まだ薄暗いころに目覚める。クアラルンプールの朝は遅い。時刻は5時半過ぎ。夜明けはしばらく先の事。
 起きて身支度、出かけられる所までは作っておく。まだ早いので少々恥辱を進めておくと、外が明るくなってくる。

 7時を過ぎて明るくなる。そろそろ食事を取りに行く。


 どうしても代用品という目で見てしまうチキンソーセージなるものが並ぶ朝食。

 昨日とだいぶ違う面子を頂く。〆にコーヒーと果物。普段自宅で食べない果物も外で並んでいると何となく手が出る。
 自室に戻り、少々身支度。今日はホテルをチェックアウトする。昨日抑えたKTMインターシティー、というか電車特急はETS、というそうだが、それに乗る。KLセントラル駅の出発が9時。

 昨日買い求めた切符には30分前には来てね、的な事が記されていて、わざわざマーカーで協調して渡されている。とは言え、忠実に守っても仕方ない事は、全開の乗車で分かっているので、30分前にホテルを出るぐらいのつもりで動いた。
 ホテルを離れ、朝ラッシュの中、駅へ歩く。昨日と同じくKLセントラルの駅、改札口、改札口の前を通ってKTMインターシティーの乗り場へ向かう。GATE Bと切符に押されたスタンプは改札口を示している。そのゲートBへ。

 反対方向。南行きの改札口のように見えるけど、ここで良いらしい。

 クアラルンプール-ペナンが4時間以下になんてポスターが張り出されている。ペナンと言ってもバタワースであり、若干の上げ底感は無くは無い。あるけど、ペナン州なので良いのかもしれない。
 ペナンまで行くのに今までの時間に不正確な客車列車だと物好きしか乗らないだろうが、4時間掛からないなら、電車でという人も居るだろう。ちなみに飛行機だとフライト時間で1時間ほど。前後合わせると3時間少々という所だろうか。

 改札にはEG9302、なんて案内が出ている。これは8:30に出たイポーゆきの筈。写真を撮っていたら係員が緩々と案内を入れ替えた。

 EP9232、バタワース行き。電車特急のETS、どういう訳か4ケタ9000番台の列車番号が割り当てられている。日本人からすると、9000番台、臨時列車の印象が強すぎるが、一応は定期列車の筈。

 この先、9時から11時までの間、バタワース行きとパタンブザール行きが2本ずつ、設定されている。結構な頻度だ。KTMの気合いを感じる列車の設定。

 その気合を思うと、列車を待つ人の数は少々寂しい。100人いかないぐらいだろうか。もう少し人が集まるのかも知れないけど、今のところは閑散とした車内が思いやられる状況だ。
 LRTの電車が頻繁にやって来るのを眺めていると、8:40を少々過ぎて、改札開始となった。なかなか時間に正確である。改札のロープは外されたけど、切符のチェックがある訳ではなく、そのままエスカレータへホームに降りる。ホームの位置はKTMコミューターと同じレベルであり、改札口が高い分だけ、インターシティーの方がエレベータがより深くまで降りてゆく感を覚える。

 ホームに降りると昨日、クアラルンプールの駅で見かけたイポー行きとは違う、真新しい電車が出発を待っている。宛がわれたのは最後尾の1号車。キャリーバックを転がして一番後ろまで。

 滑らかな車体の持ち主がそこに佇んでいる。暗いホームに置いておくのが勿体無く思える。しばらく眺めていると、

 隣のホームに9:30出発、パタンブザール行きがやって来る。30分後に出発となる9208列車である。3年前にバタワースからバンコクまで夜行列車に乗ったとき、マレーシア国内の線路が相当改良されていて、複線電化の工事も物凄い勢いで進んでいたことを思い出す。
 車内に入る。

 2-2列で並ぶリクライニングシートは向きが固定の集団背反式。半分が進行方向を向き、半分は進行方向に背を向ける。一部は4人向かい合わせになっている、というもの。宛がわれた席、一番デッキよりの進行方向に背を向けた席であった。少々落ち着かないが、座る。廻りは数人が座っているだけ。乗車率でいうと20%行かないぐらいだろう。前方に少々。後方に少々という感じで、どういう売り方をしたのか、正直良く分からない。
 車内のモニタにイポー経由バタワース行きのスクロールが流れている。イポーまで停まらないのか、と思いつつ宛がわれた席に落ち着く。間もなくドアが閉まる。

 9:00定刻に列車はKLセントラルを離れる。定刻である。KTMは変わった。本気でそう思う。
 列車はゆっくりと錯綜する線路を踏みしめる。まもなくクアラルンプールの駅。歩みを止めるとドアを開ける。おや、イポーまでノンストップでは無かったのか。まぁ歴史ある駅に敬意を表すのは悪くない。1号車への新たな乗客はおらず、間もなく列車はドアを閉める。バタワースに向け4時間以内の汽車旅が始まる。
 早々に検札があって切符を示す。窓外、生い茂る草木の向こうにクアラルンプールの高層ビル群が逆光の中、流れてゆく。写真を撮ってみるが逆光すぎて、どうにも絵にならない。仕方ないので席を移ってみる。暫く停まらないみたいだし、問題ないだろう。
 バトゥ・ケーブスへの線路が右手へと別れてゆき、次いで近寄って来る。ここから先は未知の世界。バタワースまでの間。正確に言うとバタワース近郊の まで、西海岸線が未乗で残っている区間。クアラルンプールからペナンに向かうのは何だかんだと3度目になるが、前の2度はどちらもKLIAからクアラルンプールには出ないで、そのまま飛行機でペナンまで飛んでしまっている。
 クアラルンプール近郊のこの区間KTMコミューターと混ざり合って走るので、速度はあまり上がらない。歌って踊るインド映画がモニタで流れる下の方に表示される現在の速度は90?/h少々。

 車窓は穏やかなというか田舎感があふれているが、ビルも家も線路には背を向けるので、車窓に見える景色は林か何かの中かな?と思いがちになる。実際には郊外の住宅地、という所であり、

 時折高層住宅が顔を覗かせたりもする。
 クアラルンプール近郊。列車の速度が緩む。頭を抑えられたようで、しばらく閊えた後で、速度が上がると駅が現れる。KTMコミューターが待避線にいて追い抜き。速度が上がる。
 そのぐらいの頃に、車内サービス。

 あまり愛想のなさそうな茶色い紙袋を渡される。

 中身はクッキーとチョコレート菓子、それにミロ。マレー風にいうとマイロ、になるらしい。切符の券面には「Meal N」と記載があったが、実際には茶菓、ぐらいの扱いなのだろうか。そういえば2009年にクアラルンプールからシンガポールまで乗ったときも、少々の飲み物とお菓子ぐらいは出してくれたような記憶がある。
 ひとまず空腹ではないので貰いものは取っておく。空いた車内、PCを出して遅れ気味の恥辱を進めておく。車内にはコンセント口もあって、電源が使える。このコンセント、バネの入った蓋が付いていて、常に閉まろうとしてしている。その蓋がケーブルに当たって、アダプタ付きで使おうとするとちょっと具合が悪い。難点ではあるのが、電源がないよりはずっといい。
 9:28、363㎞を示すキロポストが見える。クアラルンプールから27km。ここまでは速度は緩い。駅に停まるがドアが開かない。信号停車という案内がマレー語と英語である、10分近く停まって、上りのKTMインターシティーがやって来たところで出発となる。駅名表にはKUANGと見える。その後はさすがに速度が上がる。相変わらず続くインド映画の下側に100km/h前後の数字が表示されるようになる。

 遠くまで人工物が見えそうにない景色が広がりだす。クアラルンプールからそこそこに駆けて、途中休んで、また駆けてでそろそろクアラルンプール近郊も尽きたかな、と思える景色。駅が現れてRawang、電留線が流れる。近郊区間もここまでかな、と考える。
 列車は速度を上げてゆく。100km/hから120km/hの間を行き来しつつ快調に走って行く。クアラルンプールを発車して1時間で326㎞のキロポストが見える。ここまでだと表定時速、70㎞/hを切る程度。ちょっと物足りない走り。
 車内、ごみの回収が廻る。この辺りはKTMインターシティーの時と一緒だ。

 列車は時折、時速130km/hを越えるようになる。どこかの駅でKTMコミューターの姿を見かける。ずいぶんと郊外まで足を伸ばしているもの、と感心する事になる。昨日勢い余って終点まで、なんてやっていたらクアラルンプールに帰るのが大変だっただろう。
 ふと思い立って席を立ち、売店コーナーを覗いてみる。特にがら空きの1号車から2号車、3号車へと進む。こちらは3割ぐらいの入りだろうか。外国人の姿がパラパラと。タイでも列車のお客さんは外国人が目立つ。
 3号車のバタワース寄り、1/4ぐらいに売店があってちょっとした椅子とテーブルもあるから、ビュッフェと言って良い風情。

 メニューが出ている。セットメニューは7〜9リンギット。街中に比べると少々割高感はある。

 カウンタにはサンドイッチやらナシゴレン的な食べ物が並んでいる。
 係員がいないなぁと思ったら、椅子に座っていてコーヒーか何かを飲んでいたムスリム娘が係員らしく、席を立って応対してくれる。食べ物を食べる気はしないが、折角だからコーヒーを買う。取りあえずメニューで外さなそうな白珈琲を注文してお持ち帰り。

 2.7リンギット也の白珈琲。新幹線で300円だしてコーヒーを飲むのと感覚的には一緒。1リンギット100円の感覚でやはり正しいようだ。

 窓外に集落が流れて駅が現れ、電車は思いっ切り通過してまたプランテーションへ。思い出した頃に停車すると信号停車の旨、マレー語と英語で自動放送が流れる。複線の筈で走りながらのすれ違いもあるのだが、たまに信号停車して、クアラルンプールに向かうらしいETSとすれ違う。

 ヒンズー寺院らしい塔が見えて速度が緩むとイポーに到着する。何度か信号停車はあったが、客扱いをするのはクアラルンプール以来。ここまで2時間17分で走っている。

 元々空いている1号車から降りるお客さんは姿が見えないが、ホームを覗いてみると多少は降りる人がいた様子。
 イポーの駅は歴史ある建築物で駅自体が名所になっているそうだが、ホーム越しにはその立派な建物は良く分からない。座っている所から見えるのは駅裏だけなので、街の様子も良く分からないまま、発車となる。まもなく車窓を

 先代のKTMコミューターの車両が流れてゆく。状態は良くなく、明らかに放置されているのが分かる。この車両たち、導入してから20年少々らしい。メンテナンスさえしっかりしていれば、もう少し活躍できそうだが。
 クアラルンプールを出て2時間以上。プランテーションの中をずっと入って来た電車。流れる景色を眺めるのが好きでも、多少の変化がないと少々飽きる。その気持ちに答えてくれたのか、

 窓外をセメント工場らしい大きな工場が流れて行った。クアラルンプール近郊では工業団地らしい景色も見えたのだが、工業の匂いがするのは久しぶりの事。そして現れたのがセメント工場と言う事は、

 この辺り、山がちの中を進む事になる。ちょっとした丘陵、という風情ではあるが、変化には違いない。延々続くプランテーションを眺めた後には良いアクセントになる。

 時折集落が現れるのも良いアクセントだ。
 11:34、車窓を142㎞を示すキロポストが流れて行った。クアラルンプールが確か295㎞ぐらいだっと思うから、ここまで150㎞少々。まだ半分少々と思うと長いが、速度は140㎞/hになっている。イポーまでは時折入った徐行や信号停車もなく、列車は快調に飛ばしてゆく。
速度が緩んでTaiping到着の案内。11:59にドアが開く。降車少々。乗車は無い様子。
 駅の構内。ホームの向こうに何やら見慣れた機関車の姿を見かけて驚く。

 柵越しで非常に申し訳ないのだが、日本のDD51が2両、停まっているように見える。日本人の目にはどう見てもDD51にしか、見えない。
 日本で用途廃車となったものを東南アジアのどこかに無償提供したとか、そんな記事をどこかで見た覚えはあるのだが、どうやらその馴れの果てらしい。
 今まで見てきた通り、電化されて電車列車が走るマレー国鉄西海岸線。そこのどこに中古のディーゼル機関車が活躍する場があるのか分からないけど、来たからには頑張ってほしいものだと思う。できれば走る姿を見てみたい。
 列車は再び140km/hの巡航に入る。邪魔するものがないからか、Ipohを出てからは、本当によく走る。12:12、車窓を66㎞のキロポストが流れた。クアラルンプールから220㎞程走って来た事になる。平均時速は70㎞/hを越えてきている。最後の38分で76㎞を駆けているから、ここだけ取り上げると平均は100km/h越えだ。

 窓外には水辺が広がっている。沼か何かかと思ったら延々続くから湖と言って良いレベルの大きな水辺。手元にはガイドブックのマレー全図しかなく、どんな所を走っているのかさっぱりなのが悔やまれる。今度乗る時はもう少し詳しい地図を用意しなくては。

 水辺の後は久しぶりに造成地。クアラルンプールを出てからずっと人気の少ない所を走っていたが、Ipohから北の方がむしろ人の活動を感じることが多くなっている。
 12:24、PARIT BUNTARに到着。降車も乗車も無かった様子。すぐに発車となる。暫く街中を行く。5階建てぐらいのマンションが見える。クアラルンプールの高層住宅以来の高い建物だ。たまたま目に入らなかっただけかも知れないけど。
 12:35、20㎞を示すキロポストが流れてゆく。何時の間にかバタワースがすぐそこまで近付いている。ふと反対側の車窓をみるとイオンの大きなショッピングセンターが遠目に見えた。北上にした時に見かけた店かも知れない。自分の座る側には水田が見えている。マレーシアでは殆ど見かけない珍しい景色である。
 一瞬、反対側の線路をKTMコミューター、3両編成の旧型車が流れて行った気がする。回送の類か営業しているのか、その辺はさっぱり分からない。そして列車はMUKIT MERTAJAMに到着する。

 ホームの向こうに国際コンテナを載せた貨物列車が停まっている。間もなく発車。バタワースはもうすぐ先。
 もう飛ばす必要もないのか、淡々と流すように走って行くと窓外に港が現れる。

 クアラルンプールを出て以来、初めて車窓に海が見えた。もしかすると西海岸線全体でもウッドランドのジョホール水道以来かも知れない。
 線路が幾重に広がる。今までとはけた違いに大きな駅が現れて、終着のバタワースとなる。時刻は12:52。時刻表通り、定刻だ。


 6両の電車から降りる人は数える程であるのが残念だが、290㎞、4時間以下を走って定刻。これは立派だ。
 そしてこの時間。バタワースとバンコクを結ぶ35列車、36列車の発着を控えている時間である。朝クアラルンプールを出るとバタワース乗り継ぎでバンコクまで1昼夜で行けると言う事である。そう思うと、インドシナ半島の鉄道も早くなったなぁと思う事になる。
 前回、2013年に訪れたバタワースの駅はいかにも仮駅という感じだったが、2016年のバタワース駅は小さいながらも整えられている。

 橋上駅舎、そのホームの上に待合室と出札口。今、改札にいる人たちはクアラルンプール行の人か、それともバンコク行きのお客さんか。
 さて、駅からジョージタウンへ向かう渡船の桟橋に向かう。

 2016年のバタワース駅。ちなみに、

 2013年のバタワース駅。

 駅からひょろっと港へ伸びる貨物線の様子は3年前と変わらないようだ。
 バタワースから対岸のペナン島ジョージタウンへの航路。前回、ジョージタウンからの乗船は無料であった。というのもお金を払うのはバタワースからの乗船時のみ、という不思議なシステムだからである。
 今回は、バタワースからの乗車なので有料、1.2リンギットとなる。コインしか受け付けないので、両替所で両替をしてから、改札機にコインを投じる。3年前の復路分も含めての1.2リンギットをお支払い。

 長い桟橋を渡り、船へと向かう。鉄道と渡船。切符は別々だし関係は無いのだろうけど、鉄道連絡船と言いたくなる。
 さて船へ。

 甲板には自動車と徒歩のお客さんが混在している。本土とペナン島の間は橋が2本掛かっているけど、中心地同士を結ぶ渡船を利用する車もまだまだ多いようだ。

 まもなく、出港。鳥が羽を休めてなかなかの雰囲気だが、これ、烏なんですけどねぇ。

 船はゆっくりと対岸のジョージタウンへと近づいて行く。小さく見えていたコムタが少しずつ大きくなるのを眺めつつ15分程。

 15分ちょっとでジョージタウンのジェッティに到着する。正確にいうとウェルド埠頭というけど、桟橋、の意味のマレー語の方が通りがいい。ここを発着するバスもJettyと行き先表示される。
 ジョージタウン到着。降りるのは人が先。歩いてバスターミナルに向かう。今日はジョージタウンの中華街にホテルを取っている。移動には中心地を巡回する無料バス、CATに乗って向かう。
 RapidKLの子会社であるRapid Penangのバスに乗る。

 この辺かなぁと思える所でバスを降りる。

 見覚えのあるジョージタウンの街並み。空は雲が出ててもそれなりに暑い午後2時。荷物を引っ張りゆっくり歩いて少々。

 元日本人街、現中華街のシントラ通りにあるホテルに着く。今回はヘリテージホテルにしてみた。ホテルにチェックイン。民家を改装した家は、間口が狭いものの奥が広く、中庭もあって、なかなか良い雰囲気。
 今回はというか今回も、安い部屋にしている。

 しょぼい部屋なのだが、

 格子をあけると雰囲気が変わる。

 外はこんな感じで中庭が見えている。
 そして部屋の中、こんな古い写真が飾られている。

 さっきバスを降りた交差点だ。街を行きかうのはトロリーバス。こんな時代があったのかと感心する。
 ペナンの滞在は明日まで。手元の財布と相談して少しだけ両替をしておこうと、インド人街の方へと歩いてみる。先程バス停からホテルまで歩いてきた道をそのまままっすぐ進めば、比較的近い所に出る筈である。
 華僑の出す店が立ち並ぶ道を進むと、

 カピタンクリンモスクの玉ねぎ頭が見えてきた。概ね、思ったようなところに出た事になる。
 交差点の角にあった両替商で5000円だけ両替。187リンギットだったか、そのぐらいになる。空港よりレートが良い。
 さて、お昼ご飯がまだなので、どこかで食べようと思う。来た道を戻ると中華系の店が何軒か。そのうちの一軒に入ってみる。

 喉が渇くのでビールを頂く。ハイネケンの小瓶にしてみた。

 汁無しのワンタンメンを頂きながら、この後の予定を考える。時刻は14時半過ぎ。暑いさなかであり、外を歩きまわる気にはなれない。それなら前回来た時に休館日だったペナン博物館を見て行こうかと思う。
 移動開始。バスに乗る程の距離でもないので、ゆっくり歩く。

 セントジョージ教会を眺めて、ペナン博物館へ。すぐ隣りなのだが気づかずに遠回りしてしまう。少々体力を使ってしまった。

 そんな訳でペナン博物館に到着。

 博物館の軒先にケーブルカーらしい車両が保存されている。どうやらペナンヒルのケーブルカー、初代車両らしい。
 入場料1リンギット。館内は撮影できないそそうなので、写真は無し。ペナン島を織りなす各民族とその文化の紹介。中には日本人の話しも出てくる。明治時代には日本人街が出来た話。戦時中の占領の話に、現代は企業の駐在員が多いですなんて解説文も出ている。
 もちろんメインはペナンの三大勢力、華僑、印僑、マレー人の文化や風習に関する展示。そんなものを丁寧に見てまわる。
 見学に30分程。さてこの後はどうしようかと思い、

 やって来た無料バス、CATに乗ってみる。コムタ辺りまで行こうかと思ったのだが、何となく降りそびれ、結局、先程のカピタン・クリン・モスクの裏辺りで降りる。陽射しが強くなり、気温も高いまま。涼しくなるまでホテルに戻ろう。
 ホテルに戻る。部屋にいても良いけど、日本から持ち込んだ小説を一冊だけ持ってホテルと一緒にあるカフェに行く。先客は無く、

 先程、チェックインを受け付けてくれた係にお願いしてタイガーを出してもらう。どこから来たの?みたいな話を片言で交わす。係の男声はフィリピン人だそうだ。文化がミックスするペナンだが、フィリピンの人がいるとは思わなかった。

 日蔭でファンが廻るカフェでゆっくりタイガーを飲みつつ本を読む。久しぶりにまとまった時間を読書に費やす。

 もう一本、タイガーを頂く。さっきもジョッキで出てきたけど、中身はご覧の通りの瓶ビール。ゆっくりと飲んで、18時を過ぎる事、また外に出ようかと言う気分に変わる。もう夕方、多少は涼しくもなっている。
 街をぷらぷら。今まで行ったことがない有名スポット、Red Gardenに足を伸ばす。

 ジョージタウンでは一二を争う屋台街。まだ明るいのでテーブル席は半分ぐらいの入り。取りあえず座る。

 飲み物を取って、好きな屋台で食事なり何らりを頼むと届けて貰えるというシステム。一人だとちょっと使いづらいのだが、満席じゃないから何とかなる。

 今度はアンカーにする。タイガーと同じくシンガポールの銘柄というか同じ会社のものか。大瓶で16.5リンギット

 食事はラクサにした。この屋台。世界のグルメが揃っているのだけど、マレーの食べ物があんまりない。何というか、屋台街というよりもフードコートみたいだなぁと言う気がしてくる。
 しかし、RedGarden。外国人観光客の姿が目立つ。ここでテロがあったらどうなるかなぁと言う事がちらちらっと頭に浮かぶ。RedGardenは早めに切り上げ、別の屋台に行こうかと言う気がしてくる。

 夜に片足突っ込んだジョージタウンの街をぷらぷら。先程部屋で見た古い写真と同じ交差点。21世紀の今を走るのはガソリン車のバス。廃線のレールが鈍く光る。

 ホテルのコムタ寄りにある屋台街に脚を伸ばした。ここは昨年一度訪れたことがある。昨年はチャレンジをして失敗をこいたので今年は慎重に。

 カールスバーグがマレーシアで作っているRoyar Stoutを頂く。昼間っからずっと飲んでいる感じなので、さすがに缶にしておく。

 一緒にフライドホッケンミー的な物を頂く。頼みやすい、味が間違いない、というのもあるけど、ペナンに着いてからずっと麺料理だ。
 いい加減腹が膨れたので少々腹ごなし。マッサージでも受けようと歩いていたら、

 イスラム寺院がライトアップされている。昼間見るのとはだいぶ雰囲気が違う。

 ヒンズー寺院もライトアップ。調子に乗って歩いてみたら

 キリスト教会とライトアップされている。昼間と違ったいい散歩道だが、この時間のセントジョージ教会の周辺。ちょっと人気がない。
 結局、先程のRed Gardenの近くでフットマッサージの店に入る。1時間ほどしっかり揉まれてからホテルに戻る。今日一日、歩き回った。少し足を労っておく。
 何だかんだで5時間ほどのお出掛け。ホテルのドアが閉まっていたがフロントには人がいて、開けて貰える。

 中庭を見て自分の部屋に戻る。自奥は22:20。まだ寝る時間ではないけど明日は早い。汗を流して身支度。この旅で初めて目覚ましを準備する。