JL873 JA610J B767-300ER NRT→PVG

 9時を過ぎるとラウンジに搭乗開始の案内が流れ出す。広州、大連と続いて、上海の案内が来る。今日の目的地である。PCをたたんで席を立つ。
 搭乗手続きの時にエコノミークラス満席の案内があったが、JL873便、上海行きを送り出すと93番搭乗口には長蛇の列が出来ていた。ぱっと見た感じ、中国人の方が多いようだ。日本人ビジネス客はほぼ同じ時間に羽田を出る虹橋行に乗るだろうし、成田便は外国人観光客で持っているのかも知れない。
 
 
 搭乗口から機内へ向かう。待っているのはJA610J。だいぶ数を減らしているA41が待っている。どうせなら新しいビジネスクラスに乗りたいけど、上海までの3時間少々だし、そもそもインボラなので文句は言わない。
 席に落ち着く。予約した指定し放題みたいに空いていたエコノミークラス。満席と言うだけあってだいぶ埋まっている。一方のビジネスクラスは概ね5割程度の搭乗率だろうか。
 
 隣にはB777-300ERが見えている。ジャカルタへ飛ぶJL725。
 9:39、Doorclose。隣に人がいない事が確定する。何人か席を動く人が見えて1人2席の割合が確定したようだ。出発の案内がある。気流の影響で揺れが予想されるとのこと。9:42、Pushbuck。9:46、Taixing。
 
 不穏な空を見上げて、誘導路をA滑走路へと向かう。前後にJAL機の姿、姿。一昔前はB747の縦列だったけど今日はB767が縦列を作っている。第一ターミナルを前に滑走路へと向かう。貨物ターミナルを横目に滑走路端まで。
 
 立ち止まってもう一度、不穏な空を睨み付ける。一呼吸、もう一息おいてから、滑走路へと歩みを進める。10:02、Take off RWY16R。
 
 数日の雨で塵が現れたのかすっきりした景色が広がるのも束の間。雲に差し掛かって揺れが始まる。
 
 雲の切れ間を選んで上昇しているのかも知れないが、やはり揺れる。大きな揺れ、と言ってもいいだろう。揺れはなかなか収まらない。
 
 雲の向こうに小さな青空が見えて10:14、ベルト着用サインが消灯する。PCを拡げて少々仕事。機内まで持ち込みたくないのが本音なんだけど、3日間中国に行くために、前後にしわ寄せが来ている。多少はやらなくてはならない。
 
 PCを拡げて早々におしぼりが配られる。食事の選択もここで聞かれた。上海まで3時間のフライト。沖縄に飛ぶのとそんなに変わらない所要時間である。インボラだけど和食洋食、どちらも選べるみたいなので洋食にする。そして仕事中だけど飲み物はシャンパンにした。
 そのシャンパンが先に運ばれてくる。
 
 普段より控えめに杯を進める。仕事、貰った資料にコメントを付けて行く作業なのでまぁ、多少お酒が入っても出来なくはない。15分程で食事が運ばれて来て仕事は中断する。テーブルに乗せたPCは隣りの空席へ。空いたテーブルに食事を乗せてもらう。
 
 短距離路線の食事なのでメインはハンバーグステーキ。味は悪くない。マッシュポテトが旨いなぁと思ったけど、考えてみると比較対象のマッシュポテトはインスタントのお手軽タイプだった。比べる相手が違い過ぎる。
 食事を進める間に揺れは収まって来る。成田から1時間程。既に関西かどこかまで飛んでいる筈。
 
 雲が多いながらも青空の範囲が少し増えてきた。この先、西に行けば梅雨前線の影響はなくなるのだろうか。
 雲が多いながらも青空の範囲が少し増えてきた。この先、西に行けば梅雨前線の影響はなくなるのだろうか。 
 
食事は最後にデザートが供されて〆となる。一緒の飲み物、さすがにアルコールは控えておく。この時点で時刻は11時10分。上海まであと1時間半と言った所。
 テーブルには食事と入れ替わりにPC。残念ながら再び資料の作成。PCを拡げて、と言う行為。ビジネスクラスでは勿体ないが、狭いエコノミークラスでは少々憚られる。隣が空いていればいいけど、今日は満席と言うし、アップグレードを貰えたのは仕事的には有難い。
 11:45、あと50分で着陸する旨、案内が入る。案内でふと外を見ると
 
 成田を飛び立った時とは打って変わっての青空が広がっている。梅雨前線の上からようやく抜け出したようだ。仕事ができるのはあと30分ぐらいだろうか。あと資料一枚、やっつけたいなぁと思うけど、考えていたペースよりは若干遅れ気味で進行中。
 12:05、機長さんから案内が入る。浦東の着陸、現地時間の11:40を見込んでいるとのこと。降下に際して揺れが予想されるそうで、間もなくベルト着用サインを点灯させるそうだ。浦東の天候は雨、気温は20℃と告げられた。そしてベルト着用サインが点灯する。仕事はここまでにする。
 飛行機は降下を開始したようだ。外は暗くなり、飛行機は揺れ始める。
 
 先程の青空はどこかに消えて雲の中となる。揺れがしばらく。少し窓の外が明るくなると揺れも収まる。雲は出たようだが、まだ地上は見えない、11:28、あと10分で着陸と改めて案内。椅子を元に戻すよう促す案内が入る。
 薄暗い灰色の中を飛び続ける事しばし。ようやく地上が見えてくる、
 
 もう高度は低く、どうやら着陸間近。まもなく着陸と改めて案内があって、11:43、Landing、RWY34R。
 
 速度を落として誘導路へ。雨粒が窓に目立つようになる。3時間飛んで来ての上海も雨模様。飛行機はターミナル2へ向かう。
 中国東方航空の機体、それにスカイチームのメンバーが目立つターミナル2にJLがお邪魔する形でスポットへ。搭乗橋のあるターミナル側へは入れて貰えず、
 
 11:54、Spot in、SP210。雨の降る中、オープンスポットへと連れてこられる。バスまで15m程あるそうで、大変申し訳ございませんと客室乗務員からお詫びが添えられる。まぁ貴女が悪い訳じゃないんですけどね。
 
 雨でなければ別に嫌いじゃないですし。
 バスで入国審査場まで案内され、手続き。中国人の乗客が多かったからか、外国人向けのブースはさほど長い列ができておらず、まぁまぁのペースで審査が終わる。変に大きすぎる北京の空港よりもスムーズに入国。荷物を受け取ると
 
 少し早い目の到着、保安検査を抜けたのが12時半過ぎ。
 今日はこの後、上海の西側にある目的地までの移動が控えている。目的地までは浦東よりも虹橋が近い。自宅は成田よりも羽田の方が圧倒的に近く、恐らく虹橋の方がトータルで2時間ぐらい早い筈。それでもわざわざ浦東に来たのは名古屋から来る営業と合流するため。
 営業はT1側に着くNHの便で来ていて、連絡を取って合流する。ここから先、目的地まではホテルとセットになっている車で移動となる。上海の外周をぐるっと回るルートらしい。雨の降る中、目的地まで。高層住宅が目立つ景色が1時間以上続いた後は、田園地帯となる。途中からは12月に訪れた際にも通ったエリアの筈。時間帯も季節も違うので、多少印象が違う。
 ホテルまで2時間少々。今日は移動だけで仕事は明日になる。週の初めから先行している人たちとは夕食で落ち合う事になっており、それまでは暇。ちょっと買い物に行くという営業に付き合って街に出る。
 
 こちらの路線バスに初めて乗る。運賃1元。食べる物とかなんとかとかやらたと高い印象が強い中国だが、交通費は比較的安い。レートが悪くなったって1元なら20円少々である。前乗り中降りのバス車内は、高雄で乗ったバスと雰囲気が似ていた。
 
 買い物少々に付き合ってホテルに戻る。相変わらず天気は良くない。部屋に引きこもって機内でやってた仕事の続き。今度はメールが使える環境なので、コメントを付けた資料を返したり、別の人の資料を貰ったり。ひとまずの目途がたったところで20時になる。
 先行組と合流して夕食は近くの日式居酒屋。何も日式でなくても、と思わなくはないが、ちょっと大きめの座敷席で仕事の資料を持ち込んで、夕食兼作戦会議となるので、何かと都合がいいらしい。
 
 割と違和感のない、多少はあるけど、と言う感じの居酒屋メニューで食事をしつつ、状況確認。それに明日のすり合わせ。金曜日だからか店は混んでいたが、3時間近く長居をしたら、そこそこに店は落ち着いた。そろそろお暇頂いてホテルに部屋に戻る。
 
 相変わらず雨。こちらはこの一週間、ずっと降り続いているのだそうだ。結局、同じ緯度で西に動いてきただけだと、あんまり天気は変わらないのだった。