2021-12-19

 日曜日、少し早い目に起きだした。今日はビワイチ、最後まで歩き切りたい。近江八幡の郊外、長命寺からの残る区間をやっつける。朝食を頂き、7時半過ぎには家を出る。まずは近江八幡まで行くべく、石山まで歩く。

 京阪電車を見つつ石山の駅まで。適当に出て来たので電車まで若干の間がある。

 下りホームで草津線からの直通電車、113系の8両なんて堂々とした様子を見てから上りホームに移動する。改めて新快速。今日歩いて戻る道を20分少々で走る。途中、

 比良山地の雪景と収穫の終えた田園風景だった景色が途中で

 雪化粧した田園風景に変わる。近江八幡まで来たけど道が悪くて歩けない、なんてこと無いよなぁ。
 とりあえず近江八幡着。もはや18きっぷを使うまでもないので定期券の乗り越しで対応できる範囲になる。バスに乗り換え。こちらもIC定期になって、普段乗る運賃以下の区間であれば、どこでも乗れるようになっている。さほどの持ち出しが無く、長命寺までは行き来できる。
 バスはそこそこ乗客。でも八幡堀のあたりとラコリーナで降りてゆく。途中で自分一人になった。

 近江八幡郊外に出ると歩道に雪が残る状態になる。道も凍っている様子。凍った道自体には免疫があるけど、時速5㎞ペースで歩く自信は全くない。
 長命寺に9時過ぎ到着。

 ここまで来たバスを降りる。デジャブ感があり、先週の写真を見ると同じ形の同じ広告バス。同じ車両かと思ったら後でナンバーが1番違いだったことに気付く。

 長命寺港を見てビワイチ、6日目のスタートとなる。昨日をノーカウントとするなら目標は瀬田唐橋経由自宅。昨日をカウントすると7日目となり、ピエリ守山の先、琵琶湖大橋東詰が目標となる。どちらにするかは決めかねるが、すっきりするなら自宅ゴールだろうなぁ。
 歩き出す。幸い、歩道には雪が無かった。これなら時速5㎞ペースが保てる。
 今日は北湖エリアも晴れている。

 琵琶湖の対岸、北小松のあたりだろうか。雪化粧しているのが良く分かる。比良の雪景色も分厚く、雪に存在感がある。
 お昼までに、まずはピエリ守山と決めて歩く。15㎞程度の筈で今までのペース通りなら行ける距離。しかしこの15㎞。集落らしい集落は無く、何かあった時に頼りになる公共交通機関にも恵まれない大変なルート。

 さざなみ街道。青いラインのビワイチルートを自分の脚を頼りに歩くだけ。
 途中、琵琶湖に突き出た岬を小さく山越えする区間がある。この区間が歩道工事中。ビワイチルートを整備していますという有難い工事なのだが、今は通行禁止。歩行者はこちらへ、と迂回ルートを通ることになる。

 湖水浴場を見て

 落石注意の看板がある道を行く。湖岸を忠実になぞるビワイチならこちらだろうなぁ。クルマの喧騒が消えたので落石さえ気にならないなら、良い道ではある。

 10時過ぎ、日野川の河口に差し掛かる。篠原駅の近くを流れる川だから、1時間で1駅進んだ感じにはなる。駅と川が完全に対になる訳じゃないけど、まだまだ先は長い。12時にピエリって大丈夫だろうかという気にはなる。

 10時半近くになってようやく近江八幡野洲の市境まで来た。そしてここの0㎞の表示。さざなみ街道と言うよりは湖岸の道路が堤を兼ねていて、そちらの管理用らしい。堤防の草津エリアを管理する用の表示らしい。近江大橋の近くは確か26㎞ぐらいの筈で、この先の目安にはなる。先を進む。

 相変わらず比良の山は美しく、琵琶湖の青も美しいのだが、風が強い。ずっと吹かれての歩き道。晴れているからまだ何とかなる。琵琶湖の北側、北湖でもさらに北のあたりは黒い雲が出ている。今津や木ノ本は雪景色なのだろうと想像する。マキノや今津辺りで道路に設けられた消雪パイプを思い出す。

 時折湖岸の写真を撮りつつ、先へと進むさざなみ街道。立派な歩道があるが歩く人はまずいないのでマスクを外している。ずっと強い風に吹かれていると何か唇が乾いてくる感覚がある。妙な違和感を覚えつつ歩く。
 10:45、久しぶりにキロポストにあたる。

 瀬田唐橋から165㎞。

 瀬田唐橋まで28㎞。追い詰めた。今日は絶対歩き切る気持ちの方が高くなる。昨日の事が無かったことになっている。
 マイアミ浜、という所を通る。オートキャンプ場なんかがあって、流行のキャンプを楽しんでいる人が目立つ。でも何でマイアミなんだろう。
maiami.info
 なんて記事も見かけたけど。
さざなみ街道を西に向かう。琵琶湖を右手に。平野を左手に。琵琶湖の影に隠れて気付かないけどこの辺りの近江平野、どこまでも続く田園、穀倉地帯である。戦国の頃は穀倉地帯からのコメと琵琶湖の水運で京の都に睨みを利かせた、というけど、そのことが歩いていると良く分かる。今となっては琵琶湖の水を止めるぐらいしか京都に対しては言える事は残っていないけど。
 さざなみ街道の左手に
mentai-park.com
 が見えて来た。先日開業したばかりの新しい施設で人が結構押しかけている。琵琶湖で明太子?というのはどうしても理解できないが、常滑で明太子?と同じぐらいの遠さか。淡海である分、琵琶湖の方がより遠いかもしれない。でも

 相当、結構人気な様子。開業御祝儀かも知れないけど。歩いてビワイチの途中で明太子を買ってもさすがに持ち歩けないので、ここは完全にスルーする。先を急ごう。

 今日は三角州から三角州へと渡り歩くような道のり。野洲川の河口を挟んで向こう側にびわ湖マリオットホテルの建物が見えて来る。ここまで来るとピエリ守山も近づいている。だいぶ歩いた手ごたえを覚える。

 野洲川の河口に見晴台。比良の山地が良く見える。
 11:30過ぎ、またキロポスト。今回のラップタイプ。少々速い。

 瀬田唐橋から170㎞。

 瀬田唐橋まで23㎞。
 瀬田の唐橋も近づいたし、当面の目的地、ピエリ守山もだいぶ近付いた。その途中、マリオットホテルの近くに 

 映えを狙っていそうな「BIWAKO」のモニュメント。残念なのは影が掛かる事。太陽の高くなる時期なら良いのだろうけど、太陽の低い冬の時期は難しい。真っ白に真っ青な湖と空なら絵になるんでしょうけど。

 守山起終点のビワイチ地図も掲示されている。瀬田唐橋起終点だと一周193㎞なのだが、守山だと192㎞。まぁ統一ルールなんて無いのだろうから。びわ湖放送で流れる「♪びわこ一周200キロ」のメロディが頭に残るので自分の中では琵琶湖一周は200㎞である。
 12時を少々過ぎて、ピエリの手前。

 季節外れの菜の花畑があって雪化粧した比良と強烈なコントラストを作っている。ずっと冬の中を歩いてきた気持ちでいたが、ここだけ切り出すと、琵琶湖は春模様。
 長命寺から3時間。時速5㎞のペースをほぼ守り、午前中の目的地、ピエリ守山に着く。

 明るい廃墟で名をはせたのは昔の話。再生して一応は普通のモールとして営業中。ここで休憩兼食事とする。今日はピエリまで妻が来ていて、合流。昼食だけは一緒に頂く。昨年来た時には無かった
teddysbiggerburgers.jp
 ハワイ本拠のハンバーガー店がある。関西では唯一、だそうだ。そういう店を引っ張ってきて何とか立地の難を克服するんだろうなぁとは思う。とにかく、妻と落ち合い、ハンバーガー店へ。思ったよりは空いていた。というかピエリ守山自体、やはり集客には苦戦しているようだ。同じ時間帯のイオンモール草津に比べると、人は少ない。

 そんな訳で適当な食事と豪華な食事のフリッカーが続くビワイチ昼食事情。そして連続蕎麦が途切れた途端に多様性社会の具現になる。
 妻にご馳走になり、13時。後半戦に踏み出す。昨日、琵琶湖大橋東詰まで来ているけど、やっぱり自宅まで歩き切りたい。まずは

 ここから後半戦。琵琶湖の南湖、東岸に進む。昨日も歩いた道だけど、今日は

 琵琶湖大橋の向こう、今日は青空の世界。間違いなく今日歩いた方が良かった。後は明るいうちに瀬田唐橋まで歩き切れるか。昨日の感じだと3時間で着くのは難しそう。
 だんだんと人家が少なくなってゆく。バス路線も無くなり、右には琵琶湖。左には田圃、何だけど

 時々内湖が現れる。向こうに近江富士の三上山。三上山の向こうは曇り空。鈴鹿山地も雪らしい。近江は四方八方みんな雪。雪雲に大津まで攻め込まれないうちに歩き切りたいが

 風雲急を告げる。ではないけど、日が翳る。すると風だけが残り、温もりを容赦なく奪ってゆく。14時半近くになって琵琶湖博物館の前。道の駅もある。一瞬農産品でも買っていこうかと思ったが、重たい荷物をもって歩くのも辛いのでやめておく。先を急ぐ。

 行先に瀬田、大津の文字が見えて目的地が少しずつ近づいているのは分かる。とは言え昨日の感じから行くとまだ2時間ちょっと掛かる、か。

 15時を過ぎて対岸が大津になりつつある。まだまだ石山坂本線の坂本側。とは言え、叡山が見えるようになると帰って来た感じが強くなる。
 15:30前。久しぶりにキロポスト。

 瀬田唐橋から185㎞。

 瀬田唐橋まであと8㎞。2時間掛からずに着けそうな目途が立ってきた。あと2時間以内。さざなみ街道の向こうにびわプリンスホテルが見えて来る。大きな街には大きなホテルという琵琶湖岸の法則。大津にも当てはまっていた。でもホテルが見えてからが案外と遠いんだよなあ。

 徐々に大津の街がはっきり見えて来る。

 左にプリンスホテル

 右にはびわ湖ホール。ずっと湖岸と田園の景色を見続けて来た眼には大津が大都会に見える。田園の向こうには草津のマンション群も見えるのだが、不思議と大津の存在感の方が強い。びわ湖と叡山に挟まれた狭い土地に密集しているからかも知れない。逆に草津は周りは田園だからいくらでも開発の余地があり、周辺人口も多く、人が集まるから賑やかになる。
 帰帆島公園に差し掛かる。ここへのアプローチが橋になっていて、アップダウンがある。その一番高い所の風が強い事、強い事。

 16:20頃、近江大橋が見えて来た。琵琶湖大橋から3時間半ぐらい。想定の通りではあるが、だいぶ夕暮れの気配が迫っている。休憩も取らずに歩き続けているが、日暮れ前に唐橋に着きたい。もう少し頑張る。
 16時半前、近江大橋を越える。

 目の前の琵琶湖。すっと窄まってゆくのが見える。琵琶湖を追い詰めた。そんな言葉が頭に浮かぶ。思った以上の高揚感。そして

 大津市に帰って来た。いや、今日も大津市から出発しているが、大津市に帰った感の方が強い。ビワイチ2日目、北小松から白鬚神社に向かって高島市へと突入して以来の大津市復帰だ。
 更にキロポスト。

 瀬田唐橋から190㎞。

 瀬田唐橋まで、残り3㎞。追い詰め感が更に高まる。
 3㎞。今までのペースなら所要36分。でも16分で

 琵琶湖の最果てにたどり着く。塩津の浜を見たのが12月11日のお昼過ぎ。そこからの戻りが本当に早かった。とは言え、様々な表情の琵琶湖を垣間見て、最後の一区間瀬田川となる。
 遠くをちらっと貨物列車が走り、117系が走ってゆく。少し遅れているように思える。16:45を過ぎて 

 瀬田川の橋梁。新快速が通り過ぎる。あと少しで唐橋。


 琵琶湖の水位、-47㎝だそうだ。だいぶ回復してきた。放水量は絞った状態が続いている。琵琶湖の水、9割止めた状態が続いている。
 そして17時ちょっと前。

 唐橋が目の前に現れた。暗くなる前に何とかゴール。

 出発地が乱立しているが、ここがスタートではなく

 唐橋を渡り、横断歩道で工事している側の歩道に渡って、中洲まで。


 17:06、唐橋ゴール。
 辛うじて明るいうちに到着となる。
 さて、自宅までは、歩いて戻ろう。歩く間に夜のとばりが降りる。

 東の空から月が出て来る。自宅まであと少し。寒いんだけど、見とれる。

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