佐世保で梯子

 おおよそ7年ぶりの佐世保。駅が高架に上がって様子がだいぶ違うけど、街の雰囲気はだいたい覚えている。まずはすっかり有名になった佐世保バーガーを志す。特に予備知識はないけれど、適当に歩けば適当な店があるに違いない。ちょっと歩いてアーケード街の方へ。たどり着いたのが

 ビックマンというお店。注文してから席が空くのを外で待ってねという不思議なスタイルなので慣れないそのシステムに従う。外で待っている人が多かったからそれなりに時間が掛かるのを覚悟したけど、テイクアウトの人も多いようで意外と早く順番が廻ってきた。

 全部で10席あるか無いかの小さな店内で待つことしばし、

 ベーコンエッグバーガーが出てくる。¥500。ファーストフードのバーガーとは全く別の食べ物。厚く、熱いのを美味しく頂く。
 もう一個ぐらいは行けるよね、と街中をぶらぶら。

 一つ入った裏通りは閑散。
 吉野家に大行列が出来ているを横目に駅まで戻ってくる。観光案内所でパンフレットを貰おうと構内に入る、

 ここにもあった、特大食料。最近の流行なんでしょうかねぇ。分かりません。
 駅中にLOG KITと言う店がある事が分かったので向かってみる。

 こちらはテイクアウト専門のお店。注文して暫く待って持ち出したのが、

 USバーガー。¥650。レタスにトマトにパテに玉ねぎ。至ってシンプルで大きな一品。こちらも熱くて厚い。さすがに満腹。もう佐世保バーガー、いいや。次の機会にしようと駅の改札へ。本来の宿泊地へ向かおう。待っているのは

 長崎へ向かう快速列車。キハ66+キハ67。国鉄急行型の末裔、というべき車両だ。あまり期待していなかっただけにちょっと嬉しい。先頭車は混んでいて二両目は空いているから二両目、大村湾が見える右手のクロスシートに座る。
 ほぼ満席になって出発時刻。こんな緩やかな加速だったかなぁと思いつつもその加速に身を委ねる。没落感漂う早岐の駅から大村線に入る。随分前に乗っているけどあんまり記憶に無いからしっかり眺めて行こうと背を伸ばす。

 これも前に乗った時の記憶がないハウステンボス。さっきの空港バスでしっかり眺めたからまぁ良いのですが、早岐からここまでの車窓では、観光気分は盛り上がらないよなぁとちょっと思ってみたりする。空港からのバスでは降車客が目立ったけど、午後の中途半端な時間帯の列車ではあまり動きは無く、こちらは発車。すぐに南風崎の古びた駅を通過してようやくと言うべきか、快速列車の本領発揮。先ほどバスで通った道になぞり返しとは言え、線路の方が海側を行く。従って、

 シーサイドライナーの名に恥じない景色が広がる。大村線がこんなに涼しげな路線だったとは、認識を改めなくてはならない。海と付いたり離れたりで南下してゆく。内海のような大村湾だけど対岸は霞に溶け込んで分からない。だからまるで大海原を右手に走る気分。でも大海原が離れて行ってまもなく、記憶を失った。目覚めると長崎本線との合流点、諫早。少々停まるというのでホームに降りてみる。

 島原鉄道気動車が姿を見せているのを眺めて列車に戻る。まもなく発車。長崎本線に入りこみ、軽く流すかのように走り出す。新旧両線が分かれる喜々津で特急の待避すると後は長崎市内浦上まで一直線の山道。トンネルと谷が交錯する景色を眺めていたら旧線のみかん畑が広がる景色を何故だか思い出した。

 長崎には定刻に到着。

 ホームには朱印船の大きな模型が展示中。
 冷房の効いた車内から降りると湿気に包まれ、強い日差しを浴びているとなんだか一足早く夏が来ているような気分になる。ひとまず荷物をホテルに放り込む事にして駅前からホテルへ。山のずっと上まで続いてゆく街並みに半分呆れつつ、

 路面電車の釣り掛けモータ音に萌えつつ。
 ホテルにチェックイン。ちょっと夕方まで間がある。観光というほどではないけどさるくの街をぶらついてみよう。出島をちらっと横目に見て、港のほうへ。

 港があって、山が迫って。いい街だなぁと思いつつ、街歩き、スタート。さっそく、

 見つけたのがアイスの販売。いわゆるチリンチリンアイス、という奴。秋田のババヘラアイスを思い起こす所だけどこちらは若い男性が売り子をしている。

 100円也のチリンチリンアイス。すぐに溶け始めるので慌てて食べる。
 中華新地を目指して歩いてみる。意外と近くて簡単に

 門が見つかる。あまりに近くて物足りないのでもう少し奥まで。そろそろ坂になって来て登ってゆく辺りが元唐人街。


 過去と現在が交錯するような不思議な空間をうろついて見る。生活空間に息づく歴史。
 不思議な唐人町を後に中華新地へ。意外と狭くて何となく入る店も無く、

 いつの間にか電車通りに出ている。長崎の街は意外と小さい、と言うより長崎の平地が狭いんだろうなぁ。
 ホテルの近くに戻り、何となくコーヒーを飲んだ後で夕食は適当にホテルの近く、

 小さな店に。地元の人が二組いたからほっとしたけど、食べてみると

 大した事無いなぁ。長崎の人にお勧めのちゃんぽんを聞いたら「リンガー○ット」と言われた何て話を聞いた事もあるけど、あながち笑えないかもなぁ。