旅先の香港で朝を迎えた。時計を見ると6時半過ぎ。昨日は元々の夜便が成田空港滑走路閉鎖で1時間40分遅れてホテルに着いたのが1時という酷い状態だった。それなのに、日本時間のそこそこの時間になると勝手に目が覚める。何時もの事だが、不思議なものだ。
目の前の景色は只々ひたすら高層ビルの羅列。いくつかビルが無ければ太平山が見えるのだろうけど。太平山の間に構えるビル。下層は教会のようだ。元々教会があったところを再開発で高層ビルにしたようにも見える。
テレビを点ける。地元のニュース番組、香港早晨が流れている。今日の香港、時折雨が降るらしい。
8時前。朝食を食べに出掛ける。今回のホテル、というか香港では毎回そうだが、ホテルの朝食は付けずに、外に食べに行く事が殆どである。
この時間、雨は降っていない。最小限の荷物だけで、出掛ける。
ホテルの前はバス通りだが、一つ隣の通りは電車道である。
2階建ての電車が行き交う様子を見て少々。ちょっと歩いたところにある茶餐廳へ。大きくない店だったが、ほぼ満席。
朝食専用店という訳では無く、終日通しで営業している店。こちらでモーニングメニュー的な早餐Aというセットを注文する。価格は46HKD。今のレートだと1,000円近くになるのか。
麺とパン。目玉焼きに港式奶茶という組み合わせ。麺料理は日本じゃあまりみないようなマカロニにハムという組み合わせ。こんながっつりした組み合わせ以外にもパンと奶茶で食事を済ませる人とかもいて、お客さんの入れ替わりが激しい。
食事を終えて、ぷらぷらホテルに戻る、のだが、
急に大雨が降り出した。日本のゲリラ豪雨ならしばらく雨宿りすれば大人しくなるが、香港の豪雨、同じ調子で降り続く。もう諦めて雨の中、ホテルに戻るとびしょ濡れになる。
部屋でドライヤーを使って服を乾かしたり、鞄を乾かしたり、暫く籠って対応する事になる。
雨の対応が終わった頃、外の雨も上がる。改めて動く。この後は両替をしておきたい。我が家には香港+両替=重慶大厦という方程式があるのだが、今日いるのは重慶大厦がある尖沙咀ではなく、香港島の湾仔。スターフェリーで往復とか、MRTに乗るとかしちゃうとレートの良さが損なわれる。そこで今日は香港島の中でレートの良い所に行こうと思う。でもひとつ問題。香港での交通系ICカード、オクトパス。こちらを今回忘れてきている。確か2007年、最初に訪港した際に手に入れたカード。地下鉄、トラム、スターフェリーに加え、コンビニでも使えるので非常に便利。そのカードを置いてきたというのはちょっと痛い。しかしながら2024年の香港ではタッチ決済で交通手段を使えるようになりつつある、らしい。
今日一日、タッチ決済で頑張ってみようか。
改めて出掛ける。向かうのは中環と西環の間。トラムで行くのが一番お気軽。駅の近さも、お値段も。
ホテルの近くにあるトラムの電停に赴くとちょうど来た電車に乗る。2階席の先頭座席が空いていたので座ろうとする。すると座席が濡れている。先程降った大雨の時に窓が開いていたに違いない。座面を拭いてから席に落ち着く事になる。
座ってしまえば特等席。行き交う電車を眺めつつ、香港島を西に向かう。
電車は金鐘から中環へ。
トラムの支払いもタッチ決済が使えるようになっている。3HKDの運賃が1HKD引かれるそうだ。何となく適当なカードで決済したらVISAじゃなくて、しっかり3HKD引かれたけど。
西環の手前、目星をつけていた両替商の近くまで来て降りる、トラムは目的地のすぐ近くまで乗り付けられる点で非常に優秀。地下鉄の2~3駅ぐらいの移動であればトラムの方が早い。
両替は少々多めにしておく。クレジットカードが使える場合も多いし、将来に外貨を現金で残しても仕方ないのだが、足りなくなっても困る。世界中どこもインフレが進んでいるので、昔の感覚でいると思ったよりも早く現金が目減りするのである。
先程、トラムに乗っている間、妻が妻の妹さん、つまり義妹と連絡を取り合っていて、何やらお得情報を入手したらしい。西環からちょっと山寄りに行ったところにあるPMQに足を伸ばす。その途中、連絡を取り合っていた相手、つまり妻の妹さんとばったり。詳細は後程に譲るが、この後に合流する筈だった相手と思いがけない所で会ってしまった。
予定していなかったPMQ。こちらでは訪港した観光客、つまり自分たちのような人、を対象に無料でガチャガチャができるキャンペーンをやっている。中身は香港を意匠した小物類。そのガチャガチャだけやるとお暇する。待ち合わせの時間、何気に迫っている。
改めて電車道に戻る。改めてトラムに乗る。今度は空いていた適当な席で来た道を戻る。ホテルがある湾仔近くの電停まで。時刻は12時になっている。お昼ご飯の時間、先程偶然ばったり会った妻の妹さんと食事をすることになっている。今日は事前に予約したというお店で飲茶。全部で4人になる。妻の妹さんとは時々顔を合わせる機会があるが、初めて会うのは妻の弟さんの婚約者、という人。海外に連れて行ってあげて、という話で二人で香港に来ているそう。昨日午前の便、JL29で来て午後は半日香港観光をしていての二日目との事。そんな訳で自己紹介から始まる会席、みたいになる。
飲茶専門店では無く、広東料理の店が昼間は飲茶を出すという感じ。ビブグルマンに認められたそうで、混んでいるが通される。お茶を注文したのち、適当に選ぶ。注文を渡すとそんなに待たされることなく、料理の数々がやって来る。
こちらの店で一押しというチャーシューや小炒皇。
揚げ物も色々と頼む。
日本人が飲茶と聞いて連想する蒸し料理の数々も。なのだが、飲茶とは異質な料理が隣のテーブルに運ばれてくる。何?あれ、と話をしていたら、その様子に気付いた店員に声を掛けられる。結局、同じものを頼むことになる。
海老と卵黄を絡めた料理。名前は忘れた。美味しいのだけど、随分と値が張った。
最後はデザートを頂いてフィニッシュ。1時間程経っている。夕食も4人なのだが、買い物でスーパーを覗いた後に一旦別行動。妻の希望で新界へと行く。
湾仔から深海へはMRTで金鐘に出て 線に乗り換えるのが今までの通例。なのだが、コロナが明けた香港には新しい路線が出来ている。何と、紅 始発だった東鐵線が香港島まで1区間、伸びているのだった。湾仔の海岸線に近い辺りで工事をしていたのは見ていたが、無事完成したようだ。折角なのでそちらに乗る。MRTもタッチ決済で行く。全ての改札口に完備、とはいかないが、各駅一か所は必ず整備されたそうだ。タッチ決済対応の改札口には床に紺色で「VISA」と書かれているので見分けがつく。
金鐘の駅。南港島線と共に東鐵線の案内が並んでいる。二つの路線が相互乗り入れしているようにも見える表記だが実際には独立した路線。乗り場は別々だった。
何せビクトリア湾を潜る鉄路であり、金鐘の駅は地下深くとなる。エスカレーターを延々降りてゆくと見覚えのある電車が停まっている。東鐵線、羅湖まで向かう電車だ。発車直前の電車は座れない程度に乗っている。間もなく出発。何のことは無い地下トンネルを進んで、紅磡に着く。以前は地上駅だったと思うが、当然ながら地下に移っている。出発すると間もなく地上へ。どこかで前からある東鐵線の線路に合流したようだが。全く分からなかった。
東鐵線の電車に揺られて九龍から新界へ。新界の中でも古くからのベットタウンというべき沙田に降りる。競馬場が近い所だ。今日は沙田站が最寄となる香港文化博物館へ行く。
駅の出口がそのままショッピングモールになっている。歩いて行くとモールの中から出られなくなった。外を歩いても暑いだけなので、冷房が効いたモールの中なら良いだろうと思うのだが、
香港に戻るバス乗り場、なんて所に着いてしまったり。
何とか外に出る。だいぶ駅から離れている。
香港都心部と同じく高層ビルが建ち並ぶが、緑も濃くなっている。街を歩いても木陰というものがあるのでありがたい。
その、緑濃い公園の中に目的地、香港文化博物館の案内が出ている。案内に従い歩いて行くと
香港文化博物館が現れる。出ている看板は開催中の企画展の案内。
入場無料。館内は空いている。先程2枚看板が出ていたのは、香港の芸能界で功績があった作詞家の企画展、そして歌姫の企画展だそうだ。私は疎いけど。そちらの企画展を見て
常設展も見てゆく。こちらは主に映画に関する展示。多少分からなくはないかな、という内容になる。
見学が終わると17時になっている。帰りは東鐵線ではなく、馬鞍山線の車公 站に出る。いや、馬鞍山線も延伸して西鐵線とくっつき屯馬線という名前に変わっている。
駅は近く、ショッピングモールで彷徨う事も無く、改札口に着く。だが、タッチ決済に対応した改札口。別の改札まで行かないとないのだそうだ。今度はそのタッチ決済対応改札を探して迷うことになる。結論から言うと、車いす専用みたいな顔をしていた改札口だけが、タッチ決済対応だった。ちょっと疲れる。
東鐵線の枝線、という感じだった馬鞍山線が、延伸して紅磡へ。さらに西鐵線とくっついて尖東まで乗り換えなしで行けるようになったのは大出世。前に乗った時は6両ぐらいの電車が行き交うローカル線だったが、やって来た電車は10両ぐらいつないだ長いもの。そして座れない程度には混んでいる。東鐵線接続の大囲から南が新線区間となる。新界と九龍を隔てる山を貫くトンネルだから景色は分からないけど。そして九龍のエリアも地下区間となる。東鐵線のさらに東を通る。昔、九龍城があった辺りだ。
啓徳站で降りる。向かう市内に空港があった時の、あの啓徳である。ちょうどターミナルがあった跡地に相当するらしい。
ターミナルの跡地はAirSideというモールに変わっている。空港の名残みたいなものはあるかと思ったが、
そんな雰囲気は無かった。ちょっと遠くまで行くと滑走路跡地が公園になっているそうだが、そちらまで足を伸ばす元気と時間は無い。
昔は高い建物が制限されていた啓徳空港周辺。その制限もなくなり、交通の便も良くなったからか、再開発ラッシュになっていた。
もう一度、屯馬線の電車に戻る。電車は地下を行くといつの間にか紅磡の駅、西鐵線のホームに到着していた。紅磡の駅再編。どう行われて今に至るのか、東鐵線と屯馬線、両方乗ったけど、よくわからないままとなる。電車はこのまま旧西鐵線区間へ直通。尖東で下車する。時刻は18時半を過ぎている。
この後は夕食、再び合流して4人で頂く事にしている。店は予約しているそうだ。ちょっと時間に余裕があり、妻の買い物でドラックストアに寄り道。その間に薄暗くなり、暗くなる。待ち合わせは尖沙咀の駅近くにあるショッピングモールの25階だったか26階だったか。予約したからか窓側席に通される、
窓の向こうにはビクトリア湾と香港島のビル群。時刻は19時半。食事の間にシンフォニーオブライツの時間になる。普段はあまり気にしない、何なら避けているイベントだが、今日は存分に楽しむことにする。
その前に注文いろいろ。あまり飲まない、あるいは飲めないお三方には申し訳ないけど
わたくしは、ビールを頂きます。
ビール以外の注文はお任せ。待つ事しばらく。提供しやすい順だろうか、頼んだ品々がやって来る。
インゲン。
炒飯、
小籠包。
担々麺。
北京ダック。。。。
テーブルの上が祝日のお祭りみたいなった所で、窓外の景色は定例のお祭りとなる。
30分前から比べると明らかに煌びやか。香港島のビル群だけでなく、ビクトリア湾の船もライト全開で午後の8時に臨むのね。
食事に1時間少々。時刻は21時になっている。この後は女人街に行くそうでお供する。MRTにのって二駅、油麻地站まで。ちょっと奥まった路地のような所を伸びる女人街まで。
平日だからか、割と空いている。店仕舞いに入った露店もちらほら見える。隣の駅、旺角站まで歩きつつ品定め。30分程掛けただろうか。結局、怪しげなエコバックをまとめ買いして姉妹でシェアする事になる。
さすがに疲れたので本日は解散。MRTに乗り、各々のホテルへ戻る。尖沙咀で分かれると自分たちは海底トンネルを香港島側へ。金鐘で乗換、一駅、湾仔。部屋に戻ると22時は大きく廻る。少し荷物の整理。今晩は日本から持ち込んだ黒ラベルを頂き、ベットに突っ伏す。
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