週末の日曜日。ソウルのホテルで目が覚める。ここから出勤、なんてことはなく久しぶりに完全なオフの一日、9月19日に一日家で潰えていた時以来かも知れない。
 もちろん明日は会社なので滞在一日で帰国する。夕方というか夜の飛行機を予約していて、それまでは完全フリー。やる事は特にないが、妻のリクエストが少々あるのでそれに従う事にする。
 まずは朝食を食べる。朝食は何も予定がないのだが、窓の外、ソルロンタンの店が見えるというのでそちらに行く事にした。昨日一昨日と酒ばかり飲み続けている胃には優しい朝食となるだろう。
 店の前の駐車場が一杯になっているような人気の店に入る。混んでいるが空いているテーブルはあって案内して貰える。メニューは色々あるようでビールも焼酎も置いているが、頼むのはソルロンタン一択。

 テーブルには予めサービスのキムチと盛り放題らしい葱が構えている。そこに手際よくソルロンタンが運ばれてくる。 

 ひとまずそのままで頂く。そのままだとあっさりのスープで胃に染みる。軽く塩コショウを足したり、キムチを入れてみたりと味を変えてゆく。隣席はキムチをたくさん入れて真っ赤なソルロンタンになっているが、自分のも最後はかなり赤味が強くなる。
 韓国料理らしい雰囲気と味を堪能してお暇する。このままホテルの部屋に戻るのは少々気乗りせず、コーヒーを飲もうと言う事で意見が一致する。
 ソウルでコーヒー。何気に高級品でスターバックスとかに入ると5,000KRWとか6,000KRWとか、明らかに日本よりも高くつく。他にも地場のチェーン店なのか個人店なのか分からない店がたくさんあって、押しなべて高め。何店からあるのを迷いつつ、最後は地場の個人店だろうという店に入る事にする。持ち帰りが主みたいで、テーブル席は申し訳程度にしかないけど、一応は座って飲んで行ける。

 オーナーの似顔絵がやたらと目立つ店内。そしてカップにも似顔絵が。値段は とソウルで飲むには安い。あまり安いとコーヒーでは無くてコピではないかと疑いたくなるが、甘いながらもコクがある。それなりに美味しいコーヒーではあった。
 ホテルに戻ると11時前。結構時間が経っている。チェックアウトは12時。それまでは荷造りを少々。滞在半日だし何か持ってきたわけでもなく、昨晩スーパーで買い物をしたぐらいなのだが、それでも多少荷造りは必要な状況にはなる。

 ホテルの外、逆光気味だがそろそろお昼だというのに弱々しい光に秋を感じる。
 12時ちょっと前にチェックアウト。飛行機は夜。だいぶ間があるので荷物をホテルに預けて少し街に出る。
 孔徳の駅。以前来た時には無かった路線が出来ている。京畿中央線という路線。文字通り京畿線と中央線の接続線。それに乗ってひとまず龍山まで出てみる。以前なら6号線と4号線の乗継だったのが1本で行けるようになった。

駅の路線図。きちんとつながってますなぁ。本来の京畿線の始発駅。ソウルへ向かう路線もきちんと書かれていると言う事は、本数は置いておいてソウル行きの電車も残っている、ということか。
 しかしこの京畿中央線。ソウルの中心地を通る路線とは思えない運転間隔。 

 15分毎だそうだ。そりゃ、一等地を通る訳ではないし、京畿線も中央線も運転間隔としては15分毎ぐらいだったと思うけど、それにしても物足りない本数。ちょうど行ったばっかりで、まるっと15分。
 15分待って乗った電車は座れない程度の混雑。この路線。元々はソウル駅をショートカットする貨物線の龍山線だが、京畿中央線は地下を行く。さすがに早くて地上にでると京釜線を跨いで龍山到着となる。ほぼ5分。
 ここで一度下車。妻の買い物に付き合ってから再び中央線の客になる。龍山始発の電車があるのかも思ったけど、やっぱり15分毎。今度は漢江に沿った地上線を行く。3号線に乗り換えると江南側へ。新沙と言う駅で降りる。
 今日は妻のリクエストでケアルビビンバをお昼に食べる。この辺りはカンジャンケジャン、醤油漬けのワタリガニを食べさせる店が多いところ。お昼をだいぶ回った時間であり各店共に空いている。格好の鴨到来、と見えるのか客引きが煩い。ただすでに行く店が決まっていて、客引きは無視。

 目的の店も空いている。
 まもなくキムチやら何やらが運ばれて来て、さらに頼んだケアルビビンバが運ばれてくる。

 蟹味噌がどんと乗った皿が置かれる。

 まさしく、どんと言う感じ。でもビビンバだからかき混ぜて食べるのね。

 かき混ぜると高揚感が消えた。でも食べてみると美味しい。そりゃ、蟹味噌和えだからしっかりした素材ならだれが作ったって旨いに決まっている。
 食べ終わると14時半過ぎであった。まだ飛行機には時間があるが、時間が中途半端でもう一軒、妻が行きたいと言っている所まで行くのは難しそう。ホテルの方に戻る。
 来た道を戻るとまた京畿中央線の15分毎にはまりそうで、戻りは3号線と6号線の乗継にした。孔徳の駅に戻りコーヒーで休憩を取ると16時過ぎ。ホテルで荷物をピックアップ。金浦空港に向かう。17時に空港到着。

 これからの時間。日本行きの飛行機ばっかりですねぇ。今回は明洞とか日本人の居そうな所に行っていないから、どれだけ日本人の帰国需要があるのか良く分からない所だけど。
 搭乗手続きをする。今回のチケットは行きの特典とは別、ソウル発のチケット。久しぶりにソウル発券をやるのだ。そして今回はエコノミーじゃなくて元からビジネスクラスの航空券となる。手続きを終わって一つ上の搭乗階へ。

 お土産や飲食店が並んでいたエリアが跡形もなくなっていた。1月に来た時はまだあったので、つい最近撤去したらしい。このエリア、どうすんだろうか。
 時間があるのでラウンジに寄る。金浦ではJALの指定はKEのラウンジになる。

 日本人ばかりが目立つラウンジで1時間ほど小休止。観光客がメインだが一部には業務客らしい人もいる。1時間滞在する間に日が暮れてゆく。18時半を過ぎるとそろそろ席を立つ人、ちらほら。金浦のラウンジ。出国審査の前にあるので、時間に余裕を持って席を立たないと行けない。
30分強前に席を立つ。出国審査を受けて制限エリア内へ。

 1時間で5便を送り出す時間だが、案外と並ぶ人は少なくスムーズに出国まで進む。むしろ出国した後の制限エリアの方が賑々しい。

 免税品の受取場には大きな袋がどんと置かれている。持ちきれない袋を二つ三つ、床を引きずって行く人も居る。いわゆる中国人の爆買いだ。韓国では下火になったとも聞くが、数年前には見られなかった光景。文字通り持ちきれない荷物を、どうやって機内に持ち込むのだろう。他人事ではあるが気になる。