2009-05-02

 すっかり明るくなってから目覚めた。ここのところそんなパターンばっかりだ。今日は9時過ぎには出かけたい。昨日と同じように朝食を。
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 今日はトースト2枚とベーグル1個。「Only three?」とは聞かれなかった。齧り付いて飲み込んで、部屋に一旦戻り空港ゆきのバスの予約のため電話。29日に空港からワイキキまで乗ったバスの復路だけど、電話で頼んで迎えに来て貰う方式だったりする。乗るのは明日だけど出発3時間前のバスが予約できる。
 さて、お出かけ。今日はTheBUSに乗る。42系統、おおよそ30分毎の運転でアラモアナ9:45ごろと言うのは調べておいたけど、近くのバス停の通過時刻は良く分からない。9:30を目安にして出たけど
 ホテルの前で待つことちょっと、目的のバスが来た。
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 う〜ん、バス運、いいかも。連接車のバス、少々空席がある程度の混雑ぶり。途中で満席になる。下道を延々と走る。ルートは違うが昨日向かった西方面。空港のまん前を抜け、ずっと蓋のように付きまとった高速道路の高架が消え去ると南国の開放感がバスの中に差し込んでくる。
 ずっと動きのなかった車内。初めて大きく動いたところでこちらも下車。
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 USS Arizona Memorial
 言わずと知れた真珠湾攻撃。その現場が今日の目的地。

USS Arizona

 まず荷物を預ける。2001年の同時テロ以来、厳しくなってカバン類の持込が出来ないのだそうだ。ちなみに預り料は1個につき3ドル。改めて記念館に向かう。 
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 アリゾナ記念館の入場は無料。先着順に整理券を貰う。ネットで見る限りは待たされる事があるように見えたのだけど、すんなり直近の回の整理券がもらえた。まもなくビデオ上映。5ドルで日本語対応のヘッドフォンも借りれるようだけど、今回はパス。
 映像は真珠湾攻撃に至る背景から攻撃の様子など。アメリカ側だけでなく日本側で撮った映像もあり、言葉は八割がた分からないけど、雰囲気は伝わる。
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 映画が終わると船に乗ってアリゾナ記念館へ。
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 遠くに見えていた白亜の建物がみるみる近くなり、アリゾナの眠るその地へ上陸となった。水上に顔を出す遺構は分かりにくいけど
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 砲塔が水面に顔を覗かせる。その近くには錆び果てたマスト。
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 今もアリゾナからは重油が漏れ続けている。この写真だと海面の変色程度だけど黒い重油の塊らしいものが浮いている所もある。
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 海面下に見えるアリゾナの遺構
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 そして記念館の一番奥。この沈没で犠牲になった人たちの名が刻まれる。
 ちょっとしんみりとして帰りのボートに。対岸に着いて改めて振り返ってみる。
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 アリゾナ、ここに眠る。。。。。。
 あまりにすんなり記念館の見学が出来てしまい、時刻はまだ12時ちょっと前。午後も引き続きパールハーバー近辺だけど、移動するその前に記念館のショップをちらっと。
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 ドーリットル空襲の本ですね。 

戦艦ミズーリ メモリアル

 パールハーバー界隈には他にも展示施設がある。
●戦艦ミズーリ
●潜水艦バウフィン
●太平洋航空博物館
 と三つ。これらは有料なんだそうだ。全部見るつもりはないけどミズーリと航空博物館は見て行くことにする。入場料は二つで28ドル。う〜ん、高いぞ。でもアリゾナだけだといまいち消化不良。
 戦艦ミズーリと太平洋航空博物館は真珠湾に浮かぶフォード島にあり、アリゾナ側からはバスに乗って移動となる。
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 戦艦ミズーリ記念館。こちらには"An American Hero"の文字。先ほどとだいぶ調子が違う。
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 星条旗に彩られた戦艦ミズーリへの道。これまた先ほどとだいぶ調子が違う。ここでスタッフに声を掛けられる、流暢な日本語で。日本人のスタッフだった。施設の概要を説明されたあと日本語ガイドの売り込み。ガイドは申し訳ないけど遠慮させてもらった。
 で、戦艦の見学をする前に、ちょっと腹ごしらえ。
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 当時の兵営を模したんでしょうかねぇ。
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 ホットドックにコーラ。コーラはお代わり自由だけど、1杯飲めば十分。
 ふと視線を上に上げたときに目に入ったもの。
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 出た〜、Remember pearl harbor。これが当時だったんでしょう。そう言う意味だと受け取ります。 
 お腹も充ちて艦へと向かう。まずは甲板。
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 横須賀でアメリカの巡洋艦を見学したことはあるし、日本海海戦の旗艦三笠も見学しましたけど、これは迫力が違う。相当違う。主砲なんてまぁ過去の産物なんだろうけど、でも、目の前で見ると迫力を感じる。
 ついで艦内へ。どこか似た雰囲気の場所を見たことがあると思ったら青函連絡船に思い至る。船の雰囲気って国や用途が違っても一緒なんだなと感心しつつ見学。
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 艦長室か、何か。高級士官でも相当クラスの高い人の居室の様子。
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 こちらは水兵さんの居室というか寝室。三段ベットにアメリカ人が耐えられるんかとそんな疑問を覚えつつ。
 引き続き艦内見物。高級士官のサロン、なんて風情の部屋にミズーリの大型模型やらなにやらが展示されている中で、壁に掲げられた世界地図。
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 戦跡なんでしょうかね。赤いラインが太平洋戦争。青いラインが朝鮮戦争か。
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 別に掲げらたのが東京近郊区間図(嘘) でも南武線横浜線小田急江ノ島線なんてのも出てるし。小田急小田原線が町田から先なのがちょっと不思議。ん、相模線まで出てる。
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 横浜周辺を拡大。結構細かい地名まで出ている。逆に言うとそれだけ神奈川に米軍施設が多いという事。熱海に温泉マークがないのが残念。
 再び外へ。艦尾の方へと向かうと
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 Kamikaze Attackの文字。沖縄戦の時に突っ込まれたそうで 
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 凹んでいる所が攻撃を受けた時の損傷との事。沢山の犠牲を払ってちょっと凹ましただけ。ただただ空しさを感じる。
 実はこの攻撃は写真が残されている。ネット上でもちょっと探せばいくらでも出てくる。 
 http://homepage2.nifty.com/tazawa/sub1.html
 http://www.asahi-net.or.jp/~UN3k-MN/hawaii-missouri.htm
 などなど。
 ボランティアらしい人に声を掛けられる、日本語で。名札を見ても日系人でも日本人でもなさそうだけど「相模原にいました、座間の基地に13年間」と。なるほど。どちらからですかと聞かれるので横浜からと答える。座間にいた人だから話が通じる。
「私小田急線でした」
「私京急線です」
 小田急に乗って新宿に行ってたとかで「町田、新百合ヶ丘、登戸‥‥」と駅名の羅列に「成城学園、下北沢」と答えてみる。「凄い混んでるからたまにロマンスカーを使ってました」ミズーリロマンスカー何て単語を聞くことになるとは思わなかった。  
 艦橋からの眺めが良いですよと送られて急な階段を上へ、上へ。
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 途中にあったのが単なる箱、じゃなくてトマホークミサイル。これは1986年に現役復帰した際に搭載されたもの。湾岸戦争の時には活躍したそうです。見た目じゃなんだか分からないですけどね。
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 艦橋から艦首を。先ほど見学したアリゾナ記念館が艦首の先に。そしてその向こうにはオアフ島。白い雲と青い空。穏やかそのもの。
 さらに上には司令室、ですかねぇ。
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 分厚い装甲に感心すること限りなし。高級将校の全滅による司令系統の混乱を避けるため、でしょうねぇ。この辺りは連絡船の艦橋とは雰囲気が全く異なり戦闘艦である事を改めて意識させられる。 
 艦橋を降りるとまた甲板。そこに展示されているのは
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 黒白写真とケースに仕舞われたふるぼけた書類。ここは日本の降伏文書調印式が行われたところ。その当時の写真と複製の降伏文章が展示されている。ここは直視しないといけない場所。
 ちなみに検索していたらこんなんあったので張っとく。
 http://www.youtube.com/watch?v=UOaYDxsUk_M
 これでミズーリの艦内を一周。後で振り返ると見逃した所もあったみたいだけど一通り見学できた。単純にAn American Heroと喜ぶ気にはなれないけど、ある種の充足感はある。

Pacific Aviation Museum

 さてバスに乗ってフォード島の奥へ。最後に見学するのは太平洋航空博物館。ここは真珠湾攻撃近辺に絡んだ軍用機を展示している博物館。建物は当時の格納庫を利用したもの。まん前には
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 当時のものか、管制塔が朽ちている。さて、中へと入るとまず待っているのが
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 零型艦上戦闘機
 床は木目調。背景は夜明け。そして旭日旗。これ真珠湾攻撃の朝。航空母艦から出撃準備を進めている所というシチュエーション。人形までついていて西開地重徳一飛曹という説明まで付いている。ここまで限定している理由は後々判明する事になる。
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 実機が展示されている零戦以外にも攻撃の主役となった九七式艦上攻撃機、九九式艦上爆撃機に関しても大きな説明パネルが。また水深の浅い真珠湾対策として改良された魚雷に関する説明もあったり。
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 次に展示されているのは民間機。なんですの?という感じだけど真珠湾攻撃の朝、たまたまオアフ島上空を飛んでいて命辛々逃げ延びた民間機の実機だそうです。
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 こちらは真珠湾攻撃の際に迎撃に出る事の出来た数少ないアメリカ機、カーチス P-40。
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 先ほどの零戦と向かい合います。
 今度の展示物
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 残骸。何?と思うけど解説文を読むと一目瞭然。これ、先ほど航空母艦飛龍を飛び立ち真珠湾攻撃へ向かった西開地重徳一飛曹搭乗機の成れの果て。エンジン不調で母艦まで戻れなくなった機は不時着予定地域に指定されていたニイハウ島へ不時着し、住民と戦闘になったニイハウ島事件の再現シーン。
 ニイハウ島の向かいには、展示されている中では一番大きな、双発機。
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 B-25。こちらも航空母艦の上。1942年4月。ドーリットルによる日本初空襲の出撃シーンという設定。
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 爆撃機の名は「THE RUPTURED DUCK」こういう感覚、日本人にはないよなぁと思いつつ。辞書を引いてもしっくり訳せないけど、同行者の呟いた「とんずらアヒル」と言う言葉が妙にはまった。ドーリットルの空襲にはそういう側面があったのは間違いない。
 そして場面は、1942年6月へと進む。
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 空母を襲う緩降下爆撃機、ドーントレス。当時の様子を日本側から見た戦記を読むとお世辞にも上手くなった、とあるのがどうしても頭の中から離れなくて。それでも歴史的にはこの戦い、アメリカの勝ち。  
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 場面変わって今度の主役はF4Fワイルドキャツト。設定は1942年秋。ガダルカナルの戦い。ここの解説文がそのまま本質を突いているんだろうなぁと思う。
 『5度の海戦、3度の陸戦、そして殆ど連日の空中戦が続き、破壊された艦船と航空機の数は両軍とも殆ど同じでした。アメリカの巨大な軍事産業力はその損害の補充を可能としましたが、日本軍にはそれが出来ませんでした。』

 真珠湾攻撃→ドーリットル空爆ミッドウェー海戦ガダルカナルの戦い。と1941年から1942年の太平洋戦線をなぞるような展示。じっくり見て行くとなかなか良く出来ている展示施設。これで入場料がもう少し安ければねぇ。
 最後にもう一機。

 この複葉機アメリカ空軍の練習機なんだそうですが、ブッシュ大統領、バカじゃない方の、が軍人時代に訓練を受けた実機なんだとか。訓練記録の複製も一緒に展示されてた。

ワイキキに戻る

 さて戦争の欠片も見当たらないような明るい空の下をシャトルバスで戻る。時刻は午後四時。もうワイキキに戻ろう。
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 ちょっと待ってやって来たバスはアラモアナ行きの62系統。アラモアナで乗り継いでもいいし、トロリーもある。これに乗る。来た道をほぼ小一時間。おととい歩いた中華街、1本ずれた通りを行く。なかなか良い雰囲気。そしてカメハメハ大王の前を行き、アラモアナの山側で降ろされた。
 軽くお腹も減ったしフードコートで何かを。ラーメンは重いし、トニーローマなんてのもあるけど肉喰う状況じゃないし
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 中華まんとシウマイ、それにコーヒーのセット。4ドルちょっととなかなかリーズナブル。シウマイは旨かった。中華まんはちょっと好みの味じゃないかな。
 アラモアナに来てしまったので
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 買い物少々の後、トランスファーチケットを生かしてTheBUSでホテルへ。混んでいるトロリーよりは楽だし早かった。一旦休息。
 日が暮れてきてから夕食に。今日はアメリカらしくステーキを志した。浜辺沿いのホテルの中のお店へ。結構混んでいて30〜40分ほど待ち時間があるそうだ。じゃぁと言うことで
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 海岸線に出てみる。西のほうがちょっと明るいだけの暮景。
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 そしてプールサイドに寝そべってみる。30分をめどに店の前へ戻る。そろそろかと思ったけど一向に呼ばれず結局お店には入れたのはほぼ1時間後。
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 ようやく席へ。まずは飲み物の注文をというので、
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 ワイキキに来て初めての生ビール。でも泡が最初からこんな調子。ハッキリ言って注ぐの下手。
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 肉は自分で焼く方式。ちょっと不思議なシステム。副菜は食べ放題というのもまた不思議なシステム。生演奏付きの雰囲気の良いお店とグリルのものすごい熱気と、何だろう、この店は。
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 はい、焼きました。でっかいお肉だったけど結構ぺろりと平らげられる。副菜も野菜だけでなくパスタやご飯、アヒなんかもあるから結構満足。値段は確か25ドル弱に州税、チップを含めると30ドルちょいとなる。3,000円なら、安いか。
 待ち時間が長かったので昨日と同じ22時近く。そろそろお店もラストオーダーという時間。まだまだ賑やかなワイキキの街。射撃の勧誘をかわしてホテルへと戻る。ちょっと荷物の片付け。明日はチェックアウトだ。

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