勤務先の夏休みは変則的で二度に分かれる。一度目は8月上旬。二度目はお盆。入社したころは8月上旬に一週間まとめてだったのだが、世の中的には盆休みが取れないと家族と動きが合わない、と言う声が強く、徐々に盆休みの比重が高くなってきている。そんな訳で今年は中途半端な三連休が4,5,6日と設定されている。
ひとまず朝、何時もの時間に起き出す。前にも書いた通り、
どこかにマイル、で当たった隠岐に飛ぶ。のだけど、伊丹-隠岐は1日1往復。お昼過ぎの出発となる。時間はだいぶある。
歩きを兼ねて写真を撮りに行く。時刻は5時。まだ日差しは無く歩きやすい時間帯。石山近くの踏切まで出ると5時半を少々過ぎた所である。
下り電車がやって来る。225系U1編成。
上りもやって来る。
草津始発はるか3号となる送り込み回送が行く。281系HA603編成。
今度も上り、なんだけど
外内並走してやってきた。内側の電車、石山に向かって減速しろ、と念じたが
むしろ内側先行の勢い。泣く。
下りの貨物があんまり来ず、何かダイヤが乱れているようなのだが
55列車?と思うが55レとすると少々早い。53列車のようだ。1時間程遅れている。EF210-301号機牽引。
普通電車が再び。705Mである。223系BJ12編成。
遅れている貨物列車を待てば色々撮れそうだが時間に限りがある。そろそろ引き上げ。自宅に戻る。普通に出勤する妻を送り出した後、朝食やら荷造りやら。今回の隠岐、1泊なのでスーツケースは持たず、軽装にしておく。
飛行機は12時半。それに合わせて行くなら遅く出ても構わない。が、交通費を少し安く仕上げようと早めに出る。通勤ラッシュが過ぎ、閑散とした膳所の街。そして気温も上がっている。駅まで歩いて高槻まで各駅に停まる普通電車に。朝ラッシュの名残なのかそこそこ混んでいたが、京都で大量下車。今日は山崎まで行って阪急に乗り換える。大山崎まで歩くとちょうど準急が出てゆく所。10分待ちになる。すっかり暑く、風も吹かない。時々通過列車が巻き起こす旋風だけが涼味。
上下の特急が通過したのち、
河原町方面の準急が来て
まるっと10分待って梅田ゆきの準急に乗車。西に向かう。高槻市で特急に接続するけどそのまま乗り通し。京王線恥辱の遅れている分を進める。
こちらに手を掛けておく。一つ前の旅行を綴る事は良くない、良くないと思うのだが、仕方ない。パソコン扱うなら南茨木からモノレールかとも思ったが、十三経由にする。
十三で少々待ち時間。膳所より明らかに暑く、ボイラーの傍にでもいる気分になる。宝塚線に乗り換えて蛍池まで。余程モノレールの世話になろうかと思ったが、10分少々なので日陰を選んで歩いて行く。11時半前には伊丹空港到着。
この時間の伊丹空港。出発機も少なく、お客さんも疎らである。午後の那覇行きは条件付き運航になっていた。台風6号の影響で荒天が続く沖縄と奄美。もし、そちらに当たっていたら今回の旅行は中止になっていたかも知れない。
預ける荷物も無いから早々に保安検査を受けてラウンジに進む。ちょうどお昼時で空腹ではある。今日の昼食は迷いどころ。隠岐へのフライト。伊丹12時半発の隠岐着13:20。隠岐に着いてレンタカーを借りてから行動をすると多分14時。その頃には隠岐で食事できるところは多分、昼の営業を終えている。とは言え滞在24時間のうちの1食、その機会を逃すのはどうかとも思うし。
昼食追加になっても、昼食抜きになっても良いように最低限度の軽食をラウンジで頂く。
JL2331 JA344J B737-800 ITM→OKI
ラウンジで京王線恥辱を進めていると12時前になってB737-800がやって来る。どうやら隠岐へ飛ぶ機材らしい。普段はERJ-170が充当される伊丹-隠岐だが、盛夏の間だけ機体を大型化して臨んでいるらしい。
B737になるという事でクラスJの設定がある今日の伊丹-隠岐。普段存在しない上級クラスに気が付かない人も多いようで、当日アップグレードを見てみると窓側席がまだ空いている。制限エリアに入る前にアップグレードの手続きをしておいた。
前便遅れがあったようなので少し遅い目にラウンジの席を立つ。
出発準備が進む搭乗機、JA344Jを見て今日の搭乗口、19番まで赴く。時刻は12:10。本来なら搭乗開始となるべき時刻。
今の所、12:30の定刻出発と言う事なのだが、
12:15を過ぎて搭乗時刻は確認中。遅れる事が確定だなぁと思いながら気長に次の案内を待つ。
この時間、伊丹北ターミナル外れ。昭和の匂いが濃いエリアにはそこそこ飛行機がやって来る。
天草エアラインが熊本から顔を出す。親子連れが変わった飛行機が来たね、なんて話をするのが聞こえて来る。
J-AIRのJA217JもSpot in。
定刻、12:30を過ぎてようやく事前改札が始まる。次いで優先搭乗。機内へ進む。先程アップグレードで指定したクラスJ。3人掛けの窓側席に落ち着く。
18番スポットには既に定刻12:35到着のJL115も姿を見せている。
12:42、Doorclose。搭乗率は6割ぐらいだろうか。B737の大きさではもったいないが、ERJ-170の定員よりは多そう。夏期大型化の効果はそれなりにあるようだ。
とはいえ人気のクラスJにも空席多数。むしろクラスJの方が搭乗率が悪く、どうみても半分以下した埋まっていない。
12:45、Pushbuck。隠岐までの飛行時間、30分と告げられる。随分と速いと感心する。伊丹-但馬でも飛行時間は30分だったと思う。出雲だと40分か。隠岐ってそんなに近いのか、或いはB737がERJ170より速いのか。
12:48、Taixing。飛行機は誘導路を南へ向かう。この時間帯、離着陸共に空いており、順調に滑走路端へと向かう。
12:54、Takeoff RWy32L。伊丹を北側へと飛び立った飛行機は左へ旋回、180度向きを変えると
神戸へと続く海岸線を見て大阪湾に出る。さらに右へ旋回し機首を西へ。今度は
神戸の港と街をみて高度を上げると内陸へ入ってゆく。13:00、ベルト着用サイン消灯。10分後には再点灯するとの事。隠岐空港着陸は13:27頃を見込むそうだ。定刻より遅れる旨、お詫びされる。
神戸市北部の山岳地帯と住宅街を見て徐々に北西へ。郊外に出るとゴルフ場が目立つようになる。そのゴルフ場も目立たなくなると中国山地の入口。
まもなく
鳥取平野、そして砂丘がみえるようになり、山陰に入ったことを知る。良く飛ぶ機会がある出雲線の航路よりも少し北側を通るようで、段々と海岸線が近付いてくる。
13:13、ベルト着用サイン点灯。
山陰の海岸線を見て北上。青々とした日本海の洋上を降下してゆく。13:23、Geardown。穏やかに高度を下げると
隠岐の島、島後が見えて来る。島が近付いてくると
違和感がある船、何だろうと思ったら
護衛艦が2隻、訓練中だろうか。浮かんでいるのが見える。さらに高度を下げると
西郷港がすぐ先を飛ぶ。オアフ島の真珠湾を思い出したのは、先程、護衛艦を見たばかりだからか。天然の良港という事が良く分かる湾口を見ると13:28、Landing、RWy26。減速して滑走路端で
向きを180度変える。隠岐の天候、晴れで35℃と伝えられる。ヒートアイランドと関係ない、日本海の孤島だからそこまで暑くならないだろうとタカを括って来たが、そうでも無かった。
13:32、Spot in SP2。エアステアを使って降機になるのかと思ったら、搭乗橋が1本だけあった。平屋のターミナルから延々伸びるスロープのような搭乗橋。
準備が整い降機する。
長いスロープのような搭乗橋を歩いてターミナルへ向かう。預けた荷物も無いので、そのまま制限エリアの外へ。
1日2便だけを迎える隠岐空港。この時間、到着客を迎える人達。家族や知人を迎えに来ました、という人も多いが、観光バスのガイドさんやらレンタカー会社の人等、色々な人達がごった返していて、賑やかである。今日はレンタカーのお世話になる。地場のレンタカー会社しかない隠岐エリア。そのうちの一つに声を掛ける。レンタカー会社までクルマで連れていかれるのかと思っていたが、その場に机と椅子が置いていて、仮設の窓口みたいになっている。つまりこの場で手続き。10分後には車のカギを引き渡されて、空港駐車場に停まっていた今日の脚まで案内されている。思ったよりも早い。早過ぎて空港の中をきちんと見ていない。一度空港に戻っておく。
空港の入口。目を惹いているのはこちら。
置物ではなく、本物の牛がいる。隠岐は牛突き、闘牛の一種というといいのだろうか、が行われる。横綱牛と書いているからそのチャンピオンというべき牛なのだろう。とは言え闘うという感じではなく、穏やかな空気を漂わせている。
クルマを予約していなければバスで西郷港に向かい、ホテルに荷物を置いた後、どうやって動こうか、となっていたと思う。その西郷港行きのバスが停まっている。バスが観光向きでない、というのはバス会社も自認しているようで路線バスの案内には
>旅行者の方へ!
>路線バスは本数が少なく最終便が早めの設定ですので、隠岐の島町内の移動はレンタカーのご利用もご検討ください。
なんて注意書きがある。ちなみに
同じ会社がレンタカーも運営している。今日は別の会社で世話になったけど。
観光バスも無くは無いのだが
設定は不定期。明日、8月5日は運転があるが、今日は運転無しだった。もしも何の下調べも無く、どうにかなると何も予約しないで隠岐に乗り込んでいたら、どうなっていただろうか。
改めて今日の搭乗機、JA344Jを見てからクルマに戻る。そろそろ空港を離れようと思う。
車のハンドルを握り、まずは西郷港へ向かう。今日泊るホテルに少し荷物を預けて行こうと思う。街までは10分弱。西郷港の近く、道が狭く若干走り辛い感じ。ひとまずホテルに到着。荷物を預ける。予約した時はクルマになるか何になるか分からなかったので、適当に17時チェックインとしていた。クルマという脚が得られたので、少し遅れる旨、フロントに伝える。
時刻は14時。折角なので西郷を離れる。昼食は、とも思っているが、クルマを走らせても良さそうな店はたいたい中休みに入っている。もう昼食は伊丹ラウンジのパンで終わったことにする。クルマを走らせひとまず島後の北端、白島展望台を目指し国道を走る。島後の島には島を一周するように国道485号線が設定されている。
白島展望台まで西郷から24km。島なのだから海沿いの道、と思いきや、国道は海が見えない平地を行く。国道の両側は田圃。そして山地となる。そんな中を北上してゆく。
道が狭くなり、町道か何かか?という感じになったが国道485号で間違いない。島の北端近く、うんと狭い道から更に左折。島の北端へと続く道、クルマを転がす。白島の展望台手前にある駐車場まで到着。
木陰にクルマを停めると15時ちょっと前だった。先客ゼロ。おおよそ観光地らしくない。
国道からは全く見えなかった日本海が姿を見せている。どこまでも青い海に青い空。夏の底抜けに明るい日本海だ。リゾートしらかみに振られ、見る機会を得なかった日本海に山陰でまみえる。
竹島161kmの案内がある。竹島は行政区域的には島根県隠岐郡隠岐の島町竹島となる。つまり、今いる隠岐の島町と同じと言う事。
少し歩くいて白島崎が見える展望台まで行く。
ずいぶんと荒々しい海岸線。国道から海が見えない事も何となく分かるような気がする。こんなところが大都会の近くにあれば人気観光地に違いないが、日本海の孤島の更に空港から1時間という僻地も僻地。自分一人しかいない。後になって観光タクシーがやって来てスーツ姿の男性3人、という観光とは思えないグループ客が来ていたけど、とにかく絶景を独り占め。
クルマに戻って次の目的地へ向かう。思ったよりもクルマを早く借りられた分、前出しで進んでいる。
国道485号線、来た道を戻ると途中で国道を逸れる。緩やかな坂を転がってゆくと海の気配。久世の集落となる。
石州瓦の赤さが印象的な久世の集落。その中にこんな建物がある。
先程、白鳥崎でも見た通り、竹島は隠岐の島町の所属。その中でも久見の集落は竹島での漁業の拠点となった所。そんな久見の人々と竹島の関係を示す資料が展示されている。入場は無料。記名だけして展示物を見てゆく。
竹島で行なわれていたのは鮑漁と共に海驢漁が行われていたそうだ。海驢って獲って何にするのかと思ったら、生け捕りにして水族館に払い渡すとか。そんな需要があったのか。またリン鉱石も採れたそうで、採掘権の設定を示す公文書も展示されいている。
企画展で江戸末期から明治時代の地図が展示されている。こういうものは大好物なのでつい熱心に見てしまう。すると資料館の人が「熱心に見てくれて」と声をかけてくれる。
見学が終わると16時であった。まだ日暮れには早いし、もう少し色々と見れる。多少時間に余裕があり、予定は無いけど適当に観光地を見て行こうと思う。
来た道を戻り、国道に合流すると間もなく神社の案内。
水若酢神社という神社に寄る。駐車場には先客がなくここでも一人らしい。ちょっと境内を散策。
この神社、927年成立の延喜式にも名前が出てくる程に古い神社。
本殿は当時そのままではなく、1795年に造営されたものだとか。膳所に越して古いものには慣れてしまったが、そんな自分でも古いなぁと思い改める事になる。
境内には
立派な土俵がある。膳所界隈でも土俵がある神社っていくつかあるけど、ここまでしっかり整備された土俵は見た事が無い。相撲が根付いた土地であることが良く伝わる。
駐車場に戻ると観光バスが1台来ている。クラブツーリズムのツアーらしい。伊丹発着で島後1泊、島前1泊というツアーがあるみたいで、そちらの団体っぽい。
団体と入れ違いにクルマを走らせる。時刻は16時半。まだ太陽は高い。最後は夕暮れを見たいのだが、まだ2時間以上間がありそう。その時間潰しではないが、ローソク岩が見えるという展望台に足を伸ばしてみる。生活道路を外れ林道のような所に入る。クルマ同士すれ違うのも大変そうな道になる。緊張しつつアップダウンの激しい道を行くことしばし。どん詰まりに駐車場があり、目的地と知れる。
日本海を眺めるにはいい展望台だが、ローソク岩展望台のローソク岩は?よく見ると
木々の合間にそれっぽい岩が見える。変わった形の岩、というのは良く分かるが、しかしこの展望台、海を見るには山の上過ぎる。ここから歩いて行く歩道もあるらしいが、足場がどうなっているか分かったものでないのでやめておく。
再び狭い林道をクルマを転がして人の気配がある方へ。17時を過ぎてまだ陽が高い。今度は時間つぶしに温泉を志してみる。
島後で唯一という温泉施設。不思議なのは一部は水着着用というエリアがある事。ひとまず行ってみる。
17時過ぎに温泉施設。ここも空いている。先客は観光に来ていると思しき人が数名のみ。お湯に浸かる。ヌルっとした感じで肌に良そうなお湯。水着着用のエリアも試してみる。とは言え長湯する感じでも無いので早々に上がって
水分を頂く。古き良きラムネだったが、これは大阪の会社が作ったものだった。
17時半の島後。夕暮れまで1時間半ぐらいだろうか。一旦ホテルにチェックインしてきてもいいかなと思う。クルマを走らせ、西郷の方へ。途中スーパーにも寄ってみる。基本、地の物というのはあまり売っていないようだが、あらめ、という海藻が気になったので買ってみる。ワカメの別名かと思ったら別の種類みたい。
ホテルに18時過ぎ。チェックインの手続きを済ませ、荷物を置く。最低限の荷物に絞って再び西郷を離れる。夕暮れ時は油井に行ってみる事にする。国道とは別の西海岸沿いを行く道を転がす。途中までは海岸沿いの道だったが、その先は山間に入る狭い道となる。
時々工事中の交互通行になるような山道からさらに細道になって海岸近くの尾根を越えるとどうやら目を付けていた所。クルマを停める所がなく観光地ではない様子だけど
ちょうど沈んでゆく太陽を見る。誰もいない海岸線、水平線へと沈む太陽を見送るのは久しぶりの事だった。
すっかり暗くなった山道を慎重に車を走らせ西郷に戻る。時刻は20時近くになっている。隠岐に着いての1食目は居酒屋を志す、のだが、旨くいかない。満席、という店が多く、目を付けていた店にも断られる。貸切という店も目立った。半日観光地を巡ってきて、そんなにたくさん観光客が来ている風では無かったが、さて。
結局、安価そうな適当な居酒屋に入る。ここも店内は混んでいた。地元のグループ客と思しき先客が何組か。
ようやくありついたサッポロ生ビール黒ラベルを美味しく飲み干す。この調子だとどんどん進んでしまいそうだ。
海の物を食べたいが、刺身は売り切れだそうだ。他は、どちらかというと山の物の方がメニューには目立つ。
1杯飲み干す前に何も食べないのは良くないと思い、ひとまず
キムチを頂き、1杯目のジョッキが空いた後は
サッポロラガービール、赤星を頂く。2杯目がそこそこ進むころ、注文したものが少々出て来る。
若鳥のタタキを頂き、
いぶりがっこを頂く。いぶりがっこ、こんな所まで進出していたか、と思う。けど北前船の頃は土崎-西郷は海路で一本。関門海峡を廻ってゆくことになる大坂、京より圧倒的に近い。
先程頼、テーブル席のグループの会話が漏れ聞こえる。単語を聞く限り、どうやら護衛艦の乗組員である様子。金曜日に下船して暫くの陸を楽しんでいるらしい。今日どこの店も混んでいるのは、このせいか、とも思うが定かではない。
目の前に出ているツナマヨフライ、という聞きなれないメニューが気になり頼んでみる。
こんなのが出て来る。ごくごく普通にツナマヨを揚げたもの。それ以上でもそれ以下でも無かった。
どうせなら海の物が食べられる2軒目、と思って〆る。次の店を探したがこれもまた難儀。1時間少々経って空いた店があるかと思ったら間違いだった。貸切だったり、いっぱいですと断られたり。断り方に申し訳なさが籠っているので、余程普段と違う混雑ぶりなのか、良く分からない。
結局部屋飲みとなるのだが、どうしたものか、と思う。消化不良なまま杯だけ進んだ。
【サイトアップ アクセスカウンタ】
サイトアップはお休み
アクセスカウンタは機能せず
万歩計は19,609