JL95 JA622J B767-300ER HND→GMP

 海外といっても向かうのはソウルだから、フライト時間は2時間少々。沖縄あたりに行くのと大差はない。パスポートを持っているか持っていないかぐらいの差で、今日も会社に行った帰りに行くぐらいから、預ける荷物もなく、軽装でひょいと飛ぶ。
 その程度の心構えなのだが、「エコノミークラスが満席でして」とインボラアップグレードを頂く。もう少し距離がある時の方が嬉しいけど、そんな事を言うと罰が当たりそうだが、ありがとうございますとだけ伝えて、搭乗券を受け取る。
 早々に出国。ラウンジに寄る。今日は会社が終わってからの羽田空港なので、この時点で搭乗開始まで30分を切っている。
 
 ラウンジで軽く食事。食事だけで終わるかなぁと思ったら案外と早く満足したので、ダイニングの喧騒を離れて上に上がってみる。テレビのサッカーの試合を何人か食い入るように見入っている。何かと思ったら観客はみな韓国人。試合はアジアカップの勧告の試合だった。この時間、直近で出発するのはKEとJL。どちらも金浦行きである。
 搭乗開始の案内で席を立つ。 
 
 出発の20数分前。間もなく搭乗開始となるところ。
 
 待っていたのはJA622J。夜のソウル行きは一番古い機材が充当される事が多かったが、ある程度の代替わりが進んだ。他の路線と遜色ない機材が来るというべきか、他がレベルアップしているから結局は一番良く無い機材が充当されているというべきか。
 
 
 棚ぼた的に頂いたビジネスクラスで新聞を受け取る。今日、1月17日は阪神大震災から20年。意識してないわけではなかったけど、朝はニュースを見ていないし、外の情報としては初めて目に触れる事になる。しっかりと目を通す。
 エコノミークラス満席との事だったが、搭乗は順調。定刻よりも早く19:38、Doorclose。19:41にはPushbuckとなる。
 
 飛行機は国際線ターミナルを離れてゆく。プレハブ小屋から始まった21世紀の羽田国際線も大きて立派なターミナルを構えるに至った。でもこの時間の飛行機はJL、KE、NH、OZ。みんなソウル行きの最終便だ。
 
 飛行機はA滑走路を横断して、C滑走路に向かう。19:54、Take off RWY34R。東京の夜景が一面に広がりだす。
 
 東京湾に出た後、首都圏の外環状線をぐるっと回るように高度を上げつつ、北へ。そして西へと進路を変えてゆく。
 
 北側から東京を見下ろす。手前の一際眩しい街はどうやら新宿のようだ。そして飛行機は東京西郊へ。20:04、立川の街灯りを認める。そして八王子。さすがに丹沢の山々に入ると漆黒の世界に所々灯りを散らす、そんな程度になって来る。
 20:10、ベルト着用サイン消灯。気持ちリクライニングを倒してから、テレビモニタを出す。ソウルまでの短いフライト。映画を一本見るのは難しいので、適当なテレビプログラムを点けておく。
 ソウル線は時間が短いから、ウェルカムドリンク的な物は無し。おしぼりを頂いた後、食事と一緒に出すべき飲み物の注文がある。メニューも簡易的なのだが、試しに日本酒は?と聞いてみる。知らない銘柄だったが、頼んでみた。
 20:27、機長さんより案内。現在、左手に名古屋市が見えているとのこと。順調に飛行していて、22:10にソウル金浦に着陸とのこと。天候は晴れで気温は-2℃だそうだ。
 
 20:40を過ぎて食事を供される。ビジネスクラスの食事、今日はカツ丼と言われてびっくりしたのだが、確かにカツ丼であった。その他に並ぶものはまぁビジネスクラスの和食にありそうな感じのメニューだったのだが、カツ丼だけが少々異質。ラウンジで食べたばっかりだったから、こんな程度の食事でも少々重たい。
 食事が終わった順にアイスクリームとコーヒーが供されてゆく。自分の所では、
「日本酒もう一本お持ちしますね」
 
 とおつまみと日本酒もう1合。JALは飲ませるエアライン、キャセイは食べさせるエアライン、だと思っているが、インボラアップグレードのお客さんに対しても容赦ない、いや、手抜きがない。
 飛行機は日本海の上空を飛んでいる。所々にちらほらと、あるいは密集して漁火の強烈な灯りが存在感を示している。
 ゆっくりと日本酒を飲んでいる間に21:35、韓国の上空に差し掛かる。所々、街あかりが見て取れる。
 
 21:40、少々遠くだが大邱の街が過ぎて行った。
 21:50、あと5分でベルト着用サインが点灯する旨、案内が入る。入国案内に検疫からの案内。お馴染みの案内が続いて行く。
 
 閉じられていたカーテンが開かれると21:59、ベルト着用サインが点灯した。あと10分で着陸とのこと。街あかりが何時の間にか大きくなってゆく。ソウル郊外だろうか。高層団地群が段々大きくなって来る。
 道を行く車が見て取れるようになると空港も近い。まもなく飛行場の敷地が見える。22:11、Landing、RWY32R。急減速してゆく。ソウルの只今の気温、-4℃だそうだ。
 
 22:16、Spot in SP35。金浦の国際線ターミナルも少し大きくなったようだ。搭乗橋からの歩く距離、ずいぶんと長い。
 その長い通路を歩いて入国手続きへ。この時間は空いていて、すぐに入国できる。預けた荷物はないから、今日は入国が早い。
 国際線ターミナルから地下鉄の乗り場へ。今日は9号線に乗る。
 
 20分後には地下鉄のホームにいた。この時間の9号線、まだ急行が走っている。この案内、後発の急行発車時間が良く分からずに判断に迷うのだが、急行が設定されている時間帯は、急行を待った方が早いらしい。
 今晩のホテルは妻が予約している。急行電車で30分程進んだ、江南エリア。馴染みの無い所なのだが、高速バスターミナルという駅が最寄り。文字通り、釜山や光州と言った方面への高速バスが発車する一大ターミナルである。
 地下鉄も三路線が集まる結節点で、従って駅も巨大であり、ホテルの名前だけ適当に覚えてきただけの自分にはハードルの高い状況となる。
 
 店じまいしたらしい地下通路の出店を横目に歩いていると目的地が近づく。ここまで地下鉄を降りてから10分近くかかった。
 
 高速バスのターミナルに出る。23時半だがまだまだ出発するバスがあるようで、出札窓口が開いている。ホテルはこの上。ロビーまで行くと妻と合流。横浜の自宅から16時間以上が経っている。
 
 部屋に入るともう日付が変わる頃。さすがに疲れた。早々に寝てしまう。