を受ける。この時間、クアラルンプールの空港、出国審査場は大混雑。でも特定の国のパスポートを持っている人は自動化ゲートを使えるそうだ。日本も対象になっていて、行列の無いゲートに向かう。なのだけど、自分の審査はOKだったけど、妻の審査はNG。入国時の処理に問題があったようで、自動化ゲートが使えないとの事。結局大行列の出国審査場へと行くことになる。小一時間待ちぼうけとなって、19時半過ぎ、ようやく合流。自分たちが何かやったわけでは無く、8月13日の入国審査で係員が何かやっちゃったらしいのだが、不運であった。
だいぶ時間を喰ったがまだ20時前。サテライト側のターミナルへ移動し、ラウンジに。ワンワールドアライアンスメンバー、マレーシア航空の本拠地であるクアラルンプールでは、マレーシア航空のゴールデンラウンジ一択となる。運航は不安定なマレーシア航空もサービスの面では水準以上。飛びさえすれば文句のない航空会社なのである。
ファーストクラスラウンジに入るとダイニングに通される。注文で色々作って貰うのだが、ここで注文をすると、もれなくコース料理風になる。飲み物を頼み、サラダ、スープ、メインと行ったら、デザートはどう?と勧められる。適当に頼んだら、それは私のおすすめ、と妙に喜ばれる。
まずは飲み物が来る。アルコールがダメなムスリムに供されるのは不思議な気分だが
タイガーを。缶から注がれているのは承知しているが、雰囲気は出る。
コース料理風に順々に注文した品々が運ばれてくる。
サラダ、
スープ、
メイン、そして
ウェイターさんおすすめのデザート。
ダイニングから場所替えをする。マレーシア航空のファーストクラスラウンジ。あまりに広々しすぎていてかえって居心地がムズムズする。
早くこんな空間で物怖じせずに過ごせるようになりたい。
昔は国教が故に、アルコール類はリクエストベースだったラウンジだが、いつの間にか、リカーコーナーが出来ていた。ワインと缶ビールが氷で冷やされている。
選んだチーズが下品になったなぁと思いつつも、スパークリングワインと共に頂く。
頃合いを見計らい、席を立つ。搭乗口に向かうと
日本からのお迎え、台風を乗り越えての鶴丸がそこにはいる。
JL724 JA607J B767-300ER KUL→NRT
そんな訳でギリギリ成田を飛び立ち、台風の脇をかすめて遥かマレーシアまでやってきたJA607Jに乗って日本に帰る。JL724がここから遅れる要素は無く、定刻出発の案内。日本人中心の乗客が出発を待っている。
間もなく搭乗開始。余り乗る機会が無いSS6仕様のB767-300ERに搭乗する。安いチケットを探しての搭乗なので、当然ながらエコノミークラス。帰りは座席指定できる運賃だったので、バルクを指定しておいた。昼間便なら、モニターが使えない時間が長いとかいろいろ制約があるバルク席。深夜便なら基本寝るだけだからモニターが使えなくても構わない。それより足元広々の方が嬉しい。
座席の落ち着くと担当の乗務員が挨拶でやってくる。「ご心配をおかけしました」と仰るので「何事もなく飛んでいただいて、今年の運を使い果たしました」と答えると「わたくしもです」と。そういえば客室乗務員は昨日のフライトでクアラルンプールに来て、今日のフライトで帰るのか。
早々に水が配られる。保安検査が搭乗口の手前なので、KLIAでは制限エリア内で水を買って持ち込む、と言う事が出来ない。寝るだけと言っても水分は欲しく、真っ先に水を貰えるのは非常に助かる。
22:48、乗継のお客さんを待つため少々遅れる旨の案内がある。マレーシア国内線が遅れているのだろう。通しで買うと1時間乗継とか売って来るのに、平気で1時間遅れるマレーシア航空。724便の遅れは日常茶飯事に違いない。こちらも気分はおおらかである。台風で飛ばない事を考えれば、1時間の遅れぐらい、どうと言う事は無い。幸い遅れはうんと小さいらしく、22:58、Doorcloseとなる。成田までに飛行時間、6時間40分との事。前線と台風の影響で揺れが予想されるそうだ。
出発準備は整ったようだが、動き出さないまま少々時間が流れる。23:17になって出発機混雑の影響で管制からの指示があって遅れている旨の案内がある。こんな時間に混雑?と思わなくはないが、工事中で誘導路に制限があるとか、台風の影響で空路が混みあっているとか、そんな事も大括りして混雑なのかも知れない。
23:27、Pushbuck。23:33、Taixing。誘導路を進む間、少々ウトウト。23:46、Takeoff。滑走路はどこだっただろうか。
再びウトウトした後、ベルト着用サインが消灯する音で気が付く。時刻は0:01。マレーシア時間なので日本時間だと1時になる。
カーテンが閉じられ、簡単な機内サービスが始まる。
軽食と飲み物を少々。おつまみも貰ったが、食べる気にはならない。ヱビスビールだけ頂くと早々に就寝。
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