朝、適当な時間に起き出した。旅先の札幌、中島公園にほど近いホテルの一室。週末を使っての北海道滞在。やりたいことが山積みでカツカツに予定が入っている、訳ではないので朝はいつも以上にのんびりと過ごす。適当に付けたテレビは東京の物と変わらず、自宅で迎える朝みたいだ。
 ホテルのチェックアウトは11時。ギリギリまで滞在。今日は17時の飛行機を予約している。適当に札幌で過ごしてから空港に向かう事にする。
 朝食がまだなので、早いお昼もかねて近くにある人気ラーメン店に脚を伸ばす。中島公園の辺り、宮脇俊三先生の時刻表2万キロ、で札幌でホテルが見つからずにタクシーで2時間探し回った挙句にラブホテルに泊まった件で出てきた界隈だ。その中で触れらていた札幌パークホテルの草臥れたけど立派な構えと、ラブホテルらしい建物、元ラブホテルと思しきビジネスホテルが幾つかと。鉄道に乗っていると、時刻表二万キロで触れられた場面に遭遇する事が、たまにある。けど、街中でそんな場面に遭遇するのは珍しい。

 そのラブホテルに近い所にあるラーメン屋に入る。11時開店だが既に行列になっていて、建物の中だけど、しばらく待たされる事になる。人気店らしくて、壁一面、天井一面に有名人のサインが張ってある、そんな店だ。
 待たされる、と言っても段取りは良い。行列に並ぶうちに注文を聞かれる。食べる物がラーメンだから回転も早い。10分少々で席に通され、待つほどもなく

 味噌ラーメンが供される。3人ぐらいで回しているようだけど、小気味よいタイミング。味は味噌の王道。
 ホテルにいったん戻って荷物を回収。寄り道をしつつ札幌駅を目指す。まずは昨日眺めた市電の延伸区間を乗ってしまいたい、という自分からのリクエスト。地下鉄の駅を通り過ぎると市電の走る通りなのでそちらへ向かう。
 ホテルの近くには無かったセイコーマートに寄り、久しぶりに特徴的な品ぞろえを眺めたりしてから、

 市電の電停に。タイミングよく電車を撮れたが、逆にいうとタイミング悪く電車に乗れなかった、と言う事。

 反対側へ向かう外回りの電車を見送る。札幌の市電。環状線になったので内回り循環、外回り循環という言い方に変わっている。札幌市街の中心軸と思われる南北線の駅から外側に歩いてきたのに、地下鉄に近い方の線路が外回り、というのはちょっと感覚と合わないが、慣れている人しか乗らない電車だから、まぁ良いのだろう。
 数分で次の電車が来る。座れない程度の混雑ぶり。電車に揺られてすすきのまで。ここから先が未乗区間。昨日歩いた通りなので、どんな所なのかは知っているが、冴えない所を走ってきた札幌の市電がいきなり繁華街に入り込むのは、新鮮な光景だ。
 西四丁目の電停は新線区間に移設されているので、一つ先の西八丁目まで足を伸ばす。

 昨日焼き鳥という名の豚を食べた辺り。札幌に着いてから同じような所をぐるぐると廻っているように思える。
 次の目的地は妻のリクエスト。少し歩いて、道庁の裏を更に北上。札幌駅にほど近い所までやって来る。

 あるビルに六花亭の看板。帯広の菓子屋、六花亭が北海道の中心、札幌に構えた札幌本店である。六花亭、近隣の百貨店にいくらでも入っているけど、ちょっと駅から離れたここまで脚を伸ばす人は、どれだけいるのだろう。

 ただ、本店を名乗る事だけあって、帯広本店でしか扱っていないサクサクパイを売っている。食感を楽しむため、賞味期限が3時間、と設定されている商品だ。
 その食感を楽しんだ後で妻の買い物にお付き合い。妻の実家へのお歳暮に菓子詰め合わせをお買い上げ。自分の実家は菓子は食べ切れないから、六花亭から大丸の食料品売り場にいって、本場の昆布を選択する。
 時刻は14時になった。少し早いが空港に向かう。昨日の帯広駅とは比べ物にならないほど賑やかな札幌駅。上野、大阪への長距離列車を喪った5,6番ホームに立つ。ホームは人だらけ。6番線にはトマムから臨時特急が到着。折り返しのトマム行きになる列車に並ぶ行列が出来る。5番線は新千歳空港への快速エアポートを待つ行列。大きな荷物の人が目立つ。この時間は空港利用客が大半らしい。総延長2000?の鉄路をわずか44?の空港路線が稼いで支える構図。
 座れない快速で新千歳空港まで。15時前に空港着となる。まだ出発までは2時間。
 先に搭乗手続き。クーポンを持っているのでファーストクラスにUpしたかったのだが、空きがないそうで、キャンセル待ちになる。身軽になった所で、妻の買い物に付き合ってから制限エリア内へ。まだ外は明るい時間だが、出発を待つ間に暗くなった。