2022-08-05

 早朝の目覚ましがいつもよりも早くなる。金曜日の平日だが、今日は会社がお休み。例年、世の中の休みよりも早い時期に夏休みがあるのだが、今年は金曜日からの3連休。だいぶ短くなってしまった。その短い夏休みに少々出掛ける。
 昨年も一昨年もこの時期は東北に出掛けている。今年は訳あって行先は別なのだが、その東北、大雨が続いて大変なことになっている。胸が痛む。3年ぶりの竿灯が雨に見舞われ、気の毒と思っていたが、それどころではなくなった。鉄道の状況も良くないようで、心配事は色々とある。
 身支度をして、早い目に動く。膳所の駅に出て始発電車。今日は18きっぷを使う。折角なので効用を生かして新大阪まで行ってから

 リムジンバスに乗車。京都からバスの方が若干到着が早いのだが、まぁ良い。伊丹に着くと6:30過ぎ。

 7:05の出発便までは30分を切っている。ややこしい手続きはし辛い時間になっているが、今日は無問題。夏休みと言いつつ2泊なので、荷物は小さくした。だから預ける荷物は無いし、行程もややこしくないから搭乗券の発券も必要ない。
 保安検査だけ受けてラウンジに。

 軽い食事だけ簡単に頂くと早々に席を立つ。今日は19番搭乗口からの出発。

 少々分かり辛いが搭乗機が見えている。行先は

JL2051 JA248J ERJ190 ITM→FUK


 福岡である。
 先週の土曜日も同じ時間のフライトに乗ったばかり。予約した時期やら目的が全く違うのだけど、似た日程で同じ所に出掛ける事が時々あるのは、自分の管理が良くないのだろう。とにかく、乗る。
 今日は普通席。前方席を予約している。7割ぐらい乗っているだろうか。隣席も埋まる。
 7:05、定刻だが、貨物の積み込みに少々時間を要しているとの事。風と雲の影響で揺れるそうだ。間もなく積み込みが終わり、Doorclose。

 同時出発の102便が先に動き出す。その後を追うように7:08、Pushback。7:13、Taixing。誘導路を南に進むと、停められることなく滑走路へ。出だしが躓いたわりに順調。

 7:16、Takeoff RWy32R。曇りがちの伊丹の空を左に旋回、左に旋回。南へ。 

 薄らぼんやりした神戸の街を見つつ上昇してゆく。大阪湾に出て右に旋回。機首を西に向ける。さらに上昇してゆくと

 雲の上に出て7:21、ベルト着用サイン消灯。福岡着陸は8:20を予定しているとの事。
 飛行機は西に。雲が切れてくると

 瀬戸内の入り組んだ海岸線が見えている。
 飲み物のサービスが廻って来る。

 アイスコーヒーを頂く。まずは順調。これで早着するなら有難いが、ここでジタバタしても仕方がなく、身を委ねる。

 西に向かうにつれて、雲が一面を覆うようになる。地上が分からないまま7:36、降下を開始する旨の案内。5分後には揺れのためベルト着用サインが点灯するとの事。
 幸い揺れなく大人しい降下となる。7:50、ベルト着用サイン点灯。この先揺れる見込みとの事。行く先に積乱雲が見える中を下ってゆく。

 7:54、あと15分で着陸する旨の案内。雲の目立つ中、降下してゆく。雲の下に出ると玄海灘が見えて来る。8:00、Geardown。

 空は晴れているが地上は曇り空。明暗分かれる博多湾へと降りてゆく。暗い海の中道を見て、福岡市街地へ。

 平日金曜日の8時過ぎ。朝ラッシュを迎えているであろう篠栗線の電車が見える中、高度を落として8:06、Landing RWy16。8:10、Spot in SP 6。
 思いがけず10分早着。想像以上で、これなら預ける荷物があっても問題なかったかも知れない。まぁ結果論。とりあえず降機して

 乗って来たJA248Jを撮ってから階段をアップ、ダウン。動線の悪い福岡空港の中を制限エリアの外へ。

 若干の貯金をもって到着できる。ここから地下鉄駅へ急ぐと乗るつもりだった電車は次々発というタイミング。余裕をもって第一案を発動できることとなった。


 姪浜への電車を2本見送った後、

 白い車体のJR車、筑前前原ゆきに乗る。朝ラッシュのピークは過ぎているが博多から天神にかけてはそこそこ混雑。西に向かうにつれて空いて行く。地上に出ると姪浜。ここからは筑肥線区間となる。乗るのは多分20年ぶりぐらい。
 いつの間にか駅が増えていて、大学の最寄らしい駅で客が減る。6両を持て余す感じになる。ラッシュ後の気の抜けた雰囲気が漂う中、空港から40分少々。筑前前原到着。

 6両編成の真新しい電車はここまで。空港へと折り返す。この先は

 103と前面に書かれているから103系と分かる電車が停まっている。こちらがこの先、唐津方面まで足を延ばす。前に乗った時は唐津福岡空港を直通する電車が多かった気がするが、この20年ですっかり分断化が進んでいる。
 馴染んだ顔とは異なる顔を持つ103系が動き出す。走りは103系そのもの。

 窓外の景色も田舎そのもので103系の舞台らしからぬ景色。ただ、まとまった数の103系が生きている路線を並べると、播但線加古川線筑肥線ぐらいしかない。みんなこんな田園風景か。都会電車らしい最後の103系和田岬線の物と言う事になる。
 青空が広がるのだが、

 ちょっと前まで強く降られたのか、先頭の窓は雨に濡れている。福岡空港へと降りてくるときに見た、積乱雲を思い起こす。
 窓外に海が見えるようになる。

 宮崎や鹿児島から福岡に向かう時に見える玄海灘はこの辺りだろうか。この時間、海には日が当たり、空に沸き立つ雲と共に夏の景色を作り出している。
 昼間の筑肥線筑前前原から西のローカルっぽい区間でも30分に1本は電車が走る。時々、上り列車とすれ違うことになる。

 派手な103系がやってきて、入れ替わり、こちらの派手な103系が発車する。その繰り返しで西に、西に。
 海がちらちら見える筑肥線の線路を西に向かう。ロングシートの電車から見るにはちょっと勿体ない景色。
 列車は唐津市内へ。

 松浦川の向こうに小さく唐津城が見える。ふと、宮脇俊三先生の時刻表二万キロの一節を思い出す。唐津でふらっと降りてしまい、唐津-西唐津の一区間を乗り残して、出直した時の件だ。
 今日乗っている列車も唐津から先、西唐津まで足を延ばす。乗って来たお客さんがだいぶ降りて行ったが、つられて降りる事は無く、後の1駅、西唐津まで。

 ホームが一つあるだけの寂しい駅に到着する。

 車庫のための駅、のようにも見える。昔は石炭の積み出し拠点であったらしい。

 駅の出札、改札は閉鎖中。昼間は駅員の扱いが無いのかと思ったが
www.saga-s.co.jp
 この3月で無人化されていた。
 この無人駅のホームに数人お客さんが汽車待ち中。そんな中、向こうの車庫から出て来たのは

 原色がいかにもJR九州らしい気動車。キハ125単行の佐賀ゆき。全てのカーテンが閉じられた車内に入る。そのおかげか少々涼しい。1ボックスを1人で座れる程度の乗り具合で出発する。
 列車は来た道を引き返して唐津。お客さんを集めて南へ下る。佐賀ゆき、と示す通り、先程来た筑肥線ではなく唐津線を上る。郊外のロードサイドみたいな景色が広がる中、古い鉄の道を松浦川に沿って進む。
 途中、筑肥線とのジャンクションである山本で列車行き違いのため少々停車。

 草生した山本の駅構内。JR九州のローカル線は本当、除草しない。昨年乗った吉都線もそうだった。廃駅かと思う荒れ具合だが、日傘をさして炎天下列車を待つ人が見えたから生きている駅であることを知る。

 国鉄時代の姿を伝えるキハ47が2両現れる。こちらも入れ違いに発車する。伊万里へ向かう筑肥線と別れて、佐賀へと続く唐津線の線路を進む。
 平日の午前中、人の動きが少ない時間だが、割と大きな駅が現れると人が降りたり、乗ったり。案外と動きのある展開になる。そして徐々にお客さんが増えて来る。先程、山本では写真を撮ろうと席を立つ事が出来たが、ボックス席で相席となり、さらに座ってくる人がいて、いつに間にか4席全てが埋まる。思ったよりも乗り具合の良い今日の唐津線
trafficnews.jp
 日頃お客さんの少ないローカル線ばかり見てきたからか、新鮮な気分である。が、立客大勢になって明らかに冷房が効かなくなり、少々暑苦しさを覚える。
 1時間程で立派な幹線に合流し、長崎線との接続点、久保田に到着。列車は佐賀まで行くが、今日は久保田で乗り換える。

 ドアは前後両方開いて、駅員さんがいる扱いなのだが、跨線橋を渡り、駅舎まで行くと駅員はいなかった。

 ここも無人駅に扱いが変わっているのかも知れない。
 時刻は11時半を過ぎている。日差しが強い中、待つ事しばらく。間もなく

 長崎線普通列車がやって来る。先程の気動車は冷房が効かず暑苦しかったが、こちらの電車は冷房が効いており、ありがたい。
 久しぶりに乗る大幹線はやはり線路が立派。その立派な線路をとにかく飛ばす。飛ばしに飛ばして二駅目、肥前山口に8分で到着。列車はこの先、長崎本線肥前浜まで行くが、肥前山口で10分停まる。優等列車行き交う中を進む普通列車らしい走りだ。とは言え自分は乗り換え。佐世保線に進む。
 乗換先のホームに停まるのは先程と同じ姿形の電車なのだが、それより目を惹くのは

 ラッシュ屋と思しき4両編成。白地に青帯は最近のJR九州のセンスと間反対な姿。415系である。時間少々の静寂。そこに特急列車の到着が案内。上りは佐世保線からみどりとハウステンボス。派手派手なハイパーサルーンがやって来る。下り線には白いかもめ。かもめが白いのは当たり前かも知れないが、JR九州には黒いかもめもいるし、赤いみどり、なんて前科もある。
 こんな長年続いてきたであろう長崎本線の景色。それを切り裂くのが

 こちらのかもめ。来月9月に控えた長崎新幹線、じゃなかった、西九州新幹線の部分開業を告げるポスターが江北駅と名前を変える肥前山口駅にも掲げられる。
 特急が去ると普通列車にスジが与えられる。先に動くのは佐世保線へと向かう早岐ゆきの普通列車。空いていた席に座るとドアが閉まる。一気に加速。特急の合間を縫って走る普通列車はすばしこい。さくさく進むと武雄温泉の案内がある。隣に真新しい高架。こちらも高架に上がっていた。

 武雄温泉の駅。西九州新幹線と在来線のホームが平面に並んでいて、階段を使わずに乗り換えできる事がご自慢の駅である。九州新幹線新八代-鹿児島中央区間開業した時と同じ扱いである。今だと高架に上がった新潟駅か。
 自分が乗る佐世保線は文字通り、長崎県北部の佐世保に向かうが西九州新幹線長崎県南部の長崎へ向かう。よって武雄温泉を出ると間もなく真新しい線路は離れる。
 今日は佐世保には行くが遠回りを予定している。しかも、

 一旦この列車の終点、早岐まで行ってから逆戻り。

 窓外に煙突が見えるようになる。銭湯ではなく、焼き物の窯だ。有田に到着。今日はここで乗り換え。
 少し時間があるので改札の外に出る。

 でっかい有田焼が目を惹く駅。時刻は13時を過ぎている。そろそろ食事をしたいのだが、外で食べる程の時間はない。駅弁はあるけど、有田焼の器が自慢の焼きカレーというもの。当然、器代込みの値段。器を持って帰るなら有りだけど、初日から有田焼の器は荷物になるので諦める。食事、どうしようかと思いつつ

 次の列車へと乗る。今度は18きっぷをお休み。松浦鉄道に乗り換えて佐世保に向かう。気動車の出入口にはICカードリーダー。この辺のJR線はICカードが使えないけど、位が落ちる第三セクターのローカル線の方がICカード使えるんだ。夏休みだが帰宅の高校生で賑やかな車内。少々の用務客を追加する。1時間毎の列車だが、まぁまぁの乗り具合。
 列車は伊万里行き。一駅毎に高校生が降りたり、少し乗ってきたりを繰り返す。遠くロードサイドの店舗がちらちら見えて伊万里の街が近づく。左手から線路が近付いてくるとこの列車の終点、伊万里に着く。
 伊万里唐津から来るJR筑肥線との接続駅。昔は当然、同じ構内だった筈だが、

 松浦鉄道の駅とJRの駅に間に道路が出来ている。これほど分断されている駅も珍しい。

 佐世保に向かう列車は7分後の出発。いい加減に空腹である。とは言え、昼ごはんを食べる時間がない。せめて何か腹に溜まる飲み物でも買おうと思う。自販機で普段は手を出さない甘ったるい缶コーヒーを買い求めた後で、駅構内にちょっとした食堂がある事に気付く。メニューに持ち帰りが出来そうなものがあったので、

 いなりとかしわのおにぎり。それに甘い缶コーヒー。成り行きの事とは言え、計画性が全くない。
 先程、有田から伊万里へ向かう列車はそこそこ乗っていたが、今度の列車は空いている。伊万里から佐賀と長崎の県境に向かう列車。県境を越える流動はそもそも少ないが、この松浦鉄道佐世保までうんと遠回りする。クルマなら国道経由で24.5㎞、40分も掛からない。バスも1時間で行く距離。この列車は80.8㎞の道のり、2時間33分かかる。
 佐世保伊万里から南西だが、列車は北西に向かう。右手の車窓、遠目に工場が見える。通勤にも使われそうな立地だが、あまり関係なさそう。ローカル駅が見えて停まるとまた動くの繰り返し。
 こんなローカル線でも列車は1時間に1本、運転がある。

 山越え迫る楠久の駅に着く。伊万里方面のホームに地元の方が二人。細々ながら使われている事を知る。

 向かいから伊万里行きがやって来た。向こうの列車も乗客は少ない様子。
 列車は軽く山越えをする。すると右手の車窓には

 海が見えて来る。この辺りもリアス式海岸。入り組んだ海が続く。
 福島口に着く。佐賀県最後の一駅であり、ここまで乗って来たお客さんはほぼ降りる様子、なんだが、

 急に雨になった。先程の晴れが嘘みたい。この雨の中、降りるお客さんが気の毒である。
 県境を越える。そのせいか知らないが、雨は嘘みたいにやむ。何かに騙されたかと思ったが、

 青空と青い海広がる窓。そこには雨粒が付いている。
 県境を越えて名前の由来になっている松浦市に入る。

 海沿いだが意外と工業の匂いがする松浦の街。元々炭鉱で栄えた所で、閉山後の産業振興で誘致しているのかも知れない。

 発電所も姿を見せる。松浦発電所前、というそのものずばりの駅もある。
 松浦から佐世保へクルマで向かうと25㎞ちょっと。時間も40分ぐらいで行ける。この列車はこの先、58.3㎞を1時間半かけて走る。当然ながら鉄道で佐世保まで行こうなんて酔狂な人はいないから、列車は空いたままである。向かいから伊万里行きの列車がやってきて、入れ違いに出発する。

 松浦から佐世保は南に下るが、列車はほぼ西へと向かう。同じ県内でも生活圏が異なるのか、全く持って列車はがら空き。

 ほんの数人も乗っていない感じ。平日の昼間、14時過ぎという人の動きが少ない時間には違いないが、伊万里を出て1時間少々。本当に寂しい車内が続く。
 南の佐世保を目指す列車は西へ。昔は石炭を運ぶ事が目的だったから良いのだろうが、今時の流動には全く合わないまま、西に西に向かって

 日本最西端を名乗る駅に着く。昔読んだ鉄道大百科的な本でも紹介されていたから良く知っている。まぁ、21世紀になって沖縄にモノレールが開業すると更に西に那覇空港駅が出来たから、正確に言うと最西端では無いけど。
 伊万里からずっと乗って来た地元じゃなさそうな人が一人降りてゆく。これで伊万里から乗り通しているのは自分の他には運転士だけになった。

 佐世保からの列車と入れ違い。列車はたびら平戸口を出ると左にカーブ。ちらっと平戸大橋が見える。この辺りが本州日本最西端の線路だろう。ここから佐世保までクルマなら32㎞。45分ぐらい。松浦鉄道だと佐世保まで42.6㎞ある。だいぶ差が埋まった。列車は大括りにいうとリアス式海岸沿いを進む。目の前の景色は山越え。海沿いも海と言うより河口のようなところが目立つ。

 ぴったり30分毎に列車とすれ違いつつ伊万里から数えても2時間が過ぎる。佐々を過ぎるとお客さんが少しずつ増えだす。ようやくまっとうに曲がりくねる鉄道でも佐世保まで遜色なく行く事が出来る土地に辿り着いたのであった。駅の掲示には、朝の混雑状況なんて表示も出ている。昼間だけ見ていると乗る人のいないローカル線と思えて来るが、平日の朝晩はしっかり使われている事が垣間見える。
 列車は佐世保市内へ。とは言え真っすぐ中心へ、とは行かず途中にどんと構える弓張岳を迂回して

 谷筋にある街を横目に最後の峠越え。佐世保市内のちょっとしたピークを越えると、また谷筋に沿って下る。川面に張り出すように建つ家。水害があると大変だろうなぁ、とふと大昔の長崎大水害の事が頭に浮かぶ。

 終点を目の前にすれ違う列車は佐々ゆきだった。佐々と佐世保の間は昼間でも30分毎。朝晩は20分毎に運転がある頻発区間。稼ぎ頭らしい光景となった。
 佐世保中心市街地に細かく停まり、終着の佐世保へ。既に夕方4時を過ぎている。さすがに長かった。
 この先も引き続き汽車旅が続くが、少々時間がある。折角の佐世保なので

 駅構内にあるハンバーガーショップに寄って単品をお買い上げ。持ち帰りにして次の列車の中で頂く事にする。幸い

 既に次の列車は構内でドアを開けて待っている。出発まで30分少々間があり、

 客は殆どいない。

 サッポロ生ビール黒ラベルと共に、佐世保バーガーを頂く。焼きたての熱々バーガーと冷たいビール。今日ようやくまともなものを食べた、かも知れない。
 次に乗るのは長崎ゆきの普通列車。見慣れない気動車が3両連なっている。YC1系と言うそうだ。キハとかオハとかクモハユニとか、国鉄制式から逸脱した車両形式にも慣れてきたけど、また異種が出た。YCって何って思ったら、

 「YASASHIKUTE CHIKARAMOCHI」とある。「優しくて 力持ち」思い切り日本語であった。電気式気動車。最近増えたディーゼルエレクトリックだ。

 博多に向かう特急列車が先に出発。こちらも出発時刻が迫ると乗客が増える。わずかなボックスシート。大多数のロングシート。どちらもさらりと埋まる。
 列車は長崎に向かってまずは早岐へ。動き出すと一瞬のそっとした感じ、次いで力をもって加速する。気動車の加速とも、電車の加速とも、ちょい違う感じ。6月に乗った北海道のH100ともちょっと違う感触。
 一駅毎に列車とすれ違う。こちらと同じYC1も姿を見せる。
 早岐に着く。昼間以来、5時間掛かって一周したことになる。少々停まる間にお客さんが入れ替わって非電化の大村線へと入る。当然ながら、加減速の感触は変わらない。

 車窓にはハウステンボスが見える。夕方5時過ぎ。観光客らしいお客さんの出入りはなくそのまま出発となる。
 列車の車窓に大村湾が見えて来る。

 外海とつながるのは先程のハウステンボス大村線に間にあった早岐瀬戸、そのハウステンボスがある針尾島の向こう側にある針尾瀬戸だけ。車窓から見える大村湾はほぼほぼ湖にしか見えない。琵琶湖とどっちが大きいのだろうと思ったら

 琵琶湖 670㎞^2
 大村湾 320㎞^2

 ダブルスコアであった。
 琵琶湖の半分と言っても、この先、しばらく車窓のお供となる大村湾が大きい事には変わりなく、

 ずっと付いてくる来ることにも変わらない。線路も海岸に張り付いたり離れたりを繰り返して大村湾に付き合っている。
時々列車行き違いのため停車となる。少々間があるのでホームに出る。

 向かいからやって来る佐世保行きもYC1系の2両。入れ違うにこちらの列車も出発となる。

 再び大村湾沿いに南下する時間。西の向こうに日が傾き始めている。時刻は18時前。関西でもそろそろ夕暮れと言う時間だが、子午線よりだいぶ西に来ている長崎はまだまだ日が高い。
 そろそろ帰宅時間なのか、ところどころで帰宅客が乗って来るようになる。そういえば今日はまだ平日だった。この人達はどこまで行くのだろう。

 車窓に真新しい高架が現れる。武雄温泉以来、ずっと離れたままだった西九州新幹線の線路だった。大村には車両基地もあり、初めてN700S系の姿もちらっと見る。
 大村で乗り降りがあって総じて乗客が増える。ちょっとしたラッシュ模様は諫早までだった。列車は長崎線に乗り入れて長崎まで行くが、少々落ち着きを取り戻す。諫早からは高校生が少々乗って来たが、今度は一駅、もう一駅行く間に降りてゆく。
 長崎線のこの辺り、新線と旧線に分かれる。その旧線に入ると

 姿を隠していた大村湾が再び現れる。先程から40分程、時刻は18時半を過ぎて夕暮れの雰囲気が濃くなってくる。そんな中、大村湾に沿って走って来た1時間半。

 最後に海をちらっと見ると長崎市街へと続く峠道に差し掛かる。谷間の右手に広がるミカン畑が素晴らしいが、既に夕暮れ。谷間には日が当たらない。
 低い峠を越えると谷間が長崎郊外の様相を示す。薄暗くなった長与の駅で対向列車待ち合わせ。

 駅前にマンションが建つという今までにない景色の中、長与止まりの列車がやって来る。この辺まで来るともう長崎市街地の様相。
 谷間に広がる長崎市郊外が徐々に賑やかになる。長崎の一つ手前、浦上で先程別れた新線と合流。長崎市街地を行く。見慣れない高架線を行く。新幹線の線路はどこだろうと思ったら、長崎駅のうんと手前で左手から現れた。市街地直前までトンネルで引っ張って来たらしい。
 長崎駅に着く。

 隣に白いかもめが停まる。在来線の景色もこの夏が最後になる。

 長崎から博多は在来線特急でも所要2時間。19時台でもまだまだ30分毎に博多へ向かう特急が出てゆく。最終はこの後、21:37。今から飲んでも十分に博多に戻れる。

 一方、新幹線開業の準備も順調に進んでいる。何か、明日からでも走り出せそうな雰囲気が漂っている。
 今日は長崎駅近くのホテルを取っている。本当は長崎駅直結、のつもりで予約したのだが、長崎駅自体が高架に上がって、遠くなったから直結では無かった。工事現場の仮設通路見たいな所を歩いて、5分程。


 駅構内と違って全く準備が整いそうにない駅前の様子がホテルから見える。
 時刻は19時半過ぎ。夕食を頂くべく、少し出かける。駅前から繁華街へは路面電車に乗るのが良いのだろうが

 路面電車を眺めて歩く。この時間も暑く汗が流れる中、20分弱。思案橋のあたり、目星を付けていた店の中から適当に1軒。

 泡まで旨いビールが身に染み入る。

 岩ガキがあったので頂く。薬味も醤油もいらない。このまま頂きたい。

 ひらす、という魚を頂く。何か分からなかったが、一般的にはひらまさ、と言うらしい。それなら多少の聞き覚えがあるが、馴染みが無いのは一緒。

 野菜は焼きナスにしてみた。

 ついつい飲みすぎそうになるが、飲みすぎないうちに打ち止め。帰りも歩いて駅前まで。続きは部屋飲みにしておく。結局、飲みすぎたけど。

【サイトアップ アクセスカウンタ】

 サイトアップはお休み
 アクセスカウンタは機能せず
 万歩計は17,603