2023-07-14

 久しぶりに自宅で迎える朝。金曜日。今日も休みである。妻と同じタイミングで起きだして支度を少々。ついでに洗濯も済ませておく。その間に出勤する妻を送り出し、朝食と出掛ける支度を。
 今日も少々遠出をする。昨日までのような大きな旅ではないので、荷物は小さく。ひとまず膳所の駅まで歩く。時刻は8時になる所。普段の通勤と2時間違う膳所の街は、各学校へ通う子供やら、通勤の人やらで混雑。そんな中を


 京阪電車を見つつ膳所駅まで。何だけど、若干不穏な状況。

 この時間、電車が遅れている。京都まで行ってバスなんだけど、定刻であれば乗れるバスに、

 5分遅れるとどうだろう、だいぶ怪しくなる。
 後のバスだとだいぶギリギリになるので、はて?と思いつつ遅れて来た電車で西に向かう。最悪、新大阪か大阪あたりまで電車で向かう事も考えつつ。
 乗ったのは京都行きの普通列車だったが、大津で新快速に乗り換えられる。さてどうしようかと思いつつ八条口を出てみる。バスの出発まであと1分。そしてそのタイミングで横断歩道は青信号だった。もしかして間に合うかも、と駆けよると何とか間に合う。写真を撮る余裕などなく、スマホ回数券を使う余裕もなく、混んでいるバスの最後の1席ぐらいに何とか座ると動く所。スーツケースなんぞ持っていたら無理だった。
 平日の朝。京都市内の下道は混んでいるが名神高速に乗ると道は流れていた。50分程で、昨日の21時15分まで滞在した伊丹空港へと舞い戻る。ほぼ12時間ぶり。


 1本後のバスだとギリギリだったが、1時間の余裕が出来た。京都で恵まれた幸運で今日一日の運を使い果たしたかも知れない。
 今日は乗り継ぎが無く、預ける荷物も無い。保安検査からラウンジに直行。朝食は家で済ませてきたし、ビールを飲む感じでも無いから

 飲み物だけ頂く。
 目の前の駐機場。

 ちょうど9:30の羽田行きが出発するところ。JA613Jが出発してゆく。その代わりに

 羽田からの到着便なのだが、こちらはJA341J。折り返し112便となる機材。羽田-伊丹の幹線なのにB737なのかぁとは思う。でも羽田-伊丹。自分が思うような大幹線ではないのかも知れない。予約状況に応じて柔軟に対応しているものと理解する。
 出発準備が整うのを待つ間、ラウンジで京王線恥辱を少々進めておく。10時を過ぎて席を立つ。羽田行きの搭乗口はラウンジからも最短距離の17番。

JL112 JA341J B737-800 ITM→HND


 そんな訳で今日は羽田に飛ぶ。10:10を過ぎて搭乗口へ。行列が出来ているが、飛行機が小さい分、絶対的な人数が少ないからか、行列は長くはない。
 事前改札の後、優先搭乗が始まる。機内へ。今日は後方の普通席に落ち着く。さすがに混んでいて、3人掛けの席。ほぼほぼ埋まっている感じ。自分の所も3席埋まった。10:28、Doorclose。降下時、揺れが予想されるそうだ。10:30、Pushbuck。

 定刻に動き出した。押されて下がり、トーイングカーが離れて行って10:37、Taixing。飛行機は誘導路を南に向かう。伊丹の最南端まで来て滑走路手前で停止。

 10:47になって間もなく離陸する旨の案内があった後、動き出す。10:48、Takeoff RWy32R。飛行機は伊丹から北側へ飛ぶと

 左、左と旋回し、東に機首を向ける。淀川がちらっと見えたが雲が多い窓外。10:56、ベルト着用サイン消灯。

 雲が無ければ琵琶湖が見えるのかも知れないが、今日は窓外だけ見ているとどこを飛んでいるのか分からない。伊賀の上空あたりを飛んでいるんだろうけど。
 飲み物のワゴンが廻り始める中、飛行機は東に。

 雲が切れて来ると海が見えている。もう伊勢湾だ。飛行機は順調に飛んで行く。伊勢湾を過ぎてはっきりくっきりではないにせよ、地上は確認できるようになり、場所は何となく掴めるようになっている。

 泥を孕んだ天竜川を見て

 泥を孕んだ大井川と丘陵に横たわる静岡空港を見て、飛行機は駿河湾へ。

 遠くには富士山が見えるようになってくる。フライトも後半戦になり、11:17、降下を開始し5分後にはベルト着用サインが点灯する旨、案内がある。

 既に伊豆半島を越えて相模灘に差し掛かっているが、この時間、まだワゴンは自分の所まで来ていない。もう無しなんだろうなぁと思ったら「これ以降のお客様にはアップルジュースをご提供いたします」と種類を絞ってサービス継続。

 そんな訳で11:19、飲み物が出てくる。

 窓外に大島を見つつ左手に旋回。北側に機首を向けると11:23、ベルト着用サイン点灯。飛行機は高度を下げつつ房総半島へと差し掛かる。

 東京湾が左手に見えて房総半島を北上。富津岬を見て左手にカーブすると東京湾の上空へ。

 川崎の工業地帯が近付いて11:36、Landing、RWy34R。減速して誘導路へ。定刻到着だなぁと思っていたのだが、誘導路で停止する。

 11:42、使用予定のスポットが前便遅れの影響で塞がっているため待機しているとの事。3分程で移動できる見通しだそうだ。
 11:46、移動を開始したがまた停止。機長さんから状況説明があり、5分程停止する見込みとお詫びされる。11:53、改めて移動開始。11:57、Spot in SP12。
 少々待ってドアが開き、更に待っての降機。

 JA341J、次は長崎に飛ぶらしい。午後は伊丹便、大型化するのだろうか。抑止されて少々押し気味なので、先を急ぐ。何の写真も撮らないまま12:04のモノレールに。浜松町から

 大江戸線に乗り換えて、新宿。京王線に乗り換え。今日は一日乗車券を持っている。膳所から来て「持っている」というのは変な話だが、詳しくはおいおい。その乗車券。あまり認知されていない様子。新線新宿の改札はこれは何?という感じにマジマジと見てから通してくれる。結局、乗り換えはギリギリ。13時の京王特急に何とか何とか間に合わせる。
 2023年の京王特急にはまだ馴染めない。地下線を抜けると加速ではなくで減速して笹塚に停まるし、明大前の手前、高架線の支柱が立ち上がり始めているし、八幡山京王八王子側、いつの間にか引上線が無くなっていたし、千歳烏山に特急が停まって結構降りるし。急行の看板を架け替えたような特急だ。
 国領手前で地下に入って調布駅。13:18になっている。新宿-調布は特急で15分と頭に刻み込まれていたが、停車駅が2つ増えているし、ATSの導入もあったし、18分でも仕方ないのか。深夜の上り特急とか、調布-新宿14分なんて設定もあったと思うが、そんな走りは二度と味わえないのだろうなぁ。
 調布で降りる。調布の改札は理解しているようで通してくれる。ひとまず地上へ。

 調布駅が地下化されてから10年になるのだが、未だ違和感を覚える調布駅前。知っている建物と知らない建物の混浴で、本当に戸惑う。
 お昼ご飯がまだなので調布で食事をしてゆく。ちょっと歩くと

 この路地は見覚えがある。かれんど、そらまめ。どちらも学生時代からあった店だ。確かこの並びに古本屋があったと思ったが、そちらは残念ながら消えている。
 今日はそらまめに入ってみた。店の雰囲気は変わらないと思う。適当にランチのセットを頼んでみたのだが、

 これは失敗だったかも知れない。学生時代の記憶を呼び起こす味では無かった。ここの名物、担々麺だったっけ?と微かに思い出す。
 今日は調布に泊る事にしている。まだ早いが荷物を置いて行きたい。ただちょっと時間が空く。少し遠回りして大学に進学した時に1年だけ住んでいた調布駅南口のあたりを歩いてみる。駅から路地に入って少々。建物はだいぶ変わっているが、時折見覚えのある建物があり、30年前の記憶が呼び起こされる。当時でも古く格安だった学生向けのアパートは当然ながら無くなっていた。ただ、同じ敷地にある大家さんの表札に見覚えがある。大家さんの名前なんてすっかり記憶の彼方に消えていたが、記憶が召喚された感がある。毎月、家賃を払いに行くと必ず不二家ネクターを1本、くれる人だった。当時でもお年を召していたから、もうご存命ではないだろうか。
 時刻が14時なりホテルにチェックイン。改めて出掛ける。
 京王線を下りへ。今度の改札は別の人。手元の一日乗車券に戸惑っていて、しまいに奥の人を呼んで扱いを確認していた。ひとまずホームに降りると各駅停車が停まっている。そちらに乗って西に。途中、府中で特急に抜かれるので乗り換え。


 7703Fがやって来る。高幡不動まで。降りると目の前には

 7802F。
 14時半過ぎに高幡不動。今日はこれからこちらに参加する。

https://keio.tabibako.net/special/143
 ツアーの詳細は後日記載。

京王線 車両基地&鉄道施設潜入ツアー 詳報

 ツアーの集合地点は高幡不動駅改札口の外。ツアーコンダクターと思しき人と参加者らしい人が数人いるのが見えて、待ち合わせの場所と知れる。どんな客層なのか分からなったが親子連れが3組ぐらいいる。親子連れと言っても参加できるのは中学生以上なので、中学生とその親という組み合わせは、世の中であまり見る機会が無いので一瞬、親子と分からなった。その他、コアなマニアは数人だろうか。全部で13名だそうだ。

 参加証を受け取る。地紋ににやにやしたくなる。

 裏は指定席券が如きデザイン。こちらは回送電車乗車体験で宛がわれる席となる。
 ツアーは高幡不動検車区、京王れーるランド、回送電車乗車の順。最初は高幡不動検車区の見学となる。京王観光のツアーコンダクター、京王本社の社員と思しき人などに誘導されて、検車区の事務所へと進む。会議室と思しき部屋に通される。研修が如き会場には

 テーブルには資料とヘルメット。会場には作業服姿の検修担当者が並び、部屋の一番前には

 パワーポイントの資料が映写。本当にこれ、仕事で取引先でも訪れたような雰囲気。
 初めにツアーの説明。参加者は、あまり言うとプライバシーに関わりますけど、と言いつつ沿線だけじゃなく遠くからも参加者が来ている事が伝えられる。今日の内容、日程の説明がある。現在15時で終了が23時。8時間だから2交代勤務なら二直みたいなもの。
 最初のターン、車両基地の所から始まる。まずは高幡不動検車区の概要説明が検車区担当の方から行われる。組織構成、検車区の歴史、担当業務。そんなところから簡単に電車の動く停まるの仕組みまで。
 どうでも良いけどちょっと気になったのが検車区の組織上の位置付け。

 全体の組織図が京王のサイトに掲載されているから、パワーポイントを出しても良いのだとは思うが

 肩書風に記すなら、車両電気部検車課高幡不動検車区となる。
 通常の会社だと「部」「課」「係」の順で「区」という組織は無い。だから、検車区とか、国鉄で言ったら機関区、運転所、気動車区、貨車区とかあったけど、その現業の位置付けを考える機会はなかなか無かった。だから、検車区長よりも検車課長の方が偉いとは考えた事も無かった。組織図として見ると検車区は3つあるのだから、検車課はその3つの検車区の上に立って束ねる立ち位置と一発で腹落ちする。
 あと、本当にどうでも良いが車両電気部長って面倒見る範囲、恐ろしいほど広い。これほどの範囲の事を理解するのは並大抵の努力じゃできないだろう。現業から見ると部長なんて神様のようなものだろうなぁと想像した。
 パワーポイントの資料が一通り説明されたのちに質疑応答。この場面でどこまで振り切った質問をすればいいのか、正直迷いつつ質問。資料の中で動画が張り付けてあったコンプレッサーに関して質問したけど、客層考えるともう少しライトな方が良かったのかな、という気がしないでもない。
 説明の後は見学となる。まずは洗浄線体験。用意されていたヘルメットを被る。来客用なのか、白い無地のヘルメット。どうせならKEIOのロゴ入りが良かった気がするけど、準備の都合もあるだろうし。

 体験用に用意されいてた車両は7424F。こちらに乗り込む。

 「臨時」という種別案内も珍しい。
 先程のパワーポイントで見た資料を参考に書くと、東の48番線から西の16番線へと向かう電車。先頭は譲ってまずは京王に残った未踏の線路を楽しむ事にする。ドアコックを扱って勢い良くドアが閉まる所から解説付きで逐一案内。一旦停止、誘導信号機の解説も入り、洗浄線へと低速進入。

 普通に乗っていては来る機会の無い洗浄線へと到着する。

 車庫の向こうに高幡不動五重塔が見えているのは新鮮なアングル。
 一方、すぐ目の前の洗浄線に視線を動かすと

 結構アナログな道具も活躍している。側面は洗浄機で洗えるが前面なんかは人力になるし。
 改めて西から東に戻る。

 洗浄機を通り抜けて一旦停止。東に進入するタイミングを伺う。その間に思い立って、こんな貸切列車でなければできない事をやってみる。係員に許可を取ってから、床に横になり、耳を点検蓋の所へ。モータ音を聞いてみる。タモリ倶楽部タモリ電車クラブでは定番の床に寝転んでモータ音を聞くという奇行。実際に出来る機会はなかなか無いけど、参加13人の貸切なら夢が叶う。7424Fがゆっくり動き出す。あの変調する磁歪音、確かにモータから聞こえる。磁歪音ってモータからするのか、インバータ装置からするのか、正直良く分からなかった。だけどこうやって聞くと、モータから出ているという事が良く分かる。
 元の検修庫脇まで戻る。再びドアコックを扱って下車。

 7424Fの京王八王子側、7874をマジマジと見る。営業運転では先頭に立つ機会が無い事を係員が解説してくれる。2001年のダイヤ改定前だったと思うが、7000系の8-2連で1運用だけ、京王八王子側に増結2連が付く運用があって、その時は営業で先頭に立っていた。確か柴崎、国領、布田の10両対応が完了して、相模原線の各駅停車が8連から10連になった時だ。何時頃だっけと思ったが

 によると94年3月との事。
 7000系は新宿側に増結2連、八王子側に基本8連という組み合わせが原則だった。朝ラッシュが終わると若葉台高幡不動に入庫し、2連を落としてから改めて8連が出て来る運用だった。それが1本だけ、八王子側に増結2連を付けて、相模原線を橋本まで10連で下り、10両組成のまま折り返し新宿ゆきとなる列車があった。途中、若葉台で2両を落として、そのまま8両で新宿に向かうという運用。若葉台切り離しは、都営新宿線直通の6030系ではごく普通の運用だったが、京王線新宿に向かう運用では車両交換が原則。切り離し運用はこの1本だったと思う。
 当時は大学生。そのうち撮ろうと思っていたけど、結局撮らず仕舞いだった。就職すると京王線沿線から離れたので、それ以降、どうなったか覚えていない。
 話題が逸れた。2023年の京王に戻る。

 検修庫の脇には社用車も並んでいる。中にユニモグがあったので眺めていると解説の係員が道路と線路を両方走れるクルマと教えてくれる。そこで質問してみる。運転に必要な免許は?と。道路を走るには自動車免許が必要なのは分かるが、線路を走るにはどんな資格がいるのだろうと思っていた。答えは社内の特別教育で資格を付与しているとの事。
 ここからは13人を二手に分けて行動となる。自分たちはまずは検修庫の見学。今日は平日なので検修庫では定常の検修作業が行われている。

 今日作業が行われていたのは7722Fと7421F。時刻は16時を過ぎ、10日に一度行うという列車検査はほぼ終わっている様子。
 検修庫の中はフロアレベルが一段下がり、普通に歩くと床下機器が目線となる。 

 屈まなくても車軸やら軸受箱が目の前に見える。

 こちらは交換用の制輪子。こんな消耗品の交換作業も列車検査では行われるとの事。

 付随車の床下が見える。機器が殆どないので床の構造が良く分かる。

 解説は電動車の方が当然ながら多い。SIVの解説、VVVFの解説という調子。贅沢を言うなら、同じ形式の同じ組成編成が2本並んでいる方が海山両方視認出来て良かった。 

 200mの見学路。ゆっくり歩いても3分だろうが、解説を聞き、機器を見て歩くと時間が掛かる。

 隣に7421Fが現れる。160m進んでなお見どころあり。先頭車にとりついている

 ATC装置を見る。後付けの筈でアダプタを色々とかまして取り付けているあたりに苦労した感が滲み出ている。
 ここからは7722Fの床下を見せて貰う。さすがに中腰にならないとならず、ヘルメットの威力が発揮される。

 台車の真下、先程床上から音を聞いた主電動機が姿を見せる。その隣にはWN継手。知識としては知っているけど、実物を目の前にすると純粋にすげーと思ってしまう。

 こちらは連結器。X軸方向、Y軸方向と2方向に動くようになっている構造と言う事を初めて理解する。みてみるとそりゃそうか、と思う。一種のユニバーサルジョイントか。
 窮屈な中腰姿勢から解放されると次は撮影。検修庫の脇、42,43,44番線に通される。なぜか知りませんが、たまたま並んでいまして、というラインナップは

 左から901F、5736F、7709Fの3本。これもたまたまなのか、901Fと7709Fにはヘッドマークが付いている。

 901F。

 5736Fは特急 高幡不動 表示。

 7709Fも特急 高幡不動 表示。
 種別と行先は時々変えてくれるので少々撮っとく。

 7709F 急行 多摩動物公園ゆき

 5736F 京王ライナー 新宿ゆき

 7709F 準特急 京王八王子ゆき

 7709F 区間急行 瑞江ゆき

 左 7709F 臨時 篠崎ゆき 右 5736F MtTAKAO 高尾山口ゆき

 7709F 特急 京王八王子・橋本ゆき

 7709F 特急 新線新宿ゆき

 7709F 快速 高幡不動ゆき

 7709F 通勤快速 府中競馬正門前ゆき

 7709F 区間急行 京王多摩センターゆき

 7709F 特急 若葉台ゆき

 時間にして20分ぐらいだっただろうか。これで〆。逆光な事はご容赦くださいとのことだったが、十分に楽しめた。最初の事務所、会議室に戻る。

 いつの間にか先程まで先頭車両を飾っていたヘッドマークが事務所の中に移動している。
 最後に質疑応答があって、高幡不動検車区の部は終了。最後、案内してくれた検車区の係員で拍手で感謝を伝える。
 次の案内。高幡不動の駅へ戻り、定期列車で多摩動物公園の駅へと移動。閉館後の京王れーるランド見学、撮影となる。夕食もれーるランドでとの事。
 係員の誘導で移動開始。高幡不動の駅へと戻ると一日乗車券を提示、ではなく改札口脇の社員用の通用口みたいなところを通って構内へ。

 動物園線の列車で数分。夕暮れ時の多摩動物公園へと到着する。ここからは京王れーるランドの見学となる。  

 17:30に閉館したれーるランド。普段なら

 今日はこれで営業おしまい。片付けて撤収なんだろうけど、今は通常営業から潜入ツアー仕様への転換中でしばらくお待ちくださいとの事。幸い、太陽が照り付ける感じではないので、冷房が無い外でもどうにか過ごせる。
 18時前に館内へ。まずは全員、2階で今後の説明を受ける。れーるランドでも行動は2班に分かれてとなる。展示車両撮影→食事と館内見学→展示車両撮影で21時まで。3時間の長丁場。そんなに長い時間、京王れーるランドに時間が掛かる気がしないのだが、どうなるだろうか。準備整うまでまずは館内を見るのだけど、

 もちろん懐かしい展示物を独り占めして眺める事が出来るのはメリットなのだが、今日は色々と仕掛けがあった。それが

 ずらっと並んだヘッドマーク。こんなにあったか。2000年代は季節の定番ヘッドマークがあって、梅まつり、輸送安全総点検、交通安全運動。その類が順繰り順繰り使われていたと思うのだが、2010年代以降は何かに付けてヘッドマークの種類が増えていた認識はある。しっかし、全部保管してあるとは知らなかった。

 係員に聞くと、れーるランドが出来たので保管できるようになったとの事。そんな副次的な効果もあったのか、と感心する。たくさんあり過ぎて全部は紹介しきれないのだけど。

 2011年3月11日の金曜日にあったダイヤ改定で朝ラッシュ前に設定された準特急PRのために作られたヘッドマーク。当日は取り付けて走ったのだろうが、午後2:46に発生した東日本大震災の影響で翌日以降、臨時ダイヤとなって準特急は走らなかったと記憶している。早朝の準特急は7月になって撮っていたが

 当然ながらヘッドマークは付いていない。自分にとっては幻のヘッドマークだ。
 展示車両の撮影時間になる。

 ここの展示車両。お馴染みの面々だが、今日は色々と様子が違う。何と言っても前照灯が付いているし、ヘッドマークも付けられている。今回のツアーに関するプレスリリースでは
>京王れーるランドでは、閉館後貸し切りで普段見ることのできないヘッドマークなどが特別に撮影できます。
 とあるが、さっそく全速全開。まずは

 6438Fからデハ6438。
 
 というか今年1月に見た時には二色帯だったけど、いつの間にか臙脂帯になってた。陣馬のヘッドマークを誇らしげに、特急京王八王子ゆきの表示でツアー客を迎えている。

 3719Fからクハ3719。標識灯が点灯し、急行渋谷表示。そして全車引退時の記念ヘッドマークを取り付けてツアー客を迎えている。

 5723Fからはクハ5723。こちらも標識灯点灯。高尾のヘッドマークと特急表示でツアー客を迎えている。

 2015Fからデハ2015。こちらが新宿-金子という表示。金子は現行のつつじが丘の事。後で聞いたら今日の撮影に備えて京王資料館からヘッドマーク、行先標を京王れーるランドに持ち込んだそうだ。

 最後にデハ2410。今日は準急京王多摩川ゆきとしてツアー客を迎えている。

 今度はデハ2410側から展示車両を見てみる。
 時折、ヘッドマークが差し替えられたり、行先や種別が変わったりするので目を離せない撮影会。

 まぁ色々と控えていて取っかえひっかえという感じになる。

 デハ2015が馬線運用に就く。

 デハ2410は新宿発府中ゆき。

 クハ5723には正月がやって来た。特急迎光 高尾山口ゆき。車内には春の海が流れているに違いない。

 調子にのってデハ6438も特急迎光。高尾山口にゆく。

 デハ2015は馬急に。

 クハ5723は1984年にタイムスリップ。特急20周年のヘッドマークを取り付ける。

 デハ6438は1990年へ。相模原線全通。橋本へと通勤快速がひた走る。


 蜩が啼く中、標識灯を輝かせて。そんな妄想をする。

 しっかし、時代は何時だ?状態になる。奥に行くに従い時を遡る空間が出来上がった。
 19時で撮影は交代。後程改めて。ひとまずれーるランドの館内に戻る。

 2階から見る車両展示スペースもなかなか良い。ここでお酒を飲めたら最高なのだが、今日はアルコール抜き。
 さて、展示スペースから少々。館内には

 バスも展示されている。こちらのバスも懐かしい車両。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E7%94%A3%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%82%BC%E3%83%AB%E3%83%BBRN/EN
 通称チョロQ。調布界隈でもよく見かけた。まぁ乗る機会はあんまりなかったけど。
 今日は展示品の配置を変えてバスを撮れるように引きのスペースを準備してくれている。そして行先幕も操作自由という太っ腹。ついつい色々と操作してしまう。

 奥のスペースには記念撮影スポットみたいな新5000系張りぼてが出来ている。張りぼて、と書いてしまったが、これは予備なのだろうだ。踏切事故等で、前面が復旧不能な損傷を受けた時の予備、だそうで。実は未使用品と聞いて心底驚いた。
 そのお隣には、使用品というか、デスマスクというか、6722Fのカットモデルが存置されている。


 こちらも本日は方向幕、種別幕の操作し放題。

 車内は通常時でも座れるけど、今日はほぼ独り占め。現役の頃は着席定員が少ない5扉車は嫌っていたけど、1990年代の京王を思い起こす空間はほぼ残っていない。
 さて、いい加減、夕食のお弁当を頂く。今日は京王ストア謹製との事。京王グループ挙げての対応である。

 掛け紙は今日の日付が入った特製のもの。設営によると精の付くもの、というコンセプトで誂えてもらったそうだ。

 中身は鰻まで入った豪華版幕の内と言うべきか。美味しく頂くと時刻は19時半。高幡不動の集合から5時間が経ち、後半戦となる。
 今日、この時間。京王れーるランドは物販も営業中。しかも一部は割引価格で。持っているんだよなぁと思いつつもBトレインショーティーの富士急1000/一畑2100なんて奴を追加で買い求める。それに駅名キーホルダーの旧名称版。人気は火薬庫前と金子だそうだが、何となく車返と屋敷分にしてみる。買い物少々に対し、分不相応なおまけも付けて貰えたから、採算は度外視に違いない。

 こんなものも配られている。入場券ではございません、と書いているが記念切符。こちらは

 ダッチングマシーンで日付を入れて鋏を入れる事も出来る。

 鋏を入れるべきか否か、迷う所だが、良い機会なのでパチン、という感覚を楽しむ。

 シミュレーターも操作自由。正確に言うと6772号車の運転台を使った本格的な奴は、事前申込制なのだが、主幹制御器とモニターの組み合わせの簡易的なシミュレーターは操作し放題。画面には地上線の調布から国領の景色が流れる。10年前の景色に興奮する。
 さて、もう一回撮影の時間が来る。

 既に暗くなっていて夜景撮影のようになる中、今度はリクエストタイム。幕は手動だそうで、京王八王子から瑞江とかは勘弁、とか言われつつも


 運用番号を出して貰う。tK運用なんて出して貰ったから係員が子供の付き添いで来ていたお母様方に向けて解説をしている。本当は25tKとかの方が史実には従っているのだが、そこまで合わせて貰うのは憚られる。


 クハ5723も幕を動かし分割特急に。5000系が優等をバリバリ張っていた頃は知らないので新鮮な眺め。

 クハ3719は幕勝負になるとやっぱり不利。誰かが明大前とリクエストしたけど、最近できたからこれには入ってないんです、と。そんな訳で試運転、なんてトリッキーな幕を出す。

 デハ6438に戻るとヘッドマークが変わっている。79tK 快速 新線新宿 で陣馬というのは何だか訳が分からないが、こういう組み合わせがリクエストの醍醐味ではある。

 通勤急行が現れた。92年のダイヤ改定で無くなった種別なので、私自身も見た事は無い。準特急が出来た時に種別幕からも消えたから、しっかりと眺める機会、今まで無かったと思う。

 お隣のデハ2015は京王よみうりランドゆきに代わっている。相模原線が小刻みに延伸し始めた1970年代に戻ったかのようだ。

 さらに隣のデハ2410は更に時代が遡って1950年代の様相を示している。
 この場の主役はデハ6438。種別、行先も豊富で取り付くヘッドマークも多いので、やはりリクエストも多い。

 急行 府中競馬正門前ゆき。で、しかも、陣馬のヘッドマーク付き。

 準特急 高尾ゆき。

 通勤快速 若葉台ゆき。

 準特急 北野ゆき。という調子。
 一方、クハ5723にも方向幕がある。こちらもぐるぐると廻る。


 特急 京王よみうりランド。イベント対応の臨時特急とかあったかも知れない。

 行先が無地になるとグリーン一色になる。6000系7000系では無地はアイボリー幕だった。5000系は無地は緑だったか。昔何気なく見ていた可能性もあるけどしっかりと覚えていない。共通化故の現象なのか、ただ単に何も考えずに起きた偶然なのか。その辺は良く分からない。
 5000系は白地に黒字なので夜になると撮り辛いのだが、それでも撮っとく。 

 府中競馬正門前。馬蹄を取り入れた競馬場らしいデザイン。

 府中は○との組み合わせ。

 高幡不動は<>マークとの組み合わせ。

 京王八王子は△マークとの組み合わせ。
 こうしてみると京王では視覚に訴えるサインが伝統的だったのだろうか、と思う。ある種の黒歴史にされてしまったゾーンカラーも、視覚に訴える効果はあった。普段使わないエリアに入ると駅名標の色が変わって、違和感を覚えたものだった。

 こんな調子で20時45分ぐらいまで。ここで終了となる。最後、れーるランドの2階、休憩スペースに戻る。ここでお土産を渡される。

 大きいのはバスマット。京王ライナーの乗車記念カードとそのホルダー。5000系定規、付箋、メガネふき、木製コースター等々。クリアファイルは新5000系が登場した時の写真と8000系が登場した1992年のもの。
 合わせて今後の行程について説明がある。定期列車を乗り継ぎ京王八王子へと移動した後、京王ライナーの折り返しとなる回送列車に乗車する。その行程に関する注意があって移動となる。

 この時間の動物園線。まぁ空いている。1駅、高幡不動まで戻ると次に指定された電車まで少々待ち時間。

 急行系列車ばかりが続くこの時間の京王線下り。急行なんて列車が設定あるんだ、2023年の平日夕方下り京王線は。京王時刻表も絶えて久しいし、わざわざ東京時刻表を買う程でもないので、今のダイヤの妙は分かっていない。

 7701Fがやって来る。急行 京王八王子ゆき。

 2番線に各停高尾山口ゆきが来る。夕方、高幡不動検車区で検査を受けていた7722Fが営業に戻っていた。

 3番線に京王ライナー9号がやって来る。府中から西は座席指定券無しで乗車可能。割と空いていて座る事が出来る。京王八王子まで行く。ここからが回送電車乗車となるのだが、一度降りるよう指示されている。 

 回送表記になった9733F。京王八王子から新宿へと戻り、新宿23:00の京王ライナー13号になるのだが、こちらに乗車する事になっている。で、乗客が降り切った所で係員から合図があり、ツアー参加者が車内に戻る。全員乗車したところでドア閉め。ここからが回送電車体験となる。この後の説明によると高幡不動までの間に車内放送体験があり、その先は車内消灯して新宿へ向かう。新宿に着いたら改札の外まで誘導があってそこで解散。ホテル宿泊プランの人はそこから京王プラザホテルの人が誘導するそうだ。


 新5000系の車内をまじまじと見るのは初めてである。言葉で示すと転換クロスシート、になるのだろうけど雰囲気はだいぶ違う。8000系の改装車、9000系とも雰囲気の違うモケットは差別化につながっているだとは思う。京急のLCカー、1891編成が

 割と一般車両と近いモケットで揃えているのと作戦が違うのは興味深い。

 こちらは車端の3人掛けのロングシート。3人掛けの真ん中は損かも知れないけど、肘掛があるのは特権か。飛行機でも新幹線でも肘掛はB席のものだ。
 回送電車は京王八王子を出てゆっくりと上ってゆく。車内放送体験が始まる。例文は渡されていて、それを読み上げても良いし、オリジナルでやっても良いそうだ。初回のツアーでは東横特急をやった人もいたとか。今回は車内放送体験の方を申し込んでいる。やるなら新宿発の特急京王八王子ゆきとは決めている。
 最初に模範演技で車掌経験がある本社の社員がやって見せる。あんまり流暢でなく、終わった後で「後ろで上司が苦虫潰していますけど」なんて笑いを誘う。そうやってハードルを下げた所でツアー客の順番が始まる。
 順番が回ってくる前に反芻。
 学生の頃、サークル棟で部室にいたら、先輩にトランシーバーを渡され、京王線のアナウンスをやってみて、と言われた頃がある。「本日も京王をご利用いただきましてありがとうございます。特急京王八王子ゆきです。途中、明大前、調布、府中、聖蹟桜ヶ丘高幡不動、終点、京王八王子の順に停車いたします」というのを明大前到着の所までやってみせた。そしたらその先輩が大笑いして戻ってきて、サークル棟の入口でボリューム全開にして流していそうだそうだ。出入りする人が怪訝そうに通っていて可笑しくておかしくて、と。
 その時なら「明大前の後は調布に停まります。途中、下高井戸、桜上水、、、、、布田にお越しのお客様はお乗り換えです」の所は詰まりもせずに言えたけど、さて、さて。
 最後に順番が来てマイクを受け取る。何をやります?って聞かれたので京王特急やります、と宣言した後に「本日も京王をご利用いただきましてありがとうございます。特急、京王八王子ゆきです。」のアナウンスを進める。「明大前の後は調布に停まります。途中停まらない、下高井戸、桜上水、上北沢、八幡山芦花公園千歳烏山、仙川、つつじが丘、柴崎、国領、布田の各駅はお乗り換えです。」上北沢、八幡山芦花公園の所が自分は鬼門。無事乗り切るとほっとする。係からは「昔の」京王特急ですねと。昔かぁ。2011年3月11日改定で準特急中心の運転パターンになり、2013年2月22日改定で分倍河原、北野の特急が停まるようになったから、もう10年よりも前の事。色々な事が昔になってしまった。
 最後に鉄道誌でも名前をお見掛けする人が模範演技。これがシーズン休日の分割特急というまたトリッキーな奴だった。さすがに本職で滑らか。緑の吊り輪高尾山口ゆき、という所では緑の吊り輪、実物が出て来る。
 高幡不動で時間調整があった後、出発。ここで照明が消える。

 ほぼ真っ暗になる車内。夜間なのに外の方が明るく見えるという不思議な経験をする。

 府中停車中に車内を撮ってみたが、見た目の印象より明るくなる。実感としては
 
 こんな感じの中を走る。調布の地下線に入るとトンネル内の設備が分かりやすく見える。調布駅の手前で最徐行となったからしっかりと眺める事が出来る。これも夜の回送電車ならではの光景。信号が青となり調布地下駅が流れてゆく。
 昼間も見た高架化への工事現場を見つつ東に。明大前で車内、復灯する。座席の向きをこの先、新宿からの営業に備えて京王八王子向きに揃える。新宿に向かっては逆方向となるが、回送電車への便乗故、やむなし。
 このまま新宿まで、の筈が再び灯が消える。そして、笹塚からの地下線、ダイヤが許す限り徐行するとの事。そうやって初台の旧駅を見せてくれる。地下の中で上下線が寄って来ると速度を上げる。
 新宿22:55。1番線到着。折り返し京王ライナー13号の乗客が待っているのであり、早々に降りると改札外まで誘導。最後に京王本社、京王観光から挨拶があり、ツアー参加者の拍手で締めくくられた。
 23時前に新宿で解散。調布に戻る。ちょうど23時に電車があるのでそちらに乗るが非常に混んでいる。コロナが明けて京王も随分と混雑するようになったのか、と考える。そういえば今日は金曜日、お酒を飲んで帰宅する人も多いに違いない。と思ったのだが、今日は中央線のダイヤが乱れていて、京王線に流れて来た人も多いらしい。
 笹塚、明大前と少々お客さんが増えて千歳烏山で楽になる。調布についてみると23時20分だったか。また一日乗車券で少々やり取りがあったが、それもこれでおしまい。ホテルに戻る。
 ビールを買ってきて部屋で飲んだが、頭が冴えてしまって眠れない。酒を買い足したりする間にすっかり遅くなる。

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