日曜日。今日は休みなのだが、珍しく出掛ける予定を入れている。朝早め、と言っても昨日の出勤みたいな感じで起き出して朝食と身支度。洗濯も済ませたのは立派。8時半過ぎに夫婦そろって出かける。
 出かける、と言っても都心まで出る、とかではなく、すぐそこの黄金町にある映画館。ジャックアンドベディというところ。
 横浜の街というのは色々な物がコンパクトに揃っているのがありがたく、少々マニアックな映画ばかりを選んで上映するような、いわゆる街の映画館的な所も、自宅から歩ける範囲にあったりする。
 映画なんて機内で見るぐらいで、わざわざ足を伸ばそうと思う機会、普段はほぼない。昨年はローカル路線バスの旅が映画になって、これは見たかったのだが、神奈川県内では川崎で上映があっただけで結局、映画館では見なかった。年末にテレビで放映しているのを録画してみるに留まっている。


 20分少々歩いて黄金町と日ノ出町の間、ガラの悪い所にある映画館へ。吸い込まれてゆく人が多く、切符売り場にも結構な行列が出来ている。
 普段足を運ぶことのない映画館への引力、となった映画が湾生回家という台湾映画。この映画でいう湾生、というのは台湾生まれの日本人、の事を差している。台湾で生まれ育ち、敗戦で台湾から日本に引き上げる事になった日本人が故郷の台湾を懐かしむ様子を描いたドキュメンタリー。
 前にも一度触れたが、自分の母親は当時日本領だった台湾で生まれて小学校入学前に引き揚げてきている。つまりこの映画で言う湾生。映画で出てきたのは台湾東海岸花蓮、だが、母親の場合は花蓮の南側、玉里、という所。ここへは一度、訪れたことがある。日本家屋が残る穏やかな街であった。
 湾生として出てくるのは母親よりも一回り上、と言って良い世代。多感な頃に過ごした土地は、一生ついて回るよね、と確かに思う。劇場の大きな画面に、様々な人の生き様と時が重なり合って、時間が過ぎるのを忘れる。母親の口からきいた話と混ざり合い、他人事とは思えなかった。
 ちなみに上映は2月3日まで。1月27日までは朝9:15から。1月28日以降は17:30からとなる。
 2時間の映画が終わるとまだ11時過ぎ。伊勢佐木の方へと足を伸ばす。妻に言われて眼鏡を新調。その待ち時間にお昼になる。そういえば今まで行ったことが無かったと丸亀製麺に脚を伸ばしてみる。
 はなまるうどんの方は縁があったけど、丸亀は初めて。

 そんなに変わらない気がするけど。
 午後帰宅。朝が早かった分、時間はたっぷりある。今週一週間、手付かずの恥辱を片付けて夜まで。