2007-08-03

 ※かなりショックなのですが、デジカメのデータが化けていてこの日の23時ごろまでに撮った写真。呼び出せません。東京に戻ったらサービスセンターに駆け込みますが、今日の分、写真が出せないかもしれません。文章だけでどれだけ伝える事が出来るか、自分が問われている気分ですが、やるだけやってみます。

 大田の安宿で目覚めた。まだ3時だ。まだまだ早すぎる。寝ようと思ったらどうやら蚊が紛れ込んでいるらしい。ちょっと気になる。かなりに気になる。うとうとしては目覚め、目覚めてはうとうとしている間に2時間ほどが経ってしまった。観念して起きだして、恥辱をつづりながら時折「パン」と蚊を叩いてみる。
 今日は9時前のKTXで移動開始。だいぶ間があるけど7時半ごろ、チェックアウト。地下鉄で昨日の西大田四街。今度は迷わずに歩いて西大田(Seodaejeon)の駅へ。時刻は8時ごろ。
 まずは腹ごしらえ。本当は粥でも頂きたいところだけど、何故か気が変わって、
「ネンミョン、イッスムニカ」
 イッスムニカ(ありますか)と言うのはこの旅ですんなり出るようになった言葉だけど、本当に便利。「冷麺ありますか」と聞けば向こうから種類を言ってくれる。
「※※※ネンミョン、ビビンネンミョン」と言われたので、辛うじて聞き取れた「ビビンネンミョン、ジュセヨ」と。今回の韓国旅行で食べてるもの、比較的あっさり目の物が多かったので、コチュジャンたっぷりの冷麺は辛さが嬉しい。お代は4,500W。
 さて、駅へ。
 韓国の駅は列車別改札で基本的に15分前にならないと駅構内には入れないのだけど、KRパスで通る分には関係なく、少し早い目に入場してしまう。昨日と同様、ムグンファが来たり、貨物列車が来たりする構内で少しはしゃぐ。鉄道の撮影、厳しい厳しいと聞いてて最初の頃はうんと構えていたのだけど、殆ど注意される事がないので、だんだん遠慮が無くなって来ている。そのうち一眼持ち込んで見たいけど、それは流石に気が咎める。

402列車 KTX 西大田(Seodaejeon)8:58→10:02龍山(Yongsan)

 今日はひとまず、KTXでソウルへ向かう。やって来たのは光州(Gwangju)始発のKTX。比較的空席が目立ち、隣の席は空いている。京釜線KTXは何時乗っても混雑しているが、湖南線のKTXは割と空いているような気がする。
 列車は、昨日乗った大田線を見送ると左へカーブ。京釜線と合流する。そのままKTXの新線へ入り速度を上げる。それを潮に寝てしまおうと考えた。えぇ、ちょっと眠いですし。
 気が付くと隣を1号線の電車が走っていて、まもなく漢江を渡り、終着が近い事を知る。随分と寝てしまったけど、まぁ、良いか。
 龍山(Yongsan)には定刻10:02の到着。

1155列車 Saemaeul 龍山(Yongsan)10:42→14:08長項(Janghang)

 さて、今日の未乗線区は長項線。京釜線天安(Cheonan)から分岐し、長項(Janghang)までの143.1km。未乗で残っているKORailの路線の中では、大物の部類に入る。列車は全て龍山(Yongsan)が始発であり、トータル240.2km。結構な距離であり、これから乗るセマウルで3時間以上を要する。無論、大田(Daejeon)から天安(Cheonan)まで直行すれば、良いのでしょうが、未乗区間の散らばり具合と列車の頻度、計画立案者の体力と知恵、立案能力を秤にかけるとこうなってしまった。まぁセマウルのゆったりした車内を楽しむ一日と捉えようと思う。
 15分前に改札を抜け、列車へ。待っているのは前後に半室機械室の動力車を配した7両編成。2月に乗った際に見かけた食堂車や特室は着いてないタイプの編成。女性の乗務員に迎えられ、指定された座席へ。前後の間隔がうんと広い座席にどっしりと落ち着く。隣の線路をソウル発着の京釜線系統の列車が走ってゆく。時刻表と照らし合わせると1041列車の浦項ゆきセマウル、次いで129列車の釜山ゆきKTX、そして1301列車の東大邱ゆきムグンファを先にやるとこちらも出発時刻。乗車率は半分ぐらいだろうか。ゆっくりと動き出す。向こうの線路を地下鉄1号線、仁川行きの電車が勢いよく走って行き漢江を渡る。
 案外と空いていると思っていたら次の永登浦(Yeongdeungpo)で思いっきり沢山のお客さんが乗ってくる。夏休みらしく家族連れも多い。立客も大勢出て発車。徐々にスピードを増して行き、仁川への線路を分ける九老を過ぎる辺りで最高速に達した。隣の線路を走る地下鉄1号線の電車を1本追い抜き、そして貨物列車も追い抜いた。貨物列車が地下鉄の線路を走る事は初めて知ったかも。
 列車はソウル郊外、徐々に田園がちらほら見受けられる辺りを思いっきり飛ばして行く。水原手前の鉄道博物館が流れて行き、また地下鉄の電車を思いっきり刺す。セメント用貨車を連ねた貨物列車を振り切って、先ほど先行したムグンファを脇に追い払って抜き去る。種別入り乱れる複々線の醍醐味を思いっきり味わった訳だけど、不思議とzzz。多分、天安(Cheonan)の手前で寝てしまったらしい。
 気が付くと工事現場のような駅に停まっている。牙山(Asan)の駅。覆いかぶさっているのはKTXの線路らしい。工事の中身は長項線の広域電鉄化工事。今は天安(Cheonan)までの地下鉄1号線が延伸するのだそうな。列車は走り出す。先ほどの快走ぶりはすっかり影を潜め、ゆっくりゆっくり高架の線路を走る。そのまま事切れたように停まったのが温陽温泉(Onyangoncheon)。有名な温泉場だそうで、大勢お客さんが降りてゆく。でもまだまばらだけと立客が居る程度の混雑。列車はどうも3〜4分遅れているようだ。地方では比較的正確なダイヤを誇るKORailも、京釜線が絡む列車は、その複雑な運行ダイヤが起因なのか、どうも遅れる事が多いように思われる。
 温泉街を高架から見下ろしながら走ると列車はカーブ、真っ直ぐ続くのは高架の工事現場。こちらは地上に降りて右へとカーブしてゆく。田圃の真ん中を貫く高架線が次第に遠ざかってゆく。ゆっくり右へと振られて真下から線路が顔を覗かせる。木製の枕木にか細いレール。急にローカル線に迷い込んだ気分だけど、実際、この先へ続くのは細い細いレール。この先の130kmほどを2時間掛けて走る訳で、表定速度は60km/hを辛うじて越える程度。何か山陰本線の西の方、出雲市から先か、石北本線に迷い込んだような気分になる。ムグンファを待たせてこちらは通過。またカーブを左へと曲がってゆく。先頭車が窓の向こうにちらちら見える。
 忘れた頃に高架の工事線が寄ってきた。一旦途切れた後、今度は築堤となって現れる。視界を完全にふさがれた瞬間、また意識が遠のいてしまう。どこかの駅に停まっていて目覚める。どうやら対向列車が遅れている様子。長項線、単線の路線にセマウル、ムグンファ併せて16往復。それに貨物列車も結構走っているみたいだから、これを単線で裁くのは結構大変なのかもしれない。やって来たのは機関車牽引のセマウル。これは初めて見た。どこの駅だから覚えていなかったけど時刻表と照らし合わせると13時過ぎ、廣川駅での出来事のようだ。
 再び高架の工事線がチラチラ見える。どうやら全線に渡って新線付け替えを実施するようだ。昨年乗った中央線も2月に乗った全羅線も工事真っ盛りだった。京春線は広域電鉄化の工事が真っ最中。長項線も巨額の費用をかけて工事が完成すればきっと何キロか距離が縮まり、速度が上がって、15分とか20分の高速化が実現するのだろう。あちこち工事で結構な事とは思うけど、財政的に大丈夫なのかしらん。何時ぞや日本の国鉄が辿った道をなんて思わなくも無い。最も何もしないと思いっきり自動車にやられそうだし、さじ加減は難しいと思いますけどね。
 そんな事を考えているとまた眠ってしまった。目覚めるとあれほど混んでいた車内も何時の間にか空いている。どこまでも広がる田園とその背景に立ちはだかる。どこかで眺めた景色だなと思う。どこだろう。まもなく終点、長項(Janghang)。10分弱ほど遅れているが、それはもうどうでもよい。
 最後に、こんなん見つけたので紹介します。ちょっと古く、天安の辺り、相当様子が違いますけど、これ、良く作ったなぁ。
http://homepage3.nifty.com/bong-seol-gang/starthp/RGUEP2.htm
http://homepage3.nifty.com/bong-seol-gang/starthp/RGUEP3.htm
http://homepage3.nifty.com/bong-seol-gang/starthp/RGUEP4.htm

長項の街

 折り返しの列車が出発するまで1時間半ほど。最初の心積もりで14:45に出るムグンファに乗るつもりだったけど、1日の釜山駅で指定券を発行して貰おうとしたら、この列車だけ満席。さすがに立席と言うのも辛く1本後のセマウルにして貰った。つまり先ほど乗ってきた列車で折り返すのである。
 取り立てて用事も無い長項の街に敢えて用事を作るなら、それは食事を置いて他に無い。食べる以外に能が無いみたいだけど、実際にそうなのだから仕方ない。食堂を探しがてら、少し街歩き。
 駅を右に出て少し歩く。♪カンカンカンカン、踏切の音に誘われて右折。先ほどのセマウルが入換中。線路を越えずに引き返すものおかしいのでそのまま踏切を渡る。右手に市場が広がっている。大振りなスイカがよく目立つ。白菜や大根はきっとキムチになるのだろうな。豚の絵が描いた店があって焼肉屋かと思ったらそうでは無く、精肉屋だったりする。ムシロの上に並べられた唐辛子の列はまるで赤い絨毯のようだ。
 無論、買い物する訳でなく、出来る訳でもないけど、意味無く市場を見て歩くのは楽しい。市場が尽きるまで歩いてみたらそこはもう街の外れ。一面に田圃が広がる。向こうに山並み。先ほど到着した駅が見えている。この光景、どこかで見た。記憶の奥を弄ると出てきたのが城端線の終点、城端
 再び線路を渡り右へと曲がり、駅へと戻る。そろそろ真剣に食堂探さないと。明らかに食堂な店はちらほら見える、けど、中華料理なんて店に入っても仕方なし。他にもどうみても閉じている店とか。結局、駅の斜交い向かいにあるお店に入ってみる。
「ピビンパム、イッスムニカ」
 無いらしい。じゃぁ無難なところで
「チゲ、イッスムニカ」
 テンジャンにキムチと仰る。テンジャンチゲは昨日食べたからキムチチゲにしよう。
 キムチチゲは何処に行ってもキムチチゲだけど、付け合せのおかずはその土地が反映される。長項のこの食堂、太刀魚のムニエルがあったり、きゅうりとイカのキムチがあったり、海に近い事を偲ばせる付け合せであった。これで4,000W。

1162列車 Saemaeul 長項(Janghang)15:45→18:17天安(Cheonan)

 駅へと戻る。列車出発の30分ほど前。夏の午後、小さな駅の待合室には列車の出発を待つ人が十数人、思い思いに改札開始を待っている。
 発車15分前。何となく改札が始まった。段差の無い構内を出発を待つセマウル、先ほどと同じ列車へと向かうとちょうど龍山(Yongsan)からムグンファが到着する所だった。時刻表を後で見ると所定15:28到着の1557列車らしい。
 涼しげでゆったりとした車内に落ち着いて一息つく。えぇ、田舎の駅前食堂には冷房なんてありませんので。大汗を掻いた後のビールが美味しくって飲んだらまた寝てしまいそう。まもなく列車が動き出す。定刻の発車。
 先ほど眺めた景色の繰り返しだけど、日が少し傾いてきた分、ほんの少し印象が変わる。韓国の風土は何処と無く日本の風土と似ていて、どこか既視感に襲われる事が多いのだけど、今度思い至ったのは函館線の山線区間
 街が広がりだす。どこの街でも良く目立つ教会やら温泉マークのモーテルやらが見えてくると、速度を緩め両開きのポイントをガタゴト。のっそりと駅を通過し再び速度を上げる。向こうには工事中の高架線。こんな旅、数年後には思い出の彼方かな。
 大きな街が広がると速度を緩めて両開きのポイントをガタゴト。速度が緩んで駅へと停まる。大勢のお客さんが乗ってくる。向こうの線路にも列車が入ってくる。対向列車の女性乗務員がホームに降りてあさっての方向に笑顔を振りまく。男の車掌も手を振っている。あさっての方向に居るのはこちらの列車の女性乗務員かな。列車、まもなく動き出す。両開きのポイントをガタゴト。一息おいて緩やかに速度を上げる。窓の向こうに先頭車が見えてくる。
 一駅停まる毎にお客さんを集め、また立ち客が増える。長項線、どうやら輸送力不足の様子。初めて乗った韓国の鉄道、京春線もそうだったけど。
 今日二度目の温陽温泉(Onyangoncheon)を過ぎて高架に上がる。途中、どこかの工事現場みたいなところで運転停車。対向列車の通過待ちのようだけどずいぶんと待たされた後にセマウルが過ぎてゆく。やっぱり京釜線が絡むと、ダイヤが乱れがち。天安(Cheonan)には結局10分近く遅れての到着。意外と沢山の人が降りてゆく。

 天安(Cheonan)の待ち合わせ時間は1時間ほど。待合室も出札口も人だかりが出来ていて、賑々しい事限りがない。異邦人に居場所が無く。とりあえず駅の外に出てみた。噴水もある駅前広場はまた夕涼みをする人で賑々しく、どこに行っても人の姿が絶えない。
 こんなときの時間の潰し方が食事しかないのは悲しい事、自分の言語能力、情報収集力ではそれが限界である。決して腹は減っていないけど、ふと考えた。さっき振られたビビンバを食べたいなと。
 駅のならびに2軒ほど店があり、そのうちの賑やかな方に入ってみる。セルフサービスのフードコートといった風情のお店。写真が掲げられた中に明らかなビビンバがあるから、韓国語さえ通じれば、普通にあり付ける筈。
「ピビンパフ、ジュセヨ」
 何とか通じる。先払いで4,000Wを支払う。出来上がったら番号で呼ぶ日本でもおなじみのスタイルだ。でも、自分の時はなぜか席まで持ってきてくれた。読んでも通じないと思われたかも。ビビンバ、コチュジャンをたっぷりと掛け、良くかき混ぜてから頂く。
 それでも時間があったので先にホームに入ってしまう。ちょうど電気機関車が先頭に立つセメント列車が退避中。それを抜いていったのは海上コンテナ満載のコンテナ列車。

1281列車 Mugunghwa 天安(Cheonan)19:32→21:41堤川(Jecheon)

 ホームで列車を待っていると、娘さんに話しかけられる。当然韓国語、何を言われたのかさっぱりだけど切符を見せられたので、乗車位置を聞かれたのだろう。あっちだと指さしてやる。今度は老婆に何か聞かれる。何を聞かれたのかさっぱり。切符も見せてもらえないので何が何だか分からないけど、それを聞いていた人がああだこうだど言っている。どうやらやっぱり乗り場を聞かれたようだ。
 そんなこんなで定刻より少し遅れて、待避線に列車がやって来る。ディーゼル機関車牽引、電源車に6両の客車を連ねたムグンファ。これがこれから乗る忠北線経由安東(Andong)ゆきのムグンファ。本線側にやって来る馬山(Masan)ゆきセマウルを先に通してからの発車。列車は大よそ8割の席が埋まる程度の混雑。
 今日はこれから昨日はほんのさわりだけ乗った忠北線をやっつける。乗った列車は唯一、ソウルから忠北線へと直通するムグンファ。1本しかないが故、この列車を機軸に今日は行動を考えざるを得なかったけど、大田の宿泊問題さえなければ、もう少し冴えたやり方があったかもと今になっては考える。とにかく列車は既に動き出し、京釜線を思いっきりぶっ飛ばして行く。今となってはこの列車に身を委ねるしか、無い。
 天安(Cheonan)から鳥致院(Jochiwon)までは30km近くあるから走っている間にどんどん外は暗くなる。短絡線(五松線と言うそうだ)の辺りまでは出来れば外を眺めたい、そんな期待に応えてくれるかのように吹っ飛んでゆく列車の速度が明らかに緩んだ。外は辛うじて様子が伺える。そろそろ分岐点かなと思い、左へと列車が振れる感触を今か今かと待ち構える。がたんと左へ振れる。京釜線の立派な架線柱の陰が見えて離れてゆく。20時ちょっと前の事。
 暫く走ると右側に高架の線路が寄ってくる。これは恐らく上りの線路。京釜線の列車を邪魔しないように高架で跨いで分岐しているのだろう。やはり大掛かりな短絡線。
 すっかり暗くなった車窓に再び架線柱の影が寄り添ってくる。昨日乗った忠北線の本線だ。まもなく合流し、列車は速度を上げる。清洲(Cheongju)へ定刻より少し遅れての到着。貨物列車の影が浮かんだ。
 複線電化の忠北線。列車は軽やかに駆け出す。時々すれ違うのは長々とした貨物列車。沿線はすっかり暗くなったけど、街灯りと街路灯とクルマのヘッドライトはどこまでも付いて廻る。割と平坦な路線のようだ。列車が速度を緩めると駅に着き、お客さんが降りてゆく、乗ってくる。忠北線の最終列車でもあるこのムグンファは意外なほど賑々しさを保ち続ける。
 大きな街が広がって線路が幾重に分かれてゆき、貨車の行列が姿を現した。忠州(Chungju)、何時の間にか定時運転に戻っている。沢山のお客さんが降りてゆき、駅員がそれを迎える。少し車内が寂しくなる。列車が動き出すとまたどこまでも街灯り。右手を旅客列車が流れてゆく。最終の大田(Daejeon)行きムグンファらしい。
 気が付くと大きな駅。堤川(Jecheon)だ。まだこれほどお客さんが乗っていたのかと感心するほど沢山の人が降りてゆく。列車はこの先、安東(Andong)まで行くけど、自分もここで乗換え。
 地下道を渡り改札を出ると乗客を迎えに来た人でごった返している。その人いきれと通り雨でも降ったのか、濡れた街並みにむせ返るような気分になる。

堤川の街

 22時近くの堤川の街。街が大きく思いがけず賑やかで、時刻表の印象だけで街を判断してはいけないことを身を持って示してくれているようだ。温泉マークも幾つか見受けられたので、次回辺り、行程の都合で堤川に泊まる事になったとしても安心して良さそうだ。
 この後、乗る列車。出発時刻は23:28。1時間半ほどあり、本当ならここで食事と思っていた。けど天安で中途半端に食べてしまったので、多少飲めれば、それでいいやと思う。ところが、どうも韓国の食堂と飲み屋っていまいち区別がつかない。
 今までは食べるのが目的で一緒に飲みたいと言う感じだったから特に困らなかったけど、飲むだけの時はどうするんでしょ。適当に街をぶらぶらしてみたけど、やっぱり飲むだけの店というのはちょっと見えない。
 結局、焼酎で盛り上がっているグループが居る店に入ってひとまず、「メッチュジュセヨ」と言って見たものの、メッチュが分かってもらえない。今まで何処に行っても通じたんだけどなぁ(溜息)。ポスターを指差してようやく分かってもらえる。いきなり2本出そうとするのには驚いたけど。
 こんな調子だから食べ物をやり取りするにも一苦労。もう訳が分からなくなり、手元の韓国語会話集を見せて「タン、イッスムニカ」といったら思いっきり笑われて肩を叩かれる。会話集というものが思いっきりツボにはまったようで。で出て来た答えが「サムゲタン」と。またサムゲタンと思ったけど、面倒臭くなって「サムゲタン、ジュセヨ」大騒ぎした挙句の果てに注文がサムゲタンだった事がよっぽと可笑しいのか店の人に思いっきり笑われた。
 キムチやら練り物やらが並んだ付け合せのおかずでビールを飲んでいると煮込む前のサムゲタンを見せられる。サムゲタンで本当に良いのね?と言う念押しのようだけど、出来合いのサムゲタンを暖めて出している事を初めて知る事になる。まもなく熱々のサムゲタン、登場。
 今日はあくまで飲むのが趣旨なので焼酎を頂く。ソジュジュセヨ。まぁ一回聞き返されたけど今度は先ほどのような騒ぎにならずに済む。ジンロの小瓶にお猪口。一気に呷るのがこちらの流儀。初めてソウルで焼酎を飲んだときはちびちぎ舐める様に飲んでましたけど、今はくっと呷るてもう一回くっと呷るとお猪口が空になる。それでも現地の人が見ていると物足りないのか、店の人にこうだとばかり手振りで煽られた。
 そんなこんなで時間が潰れる。夜行列車で寝るには丁度良い時間と酔い加減になって駅へと向かう。お別れの挨拶は魔法の言葉「マッシソヨ」

1621列車 Mugunghwa 堤川(Jecheon)23:28→4:55釜田(Bujeon)

 駅は夜行列車を待つ人が数十人。意外と賑やいでいる。駅の売店もまだ営業中。堤川(Jecheon)は江稜は釜田、清涼里に向かう夜行列車が一晩中行き交うので、或いはこのままの賑わいを続けるのかもしれない。
 改札が始まりホームへ向かう。

 ここからは写真があります。堤川駅構内の様子

 こちらは屯する電気機関車
 列車は定時より数分遅れて姿を現す。

 思いがけず混雑しているけど、降り支度をする人も沢山。どうやら遅い目の帰宅列車を兼ねているようだ。清涼里を出てきたのは21時丁度だし、この辺り、日本の夜行列車とも同じような役割を果たしている事を知る。堤川(Jecheon)から乗る数十人のお客さんも或いは帰宅客が中心なのかもしれない。

 列車が走り出す。中央線の堤川(Jecheon)から先、昨日折り返した塔里(Tap-ri)までは未乗区間で本当なら昼間乗りたい、夜乗っても起きていたい区間だけど、この列車、朝4時55分には終着の釜田(Bujeon)に着いてしまう。5時間少々。眠るにはあまりに短く、明日の事も考えて素直に眠る事に努力しよう。

 夜汽車の友達。飲んできたしどうかな?とも思ったのだけど結局はビールを頂く。焼酎は釜山から持ち歩いている残り物。ビールを空け、焼酎に口をつけると強烈に眠気に襲われ、記憶が無くなる。

サイトアップ アクセスカウンタ

 サイトアップはお休み
 アクセスカウンタもチェックせず
 万歩計は14,780。普通に歩いててこれならまぁ、納得です、目標未達でも。