北海道三日目の朝。札幌駅前のホテルで迎える。カーテンの隙間から明かりが差し込む。7時過ぎに緩々と起き出した。
 
 外は透き通った冷たい光が差し込んでいる。寒そうだが、気持ちよい朝だ。
 今日で最終日。夕方、千歳からの飛行機を予約していて、それまでフリー。半日、札幌で適当に過ごし、早めに千歳に入るつもりでいる。
 まずは朝食。今日はホテルの朝食を付けていないので外に食べに行く。妻は石屋製菓が出したカフェに行きたいと仰る。最近できたそうだ。場所は大通との事で札幌駅前から少々歩く。地下を歩いたほうが寒くなくて良いのだろうが、地上を歩く。
 
 北海道庁の前。銀杏並木はすっかり葉を落としている。当たり前だが季節が早く進んでいる事を実感する。
 大通公園も静まりかえっている。カフェは地上では無くて地下。秋田銀行のある所。
 
 カフェは地下にあった。まぁ地上は人通り少ないからなぁ。
 60席近くはある店だが日曜日のまだ9時前。お客さんはちらほらとしかいない。モーニングのセットを11時まで扱っているのでそちらを注文。
 
 サラダサンドのセットが412円。まぁファストフード的な感じに頂く事になる。近くのテーブルでは製菓、らしいパンケーキを食べている人も居る。ちなみにアルコールの扱いもあるのだが、さすがに朝の9時だから、そこまではちょっと。
 こんな店があったらチェーンのファストフード何て流行らないよねと観光客は思うわけだが、地元の人のとらえ方は、また違うのだろうなぁ。
 さて、適当に札幌駅方向へと戻る。
 
 街の中、JRバスの姿を良く見かける。珍しいと思って撮っているとキリがないぐらいにくる。調べてみると札幌市交通局から営業所ごと移管されたかららしい。
 
 時計台の前を通りかかったので、つい一枚。ここはさすがに観光客がちらほらいて、思い思いに写真を撮っていた。
 札幌駅前に戻る。あと30分程で、百貨店が10時の開店を迎える時刻。妻が並んででもぜひ買いたいものがあるそうで、大丸の開店に並ぶことにした。
 目的は昨日も訪れた北菓楼。目的はシェフのおやつ、という名前の商品。平たくいうとバームクーヘンの端っこで、本来ならそれこそ店の賄いか何かになりそうなものが人気なのだそうだ。バームクーヘンを作らないとその端っこは出来ない訳で、日によって入荷数が違うのだとか。
 大丸の入口に着くと、案内の係員がいて、整理をしている。今日は限定10個、かなり少ない方らしい。無事に受け付けて貰えたが、もう二人、一人、と来て開店20分前には
 
 完売御礼となる。
 決して高いものでは無い、かつ限定10個しかないのに係員が出て対応するとは結構大変だろうが、そのあたり偉いなぁと思わないでいられない。
 10時の開店で案内されて無事商品を手に入れる。そのほか少々買い物に付き合い、荷物が大きくなった所でホテルに戻る。時刻は10時半過ぎ。
 今日のホテル、12時まで滞在できる。だいぶ増えた荷物を片付け、チェックアウトの準備。そして自由に使えるラウンジに
 
 先程買い求めた菓子を持ち込んでコーヒーを頂く。
 12時ちょっと前にチェックアウト。札幌駅を15時ぐらいに出るつもりなので、もう少し時間がある。時刻的には昼食だが先程食べたばかりでもう少し後でも構わない。そんな訳で、時間つぶしに札幌市電に乗ってみる。
 荷物をホテルに預けて再び大通方面へ。路面電車大通公園にほど近い西四丁目の停留所からぐるっと市内を回り、すぐ近くのすすきのの間を走る。ほぼほぼ一周と言って構わない路線であり、どちらから乗っても同じようなもの。
 
 
 そんな近くて遠い二つの停留所を線路でつなげる工事が進捗中。西四丁目の電停の先、アスファルトがいかにもという感じでカーブしている。これから線路を引く筈なのでどういう手順なのか分からないけど、ついつい写真を撮ってしまった。
 
 
 すすきのから電車。10人ちょっとを乗せて街中をゴロゴロと走り出す。三つ四つぐらい停留所が過ぎたあたりからどんどん人が降りてゆき閑古鳥が啼くようになる。それも束の間、電車が南から西へと向きを変えると今度はお客さんが乗って来るようになる。西から北へと向くと席が埋まるようになった。今度は立ち客が増えてゆく。
 案外と電車が使われていると言う事が良く分かった40数分。電車は先程の西四丁目に着く。
 
 折り返しの電車にたくさん人が乗って行くのを眺めて停留所を後にする。乗っている間は楽しかったがその間に時間が過ぎて、札幌の時間は1時間半ほど。そろそろ昼食にしよう。
 何となくスープカレーを食べる事にして適当に店を探す。2年ぐらい前の初冬にこの辺りでスープカレーを食べた記憶があるが、今度は別の店を探す。探す間に、地下の入り口に看板が出ているのを見つけて入ってみる。
 
 冴えない店構えだったが結構混んでいて待たされる。調べてみると結構な人気店だったようだ。
 
 基本のチキンカレーを頂く。辛さは控えめにしたけど、食べている間に体が段々暖まって来るような辛さ。混んでても食べる価値のある店だったと思う。
 さてそろそろ時間切れ。ホテルで荷物をピックアップして空港に行こう。
 
 路面電車の走る通りにでる。札幌らしい丸みを帯びた優雅な電車が走って行くのを横目に駅前方向へと足を進める。 
 
 時計を見ると14:52。案外と時間が押している。ホテルに戻って預けた荷物を受け取る。ホテルの前、新千歳空港ゆきのリムジンバスが止まっている。1000円ちょっとで必ず座って行けるから非常に魅力的なのだが、所要時間が80分と聞いて諦める。駅へ向かう。
 
 札幌駅構内、見慣れない電車がいる。733系というらしい。最近の動きはどうも頭に入っていないから、旅先で予備知識なしに突然出会う車両ってのも増えて来た。
 快速エアポートがやって来る。旭川からの直通列車。1両短く座れない事が多いので避けたい列車なのだが、避けたいと思っていると当たってしまうのは不思議だ。幸い二人並んで座れる。座ってしまえばやはり楽で40分弱で新千歳空港まで運ばれる。
 どこの観光地もシーズンオフらしく空いていたが、新千歳空港だけはなぜかなぜだか人が多い。自分たちが観光ルートから外れていただけなのだろうか。とにかく空港の混雑ぶりだけは尋常ではない。
 空港自体は混んでいるが、搭乗窓口は空いていて、荷物を預けるのは即完了。こうしてみると搭乗客で混んでいるのではなく、空港自体が観光地化しているのだろう。少し買い物に付き合ってから、17時過ぎ、保安検査を抜ける。保安検査も空いている。 
 
 少々間があったからラウンジに寄る。ビールはサッポロクラシック。つまみにはベビースターが用意されていた。ファミリーマートとの提携でファミマのプライベートブランド商品をラウンジに置いた、みたいな話があったと思うが、期間限定だったような。羽田でも見ていないしなぁ。